(吉太郎)おとうなんか…こんなおとうなんかおらたち家族に必要ねえ!
(はな)兄やん!いつの時代も父と息子は対立するものなのでしょうか。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」
(虫の声)おとう。
グッドイブニング。
(吉平)びっくりした。
こんな夜中にどうしただ?おとうこそまたどっか行っちもうのかと思ったさ。
もうどこにも行く当てなんてねえ。
まあこのうちにもおとうは必要ねえだろうけんどな。
ほんなこんねえよ。
おとうはこのうちの事何にも知らなんだから大急ぎで勉強してもろうさ。
宿題だって出すよ。
宿題もけ。
ありがとうなはな。
ねえおとう。
ん?4年もどこで何してたでえ?どうして一度も帰ってこなんだの?おとうは東京である人の演説を聞いて心をつかまれてな…。
回想
(浅野)労働者教育の充実を図るべし!
(一同)充実を図るべし!
(吉平)行商しながら社会主義っちゅう思想を広める伝道行商というのをしてただ。
回想
(吉平)俺たちの生活はますます苦しくなるばっかりだ!こんな世の中を変えるのは社会主義なる思想です!てっ!社会主義って警察が取り締まってるあの?ほうだ。
今の社会は苦労して働いてる労働者が報われねえで金持ちばっかがどんどん裕福になる仕組みだ。
ふんだから世の中変えるために日本中あっちこっち駆けずり回ってただ。
ふんだけんどある時…。
回想さっさと歩かんか!
(山田)浅野先生…。
(吉平)それっからおとうは仲間の国松と逃げてただ。
国松の田舎が新潟だったからそこの山奥に隠れたり…。
ほうだったのけ…。
(吉平)おとうが警察に手配でもされたら家族みんなに迷惑がかかる。
ほう思って必死で身を隠してただ。
おとう。
まだ隠れなきゃならんだけ?いや…。
全部おとうの思い過ごしだった。
思い過ごし?回想浅野先生。
よかった…。
出所なさったんですね。
ええ。
1か月ほど前にやっと出られました。
じゃあもう安全なんですか?いや連中は一度目をつけた人間を簡単に自由にしたりはしない。
今もその辺りで見張ってるでしょう。
危ねえ!じゃあ隠れねえと。
安心して下さい。
心配しなくてもあなたは捕まったりしませんよ。
どういう事ですか?連中が追っているのは小説家や出版社の人間それに我々新聞社のような世間に影響力を持つ人間です。
ですからあなたが逃亡する必要はないんです。
では。
(吉平)所詮おとうは警察に追われるような大物でも何でもねえ。
ただの行商じゃ。
家族の苦労なんかこれっぽっちも知らんで…。
自分が恥ずかしい…。
おとう。
Gotobed.あっ?今日はとりあえずゆっくり寝るさ。
ああ…この話はおかあには黙っててくれちゃ。
自分の亭主がこんなあほうだって知ったらおかあも悲しくなるら。
はっ!
(2人)てっ!
(ふじ)ほんなに驚く事ねえら。
全部聞いてただか。
あんたの情けねえ話は全部聞いたさ。
おら明日早いから…おやすみなさい。
ふじ。
長え事すまなんだ。
このとおりだ。
全く…世の中変える前に自分の頭ん中変えた方がいいずらよ。
はい…。
ふんだけんどあんたが大物じゃなくてよかった。
あんたは小物なおかげでこうして無事に帰ってこられたずら。
ふじ…。
お帰りなさい。
ただいま。
そのころ福岡の嘉納伝助の屋敷では有名な演奏家を呼んで演奏会が催されていました。
嘉納家の教育改革のために蓮子が企画したのです。
(煎餅を食べる音)
(煎餅を食べる音)
(せきばらい)
(せきばらい)
(嘉納)おっ。
食うか?おっ!な…何しようとか。
(蓮子・小声で)演奏中は物を食べないで下さい。
(すする音)
(すする音)本当に申し訳ございませんでした。
この家の者たちは教養も礼儀もわきまえていなくて本当にお恥ずかしい限りです。
一体何なのですかあの振る舞いは!美しい演奏の最中に煎餅は食べるわ大あくびはするわおまけにお酒まで持ってこさせて!失礼にも程があります。
金を出しちょるとは俺ぞ。
俺が好きなごと聞いて何が悪いとね。
演奏会には演奏会のマナーというものがあります。
そげなんこつ俺は知らん!では覚えて頂きます。
学んで頂きます!もうよか!
(タミ)旦那様お出かけですか?ああ。
お客しゃんに旦那様んこつを恥ずかしいとか言う方が妻としてよっぽどどげかしちょるち思いますばいうちは。
どげんかしてるのはどなたでしょう?毎日そうやって陰口ばっかりたたいていらっしゃるの私が知らないとでも思っているんですか。
もうよか!せからしか。
俺は出てくる!
(バイオリン)
(煎餅を食べる音とすする音)
(煎餅を食べる音)
(荒い息遣い)「寂しさのありのすさびに唯ひとり狂乱を舞う冷たき部屋に白蓮」。
ごきげんよう。
さようなら。
2014/05/28(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(51)「はな、お見合いする」[解][字][デ][再]
家族の状況を何も知らなかった事にさすがにショックを受けた吉平(伊原剛志)。父を心配して話しかけるはな(吉高由里子)に、吉平は空白の4年間について語り始める…
詳細情報
番組内容
突然帰ってきた吉平(伊原剛志)に、怒りを抑えられず思いのたけをぶつけた吉太郎(賀来賢人)。家族の状況を何も知らなかった事にさすがにショックを受けた吉平は、夜も眠れずひとり縁側へ出てくる。そんな父を心配し話しかけるはな(吉高由里子)に、吉平は空白の4年間について語り始める。社会運動に身を投じ、逃亡をつづけていた吉平が明かす意外な結末に、はなはかける言葉が見つからない。その時、ふじ(室井滋)が…
出演者
【出演】吉高由里子,仲間由紀恵,伊原剛志,室井滋,吉田鋼太郎,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:12669(0x317D)