趣味の園芸「和のウォーターガーデン カキツバタ」 2014.05.29

(テーマ音楽)おはようございます。
「趣味の園芸」ナビゲーターの三上真史です。
水辺が恋しい季節となりました。
今日は5月に盛りを迎えるカキツバタをご紹介します。
和のウォーターガーデンをカキツバタでつくってみませんか?まずはカキツバタの品種をご紹介します。
色も模様もたくさんあるんです。
カキツバタは鉢でも育てられます。
とても簡単なので初心者にもお勧めです。
後半は…今の時期の世話をご紹介します。
というわけで今日僕は名古屋市にありますこちら白鳥庭園にやって来ました。
見て下さい。
このように園内には池が広がっていてもう水面がキラキラしていてとても涼しげで癒やされます。
そんな中カキツバタについて教えて下さるのはこちらの方です。
伝統的な園芸植物の魅力を多くの人に伝えています。
亮軒さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日はカキツバタという事で早速こちらに…。
「いずれがアヤメカキツバタ」という言葉がありますけれどさてどちらが?どちらもカキツバタじゃないんですか?ないんです。
どこが違うんでしょうか?アヤメの方は綾なす目が花びらの中心にあるという事ですね。
綾なす目網の目のように。
こちらがアヤメ。
最初に「網の目」と思ったら「アミメ」になってたかもしれないけどこれを「綾目」と見た見立てがいいですね。
そこから名前が「アヤメ」に。
こちらがカキツバタ。
カキツバタは「かきつけ花」といって染料に使った花なんですけれどただよく見て頂くと花の中心のところに黄白色といいますか少し黄色みを帯びた白い筋がございますね。
ほんとだ。
よく見ると全く違いますね。
カキツバタはこのように白い筋が入ってるんですね。
他に何か違いってあったりするんですか?もう一つ生えてる場所が違いまして全くアヤメは丘畑。
陸地という事ですね。
それからカキツバタは水中水生植物であると。
どちらも水中で大丈夫だと思ってたんですが。
違うんです。
そんなところに大きな違いがございます。
ワクワクしてきました。
是非今日は詳しく教えて下さい。
お願いします。
お願いします。
まずはカキツバタの品種を紹介します。
皆さんが思い浮かべるのは原種のこの紫色ですよね。
でもそれだけじゃないんです。
赤みがかった紫色の…花びらがビロードのような風合いです。
こちらは…ピンク色の花弁がかれんですね。
そしてこんなに真っ白なカキツバタもあります。
カキツバタにはおよそ80の品種があります。
亮軒さん色もさまざまあるんですね。
それぞれの花の模様といいますか柄といいますかそういうものがございまして。
色だけじゃなく模様もある。
どうですか?これ。
中心に薄紫の色がございましょう。
ぼかし。
そうなんです。
模様にはそれぞれ名前が付けられています。
こちらはぼかし。
それからこちらの方。
これは?これまた見事ですね。
砂子を散らしたという事で砂子斑といっております。
まさに砂を散らしたかのような。
細かく出てます。
きれいですね。
自然にこうなってるんですか?そうですね。
そういう品種ができてきたわけですね。
更にそれが濃くなってまいりまして今度は縁だけが白くなってくるというのは覆輪といっております。
砂子が濃い感じがしますけども。
濃くなって縁だけが白く残る。
確かによく見るとまわりは白いわけですね。
このように花の模様も色違いだけじゃなくてそれぞれの模様もあるわけですね。
どれも白に紫。
色は変わらないけど模様が違うという事なんですね。
自然に?突然変異で300年くらい前に既にそういう形のものを発見して更にまた発展をさせていろんな白だとか紫だとかこういう覆輪の花だとかいろんな花形を花色を作ってきているわけですね。
はぁ〜300年の歴史が詰まった花という事ですよね。
カキツバタの名所として知られています。
毎年5月になると3万本のカキツバタが咲き誇ります。
全てカキツバタの原種です。
平安時代ここを訪れた人がいます。
歌の名手…旅の心を詠んだこの歌。
「かきつばた」の5文字が盛り込まれています。
カキツバタは1,000年以上も昔から日本人に親しまれ愛されてきたんですね。
カキツバタを鉢に植えそのまま水を張ったプランターに入れれば簡単。
水が漏れない器であれば何でもOKです。
おしゃれな鉢カバーに水を張って鉢を沈めてこんなおもてなしの空間に。
水が漏れない入れ物に直接植える方法もあります。
使ったのは古くなったうどんのこね鉢。
よ〜く見て下さい。
中にメダカが泳いでいます。
お〜。
水さえあればどんな入れ物でも育つという事ですよね。
水生植物ですからお水がかれてしまうと育ちにくくなります。
しっかり水を。
今ちょうど花の時期ですから園芸店だとか通信販売で苗を求める事ができます。
こんなような形で売られておるわけですね。
こちらが苗という事ですね。
花の咲いてる芽もございますしこれ花がないでしょ?これそうですね。
これが大事なんです。
こちらは来年咲く芽です。
つぼみのある芽は今年咲いてしまうと来年は咲きません。
という事はこのように芽がないと来年は楽しめない。
一年パスしちゃうという事でございます。
できるだけこういう新しい芽の一緒にある苗をお求め頂くのがポイントです。
今回は…これを抜いて頂きます。
結構ギュッとなってますよ。
こんなにどうでしょう?詰まってます。
いっぱい根が張ってますね。
こんなに根が張るんですね。
これを一回り大きな鉢に植えます。
根鉢は崩さなくていい?崩さなくて大丈夫です。
そしてできるだけ芽が中心になるところに置いて頂くと。
この鉢自体が中心じゃなくてこの芽ですね。
端に寄せる感じですね。
養分のある土や肥料は要りません。
至って簡単でございます。
深さってどれぐらいなんですか?ウォータースペースとして3〜5cmくらいの深さがあるとよろしいですね。
ここにウォータースペースをとれば大丈夫ですね。
あとは水を入れてやればOKですが…今回はこんなアレンジを加えてみます。
お〜きれいですね鮮やか!ビー玉ですか。
土の表面を隠すように並べて頂きますと…。
カキツバタならではですね。
そうですね。
涼しげですよ。
水生植物だからこそ楽しめる方法ですよね。
初夏にぴったりですね。
まず置き場はどんな所がいいんでしょうか?カキツバタは日当たり大好き。
まさにこのように日が当たる場所。
こういう場所がよろしいのでお庭の場合だとベランダだとかよく日の当たる場所に置いて頂くという事が一番です。
そして水やり。
常に土の上に3〜5cmの水があるように毎日チェックしてつぎ足します。
花が終わりますとこのように花がらになりますよね。
こちら今終わった花がらですね。
カキツバタは3日間咲きましてこれ4日目の花これ5日目の花なんですよ。
3日間なんですね。
4日目になるとこんな状態になりますのでそうすると花を摘んであげた方がよいという事ですね。
カキツバタは一茎に3つのつぼみがつきます。
花は3日咲きしおれると次が咲きます。
しおれた花を摘んでやると次がきれいに咲きます。
2番目の花3番目の花が咲きやすくするためにもこれはない方がいいと。
このように摘んでいきます。
簡単に折れます。
折ってみて下さい。
いいですか?これはもう折る感じですか?ポキッと。
ハサミは要らないですか?要らないです。
続いて花が終わったあとの管理です。
亮軒さんこちら花が全て終わったと考えて花が終わったあとって何したらいいですか?日のよく当たる所に置いて頂く。
これ一番大事な事です。
変わらずですね花が咲いてる時と同じように日の当たる場所。
日当たりが一番大事です。
それから水をきらさない。
これももちろん大事な事。
冬もずっと水を張っておく。
氷が張ったって水はきらさないで下さい。
氷が張っても大丈夫なんですか?大丈夫大丈夫。
そんなに丈夫なんですか?丈夫なんです。
花がなくても同じように管理すると。
肥料はいかがですか?肥料は植え替えとか株分けをしない場合は6月に花が全体が大体終わった頃にちょっとお礼肥として1回やります。
それから秋に1回また同じくらい施します。
そして冬は全部上が枯れてしまいます。
葉は切ってしまいます。
休眠をいたしまして春になると新芽が出てまいります。
新芽がこのくらい出始めた頃にもう一回肥料をやります。
ですからせいぜい3回ですね一年間に。
それだけの肥料をやれば大丈夫。
6号鉢で2個が目安です。
ゆっくり溶けるように土の中に埋め込みましょう。
2年から3年でカキツバタが大きくなります。
そうしたら株分けをしましょう。
さあ続いてはカキツバタの株分けという事なんですが2年から3年たつと株分けが必要なんですか?そうですね。
やはり土が古くなるという事は生育が悪くなりますので土を新しくするという意味で株分け植え替えが必要ですね。
いつごろ植え替えたらいいんですか?花の済んだあとが一番よろしゅうございます。
花が終わったあと。
ですから6月の中頃から下旬くらいの時が一番好都合だという事ですね。
花が終わった茎は…その横に伸びた新しい葉が来年花をつけます。
カキツバタの株分けですね。
先ほどの株を洗ってまいりました。
カキツバタの場合は1芽ずつに割ってしまうとかえって株が弱ってしまいますし生育が悪くなりますので…1つ2つ3つの芽で1つという事ですね。
こちらも123株と。
真ん中というふうに3つに分けたいですね。
では実際に…。
やってみましょうか。
もう手でいっちゃうんですね。
手でこういうふうに。
手で割るような感じでいいですか?割るように。
こういう事ですね。
これハサミなど使わなくていいわけですか?ハサミだと交差している根が全部切れてしまいますので手の方がこうやってずっと。
そうすると長く分かれるでしょ?こんなふうに3つに分かれたと。
見事に分かれました。
これで株分けができたと。
これで株分け完了です。
分けた株を赤玉土でそれぞれ植えつけます。
1株の場合は6号鉢を使います。
2株の場合は8号鉢で。
ただし注意点があります。
ちなみにこれ同じ品種を今2つ入れましたよね。
例えばカキツバタの違う品種を一緒に植えるのって…。
そうしたい時もありますよね。
したくなるんですけど。
ところがどうしても品種によっては強い弱いがありますね。
そうしますと強い方だけがより強くなって弱い方は負けてしまう。
駄目になっちゃうんですか。
枯れてしまうという可能性がありますので必ず同じ品種を同じ鉢に植えて頂くと。
どうしても1つの鉢で2色3色を観賞したい場合には小さな鉢でそれぞれを育てて観賞するための時だけに寄せ植えをして楽しんで頂く。
そういうふうな手間をかけて頂かないと同時に植えつけてしまうと強弱がつくよという事ですね。
それだけ注意して頂くとよろしいと思います。
1つの品種で1鉢という事で。
分かりました。
(水の音)うわ〜亮軒さん庭に合いますね。
風情がありますよ。
日本人は1,000年の昔からカキツバタずっとおつきあいをいたしまして。
1,000年ですか。
このたたずまいがいいじゃありませんか。
いいですね。
本当に長く日本人に愛されてきた花という事ですね。
見ていて癒やされますし心にしみる花ですよね。
本当に日本人の心そのものじゃないかと思います。
これから暑くなる季節こういった涼しげな和のウォーターガーデンいいですよね。
お庭にちょっとしつらえて頂くのもよろしいかと思います。
皆さんも是非つくってみてはいかがでしょうか?亮軒さん今日は本当にありがとうございました。
失礼をいたしました。
今やりたい園芸作業をタイムリーにご紹介する「しゅみえんダイアリー」。
今日は…講師はこの人…春の間私たちの目を楽しませてくれた色とりどりの…今はもう花が終わっています。
皆さんこの球根をどうしたらいいかお悩みではありませんか?そういう時は球根の性質を見極め必要なものは掘り上げましょう。
種類が豊富な春に咲く球根。
それぞれ性質をご紹介します。
高温多湿に弱いアネモネラナンキュラスなどはそのままにしておくと腐る場合があります。
なのでそういうものは掘り上げましょう。
アネモネラナンキュラスなどは高温多湿が苦手。
花が終わったら毎年掘り上げましょう。
梅雨の前にきちんと掘り上げて保存すれば来年もきれいな花を咲かせてくれますよ。
一方スイセンムスカリなどは毎年掘り上げなくても大丈夫。
しかし数年たつと球根が増え過ぎて成長を妨げる場合があります。
4〜5年に一度は掘り上げましょう。
まずは球根の掘り上げ方をご紹介します。
今回はアネモネの球根を掘り上げていきます。
あのこれはもう枯れていませんか?球根は大丈夫なんでしょうか?
掘り上げるタイミングはこんなふうに全体が黄色く枯れてから。
葉が青々としているうちはまだ早いのでそのままにしておきましょう。
花が終わっても葉が青々しているうちは光合成が行われ球根は育っているんです。
なるほど!地上部が枯れている今が掘り上げにちょうどよい時期だったんですね
では掘り上げましょう。
ポイントは…近いと球根を傷つける事があるので注意しましょう。
やり方は簡単。
まず株の中心から10cmほど離れたところに移植ゴテを入れます。
あとは球根を傷めないように気を付けて大きく掘り上げるだけ。
これで終わり。
簡単でしょ?続いては掘り上げた球根の保存の方法をご紹介します。
じゃあ掘り上げた球根は余分な土を軽く落として取れない部分は無理に取らずにそのままでかまいません。
乾きやすくするために球根全体が見えるくらいまで余分な土や根を取りましょう。
このあとは新聞の上に広げ風通しのよい日陰で乾燥させます。
アネモネラナンキュラスは湿度に弱いのでカラカラになるまで乾かして下さい。
表面にしわが寄り硬くなるまで乾燥させます。
乾燥の度合いは球根の種類によって違うので注意しましょう。
乾燥したら残りの根や葉を全て取り除き球根をきれいにします。
あとは網袋など空気を通す袋や容器に入れて風通しのよい日陰に置けば植えつけ時期の秋まで保存できますよ。
花が終わったあともきちんと管理をして来年もきれいな花を咲かせましょうね。
「しゅみえんダイアリー」次回の放送は6月の第3週です。
お楽しみに!今日は花から元気をもらっている方からのお便りです。
「鉢植えと関わりを持ちましたのは長男がボタンシャクヤクの苗木を買って私にくれたのが始まりです。
その時はまだ40代でしたのでビックリして『まだそんな隠居みたいな事はしていられない』と文句を言っておりました。
それでも暇を見つけては世話をしていると花芽がつき徐々に大きくなっていく中で愛情が湧き生きる力を貰ったように思いました。
あれからもう40年余りたちました。
おかげさまで今は地域の行事で知り合った卒寿前後の3人が花苗や株分け挿し木の交換をして楽しんでおります。
息子からは『80を過ぎてから友達ができるなんてすごい』と言われますが土いじりをしていたおかげだと感謝しております」。
清水さんはなんと90歳だそうです。
園芸仲間の皆さんとの交流が元気の源なんですね。
今日ご紹介した「和のウォーターガーデンカキツバタ」は「趣味の園芸」5月号のテキストに掲載されています。
2014/05/29(木) 10:30〜10:55
NHKEテレ1大阪
趣味の園芸「和のウォーターガーデン カキツバタ」[字]

五月に日本の水辺を彩るカキツバタ。伝統的な園芸植物だ。簡単に育てられるので、ぜひ初心者に和風のウォーターガーデンに挑戦して欲しい。

詳細情報
番組内容
カキツバタといえば紫色の花が思い浮かぶが、薄紫や桃がかったもの、白色までバラエティ豊かな品種がある。よく比較されるアヤメが陸生なのに対し、カキツバタは水生だ。管理は水をかかさないことが基本。池などがなくても鉢で楽しむことができる。株を買ってきて鉢で育てる方法、大きくなった時に行う「株分け」の仕方などを伝える。【講師】園芸研究家・小笠原左衛門尉亮軒【司会】三上真史(D−BOYS)
出演者
【講師】園芸研究家…小笠原左衛門尉亮軒,大出英子,【司会】三上真史,【語り】園部啓一

ジャンル :
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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