(菊田)少年法や刑法で守られた男が立て続けに死亡してるってことですね。
まるで誰かが天罰を下してるみたいだ。
(玲子)この3人とも同じ捜査員に逮捕されてるわ。
(湯田)元警察官のこの男が3人の死に関係してるっていうんですか?
(倉田)まさかあんた俺が司法に代わってその3人を極刑に処したなどと思ってるんじゃないだろうな。
そう思ってます。
(女性警官)被疑者は強盗殺人で指名手配中の山辺研一。
立ち回り場所は八郷町岩谷。
実家に潜伏しているもよう。
付近の局は至急急行願います。
(警察官)岩谷1号北土浦から向かいます。
(勝俣)なあ山辺のやつは何をしでかすか分かんない変態野郎だ気を付けてやれよ。
(倉田)分かりました。
(勝俣)うん。
(勝俣)おい。
(刑事)はい。
(勝俣)中村井上。
(中村・井上)はい。
上。
(刑事)はい。
(刑事)はい。
あの野郎てめえの母親まで殺しやがった。
・
(山辺の悲鳴)
(勝俣)おい。
(刑事)はい。
倉田か。
(山辺)やめろ!
(山辺の悲鳴)倉田。
引き金引いちまったらそいつは一発でおだぶつだぞ。
(倉田)1人殺したら原則死刑でいいんじゃないですかね。
(勝俣)あん?う〜ん。
(勝俣)持ってけほら。
(刑事)確保。
(刑事)ほら座って。
金借りたら利子付けて返すでしょう。
でも命奪ったらそうはいかない。
だったらせめて元本は返すべきじゃないんですかね。
(勝俣)人を殺したやつは人に殺されてちゃらっこってわけかい。
そういうことです。
顔に何か付いてるぞ。
(今泉)お疲れ〜。
県警からも連絡あった。
(今泉)大変な事件だったらしいな。
(倉田)はい。
(今泉)あっ?
(勝俣)あ〜あ今夜の酒はまずくなりそうだ。
(今泉)何かあったのか?警官の中には人を殺しそうな目つきをしたやつがいるもんでな。
まあそのつまり何つうか人を殺すことをいとわないっつう野郎がね。
(今泉)はあ?何のことだ。
(勝俣)お疲れ。
・
(女性警官)倉田主任奥さまからお電話です。
もしもし。
・
(加奈子)もしもしあなた。
何だ仕事中は電話するなって言ってあるだろ。
・
(加奈子)そうじゃないの。
英樹が…。
英樹がどうした?・
(加奈子)人を人を殺したって。
・
(加奈子の泣き声)・
(警備員)おはようございます倉田さん。
(警備員)交代しますんでもう上がってください。
(警備員)お疲れさまでした。
(刑務官)倉田英樹はやはり会いたくないと言っております。
そうですか父親は面会には?
(刑務官)おみえになってません。
倉田英樹の出所は?
(刑務官)そろそろですがまだ決定していません。
そうですか。
(水本)《犯行については素直に自白しました》
(水本)《別れ話を言いだされてカッとなったと》何でこんなことになったんだ。
そばにいて何も気付かなかったのか。
(加奈子)あなた。
(倉田)俺はあいつのことは厳しくしつけてきた。
なのにお前は何をやってきたんだ!信じられないんですあの子は優しい子です人殺しなんてできるような子じゃない…。
殺してしまったら!殺してしまったんだぞ。
(倉田)どけどけ!どいてくれ。
・
(警察官)さっさと歩け。
ほら行くぞ。
(嶋田)娘の敵をとってやったんだ。
彩香を返せ。
(嶋田)彩香を返してくれ!
(警察官)ほら行くぞ。
(石倉)うっ何でこうなるんだよ。
くそ。
(湯田)何を格闘してるんですか?
(石倉)何でもないよ。
(ため息)
(葉山)何でもない人はそんなため息つきませんよ。
おい絵文字ってやつはどうやって出すんだよ。
絵文字っすか?
(湯田)んっ?奥さん家出したんですか?女房でこんな心配するかよ。
(菊田)じゃあ誰が家出したんすか?上の娘だ。
(菊田)中学生の。
ああ。
(葉山)どうして家出したんですか?
(石倉)3者面談で俺の後継いで警察官になりたいなんて言うから絶対駄目だって言ったんだよ。
そしたらおばあちゃんの所行って帰ってこない。
(菊田)何で駄目なんですか?警察官。
(湯田)いいじゃないですかお父さんを尊敬してる証拠ですよ。
(石倉)駄目だあんな危険な仕事。
父親として娘があんな危険な現場に出ること許せない。
危険って主任のお父さんはちゃんと許してるじゃないですか。
(石倉)うちのと主任はタイプが違う。
それに主任の親御さんだって心配してることに変わりはないと思うぞ。
親ってのは子供のことになると…。
ただいま。
(湯田)おかえりなさい。
主任また塀の外ですか?やっぱり倉田の息子には会えなかった。
本当に元警部補が犯罪者を殺して歩いてるなんてことがあるんでしょうか?私はそう確信してる。
(湯田)元警部補なら他殺にならないやり方で殺す方法を熟知していておかしくはないですもんね。
う〜ん例えば吾妻の場合。
うっ血が残らないように頸動脈を絞めて気絶させ道路に投げ込んだのか。
・
(腕をたたく音)
(湯田のせき)
(湯田)主任ちょっとヤバいっすよこれ。
(菊田)そして安井は屋上から突き落とした。
(石倉)大場の場合は致死量を超える覚せい剤を静脈注射したと考えられます。
何とかして英樹に会わないと息子なら倉田の決心を変えられる何かを知ってるかも。
(葉山)僕は信じられません。
息子を殺す決心が鈍らないために他の犯罪者を殺すなんてそんな親がいるとは思えません。
(ため息)ノリ。
はい。
親だって壊れる。
親だから壊れる。
先生は倉田英樹の弁護をなさってたんですよね?
(浅川)はい今ごろになって本部の警部補がどんな用件でしょう。
どうしても倉田英樹に会いたいんですが会ってもらえないんです。
先生は倉田英樹の父親とはお会いになりましたか?
(浅川)ええ厳しいお父さんで私に減刑するようなことは一切しなくていいとおっしゃって正直驚きました。
(浅川)裁判の傍聴にも一度もいらっしゃいませんでしたし英樹君は取り調べで多くを語らなかったのはお父さんの手前があったんではないかと思うんです。
それはどういう?
(浅川)検察は抵抗した跡がない彩香さんを刺し殺したことで厳罰を求めました。
(浅川)英樹君一切反論しなかった。
(浅川)しかし私は父親の倉田さんが英樹君が厳罰に処されることを求めているとそれを知っていてあえて英樹君は何も言わずに罰を受けようとしたんだと思っています。
・
(ドアの開く音)ただいま。
(瑞江)おかえりなさい。
(瑞江)手ぐらい洗いなさいよ。
(ため息)
(瑞江)お父さんもあなたもどうしてグラスに出さないのかしらね。
お父さんってさあ私のこと殺したいって思ったことあるかな。
(瑞江)えっ。
あんなことがあって自慢の娘じゃなくなって。
(瑞江)何言ってるの。
(ため息)親が無償の愛って嘘だよね。
親だって人間だもん。
どろどろした感情で子供が憎いってことあるんじゃないのかな。
(瑞江)玲子何かあったの?
(ため息)何にもない。
お母さんもさあ私がいなくなったらって思ったことあるでしょ?そんなこと思ったことないわよ。
おやすみ。
(ため息)
(ため息)
(刑事)おはようございます。
おはよう。
・
(湯田)本当にいいんですか。
主任に言わなくて。
・
(菊田)ああ。
・
(湯田)でも時間の問題じゃないですか。
(菊田)いいんだ。
葉山も…。
菊田。
(菊田のため息)倉田英樹来週には出所するのが決まったようです。
出掛けてくる。
(石倉)おはようございます。
あっ主任みんな娘のことでご心配おかけしましたが。
お嬢さん帰ってきたんですね。
(石倉)おかげさまで。
朝まで話し合ったんだよ。
将来のことはじっくり考えようって。
保さんのお嬢さんは保さんがパパで幸せね。
(石倉)えっそうですか?どんなことがあったって子供に死んでほしいなんて思わないでしょ。
よくここが分かったな。
どうせ暇な捜査一課ですから。
英樹君が釈放されるそうですね。
決意は変わりませんか?3人も殺して固めた決意ですもんね私に暴かれたくらいじゃそう簡単に後戻りできないか。
息子さんを殺してどうするんです?あなたも死ぬつもりですか?
(ため息)証拠は持ってきたのか?いえでもあなたが吾妻が通っていた図書館で心神喪失を演じていたことを突き止めたのは分かりました。
他の2人も再犯の可能性があることを調べたんですね?そして正義に基づいて3人を殺害した。
(倉田)正義?バカなことを言うな。
殺しに正義もくそもあるか。
あるのは選択だ。
殺すという方法をとるのかとらないのかそれだけだ。
選択?人が人を殺す理由と殺そうとする気持ちはまったく別のところにあるということだ。
人を殺すに値する理由などこの世に一つもない。
逆にいえばどんなささいな理由でも人は人を殺すということだ。
そこにあるのはたった一つ選択する機会にすぎん。
(倉田)息子にしたってそうだ。
(倉田)別れ話なんていうものは世の中に掃いて捨てるほど転がってる。
だがやつは殺すことを選んだ。
そして人の死は死をもってしかあがなえない。
俺は親としてそれぐらいのことは教えて育てたつもりだった。
だから息子さんに死をもってあがなえと?どうしてもご自分の手で英樹君を罰するおつもりですか?人はな一度殺してしまったらもう駄目なんだ。
再犯の可能性が高いかどうかは断言できん。
だが殺意は膨れたまま心に残る。
一つの大きな選択肢として魂の中に居座り続ける。
そんな心に爆弾を抱えた息子を俺は世に放つことはできん。
これが俺の元刑事としての最後の理性だ。
殺人があえて選ぶものだというのは分かる気がします。
でも殺意が危険なのはそれを犯してしまった人間に限ったことじゃない。
でも大半の人間がその殺意を抑え込んで生きてる。
少なくとも私はそうです。
だから私はあえて刑事としてあなたと違った結論を見つけたい。
英樹君は私がどんなことをしても守ります必ず。
・
(足音)
(湯田)おかえりなさい。
(石倉)おかえりなさい。
係長お願いがあります。
先日係長から中止を命じられた件ですが吾妻大場安井を殺したと思われる男を特定しました。
姫川その件はやめろと言ったはずだ。
元警部補の倉田修二です。
彼は今度は自分の息子を殺します。
倉田が?はい倉田修二元警部補至急この3件の事件について正式に洗い直させてください。
倉田の息子は来週刑務所を出所します。
目撃者でも見つけ出すことができれば英樹が出所するときに倉田修二を拘束しておくことができます。
確かなのか?倉田に会いました。
間違いありません。
息子を殺すことだけは何としても防がなくてはなりません。
今日1日だけやる。
何か証拠つかんでこい。
それによって考える。
ありがとうございます。
保さんは吾妻菊田は大場康平は安井の現場周辺の聞き込みをお願い。
(3人)はい。
このヤマ絶対とるわよ。
(3人)はい。
(葉山)自分も。
行きます。
菊田と行って。
(葉山)はい。
(石倉)あのこの男見たことありませんか?
(男性)知らない。
(石倉)じゃあこの男は?
(男性)知らないよ。
(湯田)分かりました。
ありがとうございます。
(葉山)不審な目撃情報は出ませんね。
(菊田)ああ。
あの。
(菊田)何だ?俺はこの状況で捜査をすることに100%賛成してるわけではないです。
ただこれだけの状況で係長を説き伏せた執念は並大抵じゃないなって思ったんです。
そうか。
この3カ月菊田さんに言われたように女だっていう偏見を通さずに主任を見てみたら認めるところもたくさんありました。
かと言って今でも女性がこんな現場にいることを認めたわけではありませんが。
行くぞ。
(一同)お疲れさまです。
ただいま。
(ため息)・
(ドアの開く音)
(今泉)どうだ何か出たか?いいえ。
ついてこい。
ここは前に倉田と来たことがあるんだ。
えっ?俺が係長になりたてのころやつは隣の係の主任だった。
あいつあんな事件がなけりゃ今ごろは俺なんかよりずっと出世してる優秀なデカになってた。
おう。
すいません。
(今泉)よし。
(今泉)あ〜。
奥さんの話聞いたか?はい息子さんが殺害した嶋田彩香さんの父親に復讐で殺されたと。
父親は無期懲役だ。
まだ二審で係争中だが。
姫川。
はい。
本当に倉田がやったのか?係長はどう思われますか?あいつは仕事一筋の人間だった。
それが仕事を奪われその上最愛の奥さんまで失った。
普通の人間じゃ耐えられないだろうな。
はい。
(今泉)あいつは奥さんが殺された裁判を一度も傍聴しなかった。
それどころか検察側の証人として証言台に立つことも断った。
あのときからだ。
俺にはあいつっていう人間が分からなくなった。
倉田修二は大場や安井や似たような殺人事件の被害者に触れて被害者遺族の痛みは通常以上に分かってるはずです。
そんな彼が図らずも被害者遺族になってしまった。
もしかしたら倉田修二は加害者の父親という立場よりも被害者遺族の側に立つことを選んだのかもしれません。
(今泉のため息)倉田がやったっていう確信があるんだな?倉田修二は息子を殺して自分も死ぬことだけを目的に生きてます。
息子が更生していることでも分かれば倉田修二を止めることもできると思うんですが。
姫川。
はい。
倉田英樹に伝えてください。
亡くなったお母さんの遺言を伝えに来たと。
お願いします。
(刑務官)お待ちください。
・
(足音)・
(ドアの開く音)
(刑務官)入りなさい。
警視庁捜査一課の姫川です。
会ってくれてありがとう。
あなたのお母さんが亡くなる数日前に私の上司の今泉の所に会いに来たそうです。
あなたのお父さんは減刑など嘆願するなと言ったけれどお母さんはあなたが人をあやめるようなことをするのはよほどのことがあったに違いないもっとちゃんと調べてほしいと相談にいらしたそうです。
お母さん言ってたそうよ彩香ちゃんに別れ話を言われて殺すなんて信じられないあの子はそんな子じゃないって。
あなたのことをお母さんは信じていたんです。
(英樹)それだけですか。
えっ?
(英樹)そんなことはどうだっていい。
英樹君。
お父さんを助けたいんです。
お父さんはもしかしたらあなたを…。
(ため息)今日は突然お邪魔して申し訳ありません。
(澄子)いえ。
単刀直入にお尋ねしますが倉田英樹がお嬢さんを殺害したのは別れ話のもつれが原因らしいですがお嬢さんからそんなことを聞いたことはありましたか?
(澄子)いいえ。
何か最近になって思い出したことでもいいんです。
(澄子)やっと彩香の持ち物の整理をする気持ちになったんです。
それで…。
お待ちください。
娘の携帯です。
失礼します。
これは倉田英樹とお嬢さんですか。
着信履歴を。
この石澤琢斗というのはご存じですか?たぶん主人が勤めていた会社の社長さんの息子じゃないかとメールも見てください。
このメールは彩香さんが書かれたものですか?
(澄子)友達の智美ちゃんに送ったものです。
交際を断ったらお父さんを首にするってこのことお父さんもお母さんもご存じなかったんですか?
(澄子)はい。
父親の会社の親睦会を彩香が手伝いに行ってそこで琢斗さんに会って携帯の番号を聞かれたというのは聞いてたんですけど。
湯川智美さん?
(智美)はい。
嶋田彩香さんと仲が良かったのよね?どうぞ。
彩香さんがあなたに送ったメールを読ませてもらったんだけど事件の前彩香さん石澤琢斗って人に交際を迫られて困ってたんだって?はいあの人異常で学校の前で待ち伏せしたりうちらがカラオケ行こうとしたら無理についてきたりして超キモかったです。
(智美)あの事件の前のころ彩香いつもびくびくして後ろばっか気にして声掛けただけなのにそれだけで跳び上がってびっくりしてた。
おびえてた?
(足音)
(玲子のうめき声)
(ナイフの刺さる音)
(玲子)《あっ!》
(智美)もうホントあり得ないです。
彩香は英樹君のことがホントに好きだったのに。
英樹君だって彩香のことすごく大切にしてて。
(一同)ご苦労さまです。
お疲れ。
どう?何か見つかった?
(石倉)吾妻の死亡現場で目撃者を捜しましたが出てきませんね。
(葉山)安井が飛び降りたビルの近辺でもおんなじです。
安井がなぜ屋上に行ったかは?それも不明のままです。
(菊田)大場の現場でも不審者は目撃されていません。
ただ3人が死亡した日倉田の勤務がなかったことは勤め先の警備会社に確認とれています。
英樹に殺害された嶋田彩香なんだけど彼女をストーカーしてた男がいるの。
誰ですか?彩香の父親が勤務してた会社の社長の息子石澤琢斗。
・はい捜査一課菊田です。
倉田英樹が?ありがとうございます。
英樹の釈放が早くなったそうです。
行ってくる。
石澤琢斗調べて。
何か出てくるかもしれない。
(一同)はい。
あっ。
よかった。
間に合った。
まだ何か用ですか?それは…。
(倉田)迎えに来た。
英樹君は私が連れて帰ります。
(英樹)父と帰ります。
僕たちのことは放っておいてください。
いつも曲がらず折り返すあの角をあなたは初めて曲がった。
英樹君を迎えに来たんですよね?信じていいんですよね?はい姫川。
(菊田)菊田です。
石澤琢斗吐かせました。
英樹が殺した嶋田彩香をストーカーの末暴行したことを認めました。
ありがとう菊田。
すいません神奈川の川崎まで。
(運転手)はい。
なるべく早くお願いします。
(英樹)父さんは僕に…。
(英樹)死んでほしいんでしょ。
英樹君はどこですか?英樹君。
英樹君。
英樹君!一緒に来てください。
現場保持のため鑑識が来るまでこのままでお願いします。
どうして殺したんですか?俺はやってない。
できなかった。
でも英樹の決意は分かっていて止めなかった。
満足ですか?命を奪ったら命で返すあなたの信念が全うされて。
あなたは英樹君の事件を調べたんですか?何を言ってる。
倉田さんは彩香さんの父親嶋田勝也の勤め先をご存じですか?工場機械の部品製造工場だ。
それがどうした。
その会社の社長さんと面識は?あるわけないだろう。
ではその社長の息子さんのこともご存じないんですね?嶋田彩香さんは父親が勤める会社の社長の息子石澤琢斗に交際を迫られていたと思われます。
ストーカーまがいの行為を受け最後は暴行されたと思われます。
えっ?英樹君が彩香さんを刺す前のやりとりは知りようがありません。
英樹君と彩香さんの2人だけの秘密なんだろうと思います。
だから英樹君は取り調べでも決して口を割らなかった。
でも私には分かります。
彩香さんは死にたくなってしまったんだろうなって。
石澤琢斗とそうなってしまった自分が許せなくてそれでも英樹君を好きでいることが苦しくて悲しくて。
英樹は…。
彩香さんに殺してくれと頼まれて殺害したと言うのか?全ては私の想像です。
ですが彩香さんが無抵抗だったのにはうなずけます。
(彩香)《ありがと》あいつはどうしてそのことを。
英樹君にとって彩香さんが汚されたことはとうてい許せないことだった。
英樹君も彩香さんもそのたった一度の間違いを正すには死ぬしかないと思い込んだ。
まるで死ねばリセットできるかのように。
(倉田)そんなバカな。
あなたに育てられた英樹君ならそう考えるのは分かります。
たった一度間違いを犯したら終わりそんな強い価値観を持ってたんでしょう。
だけど。
(ため息)人はどんな痛みも間違いも背負って生きていってこそその先にある何かにたどりつけるんじゃないんでしょうか。
(倉田の泣き声)・
(足音)
(刑事)通報された方は?第一発見者は私です発見したときにはすでにこの状態でした。
おそらく自殺と思われます。
(刑事)分かりました。
現場を確認後詳しく話を聞かせてください。
はい。
早く楽になろうなんてしないでくださいね。
苦しんで苦しんでからからになるまで苦しみ抜いてから死んでもらわないと辻褄が合いませんから。
(勝俣)おい人がでかいヤマとったってのにしけた面さげやがって。
(菊田)ご苦労さまです。
(勝俣)お前俺が貴重な情報を分けてやったのに倉田のせがれ犬死にさせたらしいな。
まあいいかお前も倉田も元本取り返して万々歳だろうからな。
だが覚えとけよ姫川。
これは貸しだぞ。
どんな間違いを犯しても必ずやり直すことができる私はそんな人の力を信じてる。
2014/05/28(水) 15:53〜16:48
関西テレビ1
ストロベリーナイト #05[再][字]
「選ばれた殺意〜過ぎた正義」
竹内結子 西島秀俊 小出恵介 丸山隆平 武田鉄矢
詳細情報
番組内容
姫川玲子(竹内結子)は“ガンテツ”こと勝俣警部補(武田鉄矢)から、女性暴行殺人事件の犯人3人の捜査に関わった倉田修二警部補(杉本哲太)が3年前に警察を辞めたことを聞く。理由は、息子の倉田英樹(石黒英雄)が交際相手の高校生、嶋田彩香(皆川玲奈)を刺殺したからだ。英樹は家裁で2年の刑に処せられて少年刑務所に収監されているという。さらに、倉田の妻・加奈子(おぐちえりこ)は、
番組内容2
被害者の嶋田彩香の父親・勝也(吉満涼太)に自宅で殺されていた。
倉田と対峙した玲子は「最初、あなたは過ぎた正義感のために3人を殺したと思ったが、自分を追いつめるために3人を殺した。息子の英樹に自分の手で罰を与える決心が鈍らない様に・・・」と語りかける。
玲子は英樹と面会をしたいと思うが、英樹は会いたがらない。玲子は倉田の決意を変えるために何としても英樹に会いたいのだ。
番組内容3
英樹は来週に出所することが決まったようだ。
玲子は倉田に息子の殺害を止めさせたいが、証拠はあるのかと突っぱねられる。玲子は倉田に「英樹君は私がどんなことをしても守る」ときっぱり言って立ち去る。そして、玲子は英樹の母親が生前に言っていたことを伝えるために英樹に会う。さらに、彩香の母親の澄子(渡辺杉枝)に会い、ある事実に気付いた玲子は・・・。
出演者
竹内結子
西島秀俊
小出恵介
宇梶剛士
丸山隆平
津川雅彦
渡辺いっけい
遠藤憲一