さまざまな具材でお試し下さいね。
(テーマ音楽)古代インドで生まれた仏教。
そのうねりはガンダーラを超えシルクロード中国を経てアジア全体に仏像世界を花開かせました。
日本にたどりついたほとけたちはどのようにして生まれ育まれ心と形を築き上げてきたのでしょうか?仏像のなぞを解きほぐす「ほとけの履歴書」。
最終回は…紙とペンを用意して挑戦して下さい。
ともえちゃん「ほとけの履歴書」もとうとう最終回になりましたよ。
もう最終回なんですね〜!これまで3年間先生のおそばで勉強させて頂いて特に今回は仏像以外にも仏教の事を学べたのが楽しかったですね。
先生のイラストのおかげです。
すごく楽しく学ばせて頂きました。
頭の中整理できましたか?もうでも覚えた事がいっぱいなのでまだ整頓はできてないんですけど…。
それでは今回はね抜き打ちテスト。
えっ!?検定をします。
検定!?何だろう難しい問題ですかね。
大丈夫。
お手柔らかによろしくお願いします。
籔内佐斗司が独自に編んだ「ほとけの履歴書」。
今回のシリーズでは仏像を多角的にひもといてきました。
最終回はおさらいを兼ねて「籔内流・仏像検定」を行います。
一緒にチャレンジして下さい。
基本問題から少しひねった応用問題まで用意しました。
まずは…私イラストいっぱい描いたでしょ?まず第1問です。
あっこちらは分かります。
阿修羅様ですね。
どこにいらっしゃいました?こちらは奈良の興福寺におられましたね。
インドではなくって…。
イラン。
イラン!そうイランですね。
もともとはイラン地域で栄えていたゾロアスター教の最高神。
ゾロアスター教は紀元前からイラン高原を中心に信仰を集めていた古代宗教です。
その最高神アフラマズダーが阿修羅の元の姿です。
その後アフラマズダーは大乗仏教に取り込まれ日本であの愁いある阿修羅に変貌したのです。
次はこれです。
え〜っと…あっ大好きな梵天様です。
そうです。
ガチョウ…水鳥の上に座ってるね。
梵天は元は古代インドで信仰されていたバラモン教の最高神です。
「ブラフマー」と呼ばれ宇宙をつくった創造の神とされます。
バラモン教は輪廻転生の思想とカースト制度の原型である厳しい階級制度が特徴でした。
そこに平等思想を掲げる釈の仏教が勢力を伸ばしブラフマーを取り込んで「梵天」と名付けたのです。
この「天」と名の付くほとけたちは元はバラモン教の神々なのです。
次の問題。
ヒントは戦いの神です。
帝釈天様ですよね。
象の上に乗られてるんですよね。
このように仏教の中にはいろんな神様とか魔人のように言われていた神様たちも仏教の中に取り入れられて仏教を護るための役目をするようになりましたね。
仲間になったんですよね。
そうそう。
こういう人たちこういう神様を何て言ったっけ?え〜!?難しいですね!「護る」から…護法善神ですね!そうです!だから広い意味でそういうもともと神様であっても「仏像」というふうに呼びますね。
護法善神は仏法を護るガードマン役の仏像。
バラモン教ヒンドゥー教由来の「天」の神々や修羅道の神々が仏法と出会って改心した姿なのです。
帝釈天さんの次は何でしょう?はいっ。
え〜っ!?十一面観音様ですね。
そうですそうです。
あらゆる方向に救いの手を差し伸べる十一面観音菩薩です。
一番基本になる観音様は聖観音様です。
それに頭の上にいっぱいほとけさまの頭が出てきてる…この方が十一面観音様。
それから手がいっぱい生えてくる…。
千手観音。
観音様におすがりしたい人たちの状況に合わせてさまざまな姿をとって現れると。
顔や手が増えさまざまな姿に変身する観音の事を「変化観音」と呼びます。
こちらは…究極の多面多臂の変化観音です。
1,000にも及ぶ功徳を表現する圧倒的な風貌に今もあつい信仰を集めています。
続いては…仏教でお釈様がお生まれになったのは2,500年前です。
それからシルクロードを通って中国朝鮮半島日本…長い旅をして日本にたどりつきました。
え〜っ!?これでもだいぶたってるんですよね。
1,000か1,500だと思う…。
4択だから「C」の「1000年後」にします。
はい当たりました。
随分時間がたってるんですね。
1,000年たってるんだもんね。
1,000年たって日本にたどりついた仏教。
何ていう仏教が日本へ来たんだっけ?これはお勉強しましたね。
これは4番の「大乗仏教」です!そうです大乗仏教です。
「乗」は「乗り物」という意味ですね。
大きな乗り物の仏教。
仏教が誕生したのは紀元前5世紀ごろのインドです。
釈の死後弟子たちは大きく2つのグループに分裂します。
一つは厳しい修行を経た出家者のみが救われると説く「上座部仏教」。
もう一つが日本にたどりついた「大乗仏教」です。
誰もが参加できる柔軟な仏教で伝わった地域の宗教や文化を取り込んで大きく発展しました。
紀元前5世紀に釈が初めて仏法を説いてからおよそ1,000年後の6世紀半ば日本に大乗仏教が伝わったのです。
はい次の問題です。
大乗仏教に乗ってたくさんのほとけさんが日本にいらっしゃった。
こんなにいっぱい。
その中のほんの一部ですけど。
先生が描いて下さったイラストです。
どれにしようかな…。
よしこれにしよう。
何ですか?日本に入ってきた順番に左から並べてみて。
順番ですか!?うん。
このそれぞれのほとけさまの背景をよく考えて。
飛鳥時代から平安時代の仏像。
伝来した順に並べ替えて下さい。
どっちだろ…最初にやっぱお釈様がやっぱり最初だと思いますね。
お不動様が…。
お不動様が来てか千手観音かここの順番が…。
ええ〜こうかな?そう。
こうですね。
あ〜!よかった〜。
まあやっぱり仏教ですから一番最初に日本にもたらされたのがお釈様の像。
多面多臂…たくさんのお顔とたくさんの手をもった変化観音。
これは奈良時代のお坊さんの玄という人が遣唐使で行って大変な霊力呪力のあるすごいほとけさんなんですよという事で持ち込みました。
これはいろんな説があるけど「雑密」という言葉で言われる。
本当の密教じゃなくて密教のある部分を持ち込んできた。
ところが平安時代になって空海さんがやっぱり遣唐使で唐へ行って「真言密教」っていうものを体系的に総ざらいで持ってきた。
その時に大日如来の化身として「明王」というものを説かれて五大明王の中の最高の明王お不動さん。
不動明王。
ですから日本に入ってきた順番で言うとお釈様千手観音不動明王になります。
先生日本には本当にさまざまなほとけさまがいらっしゃるんですね。
大乗仏教という大きな乗り物に乗っていろんな宗教の神様やほとけさまが日本にたどりつきました。
だけどこの人がいなければ仏教というものは始まらなかったわけですね。
いよいよ釈問題に挑戦。
ゴータマ・シッダールタさんですね。
そうそう…。
北インドのカピラっていう国の王子様でした。
それでお釈様の一生を紙芝居にしたでしょ?はい。
やりましたね。
どれにしようかな。
また問題ですね?問題ですよ。
検定ですからね。
これにしよう。
これはどういう場面でしたか?ヒント。
釈が心の中で葛藤している場面です。
これはいろんな邪念の中で闘う降魔成道でしたね。
そうそう…。
魔を降して道が成る。
北インドに王子として生まれた釈は若くして「生・老・病・死」の苦しみに悩みます。
そして王子の地位を捨てて修行者となりブッダガヤーの菩提樹の下で座禅瞑想に入ります。
その時釈は心の闇に降りてきた魔物と闘い彼らを調伏させました。
これが降魔成道です。
これが一般的な降魔成道なんだけど私流の降魔成道の解釈をしています。
わ〜!どんなものなんですか?お釈様が生きておられた時に説かれた言葉の中には真言密教のようなこういう密教的な言葉というものは残されておられないわけですよ。
だけど私はお釈様はこの降魔成道をした時に密教体験をしたんではないかと。
密教体験?それを絵にしました。
これです。
わ〜!すごい!魔物と闘っている釈。
その背後には不動明王。
心の中で闘っている釈の姿そのものです。
更に不動明王が変化する前の姿大日如来が降魔成道の全てを見守っています。
お釈様が瞑想しておられて心の中の闇と闘ってる。
その闘ってる時の姿が実はお不動様なんじゃないか。
え〜!?あっ姿を変えて…。
変えている。
でもお不動様は真言密教の中ではこの世の全てを包み込む大日如来の化身と言われてる。
だからここでお釈様は降魔成道をする事によってお釈様とお不動様と大日如来と一体になっている。
うわ〜!即身成仏をしたんじゃないかな。
これは私の解釈ですよあくまで。
だけどこういうふうな拡大解釈をした降魔成道ですけどお釈様の一生の中には後の世に現れてくる仏教の中に取り込まれるいろんなほとけさま仏格や神格っていうものが既にあったという事。
それを私は思っていますね。
このイラストを見るとその考えがすごくよく分かります。
人間釈が宇宙の根源大日如来と一体となる瞬間。
籔内流降魔成道の世界です。
続いては仏像造りの技術について考えましょう。
じゃ次の問題です。
このお方は誰でしょう?ジャン。
あっ分かります。
この方は鑑真さんです。
唐から日本へやって来た鑑真。
6回目の渡航でようやく日本にたどりつき戒律など多くのものをもたらしました。
それ以外に仏像の歴史の中でとっても大切な役目を果たして下さった。
それは何でしょう?フフフ…。
うわ〜!え〜っとこちらは…。
寄木造りは定朝だったので一木造りだと思います!「D」ですか?そうです。
鑑真さんが持ってきた一木造りですけれどその時に日本で選んだ木がありました。
これは…彫りやすい木だったんですよね。
先生に教えて頂きました。
「2」の榧ですね?鑑真さんが連れてきた仏師さんたちが仏像を造るのにすごくいいぞって選んだ木がこの木でした。
彫ると潤ってる感じがある…。
粘りがある。
彫った跡がすごくピカッと光ってねツンと鎬立つ非常に小気味いい彫刻の彫り味が楽しめる木ですね。
榧の木を選んだ事で仏師たちの技術も上がったというお話すごく印象的で覚えてます。
日本に自生しきめの細かい榧の大木を使った一木造り。
頭と体の主要部分を一本の丸太から彫り出す技法です。
「木には霊力が宿る」と考える日本人の祈りが伝わってきます。
その後大仏師定朝が登場。
大量生産が可能な寄木造りの技法が生まれます。
木材は榧から檜に変わり膨大な数の阿弥陀仏が造られました。
さあ最後に「ほとけの応用問題」3問です。
じゃあこれは?何の写真だろうか。
あっこれは…奈良の興福寺におられる鬼が燈籠を持っている姿だと思うんですけど。
ともえちゃんが言ってるように…。
そうこちらです覚えています。
そもそも仏像界の鬼は毘沙門天など四天王に踏みつけられていました。
邪鬼です。
鎌倉時代鬼は力をみなぎらせて立ち上がり燈明を掲げる仏像も造られます。
「天燈鬼立像」。
日本仏師の技と心意気があふれ出た姿にも見えます。
この天燈鬼だけじゃなくてこの時期に造られた仏像というのは本当にすばらしい日本人の英知がたくさん込められていると思いますよ。
じゃあ仏像検定最後の問題です。
ちょっとだけ見えてますね。
「ほとけさまの周りにも注意して見ましょう」という事で何て読んだっけ?これ。
「しょうごん」です。
仏教的な読み方をするとほとけさまの周りでほとけさまのすばらしさを引き立たせるための飾り物の事ですね。
ほとけの世界を表現するという。
いろんな冠とかねいろいろありましたけどもこれ何だっけ?ええ〜!?これは…放射光背ですか?そうお見事です。
光が四方八方に光り輝いている様を表してますね。
阿弥陀様なんかにも多いしそれから古い所では東大寺の法華堂の不空羂索観音様もやはりこういう放射光背を背負ってらっしゃったね。
密教の力を表現した「不空羂索観音」。
背後から放射状に幾筋もの光が放たれ強い呪力を感じさせます。
仏像の周りや堂内を飾る装飾「荘厳」。
光に包まれたほとけの世界の演出なのです。
このほとけさまをこれまで見るだけではなく荘厳を覚えてから光背ですとか装飾にも目が行くようになったんですよね。
そうですね。
検定試験の結果どうだったかな?ちょっと難しかったですけれど。
自己採点では?自己採点では…88点ぐらいですかね。
思ったよりできてビックリしました。
先生のおかげです。
仏像の事だけじゃなくて仏教の事を日本人の解釈で学べたのが今回本当に自分の心の潤いになったなって感じました。
3年間本当にたくさんのほとけさまにお会いしましたね。
そしていろんな事を教えて頂いた。
合掌して終わろうか。
はい。
(2人)どうもありがとうございました。
1,400年ほど前飛鳥時代の日本に伝来した仏教。
世界最古の木造寺院法隆寺は仏教伝来当時の面影を静かに伝えています。
仏教の広がりとともにさまざまなほとけが造られ現在日本全国には30万体以上の仏像が祭られていると言われます。
日本で多彩に花開いた仏像たち。
変化し増殖し続けてきたほとけの世界なのです。
(テーマ音楽)2014/05/27(火) 21:30〜21:55
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趣味Do楽 籔内佐斗司流 ほとけの履歴書〜仏像のなぞを解きほぐす〜[終]第9回[解][字]
「ほとけの履歴書」最終回は「籔内流 仏像検定」これまで学んだ仏像知識をこの検定で確認できます。16問中14問以上正解で仏像マイスター認定、ぜひ挑戦下さい!
詳細情報
番組内容
「ほとけの履歴書」最終回は「籔内流 仏像検定」これまで学んだ仏像知識をこの検定で確認できます。16問中12問以上正解で合格です。14問以上正解すれば、籔内流仏像マイスター認定します。みなさんもぜひ挑戦ください!
出演者
【出演】篠原ともえ,【講師】彫刻家・東京藝術大学教授…籔内佐斗司,【語り】徳田章
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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