こんにちは中井貴一です。
見て下さいこの繊細な盛りつけ。
お皿の上のアートフランス料理。
たまにはこんな前菜で始まる本格フレンチランチで味わってみたいものです。
お急ぎで1時間ぐらい退店希望でお願い致します。
はい!こちらは東京でも屈指の高級フレンチレストランの厨房。
入社3年の鶴巻さんは付け合わせ野菜を担当しています。
うん?今何か出した。
ポケットから出したのはこれ定規。
高級フレンチの盛りつけは1mm単位。
定規は必需品なんですって。
鶴巻さんこの厨房で一番の若手。
そう!だから全員分のまかないランチを毎日1人で作っているんです!まかない頂きます!
(一同)頂きます!ホールキッチン合わせて20人でのまかないの時間。
もちろん全員が食のプロ!まかない作りを担当して1年半がたちますが鶴巻さんこの瞬間はいまだに緊張するそうです。
この日のメニューは…マッシュルームたっぷりの中華風あんかけ。
付け合わせは小松菜とスクランブルエッグ。
きんぴらごぼうも添えました。
先輩たちの反応は?え〜20人前に対して砂糖1さじ分の注意?厳しいねえこれプロの世界だ。
鶴巻さん笑ってるじゃない。
駄目よそれじゃあ。
結構言われ慣れてるんですか?実はさっきの厨房でも…。
まかない作りの最中小松菜の根っこを捨てようとしたら…。
毎日食材と向き合うプロだからこそどんな切れっ端も大切に調理する。
根っこの毛をこそげて炒め物に交ぜておいしいごちそうになりました。
どれだけ怒られてもまかない作りは毎日やって来ます。
週の頭に1週間分の献立プランを先輩に提出。
1か月はかぶらない工夫をしています。
メニューは和洋中何を作っても自由。
でもこの店のまかない1つだけルールがあるんです。
それは…。
土曜日はカレー!カレー!やっぱりカレー!土曜日はカレーの日。
聞けばもう30年以上続く伝統だそう。
このルールを決めたのがこちら。
オーナーシェフの坂井さん。
ある時はキーマカレー。
またある日はグリーンカレーとカレー作りは特に気合いを入れて。
そして気合いの入る土曜日。
実は鶴巻さんにとってリベンジの日。
前回作った時味に深みがないと注意されてしまったあるカレーに再チャレンジします。
それは牛すじカレー。
カレーだけは前日から煮込んでおくのも代々続く伝統。
スープは牛すじを煮込んだ時の煮汁。
そこにニンジンジャガイモタマネギセロリなど1週間で出た残り野菜のみじん切りを甘みが出るまで炒めて加えました。
いつも一口食べてもらうまでは不安でいっぱい。
課題は味の深み。
そのため今回用意したのが…。
バナナを暖かいとこに常温に置いておいて。
何これ?すごい色。
今回はど〜んと2週間寝かせたバナナを隠し味にするんですって。
確かに味に深みは出そうですけどこれ大丈夫なんですかね?何かほらドロドロ…ドロドロっとしてますけど。
まかないの予算は1食1人150円。
この日の牛すじもお客様用のサーロインの端っこの肉を使用。
1週間分の残りをまとめて使い切ります。
煮崩れしないよう大事な肉は最後に。
バターもたっぷりいくねこれ。
更にターメリックガラムマサラと今回はスパイスも多めに利かせました。
鶴巻さんのリベンジ牛すじカレー完成です。
これがフレンチレストラン土曜日恒例のまかない。
週一のカレーは厨房に籠もりきりの料理人が曜日感覚を取り戻すのにも一役買っているそうです。
ちなみに「マンジェ」とはフランス語で「食べる」という意味。
本場ではまかないをそう言うんだそうです。
100点中98点ぐらいだそうです。
坂井さん前にして言うね。
うん?これ鶴巻さん褒められてる?もしかして。
あっさっきのほら厳しい料理長は?これ。
はいありがとうございます。
前回の駄目出しを受け止めこっそり考えて見事克服したようです。
もうおかわり?お前。
早いねえ。
ほらほらおかわり続出。
鶴巻さんうれしそうな顔するねこれ。
若手の小さな成長をみんなの舌で確かめる。
だから毎日ランチはまかない。
将来の夢はふるさとの新潟で父の洋食店を継ぐ事なんですって。
鶴巻さんのお父さん息子さん厳しくて優しいこんな厨房でちゃんと育ってますよ。
安心して下さい。
日本に生まれた幸せを頬張ろう。
僕らにはおいしいおにぎりがある。
その時そこでしか食べられない…神奈川県は丹沢山地の麓秦野市。
4月も半ばが過ぎた頃この地では春が盛りを迎えていました。
町を彩るのは…実は秦野の特産であるこの花見るものではなく採るものなんです。
そうこれ全部食用の桜。
収穫したら塩と梅酢で全て漬物に。
祝いの席での桜湯や和菓子に添えられているこれ。
見た事ありますよね?江戸時代から続くともいわれるこの地の桜栽培。
需要の拡大とともにその規模を広げ今では日本有数の産地となっているんです。
八重桜を見ると「あっこれはおいしいね」とかって言うの。
木の枝っぷりがよくて50kgあるとか100kgぐらい1本の木にあるから。
「ああこの木はおいしいね」とか。
もぎにくい木はおいしくない木なの。
ふだんはカーネーションの栽培が中心だという小野さん。
この時期だけは桜から目が離せません。
つぼみも収穫するので採り頃は八分咲き。
気付いたら桜が満開なんてここでは許されないんです。
それぞれの仕事の合間を縫って手伝いに来てくれる家族やご近所さんと短い旬を一気に収穫。
収穫する木はおよそ100本。
花を一つ残らず収穫するために同じ木に何度もハシゴを掛け替える力仕事。
枝先にある新芽は傷つけずにそれでもいかに早く採れるかが勝負。
年に一度の仕事とはいえ経験を積むほどにその収穫量も増えてくる。
だからこそ手伝いを頼む皆さんとは何十年共に春を過ごしてきました。
朝から晩までず〜っと木の上。
それでも数人掛かりで一日1本採りきるのがやっと。
(孝允)「きれいな仕事ですね」なんて言われてさ。
「でも大変重労働なんですよ」つってさ。
作業としては大変ですけどね。
まあこれが一年の楽しみというかまあ一年の一大行事ですねこの地区では。
花に囲まれて小鳥の声を聞きながら桜を摘むなんてねえ。
昼までに100kgにもなった桜はすぐに地元の漬物店へ出荷。
僅か2週間。
地域を挙げての春仕事です。
それではおにぎり百景。
桜色に染まる町でこんなおにぎり見つけました。
孝允さんの妻利子さんが作るのはずばり桜おにぎり。
毎年収穫が始まる頃漬物屋さんが去年漬けた桜を持ってきてくれるんだとか。
出してる特権だよね。
たっぷりついた塩を落とす。
とはいえおにぎりの味付けはこの塩味だけ。
だから落とし過ぎないようにそのさじ加減が肝心なんですって。
炊き上がったのは赤飯。
「ごはんもピンク色の方がきれいでしょ」。
利子さんのアイデア。
これを見れば納得ですよね。
具は入れずに桜の香りを楽しむ。
収穫を手伝いに来てくれるみんなの分までほらこんなにいっぱい。
(利子)収穫の時にはやっぱり1回は作りますよね。
そうだねえあと合間に気が向いたら作るとか。
ねっそんな感じだね。
皿の上にも季節は巡る。
味も見た目も春がギュッと詰まったおにぎり。
さあ頂きましょう。
昼はシートを敷いて職場でそのままお花見ランチ。
桜の下で桜を食べる。
何ともぜいたくな時間です。
おいしいね!
(利子)フキだよ。
(利子)違うよ。
ご近所みんなで食べるのは一年でこの時だけ。
おにぎりと一緒にこのひとときをかみしめます。
おにぎりも作りますけどこんなにいっぱいは作らないので。
家で食べるだけね。
でもね楽しい時間もほどほどに。
だってほら見上げればまだこんなに花が残ってるんです。
さあおなかを満たしたら午後も気合いを入れて収穫です。
皆さんにも日々の仕事を支えてくれる特別なおにぎりありませんか?是非教えて下さい。
今回はランチを食べたばかりの皆さんに突撃!この一年のいろんな計画を立てたりとか。
え?ご一緒?オフィスに?ちょっとそれは…。
…ですよねご無理言ってすみません!いえね気になったんですよ。
取材でランチにお邪魔したあと皆さんどんなお仕事が待ってるのかな〜って。
ランチの数だけそれぞれの午後イチがある。
だからのぞかせて!あなたの…今回訪れたのは東京は神田神保町。
すみません。
NHKの「サラメシ」という番組なんですが…
(取材者)普通の量と違うんですか?いやいやそんなには盛らないでしょ?チャーハンじゃないんだから!ハハハハハ!…って本当だ!てんこ盛り!これで650円?聞けば3人は出版社の営業部にお勤めの係長次長部長さん。
3人仲良く老舗の喫茶店でランチをしてきたそうで…。
まあいろんな事を…。
僕は外出しようかなと思ってるんですけど。
(取材者)どこに行かれるんですか?
(部長)出版なんですけど営業なんですこの3人。
へえ〜本屋さんに営業ですか。
えっ!うそ?アハハハハ!
(取材者)本当ですか!いいですよ。
「いいでしょ?」って部長ってこうやって部下にふるんだ仕事。
よろしくお願いします。
やりました!部長さんOK頂きました!…という訳で3人がお勤めの出版社へ。
こちらが編集部ですね。
こちらが営業部になって…。
突然お邪魔しまして…。
ああどうも。
創業は1890年。
主に中世の歴史書やさまざまな辞典を出版しているそうです。
なんとも高そうというか難しそうな本ばかり…。
こっちは何?辞典ですか?…にしてもいろんな辞典があるんですね。
「こけし辞典」?営業部は午前中に事務仕事午後から書店を巡る事が多いんだとか。
係長の力久さんこれから新刊本を売り込みに行くそうです。
聞けば営業一筋10年!おっ!ロッカーからジャケットを取り出した。
社内ではリラックススタイル外ではバッチリ決めるのが力久さんの流儀。
ほら足元も健康サンダルから革靴にチェンジ!準備万端!さあ午後イチの仕事に出発です。
じゃあ行ってきます。
行ってらっしゃい。
向かったのは自転車で15分の大型書店。
守衛さんの方の入り口の前にいるんですけど…。
こんにちは。
(取材者)今日たまたま街頭インタビューで力久さんにお会いして…。
どうぞ。
このままじゃあ…。
ありがとうございます!お邪魔します!本当に感謝します!力久さん営業というから事務所に向かうのかと思ったら本の売り場へ直行!うろうろ捜していたのはこの方。
この売り場の仕入れを担当する…新刊を置いてもらえるかどうかは野澤さん次第なんだそうです。
売り込んだのは11世紀平安時代の天気を記した記録本。
お値段1冊3万5,000円なり。
(力久)専門書になるので…書店に置いてもらえなければお客様にも買ってもらえない。
力久さん必死のアピール。
(力久)ありがとうございます。
やりました!2冊売り場に置いてもらえる事に。
たとえ世間話だけでも時間の許す限り担当者に会いに行くのが力久さんの営業の極意なんだとか。
なるほど。
あの大盛りのナポリタンはたくさんの人に会いに行くエネルギーだったんですね。
次はあなたの午後イチにお邪魔するかもしれません。
どうか温かく迎えて下さい。
今日もお相手は中井貴一でした。
(はな)おとう!
(吉太郎)何にも知らねえくせに2014/05/29(木) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
サラメシ[字][再]
▽至福のランチを食べたあと午後はどんな仕事が待っているのか?街で出会った人のランチ後までのぞき見させていただく新企画。▽おにぎり百景は神奈川の桜おにぎり。
詳細情報
番組内容
▽「至福のランチを食べたあと午後どんな仕事が待っているのか?」を知りたくて、ランチ後の様子まで見せていただく新企画「食後の午後イチ」。 ▽おにぎり百景は神奈川・秦野市で食用の桜を収穫するみなさんのこの時期ならではの桜おにぎり。 ▽有名フランス料理店で毎日大量のまかないを作る若手スタッフが土曜日に必ず作るのはカレー。先輩シェフたちを満足させようと奮闘するランチタイムに密着!
出演者
【語り】中井貴一
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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