グレーテルのかまど「Jリーガー松田直樹の友情のパンケーキ」 2014.05.29

パンケーキ。
小麦粉砂糖卵を混ぜて焼いただけの素朴なそのスイーツは世界中で愛されてきました。
ふんわり甘くてどこかほっとする味は今おしゃれなスイーツとしても大ブーム。
フルーツやアイスなどのトッピングでますます魅力的に進化しています。
そんなパンケーキをひときわ愛したサッカー選手がいました。
Jリーガー松田直樹。
2002年ワールドカップにフル出場。
史上初となる日本のベスト16入りに貢献したディフェンダーです。
Jリーグ横浜F・マリノスに16年間在籍しキャプテンとして2年連続リーグ優勝を果たすなど活躍しました。
しかし2011年練習中に心筋梗塞で急死。
あまりにも唐突な死はサッカー界に大きな衝撃を与えました。
とても優秀な世界にも通用するディフェンダーだったと思います。
偉大な人間…宝を失ったなという感じがしますけどみんなの気持ちというか心の中にずっと多分生き続けていると思うので…。
葬儀で親友が述べた弔辞それは2人だけで過ごした大切な時間についてでした。
親友を誘い夜中に食べたパンケーキ。
そこには松田のある思いが隠されていました。
今日は短い人生を駆け抜けたサッカー選手と親友のパンケーキに隠された友情に迫ります。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
701702703…。
あっ…「グレーテルのかまど」へようこそ。
今3回半だったよね。
…え?700取ったやつの回数だったよね。
ちょっとかまど言わないでよ!ちょっと本当にもう。
何でそんな急にえせ鍛えやってるの?見て!ちょっとほら。
あっ!何それ?どうしたの?いつの間に。
カッチカチ!これねこの間姉ちゃんとサッカー見に行ったんだけど選手たちがあまりにも格好よくてさ。
それで体を鍛えてる訳なのね。
そうそうそう。
単純ね!俺だけじゃないんだから!ちょっと見てかまど!えっ?グレも?どうして?「鍛え上げられた体にほれぼれする!」って言ってね。
「自分もほれぼれする体になりたい!」ってなっちゃったの?じゃあそんな鍛えたい姉弟のためにこのお話をお薦めしたいと思います。
え〜?ははあ!…という事で今宵ひもとくのはJリーガー松田直樹の友情のパンケーキ。
Jリーガー松田直樹。
闘志むき出しのプレースタイル。
守りの要でありながら最前線の攻撃にまで参加する技と迫力。
出場できない仲間の名前を胸に書き…腑に落ちない事は誰であっても食ってかかる。
本気でサッカーを愛した選手。
2002年のワールドカップ日本は史上初のベスト16に入り日本サッカーが世界の表舞台に上がった歴史的な大会。
松田は中田英寿らと共に中心選手として活躍フル出場を果たしました。
ずばぬけた身体能力とテクニックは誰もが世界レベルだと認める選手でした。
サッカーへの情熱も人一倍。
時には歯にきぬ着せぬ物言いで周囲から批判を買う事もありました。
日本代表としてまたJリーグ横浜F・マリノスでも一緒にプレーした中澤佑二。
松田の本当の人間性に触れた一人です。
敵だろうと味方だろうと誰であろうと思った事を全部マツさんは口にしてしまうというのがあるのでね何も知らない人からすれば「何言ってるんだこいつ」みたいなのはあると思いますが本当のマツさんを知っている人からすればそれはマツさんの愛情なのであってそういった言葉一つ一つがやっぱり何だろう…ほかの選手に与える影響というのはものすごく大きかったのかなと。
不器用で裏表のないストレートな性格。
しかしチームメートは皆松田の真意を理解し信望を集めていたといいます。
松田と同い年で高校時代から共にサッカーを続けてきた一番の親友安永聡太郎。
安永が松田の葬儀の弔辞で述べたのはマリノス入団1年目に2人だけで過ごした時の事でした。
松田は開幕からスタメンに指名され飛ぶ鳥落とす勢いのさなか試合のない日は毎晩パンケーキを食べに安永を誘っていたといいます。
チームの中でやっぱり出れたり出れなかったりといういろんな時期があるんですけど出ていてもやっぱりうまくいかなかったりという事を多少話しつつ「俺らこのあとどうやって上へ行こうか」みたいな話をして。
彼の中ではあの時間に僕と…2人の空間っていうとちょっと気持ち悪いけど2人でああでもないこうでもないしゃべるっていうのは…。
その前にあるのがパンケーキっていうのがよかったんじゃないかな。
プロ1年目の松田にとって友と囲むパンケーキには少年時代のある記憶が重なっていました。
スポーツ万能外で遊ぶ事が何より好きな少年にはうちに帰るとちょっとした楽しみが待っていました。
それは母手作りのおやつ。
パンケーキもその一つでした。
母のパンケーキは素朴ながらもハチミツたっぷりで元気が出るような味でした。
姉の真紀さん。
きょうだいでパンケーキを囲む時間は掛けがえのないものだったといいます。
3人で一緒に取り合いながら食べていたんですけどやっぱりすごくそれとかもいい思い出ですしすごくおいしかったと思います。
年の離れたやんちゃな末っ子。
家族みんなの元気の源だったといいます。
(真紀)本当にかわいい子で幼稚園とか迎えに行くのが楽しみでもうみんな本当にかわいがってました。
家族の愛情に包まれた少年時代。
パンケーキには温かい家族との思い出が詰まっていました。
人知れず深夜に友とパンケーキを食べた時間それは入団1年目の松田にとって不安を癒やし明日への活力を養う大切なものだったのです。
深夜に親友と食べるパンケーキにはそんなルーツがあったんだね。
相当の緊張感があるんだろうねプロの選手の方たちって。
そうだね。
想像を絶するよね。
その緊張感を解きほぐすために食べたかったものっていうのが松田さんにとってはパンケーキだったのね。
何かそういうのちょっと分かる気がするな。
分かる気がするね本当に。
…という訳で松田さんのようについつい本音が出ちゃうような甘くてやさしいパンケーキを作ってみましょうか。
お願いします!体を鍛えたいグレのためにも今日はちょっとヘルシーなものにしましょうか。
OK!じゃあ味わいのキメテをどうぞ!まず卵に砂糖を加えて下さい。
混ぜ混ぜして。
サラサラッとしてきた?はい。
はいここでオキテどうぞ!はい!酸味?はい〜!今日はねヨーグルト入れますよ。
ヨーグルト!?パンケーキにヨーグルト入れるの?そうそうそうそう。
ヨーグルトってほら酸味あるでしょ?その酸味がいいのと生地をかるくしてくれる訳ですよ。
重くならないというか。
そしたらここにバニラアイスクリーム。
バニラアイスクリーム!な…な…なんと!アイスを生地に入れる訳ですね。
バニラアイス溶かしたものを入れて下さいと。
松田さんねパンケーキ大好きだったじゃない?アイスとかパフェもすごい好きだったんだって。
そうなんだ!甘党だねすごい。
ねえ!だからちょっとアイス入れてみました。
プロになって2年目。
松田は体重が増えけがに悩まされるようになっていました。
そこで当時のチームメートで厳しい食事制限と自主トレーニングを行っていた川口能活に相談します。
最初冗談だろって思いましたけどね。
やっぱりマツのよさっていうのはどこか遊び心があってサッカーを真剣に取り組む姿もいいんですけど気まぐれというかそういうところありました。
松田の性格をよく知る川口は自身のパーソナルトレーナーを紹介します。
数々のトップアスリートを育ててきた人物です。
松田は竹田さんのもとで徹底した筋力トレーニングと食事制限を始めました。
脂そして砂糖を制限。
自分で砂糖が入ってるって判断できるものは一切バンッてやめさせてしまう。
ちょぼちょぼやると自分でいいラインをどんどん上げていっちゃう人なので。
甘いものが大好きな松田にとってそれを一切断つという事はとてもつらい事でした。
最初の2か月か3か月ぐらいは口内炎が出来るぐらいストレスで…。
やっぱり自分が代表でプレーするワールドカップに出るっていう夢を常に持ち続けていましたから…。
そのためにはそういう自分の欲望を抑えて本当にサッカー選手として成功するための努力をマツは惜しまなかったと思いますね。
何よりも好きなサッカーのため松田は自分自身の弱さと闘い少しずつ成果を上げていきます。
食事制限を始めて5年。
松田は2002年ワールドカップ日本代表に選ばれました。
食事制限中に唯一許されていた糖分っていうのがハチミツだったんだって。
へえ〜。
…という事で食事制限中も食べられるハチミツベースのソースを作ってみようかと思います!これ体にもよさそうだね。
よさそうでしょ?ハチミツと混ぜるのがすごい意外なものなんですよ。
分かんない。
トマ〜ト!トマ…!?えっ!トマト!?トマ〜トです。
トマトを入れるの!?どんなものになるか全然想像がつかないんだけど。
フフフフフ。
トマトねおいしいでしょ?おいしいしヘルシーだけど…。
そう。
栄養もあるでしょ?だからスポーツ選手にはぴったりなのよ。
でもこれをパンケーキにでしょ?ハチミツと混ぜるのよ。
どんだけ飛ばしてるかかまど!かまど!すてきでしょ?このアイデア!これで?一晩置きたいの。
次は生地を焼きますよ!OK!ここでまずオキテをどうぞ!はい!おう!もうこれは任しといてかまど!パンケーキは前にもやった事あるから。
ほんと?前の時ね思い出した今!何ですか?焦がしたって事ですか?本当にひどかったから!このぐらいかな?聞かないで!自分でやって。
自立して自立。
いきます!これでスプーンの裏で…。
あれ?ちょっと見てみるね。
フフフフフフ!いきますよ!おおっ!ちょっと薄いか?ちょっと薄めだけど…。
でも何かきれいだね。
うんきれいきれい。
これもうひっくり返さないでそのままそこ置いちゃって乾燥しないようにラップをして…。
じゃあね2枚目作っていくわよ。
分かった!奥が深いな〜。
本当ですよ。
ワールドカップ出場の翌年松田は横浜F・マリノスのキャプテンを任されます。
この時チームは絶好調。
優勝への期待が重くのしかかっていました。
そんな彼を支えたのはもう一人の親友チームメートの佐藤由紀彦でした。
練習のあと松田はキャプテンではなく一人の人間として自分をさらけ出したといいます。
バロメーターみたいなのがあって彼がすごく調子がいい時は僕にグサグサ来る訳で彼があんまり乗っていない時は意見を求められたりするっていう。
チームメートから見てどう映ってるっていうところの質問をされた事もありましたし…。
2人が腹を割って話せる店はいつも同じ。
メニューにはパンケーキが…。
1回食べちゃった時あったんですよね。
もう極限というか最高潮だったんじゃないですかねストレスが。
彼本来甘いもの大好きなので。
親友の前だから見せられた弱さ。
苦しみながらも迎えたシーズン最後の試合。
優勝の懸かった大一番。
前半15分キーパーが相手の態度に抗議し一発退場。
メンバーの心は折れチームのムードが最悪になった時…松田はメンバーを奮い立たせます。
松田の闘志あふれるプレーにチーム全体が少しずつ勢いを取り戻していきます。
そして1対1で迎えたロスタイム。
勝負を決めたゴール。
そのパスをつないだのは…松田。
苦しみの末につかんだ優勝でした。
「自分が崩れたらチームが駄目になる」。
ずっとそう言い聞かせ戦ってきました。
それを支えた親友佐藤。
何よりも好きなサッカーのために何よりも好きなスイーツを我慢して戦ってきた日々。
松田直樹にとってパンケーキは友との大切な時間を作り勝利をつかむためのスイーツだったのです。
ねえあんなに好きでさ愛情も感じる事ができた甘いものを我慢してね徹底して食事制限をしたじゃん。
うん。
その末に勝ち取った勝利だったんだね。
ねえ。
何か松田さんは格好いいですね。
そうだね。
戦いの最中我慢していたでしょ?松田さんは。
相当な甘党だったみたいなのでシーズンオフに松田さんに食べてもらいたいパンケーキにしましょうか。
どういう事?パフェ風にしたいと思います。
パフェ?じゃあ早速作ってみましょうか。
はい!ソース!ソースいきますか。
たっぷりいって下さい。
ちょっとこう囲ってですね…アイスを。
アイスを載っけてもらいます。
ウエ〜イ!イエ〜イ!豪快にいっちゃって!ほら!いい!特別感があるでしょ?すてきすてき。
(チャイム)あっ!姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんお帰り!腹筋ね割れるよ。
割れる!ボリュームたっぷり!でも体にいいものもたっぷりのパンケーキ。
ヨーグルトを入れたかるめの生地にトマトのハチミツソースが染み込んで…。
やさしくて元気が出る味です。
松田と親友安永聡太郎にはもう一つパンケーキの思い出があるといいます。
横浜F・マリノスを退団後長野の松本山雅FCに移籍した松田を訪ねた時の事…。
シャカシャカシャカシャカ溶き始めて「お前何やってるの?」って言ったら「明日の朝うまいパンケーキ食わせてやる」って言われて。
…で7時ぐらいに起きてあいつがパンケーキ焼き始めて出てきたんだけどまあ眠いから俺らの感想が悪いからへそ曲げるへそ曲げる。
長野で暮らす松田は久しぶりに訪ねてくれた親友を歓迎したかったのでしょう。
帰り際もね「もう一晩泊まっていけよ」っていう話になって僕らはもう次の日仕事があったので「無理無理。
お前のパンケーキ出てくるもん」って言って帰ったんだけどそれが最後の言葉になっちゃったからね。
あいつのパンケーキをね褒めずじまいなんです。
松田直樹のパンケーキ。
それは男の友情の証しそして生涯愛したスイーツでした。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?サッカーを誰よりも愛したくさんの人々に喜びや感動を与えてきた松田さんはプロの厳しい世界の中で自分の弱さと闘いもがいていました。
そんな松田さんにとって親友と一緒にパンケーキを食べる時間は大切だったんですね。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
頂きます!はい!アイスも載っけて。
頂きます!おっ!うん!ハチミツがね生地に染み込んだでしょ?その甘みとこのトマトの酸味がばっちり合ってますね!ほんとおいしいでしょう?おいしい!生地だけでも全然いける!何か温かい味がするでしょう?鍛えられたすてきな体になりたいって言ってたね。
そして筋トレを始2014/05/29(木) 12:25〜12:50
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「Jリーガー松田直樹の友情のパンケーキ」[字][デ][再]

サッカーJリーグ横浜F・マリノスに所属し2002年Wカップの代表としても活躍した松田直樹選手。2011年突然この世を去った男が友とひそかに食べたパンケーキとは?

詳細情報
番組内容
Jリーグ横浜F・マリノスに16年在籍、チームを率いて2連続Jリーグを制覇するなど活躍するも、2010年戦力外通告を受けた松田。そして松本山雅FCに移籍後、練習中に急死。最後まで闘志あふれるプレースタイルは最も記憶に残る選手とも評される。ライバルたちとしのぎを削り、厳しい練習、自分の弱さと闘う日々。そんな松田には真夜中に親友とパンケーキを食べた経験が。それは自分と向き合うための大切な時間だった。
出演者
【出演】瀬戸康史,川口能活,中澤佑二,佐藤由紀彦,安永聡太■,【語り】キムラ緑子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理

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