(涼)何で…。
(すばる)おねえちゃん!私は誰も救えない。
(祐一)里見くん!
(幸子)メールしたんだけど返事がないの。
何か慌てて出てったから心配だわ。
(一郎)まあ子供じゃないんだから。
(幸子)大変な仕事よね…。
うんそうだなぁ。
自分の時間もねえし守秘義務ってんで家族にグチる訳にもいかねえし。
ううん。
…っていうよりあの子ほんとにつらい時も何にも言わないんだもの。
(近藤)聞いたよ。
ご苦労さんだった。
事務局長…。
すぐに報告書を書きます。
急がなくていいよ。
(原)里見さんすみません。
江墨リハビリ病院から至急里見さんにご相談がって電話が。
はい。
もしもしお電話かわりました里見です。
はい。
分かりました。
すぐに伺います。
(看護師長)あっ里見さんご苦労さま。
お待たせしました。
いえいえ。
交通事故で搬送されてきて半年入院されてた方でね申し訳ないんだけれどもうちではもうお引き受けできないから転院をお願いしたの。
そしたら奥さんがそれなら自宅でリハビリをさせたいって急に言いだされて。
そうですか。
お会いできますか?ええこっちです。
笹野さん。
(みき)はい。
社協の方お連れしましたよ。
あっ。
すいません。
はじめまして里見です。
あちら笹野さんご夫婦。
奥さんのみきさんです。
ごめんなさい。
今お客さんにお会いする前にちょっときれいにしようって言ってて。
よろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。
ご事情は簡単にお聞きしました。
もしかして吉岡さんのとこの?えっ?クリーニング吉岡さんのとこの?はい孫の涼です。
あ〜やっぱり!私たち餃子屋の「ささやん」です。
一口餃子の?はい。
(みき)やっぱり転院は難しいです。
これ以上この病院でお世話になれないんだったら自宅に戻ります。
いや…私はねお一人での介護は大変だろうって話をしてるんです。
ご主人の啓さんは交通事故後心肺停止で脳に酸素が届かず高次脳機能障害が残りましてね。
高次脳機能障害…。
配達中にトラックにぶつかっちゃって。
しばらくは意識もなかったんですけど今は車いすに座ってられるぐらい回復したんですよ。
それでも記憶と体に重い障害が残ってるんです。
まだお若いので介護保険が適用にならないでしょう。
高齢者のようにデイサービスも受けられない。
そうですね。
食事や入浴を支援するヘルパーさんやリハビリの手配ならお手伝いできますが日常の介護となると奥さんのご負担は相当なものです。
私頑張ります。
こんな遠い所に転院したら引っ越さないとならない。
住み慣れた家で記憶にいい刺激を与えると好転する場合もあるって先生おっしゃったじゃないですか。
夫もうちに…あの店に帰りたいはずです。
みきさん…。
涼さん。
間違ってますかね?
(看護師長)ご主人は早くにご両親を亡くされてるみたいでね。
奥さんのご実家も遠くて。
金銭的な援助はできないみたいなんですよ。
突然の事で大変なショックでしょうね。
こういう場合病院に預けっきりでお見舞いにも来られなくなってしまうご家族も少なくないのに。
気丈だわ。
(みき)今日は…これ食べたもんね?これかな?う〜ん青りんご味とか…どう?
(みき)う〜ん…じゃこれか。
いろんな色あるし。
啓ちゃんの好きな色。
緑。
覚えてる?私ね1日も早くこのお店再開したいんだ。
みんなはね一人じゃ無理だって言うんだけど。
でも営業してないと手放すしかないでしょ。
どうぞ。
私ね…あの人の声を聞きたいの。
もう一度聞きたいの。
みきさん。
事故に遭って意識を取り戻した時にね一度だけ病室で彼私の顔見て声出したんですよ。
「サトちゃん」って。
えっ?私旧姓佐藤で初めて会ったころ彼私の事そう呼んでたの。
彼今記憶がほとんどないのに彼の中に私は残ってる。
(みき)私…それだけを支えにこれからも生きる事ができるってあの時思ったんです。
みきさんは強い!本当にここでご主人を見る事を望んでるんですね。
はい!ここに手すりを付けましょう。
障害者の方のご自宅をリフォームするための助成金があります。
それを申請しましょう。
いいんですか?それと…。
ここにスロープを作りましょう。
ご主人車いすのまま家の中に入れますよ。
涼さんありがとう!よろしくお願いします。
(近藤)そうなんです。
南あらき町の件でこちらにもマスコミの取材が。
はいすぐ伺います。
(梶田)里見さん。
どうした?三輪が何度も通って気にしていた独居の男性亡くなってたんですよ。
えっ?
(沢木)まなかが訪ねた時に発見してね。
(梶田)孤独死です。
あっ里見さん。
まなか…。
大丈夫?
(まなか)一人じゃないって伝えたかった。
伝えたかったです。
まさかと思ったんです。
いつも扉の隙間に挟んでおいた名刺必ずなくなってたのに今日はそのままだったから…。
11時15分死亡確認されました。
社会死判断。
警察に引き継ぎます。
(警察官)了解しました。
先輩。
私はほんとに…誰かを救った事なんかあるんでしょうか?みんなの役に…ほんとに立ってるんでしょうか?私が未熟だから…一人の命を救えなかったんだとしたら…。
届かなかった…。
届かなかった。
里見さん。
あれはないんじゃないですか?えっ?三輪は…。
あいつはいつもあなたのまねをしています。
そもそも制度の狭間で支える仕組みもないのにCSWが一件ずつの案件に入り込んでいたら燃え尽きちゃうんです。
こういう時に何ですか?あれ。
全然答えてあげてないじゃないですか。
でも梶田くん。
私はね木を見て森を見ないって感じが里見さんにあるとは思うの。
ごめんなさい…。
でもじゃあ森だけを見てて木の1本ずつを助けられる?やっぱりそれ無理だわ。
僕が言ってるのはCSW自身の心が折れてしまったら元も子もないって事なんですよ!みんなが里見さんのように強いって訳じゃないんですよ。
(康)あれ止めた方がいいぞ。
(敬子)そうだね。
ちょっとミッチー。
ウーロン茶だからってねそんなに飲んだら体に毒よ。
恋だな…恋。
えっ?
(光良)敬子さん!はい?涼さんが悲しい顔をするのはなぜですか?教えて下さい!知りたいんですよ僕は。
あの子ね…神戸の大震災で被災してるの。
えっ?その時に最愛の弟さん亡くして…。
生きてりゃちょうどミッチーぐらいだろう。
なあ?うん。
それでこっちにお母さんと2人で越してきて。
中学生の時に。
涼ちゃんがね誰かを助けたいって突っ走ってる時助けられなかった弟さんの事を思い出してる。
つらいよね…。
光…。
光!涼ちゃんおったぞ!涼ちゃん!光!今助けるからな!光!光!光!お帰りなさい。
はいお疲れさまでした。
はいよろしくお願いします。
ありがとうございます。
かあちゃんかあちゃん!ささやん帰ってきた!ささやん帰ってきた!ほんと?ほら!あ〜ほんとだ!さあほら啓ちゃんのお店だよ!半年ぶりだね。
懐かしいね!全然変わってないよ。
啓ちゃん。
みきさんリビングも見てもらおう。
はい。
ありがとう涼さん。
どう?啓ちゃん。
退院おめでとう!ああ…しんさん。
涼ちゃん。
手伝ってんのね。
うん。
会える?どうぞ。
焼き鳥屋のしんさん。
ようようよう!ささやん!どうだい?調子は。
すいません。
今記憶なくしちゃってて。
そうなのかよ…。
ごめんね。
知らなかった。
何か思い出すかもしれないから話しかけてあげて下さい。
おう…分かった。
ささやんはさほんとにいいヤツでさ。
もう律儀っていうか。
ここに越した時もさ一軒残らず挨拶に来てくれたのよ。
商店街のイベントだって全部出席してくれんのよ。
そうですか。
何か泣けてきちゃったよ…。
ちょっとやめてよ!ほら何やって…。
ごめんね。
帰るね涼ちゃん。
あんたがめそめそしてどうすんのよ!障害者手帳と年金の手続きは済みました。
よかった。
困っている事や相談したい事があったらいつでも連絡してね。
ありがとう涼さん。
は〜い。
嫌だって言わないのがいいとこでしょ。
啓ちゃん。
ちょっとは何とか言ってよ。
私を忘れちゃった?それとも…まだ怒ってる?
(みき)啓ちゃん…。
ねえ名前呼んで。
啓ちゃん!ねえ…啓ちゃん呼んでよ!啓ちゃん!呼んでよ!突然にお電話してごめんなさいね。
いえ。
みきさんは?あちらで休んでます。
一緒に入浴の介助をしてる時に急に座り込んじゃって。
大丈夫かな?疲れてるんだと思う。
一人で介護して合間にはバイトもしてるし。
みきさん気分はどう?涼さん…。
大丈夫だって言ったのに。
わざわざ来てくれたの。
ちょっと根を詰めすぎたんじゃないかな。
そんな事ないです。
ほんと大した事ないから。
ほんとに大丈夫だから。
(一郎)そりゃ大変だなささやんとこ。
う〜ん…退院してきたのはいいけどあれじゃあなぁ。
もうなんせ反応がねえのよ。
かみさんとびっくりしちゃってさ。
商店街の期待の星だったのにさささやん。
(源治)どうしようもねえのか?町のみんなでしてやれる事ねえのかね?お二人さんお昼ごはん食べてく?いや悪いっすよ。
仕事の邪魔を追っ払う時の決まり文句だ。
なっ。
分かってんじゃない。
笹野さんそんな悪いの?うんみてえだ。
かみさんから聞いた話だと古い記憶は残ってっから昔好きだった事とかをするといい刺激になるんだってさ。
リハビリにもなるらしいよ。
そうか…。
何かいい知恵ねえか?笹野さんのために?ない知恵出し合っちゃって。
何を考えたの?いや〜焼き鳥屋のしんちゃんがさ野球大会やろうってんだ退院祝いの。
へぇ〜。
ささやんの旦那さんもともとスポーツ万能で去年の商店街の草野球で大活躍したらしいの。
いいかもしれない。
えっそうかい?うん。
(歓声)アウト!よっしゃ!ささやん見てろよ俺のホームラン!思い出させてやっかんな!あのスカイツリーまで飛ばしてやっかんな!よっしゃ!プレー!かっ飛ばせ〜!ストライク!何言ってんのよ!思い出すような活躍した事ないでしょ!ねえみきちゃん。
頑張って!打てる!打てる!かっ飛ばせ〜!
(歓声)行け!行け!行け!行け!ゴー!ゴー!ゴー!次!次!ネクストバッター!レフトもっと前!もっと前!前!前!前!
(ヒットを打つ音と歓声)
(歓声)
(みき)せ〜の!よいしょ!右!そうそうそう。
左!右!いいよいいよ。
右!そう!そうそう。
右!左!右!左…。
痛っ…!啓ちゃんごめんね。
ごめん。
大丈夫?ごめん…。
起きるよ。
せ〜の!
(沢木)山倉課長。
どうもお疲れさまです。
ランチには行かないの?まあ結果が全てじゃない。
僕はねそう思うようになった。
孤独死の件の報告ももらってる。
今度は役所が行動する番だ。
縦割りを壊して区民から孤立世帯の情報を聞いた時には直ちに動けるようにする。
えっ?気持ちは必ず届く。
そうだろ?こんにちは!里見です。
みきさん。
涼さん。
みきさんこの間はごめんなさい。
あなたとご主人をかえって傷つけてしまったようで…。
そんな…気にしないで。
それよりね…私やっと決心できたんです。
私紹介されてた療養病院に主人入院させます。
この店売って…小さなアパートその病院のそばに借りる。
いいの?みきさん。
楽しかったんですよこのお店立ち上げるまで。
私ね…涼さん。
私ほんとは…この店売ろうって啓ちゃんにもう言ってたんです。
事故の日の朝に…私そう言ったんです。
違うんだよ啓ちゃん。
私自信なくなっちゃったの。
お店こんなに頑張ってもなかなか黒字になんないしこのまんまじゃ…。
(啓)そんな事みきに言われたくなかったよ。
俺はこの店お前とやり続ける。
俺はやり続ける。
(みき)そう言ったまんま…言ったまんまになっちゃって。
取り返しのつかない事しちゃった…。
みきさん。
もう一度餃子焼いてみませんか?えっ…?お店を閉める前にもう一度。
(久慈)名刺に日付まで残して大事に取っておいてくれたそうじゃないか。
この人は三輪のおかげで孤独じゃなかった。
孤独死と言われるけど孤独じゃなかった。
里見を見てみろ。
あいつもどれだけの事を乗り越えてきてるか…。
お前もこれからこういう事を何度も経験しなければいけない。
それが俺たちの仕事だからな。
はい。
うん。
「大葉とささみでマヨネーズ味」。
(啓)
「11月22日明日は結婚記念日。
やっぱり初心に帰ろう。
みきと作った最初の味に戻ると決意」
もしもし。
(みき)みきです。
私…焼いてみようかな餃子。
えっ?
(みき)もう一度だけ…啓ちゃんと2人の味焼いてみる。
みきさん。
涼さんも包んでもらっていいですか?はい。
はい。
お願いします。
はい。
いい匂い。
(餃子を焼く音)私この音が好きなの。
うん。
やっぱり…ほんとは餃子焼き続けたいなぁ。
お皿取りますね。
みきさん!啓ちゃん…。
み…き…。
啓ちゃん。
啓ちゃん!私居るよ。
ねえ!ここに居るよ!啓ちゃん!ありがと…。
私はほんとに…回想誰かを救った事なんかあるんでしょうか?気持ちは必ず届く。
そうだろ?早いですね先輩。
まなか!休みすぎちゃってプロじゃないって梶田さんに叱られちゃいました。
山倉課長が孤立世帯の安否確認の仕組みを作ったって聞きました。
まなかのおかげだよ。
一人で抱え込ませちゃってごめん。
先輩。
私先輩みたいになりたい。
一人一人届かなくても届かなくても心を届けたいと思います。
まなか。
あれ?君え〜と…サロンの。
郷田光良です。
頑張ってね。
ありがとうございます。
あの…!うん?あなたは涼さんの昔の事知ってますか?あなたは…涼さんを助けられますか?・「HeyBabySoMerry」・「HeyBabySoMerry」・「自分も知らない」・「秘密は言えない」・「キミには分かるの?」・「この不思議のこと」・「ねぇFriendDarling」・「今日も眠れない」・「ずっときっと」・「不安でどうしようねぇ」・「絶対割れないキミの」・「ガラスの心を伝う」・「涙色の振動に」・「思わず声が出ちゃうよ」・「HeyBabySoMerry」・「HeyBabySoMerry」・「Iwannaholdyourhand」
地域の課題に取り組むコミュニティーソーシャルワーカー
こんにちは。
この日訪ねたのは脳梗塞で倒れ高次脳機能障害と診断された男性。
記憶に障害がありヘルパーの助けを借りて暮らしています
CSWは本人だけでなく寄り添う家族も支援します。
悩みを語り分かち合う事でお互いを支え合います
この日高次脳機能障害の人たちが参加する野球大会が地域の協力で開かれました
(一同)お願いしま〜す!
以前は好きだった野球を障害を理由に諦めていた人たち
記憶障害の男性も久しぶりにバッターボックスに立ちました
かっ飛ばせ〜!
誰もが生き生きと暮らす事のできる地域をつくる。
それがコミュニティーソーシャルワーカーの仕事です
・「祭りだ祭りだ祭りだ」2014/05/27(火) 01:25〜02:15
NHK総合1・神戸
ドラマ10 サイレント・プア(7)「心が届かない」[解][字][再]
事故で高次脳機能障害を負った夫・啓(成河)を自宅で介護しながら、店を守りたいという妻・みき(前田亜季)。だがみきは啓に反応がないことに心をすり減らしていた——。
詳細情報
番組内容
事故で高次脳機能障害を負った夫・啓(成河)を自宅で介護しながら、店を守りたいという妻・みき(前田亜季)の強い思いを知って援助に乗り出した涼だが、みきは夫・啓(成河)が何をしても反応を見せないことに心をすり減らしていた。店と自宅での介護を諦めようとしたみきに、涼は最後に夫婦ふたりのギョーザをもう一度焼いてみようと提案する。啓の残したノートを見て、みきはギョーザを焼くことを決意するが…。
出演者
【出演】深田恭子,北村有起哉,桜庭ななみ,モロ師岡,田口浩正,坂井真紀,小橋めぐみ,押元奈緒子,千代將太,横田美紀,市毛良枝,米倉斉加年,山田萌々香,馬渕誉,渡辺大知,久保酎吉,前田亜季,成河ほか
原作・脚本
【作】相良敦子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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