午後のサスペンス 夏泊殺人岬 2014.05.28

(急ブレーキの音)
(クラクション)〜
(急発進音)
(龍笛)
(和泉直人)おはよう。
(江藤美香)おはようございます。
(和泉麻子)青森は今日お天気いいみたいですよ。
あぁそうかい。
ごめんね美香ちゃん。
目覚まし代わりに龍笛吹かせて。
練習になりますから。
靴下多めに入れてくれ。
はい。
それから…。
パンツシャツも多めに入ってます。
どうせ自分で洗濯なんてしないでしょ?洗濯は私がします。
居候させてもらってるんですから。
美香ちゃんは私の姪なんだから気を遣わなくても…。
でも亡くなった母に怒られます。
洗濯ぐらい自分でできる。
あなた洗濯機の使い方ご存じなんですか?君の扱い方よりはるかに簡単だろう。
あなたに雅楽部の顧問なんて務まるのかしら?顧問たって臨時だよ。
だいたい田中の奴何でゴルフで足折るんだ?ごめんなさい。
お忙しいのに合宿の引率をお願いして…。
いや…いいんだよ。
そうだ…これ行きの列車の中で読んでおいてくださいね。
なに?小学生でも分かる雅楽の本。
(笑い声)あなたが青森でお洗濯してる間に私は東京で命の洗濯を…。
おい…私は仕事に行くんだよ。
今日はお友達とお芝居でしょ…。
明日は美術館でしょ明後日は…。
元気で何よりだね。

(美香)あ〜海!
(歓声)
(秀山一平)これが陸奥湾か…。
ホタテ食うぞ!その前に練習でしょ?
(笑い声)
(佐々木貴史)練習頑張ったらホタテ死ぬほど食わせてやるよ。
(清川妙子)ねえ練習は椿神社でするの?なに今ごろ言ってんの。
佐々木さんのお父さんがそこの神主さんだから借りられたのよ。
美香の実家も椿神社じゃなかった?うん。
ウチは三重県だけどね。
佐々木先輩と親戚ってこと?まさか!
(佐々木)椿神社の神主だからって親戚ってことはないよ。
椿神社なんてあちこちにあるんでしょ?椿っていう名前の神社は幾つかあるって父が言ってた。
だけど偶然にしても不思議よね。
部長と副部長の実家が椿神社だなんて…フフフッ…。
(妙子)あ〜白鳥!近くの浅所海岸に冬になるといっぱい飛んで来るんだ。
へぇ見てみたい。
私も見た〜い。
(男)ちょっと待てよ!おいぶつかったよ!俺と。
(女子部員)謝ったじゃないですか!「謝ったじゃないですか」!?ええ!?どうした?バッグがぶつかって…。
ぶつかっといてそういう態度はないんじゃないか?え〜!?申し訳ありません。
許してください。
おぅおぅ女の前だと思って格好つけてんじゃねぇよ!おい昼間っから酔っ払って!警察呼ぶぞ!何!?何だよ!?
(秀山)やめろこの野郎!離しなさい!
(佐々木)先生を煩わせなくても!いいから離しなさい!逃げるのかよ!?え〜!?何だと!学生たちが口のきき方を知らず失礼しました。
誰だいあんた?明和大学の和泉と申します。
法学部で教授をやっております。
ふ〜ん…こいつらの責任者ってわけだ…。
臨時ですが…。
…ったくよ〜大学まで行ってて教育がなってねぇな〜!以後気をつけます。
お前らも気をつけろ!先生申し訳ありません。
酔っ払い相手に喧嘩するとしらふの人間は絶対不利になる。
それぐらい法学部の学生なら分かってるはずだ。
なあ秀山君。
はいすみません。
バス来てますね。
これが夏泊半島か…。
あそこね椿神社。
早く乗りなさい!
(2人)はい。
先輩…まだこっち見てますよ。
無視しよう。
〜どうした?いえ…。
〜下は終わりました。
ありがと。
あ〜きれいね。
不思議ねぇ…こんな北の最果ての地にこんなに椿がたくさん咲いてるなんて…。
ホント…。
ここの椿山は自生椿の北限なんだ。
1万数千本あるといわれている。
(2人)へぇ〜…。
(秀山)佐々木さん!どうした?あれ…。
(秀山)やっぱりあいつだ…。
ちょっと行ってくる。
先生…?またお会いしましたね。
何やってんだ?ここで…。
雅楽部の合宿です。
ガガクブ?そちらは…何か?神主はどこだ?神主は住んでないみたいですよ。
ここの神主は僕の父ですけど。
お前の?嘘つけ!嘘じゃありませんよ。
名前は?佐々木です。
佐々木か…。
嘘じゃねぇだろうな!?どうして疑うんですか?確かに佐々木君の父上がこちらの神主さんです。
また無駄足か…。
さ戻りなさい。
皆も掃除続けて。
(妙子)美香!
(波の音)夏だったら泳げるのになぁ…。
(妙子)美香!ねね…あの男また居たわよ。
(吉野)焼きホタテです。
どうぞ。
ああにいちゃん。
はい。
部屋空いてる?はい空いてますけど。
じゃ泊まるわ。
分かりました。
後で宿帳にお名前お願いします。
おぅ。
〜ね佐々木さんとどうなってるの?どうって?じれったいわね…お互い好きなのバレバレなんだから。
勝手に決めないで。
それとも秀山君にする?え?秀山君も美香のことが好きよ。
もう…そんなことより練習練習。
おやすみ。
あ〜ごまかすなこの〜!羨ましいぞ〜!やめてよ!もう…。
(物音)ううっ!!
(悲鳴)どうした?そこに男の人が…。

(宿の主人:畑井)お客さん!?お客さん!?お客さん!?駄目だ死んでる!ご主人…遺体に触らないほうがいい。
吉野!駐在だ駐在呼べ!はい。

(村上警部補)客の名前は?分かんねぇ。
分からねぇってことはねえべ?宿帳は?名前書いてくれなかったもの…。
何たって夕方から飲みっぱなしだものよ…。
部屋は2階?んだ上がってすぐ…203号室。
最後にホトケさんを見たの何時頃?たしか9時過ぎだったかな?のどが渇いたから麦茶くれって言うから水さしに入れて部屋へ持って行ったのよ。
その時変わった様子は?ほとんど寝てる状態だったね。
ぐでんぐでんに酔って…。
他に客は?あ合宿の学生さん。
責任者は?先生すみませんちょっと…。
青森東署の村上です。
和泉です。
用意がいいこって…。
明和大学法学部教授…。
お偉い先生がなして夏泊なんかに?雅楽部の合宿の引率です。
臨時ですが。
ガガクブ?ふ〜ん…。
しばらくいるのか?1週間の予定です。
(竹内刑事)警部補県警本部に連絡したほうが…。
自殺か他殺かまだ分からねぇべ!検屍の後だ!まだか?ヤブ医者は…。
もう来るかと…。
私はもうよろしいですか?場合によっちゃまた話を…。
多分そういうことになるでしょうな。
みんなもう部屋に戻りなさい。
ちょっとお話が…。
会ったことがある!?はい。
それは…いつ…どこで?この前母のお墓参りで実家に帰った時…。
あの神社…椿神社って呼んでるんだって?そうです。
本当の名前は友田神社ですけど普通は椿神社って呼んでます。
あの神社…神主はいないの?いますけど別の家に住んでます。
神主の名前は?神主を捜してた…。
その後…何とかっていう名前じゃないか?って訊かれたんです。
何とかって?思い出せないんです。
ありふれた名字じゃなかったんですけど…。
うん…。
鈴鹿にある椿大神社にも行ったって言ってました。
あちこちの椿神社を回ってたってことか…。
(発声練習の声)
(佐々木)先生!先生!江藤君が!どういうことかご説明願いたい。
江藤美香さんに任意同行をお願いしました。
以上。
理由は?答える必要はない。
失礼ですが『刑事訴訟法』には「捜査機関への出頭要請に対してはこれを拒否しまたは出頭してもいつでも退去できる」と規定されています。
つまり江藤君には出頭する義務はないということです。
こちらが出頭してもいいと言ったんだ。
言ったの?はい。
だったら…私も出頭しましょう。
いやいや…あんたはいいよ。
臨時ですが私は雅楽部の顧問です。
生徒に対しては責任があります。
江藤君私の隣に乗りなさい。
はい。
これはあんたに間違いないね?はい。
つまりあの男とは写真を撮らせるような仲だったわけだ。
それは違います。
勝手にあの人が撮ったんです。
お嬢さん…。
今私のこと
(シャッター音)撮りました?便利になったよな…。
電話にカメラが付いてるんだから。
消してくださいって頼んだのに消してくれなかったんです。
そういうことですから失礼します。
たまたま写真を撮っただけの男がわざわざ夏泊までこの娘を追って来るわけねえべ。
あの人は全国の椿神社を訪ね歩いていたようです。
それで三重県の椿神社で彼女に会った。
次にまた夏泊の椿神社でも会った。
つまり偶然が2度重なったわけです。
ふざけるな!偶然なんて言い訳が通用すると思ってんのか!?江藤君…帰ろう。
竹内!帰すんじゃねえぞ!はっ!申し訳ありませんが…。
江藤君。
竹内!
(石堂捜査一課長)何の騒ぎですか?容疑者が騒ぎ出しまして…。
誰が容疑者ですか?これ以上騒ぐと公務執行妨害で逮捕するぞ!先生?和泉先生じゃありませんか!法学部でお世話になった石堂光一です。
覚えてらっしゃいませんか?さて…?ラグビー部の試合でいつも冬の試験が受けられなくて先生に泣きついた石堂です。
ああ…卒業の時に教授室で1人で試験を受けさせていただきました。
元気そうでなによりだ。
相変わらずの髪型だな…。
あ今は?はい。
先生のお情けのおかげで今は青森県警本部の捜査一課長を拝命しております。
ラグビーは?はい。
警察の同好会で続けております。
この村上警部補もチームメイトです。
ほうどおりで押しが強いわけだ。
何か失礼なことでも?いやいや別に…ね…。
あはあ…。
しかし驚きました。
先生が事件の関係者だとは…。
事件?誰かに青酸カリを飲まされたってことか?先生なぜ青酸カリを飲んでたってご存じなんですか?自分は言ってません。
いや亡くなった直後の遺体からアーモンドの匂いがしたからね。
それに…遺体の首筋に自分で苦しんでつけた引っかき傷があった。
しかし…自殺の可能性もある。
はい。
麦茶を飲んだと思われるコップから青酸カリが検出されました。
ですがガイ者の部屋はもちろんレストハウスの中を探しても青酸カリを入れた容器は見つかってません。
自殺なら容器は残ってるはずだね。
えぇ私もそう思って徹底的に調べたんですが…。
亡くなった人の身元は?村上警部補…。
我々には守秘義務がありますから。
あなたは頭が固すぎます。
先生は大学教授でありながら名探偵でもある。
お知恵をお借りしなさい。
からかってるのかね?私を…。
とんでもありません。
釧路に続き湯布院でも難事件を解決した噂…青森まで入ってます。
これがガイ者の資料です。
ありがとう。
加部伸次42歳。
10年前の5月6日東京で殺人事件を起こし服役。
半月前に出所したばかりです。
なるほど…前科あり…か。
10年前の5月6日…。
何かあったな…。
どうもありがとう。
いえ。
じゃあ私練習に戻ります。
もう心配いらないよ。
警察で訊かれたことはみんなには…。
はい。
先生!お客さんだ。
やっぱり君か…。
ねぇ北海道のホタテより小さいけどすごく甘いですね。
それにこの海!もう最高のごちそう!東京で命の洗濯じゃなかったのか?美香ちゃんにパンツ洗わせたらかわいそうでしょう。
下手な言い訳だ。
美香ちゃんに聞いたのかい?電話したら警察に行ってるって…。
もうびっくりしちゃって…。
ちょっと話を訊かれただけだ。
大丈夫なんですか?もちろん。
我々にやましいところはありません。
ならいいんですけど。
来てしまったものはしかたない。
少しゆっくりしていきなさい。

(雅楽)うわぁ…椿がきれい!少し時期が遅いそうだ。
昨夜の事件犯人の目星はついたんですか?さあ。
名探偵行くところに事件あり。
やけに嬉しそうだね。
でも厄介事はごめんだ。
でも私はおかげでこんな素敵な椿が見られた。
ふん。
駄目だ!ごめんなさい。
ごめんもう1度やってみよう。
はい。
そこ違うな!すみません。
何が違うんですか!?指遣いがちょっと…。
ちょっとなんですか?はっきり言ってください!今の所…薬指を意識して叩くようにするともっとはっきりする。
やってごらん。
確かにこっちのほうが曲の流れに切れが出る。
今の所を2人でずっと悩んでいたんです。
あなた龍笛の達人ですか!?とんでもない。
吹いて聴かせてくれませんか?あなたを試そうというんじゃありません。
いやもう何年も吹いてないから…。
私からもお願いします。
すごいです!お粗末でした。
僕たちにも教えてもらえませんか?人に教えるほどのものでは…。
いえ龍笛については僕も少しは分かります。
あなた達人です。
もうすぐ演奏会があるんです。
どうしても成功させたいんです。
ぜひご指導ください。
もし可能なら私からもお願いします。
申し訳ありません。
失礼します。
そうか…糸魚川だ!糸魚川がどうした?いえ…。
しかたない…さあ練習しよう。
(バイクの爆音)またあいつらだ!駄目秀山君!午前中も来たんですよ。
警察に連絡したほうがよくない?相手にしなきゃそのうちあきていなくなるよ。
(騒ぐ声)毎食ホタテだなぁ…。
なに贅沢言ってるんですか…。
このホタテの天ぷら最高!先生昨夜の事件…やっぱり殺人事件だったんですか?警察はそうみているようだね。
ということはこの宿に犯人がいる可能性もありますよね?亡くなった人の2階の部屋は窓が施錠されてなかったそうだ。
だから外からの侵入ってことも考えられる。
「厄介事はごめんだ」って言うわりには詳しいんですね。
(咳)しかし意外な所に龍笛の名人がいたもんだね。
あの人…名前は?吉野さんです。
お食事中失礼しますよ。
誰か刑事さんを夕食に招待したのかね?晩飯なら食べてきたんで
(笑い声)ご心配なく。
ちょっと皆さんに事情聴取させていただきます。
事情聴取ですか?殺されたこの男と昨日同じ列車で小湊まで来たそうですね?しかも小湊の駅で喧嘩ばしたそうですね?学生たちが絡まれただけです。
駅員が言うには喧嘩してたと…。
まそのへんの事はゆっくり伺いましょう。
それから皆さんのアリバイもね。
みんないいから…。
ゆっくり食べながら拝聴しよう。
ふん…。
お茶っこもらってこい。
(竹内)はい。
今日練習休みなんですって?事情聴取がまだ終わらんそうだ。
まったく迷惑な話だ。
あの人たちもお仕事ですから。
弘前まで足を伸ばしてみるか?行きたいって言ってただろう?いいんですか?臨時顧問なんだから少しぐらい羽を伸ばしてもバチは当たらんだろう。
じゃあねぇお昼はおそばを食べに行きましょう。
幻の津軽そばを食べさせるいいお店があるんですって。
なんだもう調査済みか…。
フフフッ。
(畑井)先生…速達が来てました。
どうもありがとう。
どなた?うん?書いてないねぇ…。
怪しい…。
バカ!消印は川崎か…。
あぁ田中だな。
きっとお礼状だろう。
だって田中さんだったら名前ぐらい書くでしょう?ますます怪しい…。
美香ちゃん…。
愛の告白!えっ!?いいのか?ほっといて…。
邪魔しないの!これ全部桜なんですね。
ね今度は桜の季節に来たいわ。
〜美香ちゃん告白されたのかな?もう大人ですから告白の1つや2つ…。
えっ?他にも告白した奴がいるのか?物の例えですよ。
彼女好きな人いるのかねぇ…。
いないことはないでしょうけど…。
心配じゃないのか?姪だろう…。
私が心配しても始まりません。
君は郷子の時もそうだったね。
あなた郷子の事も年中心配してましたね。
娘なんだから当たり前だろう。
私は朝の手紙のほうが心配。
あ見てなかったなぁ。
今ここで読んだら?え?いやいいよ…。
ますます怪しい〜。
どうしたの?読んでいいの?「次は学生が死ぬ!早く夏泊を出ろ」なにこれ?いたずらだろう…。
田中さんのいたずらにしてはタチが悪すぎる…。
(若者たちの声)美香遅くないか?美香先輩どこに行ったんですか?1人で練習するって自転車で…。
それにしても遅いな〜。

(津軽三味線)〜美香先輩っ。
〜先輩〜っ。
〜〜自転車だ。
〜美香が乗っていた自転車ですっ。
美香先輩〜っ。
美香〜っ。
手紙が気になるんだったら帰りましょうか?いいんだ。
やりたかったんだろ…。
ゆっくりやりなさい。
佐々木です。
あっ先生。
美香が行方不明なんです。
えっ?行方不明ってどういうこと…。
とにかくじゃあすぐ帰るから。
どうしてもっと早く教えてくれなかったんです?申し訳ない。
県警本部に連絡だっ。
我々に協力してくれたらこったらことにならなかった…。
最悪の事態も覚悟しといてくださいよっ。
あなた…。
(発車のベル音)すみません。
練習をみてくださいなんて無理にお願いして…。
龍笛の音色は天と地を行き交う龍の鳴き声を表すんだ。
一度山の上で龍になったつもりで吹いてみるといい。
はい。
〜何か悩んでいるね?龍笛は正直だから。
〜龍笛を吹いている時だけ本当の自分に戻れる。
今の吉野さんは本当じゃないんですか?
(遠雷)龍笛が雨を呼んだみたいだ。
急いで戻ろう…。
大丈夫か?こっちへ。
(雷鳴)ここへ入ろう。
実家は三重県です。
三重県…。
阿山町っていう所ですけど知りませんよね。
偶然なんですけど阿山町にも椿神社があるんです。
そこが家です。
(雷鳴)どうしました?
(雷鳴)小降りになった。
行こう…。
美香っ…。
みんなが心配して…。
どこに行ってたんだよ?ごめんなさい。
妙子のケータイの留守電にメッセージ入れといたけど…。
ごめん聞いてないっ。
あなたが美香先輩を連れ回してたんですか?違うのっ。
自転車がパンクしたので吉野さんに拾ってもらったの…。
もっと早く帰ってくるべきでした。
すみません。
吉野さんは親切で私を乗せてくれたんです。
悪いのは私です。
心配かけてごめんなさい。
〜服…〜濡れてるんじゃない?〜着替えてきたら…。
〜八甲田山高山植物が〜きれいだったでしょう。
〜龍笛を教えて〜もらいたかっただけなの…。
あんな手紙が〜来てたって知ってたら…。
〜〜ごめんなさい…。
〜〜美香先輩…俺が頼んだら吉野さん快く指導を引き受けてくれましたよ。
本当に指導してもらえるんですか?僕なんかでよかったら…。
(歓声)ちっとも釣れませんね〜。
本を読みにきてるんだ。
釣りはおまけです。
フフフフ…。
お楽しみのところ失礼しますよ〜。
何か分かりましたか?手紙の件はまだです。
今日は臨時顧問の先生にお願いがあってまいりました。
皆さんの持ち物を調べさせてもらえませんか?青酸カリの容器なんて出ませんよ。
調べたって無駄です。
無駄かどうかやってみねば…。
お断りします。
昨日の今日だっていうのに…。
捜査進んでないみたいですね。
そったらことありませんっ。
釣りの邪魔なんですが。
あっ逃げられたかな?ご苦労さまでした。
〜そう…龍笛いいよ。
〜楽に楽に…。
〜〜篳篥いい?〜もうちょっと高く…。
〜ここね…。
いいかな?〜いいよ…。
〜〜みんなどうしても下に目が行くから〜背筋を伸ばして。

(バイクの爆音)しかたない。
休憩しよう。
(爆音)
(爆音)ふざけやがって。
手を出すな。
(爆音)秀山っ。
うるせ〜んだよてめえら。
なんだなんだっ。
(パトカーのサイレン)お〜いっ逃げるぞっ。
また余計な問題起こさないでくださいよ。
こっちだって忙しいんだから。
どうも…。

(拍手)たった1日ご指導いただいて見違えるほどになりました。
来月の演奏会楽しみです。
徹底的にしごいてください。
そうしたいところなんですが母が急に具合が悪くなり明日実家に帰ることになりました。
すみません。
(落胆の声)
(吉野)じゃあ…。
逃げるのか?がんばって…。
すみません。
はい。
こんな封筒で申し訳ありませんがお母様のお見舞いに。
すみません。
受取れません。
先生っ佐々木さんと秀山君が松林で…。
(殴り合う音)
(美香)やめて〜ちょっと。
ね〜っ。
いいかげんにしなさいっ。
あなた方夏泊に何しに来たのっ?すみません。
美香…。
しかし君には時々びっくりさせられるなあ。
原因は美香ちゃんね。
美香ちゃん真面目だから深刻にならなきゃいいけど。
えっ?
(バイクの爆音)おはようございます。
秀山君は?昨夜帰ってこなかったみたいです…。
えっ!?〜〜秀山く〜ん。
〜あの〜…秀山君見かけませんでしたか?いや…。
見てないよ。
(列車到着のアナウンス)演奏会に来てください。
よかったらケータイの番号教えてください。
あとで詳しいこと連絡します。
ケータイ持ってないんだ。
じゃあ…。
秀山君ここには寄ってないみたい。
吉野さん…演奏会の日程です。
龍笛を吹く女性は美しい。
ずっと続けて…。
じゃあ。
必ず来てくださいね。
(秀山を捜す声)昨夜も暴走族が走り回ってましたよね。
私も今そのことを考えていた。
先生っ。
先生っこっち…。
触らないっ。
麻子…。
みんな離れて…。
秀山君が…。
先生申し訳ありませんが佐々木さんを任意同行します。
理由は先生もご存じのはずだ。
本人の了解も取りました。
暴走族とのトラブルも考えられますが。
昨夜もブンブン走ってました。
もちろん暴走族の線も洗います。
行くべ…。
だったら私も同行しましょう。
臨時ですけど雅楽部の顧問ですからね〜。
そういうことです。
少々お待ちを…。
大丈夫よっ。
分かりました。
…失礼します。
電話ありがとう。
いえ。
大学ですか?学長だ。
合宿を中止してすぐ帰って来いって。
申し訳ありませんがすぐにお帰りいただくわけには…。
秀山君の死因はなんだったの?司法解剖の結果が出ないと断定できませんが後頭部を打ったことによる脳挫傷かと思われます。
犯人に殴られて?いいえ。
(石堂)犯人と揉み合いになり転んだ拍子に頭を石にぶつけたんではと…。
犯人の足跡を特定するのは難しいだろうね…。
君たちは三角関係のもつれから佐々木君が犯行に及んだとみているらしいが…。
もし誤って殺してしまったとしたら…。
彼なら自首すると思う。
先生のお気持は分かりますが…。
本当にこの手紙のとおりになるとは…。
先生…。
差出人にまったく…お心当たりはないですか?残念ながら。
最初の事件のほうはどうなっているのかね?出所後1度家に戻った加部は全国の椿神社について調べていたそうです。
しかももうすぐ大金が入るってしきりに話していたとか。
大金が?理由は遺族も聞いてません。
先生もご存じのように江藤美香さんのご実家の友田神社。
通称椿神社。
はい…。
それと鈴鹿市の椿大神社。
それと京都府の椿本大神社。
奈良市の隼神社。
これも通称椿神社と呼ぶそうです。
それから岡崎市の椿宮神明社。
そして夏泊の椿神社。
ほかにも全国には椿の名がつく神社や八幡宮がありますが加部らしき男が立ち寄った神社はこれだけです。
(ノック)和泉先生に奥さまから2番にお電話です。
ありがとう。
失礼。
もしもし…。
今村上刑事が佐々木さんの荷物を持っていっちゃった。
分かった。
ありがとう。
どうかなさいましたか?君の部下が佐々木君の荷物を宿から勝手に持ち出したらしい。
警部…秀山ご夫婦の遺体確認終わりました。
(男)和泉先生ですか?はあ。
(秀山徹)秀山一平の父親です。
家内です。
あ…秀山さん…。
この度は何と申しあげてよいか。
いえ。
かえって皆さんにご迷惑をおかけして…。
先生雅楽部の演奏会予定どおりやっていただけないでしょうか?そのほうが一平も喜ぶだろうと家内とも話しまして…。
そう言っていただけるんでしたら学校に掛け合います。
お願いします。
これ…。
何でしょうか?ビデオテープです。
昨日一平が電話でこれを合宿先に送ってくれって。
多分皆さんに見せたかったんだと思います。
お預かりします。
じゃあ失礼します。
和泉先生。
確かにあるまじき捜査をやっておりました。
私の監督不行き届きです。
申し訳ありませんでした。
だったら佐々木君は帰してもらえるね。
それがちょっとまずいことに。
というと?佐々木君が持っていたピルケースから微量の青酸カリが…。
確かに僕のピルケースです。
宿の君の部屋だが鍵はかかったかね?いえかかりません。
誰かが侵入してこれに青酸カリを入れたということですか?大体佐々木君が青酸カリを持っていた理由が分からない。
それは…もともと青酸カリで殺そうと思っていたのは今回のガイ者の秀山君だった。
それがその前に加部を殺さなくてはならなくなった…。
加部が江藤美香さんを夏泊まで追って来たからだ。
で秀山君が暴行で殺害されたのは青酸カリを使い果たしたからです。
動機は何ですか?惚れた女を自分だけのものにしたかったからですよ。
そんなことで人なんか殺しませんよっ。
警察で秀山君のご両親に会った。
亡くなった彼のためにも演奏会は是非やってほしいって言われたので大学と掛け合うよ。
いいですね。
秀山さんの追悼公演やりましょうよ。
秀山を殺したの吉野さんかもしれない。
〜確かに…秀山君の遺体発見の朝にここ出ていくなんて。
〜それは前の日から〜決まっていたことでしょう。
お母さんが急病なんだから〜しかたないでしょう。
多分秀山は吉野さんを〜脅かしていたと思います。
〜どういうこと?〜昨夜秀山と喧嘩になる前借金の2万円を〜急に返してきたんです。
いいのか?合宿の費用も〜ないって…。
借りは〜作りたくないんです。
2万円ぽっちで美香先輩のことで気兼ねしたくないので…〜多分あの2万円は吉野さんから脅し取った金だと思います。
〜あれほど指導を拒んでいた人が引き受けたのは秀山が…。
〜秀山さんは吉野さんの弱みを握っていたってこと?〜〜多分そうだと思います。
明日実家に帰ることに〜なりました。
じゃあ…。
〜逃げるのか?秀山君がつかんでいた〜吉野さんの弱み…。
〜〜なんなのかしら…?〜〜あっ。
分かった?忘れてたっ。
「糸魚川天津神社春の大祭」…。
毎年4月10日の例大祭に舞楽が奉納されるんです。
それを秀山君今年観に行ったと言ってました。
それであの時…。
失礼します。
そうか…糸魚川だ。
糸魚川がどうした?いいえ…・
(舞囃子)〜あっ。
この右の人…前田先輩じゃないですか?そうだよ。
前田先輩だよ。
去年卒業した雅楽部の先輩です。
前田先輩と話してる人吉野さんじゃない?そうかい?ここにいた吉野さんと雰囲気は違うけど確かに吉野さんよ。
前田先輩に電話して聞いてみましょうか?そうだね。
秀山もこの吉野さんに気づいたんだ…。
しかしこれだけでは脅しの材料にはならんだろう。
何かほかに気づいたのかしら?先生…。
この時吉野さん「五十嵐」と名乗っていたそうです。
五十嵐…。
変ね…。
(佐々木)やっぱり吉野さん…怪しいですよ。
本当に吉野さんが秀山君を〜殺したんだとしたら…。
〜〜絶対に許さないっ。
お世話になりました。
おはようございます。
やあ。
吉野君のことかい?先生も何かお気づきなんですね?彼吉野以外に五十嵐という名も使っていた。
両方とも偽名だろ。
そうですか。
宿にあった浜松の連絡先を当たりましたが吉野義久という人間はいませんでした。
念のため五十嵐という名前でもう1度当たってください。
例の手紙から何か分かったかね?今のところ特に。
そう…。
あ〜…我々はもう帰らせてもらっていいかな?はい。
いろいろとご迷惑をおかけしました。
今度お会いする時はホタテで1杯いきましょう。
えっ?いいね。
落ち着きなさいよ〜。
でも12時すぎてるぞ。
浜松から最終新幹線に乗ると東京着は11時31分。
調べたのか?東京駅から家まで小1時間かかるでしょう。
(美香)ただいまっ。
ほうらねっ…。
お帰りなさい。
お帰り。
遅くなってすみません。
浜松まで足を伸ばして…吉野君に会えたのかい?うん…。
後は警察に任せたほうがいいな。
嫌です。
美香ちゃん…。
仲間が殺されたんですよ。
さらに佐々木先輩まで疑われて。
このまま知らんぷりしてるなんてできません。
だからって美香ちゃんに何ができるの?分かりません。
とにかく吉野さんを見つけたいんです。
見つけてどうするの?あなたがやったのって聞くわけ…。
麻子…。
芯が強いところはさすがに君の姪っ子だ。
言いだしたら梃子でも動かない。
あなたっ…。
時に私は素人なんだが龍笛の達人は何人もいるのかね?いえ。
多分数えるほどしか。
(美香)「小野雅楽会」は小野照崎神社に本拠を置く会で日本の雅楽奏者の主要メンバーが所属しているそうです。
吉野…?私が知っているかぎりで龍笛の名人にはいらっしゃいませんな。
五十嵐という名前はいかがです?聞いたことありません。
だいたい30代で龍笛の名人達人はちょっと考えられませんよ。
その名人と言われる方何人か名前を教えていただけませんか?日比野重昭。
大友常二。
君根友則…。
少々お待ちください。
名簿がございますから。
あっ。
どうした?あの神社神主はいないの?いますけど別の家に住んでます。
神主の名前は?「キミネ」って名前じゃない?キミネです。
加部に聞かれた名前キミネです。
間違いない?はい。
あのキミネっていう方…おいくつぐらいですか?君根さん…もうかれこれ70歳近いんじゃないでしょうか…。
引退されて随分たちますから。
こちらです…。
三重県阿山町…。
私の家だわ。
えっ!?君根さんなら知ってますよ。
友田神社の前の神主さんでしょ?なぜ知ってるんだ?亡くなった姉から聞いてましたわ。
美香ちゃん知らなかった?知りませんでした。
いやだ…10年前よ。
君根さんが急に引っ越す事になってで美香ちゃんのお父さんがその後神主になったの。
多分加部はその君根さんを訪ねてきたんだ。
でもなぜ急に引っ越さなくちゃならなかったんだい?さあそこまでは…。
ただ君根さん宅に重い心臓病を患ったお嬢さんがいたの。
アメリカで心臓移植を受けるって姉さんから聞いて2人で少しだけどカンパしたわ。
ほう…。
ここまできたらその君根さんに会ってみたくなったな。
君根さんの引っ越し先父に聞いてみます。
うん。
(チャイム)
(君根加寿子)友田神社の歴史をお調べだそうですがあいにく主人は臥せっておりまして…。
正直に申し上げます。
友田神社の歴史を調べているというのは会っていただくための口実です。
実はご主人にある人物についてお伺いしたい。
ですから…主人は臥せっておりますので…。
2〜3分お話する事も…?無理です。
でしたら体調のよろしい時に日を改めて出直します。
あ少々お待ちください。
主人に聞いてまいります。
はあ。
大丈夫だ。
(ゆう子)失礼します。
いらっしゃいませ。
どうぞおかまいなく。
ありがとうございます。
お嬢さまですよね?はい。
心臓の具合はもうよろしいんですか?アメリカで心臓移植なさったとか…。
心臓移植など…受けておりません。
どうぞこちらへ。
恐れ入ります。
(君根友則)加部伸次…?知りませんなあ。
そうですか…。
ご用件がお済みでしたら…。
君根さんは龍笛の名人だと伺いましたが…。
名人ではありませんよ…。
もう吹きません。
お嬢さまは跡を継いで吹かれないんですか?吹きません。
息子さんも…?…もう吹く資格はありません。
それは何か訳が…?主人の体に障りますので…。
おかまいもしませんで…。
あいえ…。
こちらの住所川崎でしたよね。
先日私に手紙を出されました?夏泊にいた私に…。
いえ何かのお間違いでは…。
そうですか。
じゃ失礼します。
〜誰にも汚させないわ。
〜ゆう子…。
〜息子さんがいるってどうして分かったんですか?ん?あてずっぽうだ。
しかし…大当たりだったようだね。
ちょっと待ってください。
じゃあ君根家の息子さんが吉野さんってこと?おそらくね。
君根則和というのが本名だ。
君根則和…。
私に届いた例の手紙だが…。
彼が川崎に住んでる家族に頼んで出したと考えれば辻褄が合う。
じゃあ加部って人を殺したのも…?うん…。
多分彼は私や雅楽部というより秀山君が邪魔だったんだろう。
でもなぜ君根さんは加部さんを殺さなきゃならなかったの?さあ…。
さあって。
(美香)でも…2人は知り合いには見えませんでした。
レストハウス夏泊で2人が話してるところを見たんです。
おにいちゃん。
はい。
部屋空いてる?はい空いてますけど。
じゃ泊まるわ〜〜知り合いじゃなかった…。
〜〜眠れないんですか?〜え?ごめん…。
加部は10年前の5月6日に〜殺人事件を起こしてる。
〜〜5月6日…?〜どうしたの?〜〜やっぱりそうだ。

(ノック)
(松谷)これが先生が言われた10年前の事件の資料です。
わるいね松谷君忙しいのに。
今忙しく警視庁で働けるのもすべて先生のお陰ですから。
あ…講義といったって私のは好き勝手な事を喋ってただけで。
それが良かったです。
できるならまた先生の講義を聴きたいです。
なんでだ…?はぁ…?ん?あぁいや…。
加部は…スナックで顔見知りだった自動車修理工場の社長を金銭上のトラブルから包丁で刺殺している。
うあ〜っ。
ああっ!しかしすぐ自首をし全面的に罪を認め即座に起訴されている。
判決が出ても控訴さえしていない…。
そのようです。
信じられないね。
と申しますと…?ま掛けなさい。
私は加部伸次と深く関わってないから断定はできないが少なくとも私にはすぐに自首して罪を認める男には見えなかった。
警察に何か余計な事を探られたくなかったからでは…?同感だね。
もう一つ問題がある。
加部が事件を起こした10年前のこの日つまり5月6日だが日本の犯罪史上忘れられない大事件が起こっている。
大学の試験では「赤点マニア」と言われた自分ですがその日起こった事件のことは忘れたくても忘れられませんよ。
たしかあれは3人組の犯行って言われていたねえ。
そのうちの1人の指紋を警察は採取していながらいまだに誰ひとり逮捕できていない。
面目ないです。
事件を解決できずどれだけ悔しい思いをしてきたか。
本当に無念です。
2つの事件が同じ日に起こったというのはおそらく…意味があるんだ。
どういう事ですか?同じラグビー部だった石堂君覚えてるよね?忘れたくても体が忘れてくれませんよ。
いや変な意味じゃありませんよ…。
今青森県警にいるんだが彼と協力してやってほしい事がある。
ひょっとしたら…君たちの無念を晴らせるかもしれない…。
はい!もう!臨時顧問のくせにリハーサルすっぽかすのかと思ったわ。
事件の全貌が分かったよ。
もちろん真犯人もね。
ほんと。
最後のリハーサルだ。
集中していこう!
(部員)はい。
はい江藤です。
もしもし…。
吉野さんでしょ…?・
(吉野)演奏会明日だね。
頑張って。
今どこにいるんですか?・外国だよ。
(ロープウエーの発車ベル)もしかして…。
〜もしもし…。
(電話が切れる音)美香どうしたの?〜〜八甲田山…?〜行くよ。
〜この衣装のまま?はい着替えも荷物も持って。
佐々木君。
先生…。
どうかした?江藤君がいないんです。
美香ちゃんが?電話してたら急に飛び出してって。
誰と話してたか分かる?でも最後に「八甲田山」って言ってたと思います。
八甲田山…?あ石堂君今着いた。
美香は同じ便に乗ってなかった。
おそらく三沢空港から八甲田へ向かったと思う。
申し訳ないがそのように。
我々もすぐ向かいます。
じゃ八甲田で。
加部と秀山君を殺したのは…吉野義久こと君根則和だ。
やっぱりそうでしたか…。
彼は加部が必ず夏泊半島の椿神社に来るだろうと思って吉野と名乗って待ち伏せしていたんだ。
おそらく加部は君根の素性を詳しく知らなかったはずだ。
椿神社の神主の息子だってことぐらいしかね。
だから全国の椿神社を訪ね歩いてたのね。
予想どおり加部は夏泊にやって来た。
〜そして計画どおり〜用意した青酸カリを使って〜加部の殺害を図った。
〜〜あ〜っ…。
〜〜うあぁっ!あっ…!〜〜あっ…あぁっ…〜しかし我々が同宿していたんで君根の計画は少しずつ狂い出した。
秀山さんが例のビデオに君根さんが映ってる事に気づいたからね。
ああ秀山君も「吉野」が偽名だってことを探り出したんだ。
もしかすると加部殺しも君根の仕業だと見抜いていたかも…。
誰にも言わねえから…多分その事をネタに金を巻き上げていたんだ。
私のところに届いた脅迫状のような手紙だが…。
やはり君根が家族に頼んで送らせたものだろう。
秀山さんを遠ざけるためね。
だがうまくいかなくて自分から実家に帰ると言い出した。
第2の事件が起こった夜はおそらく秀山君の方から君根を椿山に誘い出したんだと思う。
帰るって!?合宿の最後まで指導するって約束だったろ?俺のカオ潰す気かよ?わるいけど明日帰る。
やっぱアンタがあの男を殺したんだ。
だから逃げるんだろ?無視する気かよ?警察に喋るぞ。
それでもいいのかよ?〜次の日の朝我々は手分けして秀山君を捜したよね。
その隙に佐々木君のピルケースに微量の青酸カリを入れたんだろう。
警察の捜査を攪乱するためね。
そして夏泊半島を後にした。
加部殺しの動機を説明するには10年前の大事件のことを話さなくちゃならない。
10年前に起こった大事件…?美香ちゃん!しょうがない子ねえ。
ごめんなさい。
すまなかったね石堂君。
いえ。
彼女から事情を聴いてこの辺りの宿泊施設を当たってますのでもうすぐ山狩りも始めます。
(パトカーのサイレン)知ってるんじゃないの…?吉野君いや君根君がどこにいるのか…?〜警察に見つかる前に吉野さんと会って話がしたいんです。
〜〜よし…3人で捜そう。
〜はい。
〜〜〜よっし!〜この男見かけませんでしたか?〜さぁ…。
〜〜〜ここです。
ここで吉野さんと〜雨宿りしたんです。
この先に沼があって昔龍が棲んでたという伝説があるんです。
〜吉野さん…。
美香ちゃん!君たちはここにいなさい。
吉野君いや君根則和さん。
加部と秀山君を殺したのは…あなたですね?違うって言ってください。
あなたみたいに素敵な龍笛を吹く人が人を殺す事なんてできない。
美香ちゃん…。
10年前加部は自動車修理工場の社長を殺しました。
ただその同じ日にある事件が起こった。
「第2の3億円事件」と呼ばれるヤツです。
(急ブレーキの音)
(クラクション)〜白昼現金輸送車が3人の男に襲われて3億円が強奪された。
その時犯人の1人が警備員と揉み合いになり革手袋を現場に残したまま逃走した。
〜警察はそこから犯人のものと思われる指紋を採取。
事件はすぐに解決するものと思われました。
ところが結局今日に至るまで誰一人犯人は捕まっていません。
それでいつからか「第2の3億円事件」と呼ばれだしたわけだが…。
君根さん…その時の犯人の1人は…あなただ。
事件の時犯人が残した指紋とレストハウス夏泊に残っていたあなたの指紋が…見事に一致しました。
それから残りの犯人だが加部と加部が殺した社長の2人だと思ってます。
違いますか?はい…。
すべて先生がおっしゃったとおりです。
加部が社長を殺したのはおそらく3億円の取り分をめぐるトラブルからでしょう。
ただ加部はそんな事は警察に言えないから驚くほど素直に刑に服した。
あなたが預かっていた3億円の分け前を手に入れる事を夢見て…。
そして10年後にとうとうその日がやってきたんだがただ加部はあなたの事をあまりよく知らなかった。
おそらく…主犯は社長だったんじゃないんですか?社長は加部とあなたを別々に仲間に引き入れたんだ。
だから加部はあなたが椿神社の神主の息子だっていうことしか知らなかった。
ま10年前に会っただけなら顔も覚えてないでしょ。
だから全国の椿神社を…?社長って人に脅されてしかたなくそんな事したんですよね?いや…単純に金が欲しかったんだ。
妹さんのためですよね?アメリカで心臓移植を受けるためにお金が必要だったのよね?違います。
妹は関係ありません。
君は加部の取り分まで手をつけてしまった。
妹さんと君の家族を守るために。
家族も関係ありません。
だがその事を加部に知られたくなかった。
もし知ってしまえば君の家族の幸せを壊しに来ただろうからね。
家族は関係ないと言ってるでしょ!自首してください…。
お願いです。
わるいけど…自首できない。
先生すみません…。
これを警察に渡してください。
僕が犯した罪のすべてを書いてあります。
それと勝手なお願いなんですが先生のお力で家族のこと…何とか守っていただけませんか。
これから君がどうするのか聞かないと承知しかねるね。
僕なりの責任をとります。
死ぬってことですか…?すみません…。
待ちなさい!危ない!やめて!美香ちゃん!自分の最後は…自分で決めさせてください。
(龍笛)〜〜やめろ。
やめてくれよ。
もう一度龍笛を吹いてください。
吹いてる時だけは本当の自分に戻れると言ってたじゃないですか。
生きてください。
あなたを愛する人たちのためにお願いだから生きてください。
〜石堂君…すまないが〜少し待ってくれないかな。
〜この手紙はもういいね?〜はい。
ご家族には出来るかぎりの事をさせてもらうよ。
〜ありがとうございます。
〜じゃ…。
〜はい。
〜先生…この度の新しい講義〜ありがとうございました。
〜お役に立てて何よりです。
〜では失礼します。
〜お元気で。

(雅楽)〜〜2014/05/28(水) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
午後のサスペンス 夏泊殺人岬[字]

青森最果ての椿神社で毒殺された男は姪に付きまとう不審者!

詳細情報
番組内容
明和大学法学部教授・和泉直人はふとしたことから雅楽部の臨時顧問となり、合宿の引率で青森県夏泊半島に行くことになる。雅楽部には部の副部長を務める麻子の姪・美香もいた。合宿先は部長の佐々木の実家である「椿神社」。偶然にも、三重県にある美香の実家も「椿神社」と呼ばれていた。一行が小湊駅に着いて間もなく、女子部員が酔っ払いの中年男にからまれる。
番組内容2
その男は合宿先の椿神社にも現れ、神主の行方を尋ねる。「神主は自分の父親だ」と言う佐々木に男は名前を尋ねる。しかし、「佐々木」という名を名乗ると、男は「また無駄足か・・・」と呟き立ち去った。しかしそれでは終わらず、男はさらに雅楽部の宿泊先にも姿を見せ、同じ宿に泊まった。その夜、部屋にいた部員数名が転げ落ちるような物音を聞き、外に出てみると、昼間の男が階段下で死んでいた。
番組内容3
直人は死体から青酸カリ特有の匂いがすることに気づく。
出演者
和泉直人・・・橋爪功
和泉麻子・・・いしだあゆみ
江藤美香・・・遠野凪子
吉野義久・・・唐渡亮
佐々木貴史・・宝井誠明
秀山一平・・・近藤公園
村上刑事・・・斉藤暁
竹内刑事・・・大竹周作
石堂光一・・・京本政樹
松谷・・・・・モロ師岡 ほか
原作脚本
【原作】内田康夫
講談社「夏泊殺人岬」より
【脚本】田子明弘
監督・演出
【監督】松島稔

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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