」として、前田被告に懲役1年6ヵ月の実刑と追徴金54万円の判決を言い渡しました。
(潮香)ダメよがんも。
ほらダメ。
(亜也)がんもだってホントは思いっ切り走りたいんだよね?ごめんねがんも。
(亜也)「そろそろ寒い季節になる」
(亜也)「わたしも思いっ切り走って体を温めたい。
でもまた少し歩きにくくなった」あれ?ヒロじゃない?ヒロー!
(潮香)弘樹ー!
(亜也)こんな時間まで一人で練習?
(弘樹)うん。
俺シュートが下手だからさ。
PKになるといっつも外しちゃうんだよね。
(弘樹)俺今度こそ試合に出たいんだ。
(潮香)亜也。
どうしたの?
(亜也)ヒロ。
ゴールの大きさ分かる?
(弘樹)えっ?幅が5メーターで高さが2メーターちょっとだけど。
(亜也)こんな感じかな?いい?ヒロ。
やみくもにシュートを打つんじゃなくってちゃんとこの枠の中を狙うの。
頭ん中でイメージして1本1本丁寧に大切にシュートするの。
(潮香)イメージトレーニングってことね?
(亜也)そういうこと。
うん分かった。
(弘樹)よっしゃ。
(弘樹)よしっ。
やっぱ違うな。
ほいっと。
次こそ入れるぞ。
よし右だ右。
ナイスシュート。
(弘樹)亜也姉がサッカー詳しいなんて知らなかったよ。
(潮香)ずっとバスケ部だったもんねえ。
サッカーもバスケもイメージトレーニングが大事なのは一緒でしょ?そっか。
俺絶対試合出てみせるからね。
そうしたら亜也姉絶対応援に来てよ。
うん。
(弘樹)絶対だよ。
約束!うん。
あっ。
何やってんだよがんも。
(潮香)あっがんも。
(主婦たち)こんにちは。
(潮香)ああこんにちは。
(亜也)こんにちは。
(弘樹)もう遅いほら。
ほらほらはい。
いいよいいよ。
(主婦)ねえ今の池内さんとこの?
(主婦)そう。
いちばん上のお姉ちゃん。
えっ本当?東高に通ってるっていうお姉ちゃん?
(主婦)そうよ。
頭もいいしスポーツ万能でね。
でもね詳しくは知らないけど病気らしいわよ。
(主婦)そうなの?気の毒ねえ。
(主婦)う〜ん。
どうしたの?弘樹!
(弘樹)えっ?何でもない!
(亜也)「思いっ切り走ることはできなくなったけどゆっくりとしか歩けないけどそれでもわたしにもやれることがきっとあるはず」・
(テーマソング)
(水野)じゃあ今度は左手で。
(水野)だんだん早く。
(水野)じゃあかかとをひざからすねに沿って下ろしていって。
(水野)もう一度。
(水野)もう1回。
(田辺)12。
12。
12。
いいよ頑張って。
12。
(潮香)最近は日を追うごとに前向きになってるみたいです。
そうですか。
(亜也)「今日歩くとき同じ側の手と足が一緒になってしまいなかなか交互に出せなかった」どうでしょうか?文字の乱れはそれほど進行してないみたいですね。
今度の薬は亜也に合ってたようで以前より調子がいいように思えます。
(田辺)少し休憩しようか?
(亜也)大丈夫です。
(潮香)もしかしたらこのまま治るんじゃないかって思えたりするぐらいで。
(亜也)「昼休みお弁当のときにお茶を飲んだら少しむせた」
(潮香)もしかしたらこのまま…。
先生。
あっ…。
あの薬は劇的に症状を改善するというものではなく長期にわたって症状の進行を抑制するというものですから。
そうですよね。
・
(鼻歌)
(弘樹)おっおいしそう。
(亜也)亜湖。
(亜湖)うん?
(亜也)はい。
・
(瑞生)おーいみんな!
(一同)おかえりなさーい!
(瑞生)ああ。
おう。
(亜湖)おかえり。
(瑞生)おい。
みんな集まれ!
(亜湖)もう集まってるよ。
あっ気が付かなかった。
アハハ…。
おい。
みんな喜べ。
駅前のマークスーパーさんがあしたの特売日にウチの豆腐を扱ってくれるそうで〜す!ホントに?
(潮香)よかったわね。
マークスーパーフゥー!
(弘樹)フゥー!それでな売れ行きがよかったら正式に置いてくれるそうだ。
すっげー。
(理加)すっげー。
(亜湖)お父さんも結構やるじゃん。
おっ見直したか?
(亜湖)別に。
見直せ!
(亜湖)そんな大声出さなくったっていいじゃん。
こんな狭い家なんだし。
狭くて悪うございました。
くるるんのぷーだ。
何が「ぷー」よ。
(潮香)さあ食べよう食べよう。
いただきマンモース!
(亜湖・弘樹)いただきまーす。
(亜也)いただきまーす。
(瑞生)よし。
お父さんなバリバリ働くからな。
あしたはな隣町のスーパー回ってくるから。
あっ亜湖。
お前学校終わったら店番フゥー!あっごめん。
無理。
あのね委員会があるの。
ったくもう使えねえなお前はホントに。
よし。
あの弘樹。
お前あした店番フゥー!
(弘樹)ごめん。
あしたサッカーの練習があるから。
1日ぐらいそんなもん休んだっていいだろおい。
ダーメ。
ヒロは次の試合に出られるかどうかの今がいちばん大切な時期なんだから。
あっわたし店番やるよ。
(瑞生)えっ?うん。
部活もないし何もすることないから。
うん。
いやけど…。
大丈夫。
そんなに心配しなくても。
ねっ?うん。
(瑞生)そうか?じゃあ頼むよ。
うん。
了解。
(生徒)先生おはようございます。
(教師)おはよう。
(生徒)おはようございます。
おはよう。
(遥斗)おう。
今日一人?うん。
まりと早希は朝練。
新人戦近いから。
(遥斗)ふ〜ん。
(亜也)それにいつも二人に甘えられないしね。
・
(西野)池内。
(亜也)おはようございます。
(遥斗)おはようございます。
(西野)おはよう。
どうだ?調子は。
まあまあって感じです。
(西野)そうか。
調子がよくなったらいつでも戻ってこいよ。
この足じゃバスケなんて無理だっつーの。
ねえ?
(遥斗)悪い。
それ取って。
えっ?これ?
(遥斗)それ。
うん。
サンキュ。
そこのビーカー取って。
人使い荒くない?わたし体が不自由なんだよ。
(遥斗)威張んなよ。
別に威張ってないけど。
はい。
(遥斗)水温が25度。
(亜也)25。
(遥斗)CODが8ppm。
(亜也)8ppm。
ペーハーが7.0。
(亜也)ペーハー…。
ねえ。
わたしのこと生物部だと思ってない?いいじゃん。
どうせ暇だろ?そうだね。
何見てんの?
(遥斗)プランクトン。
何で?
(遥斗)朝日奈川の水質調査。
ふ〜ん。
わたしにも見せて。
市役所の環境保全課と合同で何年も続いてんだ。
手伝えよ。
部員足んねえから。
(亜也)うん。
まあ考えとくわ。
(美歩)何か最近あの二人急接近って感じじゃない?いいの?のんびりしてたら亜也に取られちゃうんじゃない?
(圭子)取られるわけないでしょ。
あんな子に。
(遥斗)右上。
(亜也)あっこれ?わあすごい!
(遼平)ウチも長年取り引きしている店があるからさ。
(瑞生)いやあの…その店からウチに乗り換えてほしいって言ってるんじゃなくってですね少しでもウチのも置いていただければと思いまして。
(遼平)やっぱりいいや。
(瑞生)あっウチの豆腐は親父の代から天然の本にがりだけで作っておりまして。
お客さまからは「一度食べたら忘れられない味」だと言っていただいてます。
お願いします!10丁!いや5丁だけでも。
(遼平)お宅もしつこいな。
(耕平)親父。
おふくろが呼んでる。
(遼平)えっ?
(耕平)「池内豆腐店」もしかして亜也さんの親父さんじゃないですか?えっ?ええそうですけど。
(遼平)何だ知り合いなのか?ほら前に話したことあんだろ。
ウチのクラスの池内の親父さん。
ああ…あの体が不自由になったって子の?親父。
(遼平)ああ…そうか。
お宅も大変なんだな。
(瑞生)いえまあ…。
(遼平)そういうことならしょうがないか。
えっ?分かった。
あしたから置いてみるか。
ありがとうございます。
(遼平)うんうん。
うん。
(さくら)こんばんは。
絹ごしちょうだい!あら…。
(亜也)あっはーい。
亜也ちゃんが店番してんの!?
(亜也)あっはい。
絹ごしですね?ああいいいいいい。
わたしがやるから。
亜也ちゃんは座ってて。
(亜也)えっでも…。
(さくら)いいのよ。
まったく何考えてんのかしらね。
亜也ちゃんを一人にするなんて。
(亜湖)ただいま〜。
あっおかえり。
(さくら)ちょっと亜湖ちゃん。
店番代わってあげなさいよ。
(亜湖)えっ?ああ大丈夫だから。
(亜湖)あっいい。
わたしやる。
(亜也)でも…。
(さくら)亜湖ちゃん。
あと豆乳ちょうだい。
(亜湖)あっはい。
(さくら)二つね。
(亜湖)はい。
(さくら)あと厚揚げももらっておこうかな。
(亜湖)はい。
(さくら)ちょっと分かってんの?ねえ?これよこれ。
・
(ノック)
(田辺)珍しいな。
お前が俺を呼び出すなんて。
(水野)すまない。
頼みがあるんだ。
神戸医大の岡崎教授を紹介してくれないか?お前知ってるって言ったろ?
(田辺)ああ。
岡崎教授は若年性の症例をかなり診てるみたいなんだ。
どうしたんだ?急に。
思ってる以上に進行が早い。
(田辺)亜也ちゃんか?嚥下障害が出始めてるかもしれない。
そうか。
でも今焦ったところですぐにどうこうなる病気じゃないってことはお前がいちばんよく分かってるはずじゃないか。
とにかく頼む。
力を貸してくれ。
(生徒)あっバス来た。
急ごう。
(バスのクラクション)
(ブレーキ音)
(息切れ)すいませんでした。
(運転手)急がなくていいからね。
(亜也)ありがとうございます。
(運転手)えーとそれじゃあ半額の120円になります。
(亜也)すいません。
(女)あなたここ座んなさい。
(亜也)いいえ大丈夫です。
遠慮しないで。
転んだら大変だから。
ねっ。
はい。
いいのよはい。
どうぞ。
(亜也)すいません。
(ホイッスル)
(コーチ)集合!
(コーチ)今度の試合のメンバーを発表する。
キーパーは山口。
(山口)はい。
(コーチ)ディフェンダーモトハシ。
(モトハシ)はい。
(コーチ)オガ。
(オガ)はい。
(コーチ)セザキ。
(セザキ)はい。
(コーチ)ツカダ。
(ツカダ)はい。
(コーチ)フォワードは三人。
(小田)一人は中山。
お前だよな?
(コーチ)森山。
(森山)はい。
(コーチ)佐々木。
(佐々木)はい。
(コーチ)池内。
(一同)えっ!?
(少年)中山じゃねえのかよ!?
(少年)池内かぁ。
(少年)あいつ最近うまくなったからな。
(コーチ)池内。
(弘樹)はい。
(コーチ)以上だ。
選ばれなかった者も次の試合に向けて練習を頑張るように。
(一同)はい!
(コーチ)よし。
練習再開!
(石川)池内やったじゃん。
(弘樹)おう!
(今野)すげえよ池内。
(弘樹)まあな。
(石川)何でうまくなったんだよ?姉ちゃんに教えてもらったからさ。
(小田)あっ知ってる。
すっげえ美人なんだよな。
(木村)えっマジで!?亜也姉は美人だし頭もいいしスポーツもできるし何でも知ってんだぜ。
(石川たち)すっげえ〜!
(今野)俺池内の姉ちゃんに会いてえ!
(木村)あっ俺も!俺も!
(小田)試合応援に来るよな?
(弘樹)うん多分。
(木村)おいちょっと待てよ。
はっきりしろよ。
(瑞生)よっ!
(亜也たち)おめでとう!
(瑞生)おめでとう!
(弘樹)亜也姉のお陰だよ。
見せて。
(弘樹)うん。
弘樹練習あんなに頑張ってたもんね。
(弘樹)うん。
(瑞生)さすが俺の子だ。
サッカーなんて一度もやったことないくせに。
サッカーはないけどバドミントンならあるぜ。
何の関係があんのよ?
(瑞生)ない。
何それ。
ヒロ。
試合絶対に応援に行くから。
うん。
(理加)理加も行く!よし。
それじゃあ弁当作ってみんなで応援に行くか?
(亜湖)またぁ?
(瑞生)あっお母さん。
ビール1本お願い。
(潮香)え〜またぁ?だってさ弘樹のめったにないお祝いなんだからさ。
まっしょうがないか。
(瑞生)なあ。
カッコいいよねこれ。
(弘樹)あのさ亜也姉。
(亜也)うん?
(弘樹)試合の応援無理して来なくていいからね。
場所遠いし。
(亜也)大丈夫だよ。
絶対に行くから。
うん。
(亜湖)はい。
(瑞生)さあ応援フゥー!アハハ…。
何やってんの?
(亜也)うん?ヒロのユニホームにね名前縫い付けてるの。
そんなのお母さんにやってもらえばいいじゃん。
こういう手作業もリハビリだったりするんだよね。
イタッ。
(亜湖)大丈夫?平気平気。
我ながら下手くそだよね。
あっそうだ。
あした買い物つきあってくんない?いいけど。
(亜也)うん。
ありがとう。
(潮香)よかったわね取引先増えて。
(瑞生)ああ。
(潮香)お父さんのお豆腐ホントにおいしいから。
きっとこれからもっと忙しくなるわよ。
この間取り引きOKしてくれたスーパーのオーナーさんな亜也のクラスメートの親御さんなんだよ。
そうなの?
(瑞生)最初は渋ってたんだけど亜也のこと知って置いてくれるって。
じゃあ亜也に感謝しなくちゃね。
(瑞生)おい。
お前何とも思わないのか?
(潮香)何が?いやだから…だからさ。
あの…純粋な気持ちでウチの豆腐を置いてやろうってことじゃないわけだろ。
同情だってこと?もしそうだとしても同情ってそんなに悪いことかな?えっ?
(潮香)同情って人の悲しみや苦しさを自分のことと同じように思うことでしょ?ああ。
(潮香)きっと亜也病気になって今いろんな人の視線を感じてると思うの。
偏見や差別の視線に負けないでほしい。
乗り越えてほしい。
でもね中には本当の思いやりを持った視線もあると思うの。
それはちゃんと分かる子でいてほしい。
フッ…。
難しいことかもしれないけどね。
お父さん?大丈夫だよ。
俺とお前の子供だぞ。
きっと乗り越えてくれるし人の気持ちも分かる子だ。
俺ってちっちぇなぁ。
いやホントお前と亜也に比べたらホントちっちぇよ。
俺も頑張んなきゃな。
亜也に負けてらんねえしよ。
そういうこと。
(瑞生)ああ。
(店員)いらっしゃいませ。
(亜也)うーんどれにしよう。
迷っちゃうな。
あっちにもタオルあるけど?ホントに?
(亜湖)うん。
(男の子)ねえ何でそんな変な歩き方しているの?
(父親)ああどうもすいません。
(亜也)いえ。
(父親)さあ行くよ。
そんなこと言うもんじゃないぞ。
あのお姉ちゃんは体が不自由なんだからね。
(小田)あれ池内の姉ちゃんだ。
(木村)えっマジ?
(中山)何だよあの歩き方。
(耕平)水質調査なんて今年かぎりにしようぜ。
(慶太)ダメですよ。
これは市役所と合同の歴史と伝統ある偉大な調査なんですから。
(遥斗)おっすげえ。
オオサンショウウオ。
(慶太)嘘。
どこどこ?
(耕平)おっホントホント。
(遥斗)ほら見ろ見ろ見ろ。
(慶太)ちょっと待って。
(耕平・遥斗)ほらほら…。
(慶太)ちょっと!ちょっと!
(遥斗)早く!
(中山)池内!お前って嘘つきだよな。
(弘樹)えっ?何がスポーツの得意な美人の姉ちゃんだよ。
(弘樹)えっ…。
アハハ。
似てる似てる。
(小田)そっくり。
(木村)いいよ。
アハハ…。
似てる似てる。
うめえ。
(小田)それいいね。
(木村)そっくりだよ。
アハハ…。
(中山)ちゃんと歩けねえ姉ちゃんがサッカー教えるなんて無理じゃねえか!
(弘樹)ホントだよ!ホントに教えてもらったんだよ!
(木村)信じらんねえよそんなの。
(小田)嘘つき!
(木村)嘘つき!
(小田)嘘つき!
(中山たち)・「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき」
(中山)ほら。
(弘樹)あっ何すんだよ!?
(木村)ヘイヘイヘイヘイ…。
(弘樹)返せよ!俺のボール。
(中山)ほら行くぞ!ほーら!
(木村)ほら取ってみろよ!
(中山)早く早く早く!
(木村)早く行けよ!
(弘樹)ふざけんなよ!
(中山)そらーっ!あっ…。
あっ!
(中山)拾ってもらえよ!スポーツの得意な姉ちゃんにさ!行こう。
(木村)跳んだなぁ。
メチャクチャ跳んだじゃん。
(潮香)ボール無くしちゃったの?
(弘樹)うん。
どこで?よく捜したの?
(弘樹)うん。
もう一度捜そう。
一緒に捜してあげるから。
(弘樹)いいよ。
(亜也)よくないよ。
いいって!俺もう試合に出れないかもしれないから。
(亜也)どうして?
(弘樹)どうしても。
だから亜也姉試合に来なくていいから。
(亜也)ヒロ…。
弘樹?・
(遥斗)こんばんは。
あっはーい。
麻生君。
(潮香)あらこんばんは。
こんばんは。
(亜也)あっそれ。
多分お前の弟のだと思うけど。
見つけてくれたんだ?ありがとう。
(遥斗)いや。
(潮香)弘樹!麻生君がボール見つけてくれたわよ!・
(足音)おう。
(遥斗)そうか。
もうすぐ試合なのか?
(弘樹)うん。
(遥斗)頑張れよ。
(弘樹)うん。
(遥斗)それからさ。
大事にしろよ。
(弘樹)えっ?ボールも姉ちゃんも。
麻生君。
ありがとね。
気を付けて。
(遥斗)ああ。
じゃあな。
さよなら。
(潮香)あれっ。
ヤダ。
弘樹月謝持ってくの忘れてるわ。
ねえ亜湖。
これ弘樹に届けてくれる?はーい。
(潮香)ありがと。
ヒロ。
ほら忘れ物。
(弘樹)あっありがとう。
月謝忘れないでよもう。
あれ?こっちの姉ちゃんはちゃんと歩けるんだ。
(石川)あっ池内のお姉ちゃんですよね?
(今野)僕たちにもサッカー教えてください。
(亜湖)えっ?
(中山)この姉ちゃんじゃねえよ。
それにもう一人の姉ちゃんサッカー教えるなんて無理だって。
ちゃんと歩けねえんだぜ。
そうだよな?池内。
だから紹介なんてできねえんだよな?
(中山)お前さ姉ちゃんにサッカー教えてもらうより歩き方教えてやったほうがいいんじゃねえのか。
(中山)イテッ。
イッテー。
あんたなんかスポーツする資格はない!何で黙ってんの!?亜也姉のことあんなふうに言われて腹立たないの?
(弘樹)そりゃ…。
何で言い返さないのよ!
(弘樹)だってしょうがないじゃん!「しょうがない」?何がしょうがないのよ!あんた亜也姉のことカッコ悪いとか恥ずかしいとか思ってんの?
(弘樹)あっ何すんだよ!?亜湖姉離せよ!どいて邪魔。
邪魔だと!?何だあのバカ娘。
あいつも最低だけどあんたはもっと最低だよ!亜湖どうしたの?おい!親に向かって邪魔だとは何だ!?何が恥ずかしいの!?・
(亜湖)亜也姉の何が恥ずかしいの!?亜也姉はすごいじゃん。
(潮香)亜湖…。
(瑞生)おい何かあったのか?亜也姉毎日頑張ってリハビリして。
あんなに明るくて。
もしわたしが亜也姉みたいな病気になったらあんなふうに外に出る勇気はないよ。
ジロジロ見られたり変なこと言われたらあんなふうに笑ってられないよ。
わたし初めて亜也姉ってすごいってホントそう思った。
これ亜也姉が付けたんだよ。
亜也姉にとってこのネーム縫い付けることがどんなに大変だったかあんた分かる?
(亜湖)何時間もかけて付けたんだよ。
寝る時間削って付けたんだよ。
ヒロ。
あんたここまでできる?亜也姉のためにこんなに一生懸命になれる!?何で亜也姉のこと恥ずかしいなんて思うのよ!
(潮香)亜湖。
もういいから。
そんなふうに思ってるあんたのほうがよっぽど恥ずかしい!
(潮香)もういい。
もういい。
(亜湖の泣き声)弘樹。
亜湖の言ってること分かるよな?お前…。
今お前のここ痛てえよな?ごめんなさい。
よし。
それでこそ俺の子だ。
ただいま。
(潮香)おかえり。
(亜湖)おかえり。
(理加)おかえりなさい。
遅かったじゃないか。
心配したぞ。
(亜也)ああごめん。
じゃ御飯にしようか。
(亜也)うん。
弘樹ー!
(瑞生)さあ御飯御飯。
あっ潮香。
これゴマ塩ないぞ。
(潮香)あら。
ごめん忘れてたわ。
おい早く。
ゴマ塩。
(亜也)あっヒロ。
ごめん。
わたし試合の応援行けなくなっちゃったの。
えっ…。
今度の日曜日ね急な用事が入っちゃって。
ホントにごめんね。
急な用事って何?ああまりたちと一緒に映画見にいくって。
そんなの断ればいいじゃん。
(亜也)断れないよ。
まりと早希にはいろいろと借りがあるからさ。
(亜也)ねえヒロ。
これ今度の試合のときに使ってね。
(弘樹)えっ。
あっありがとう。
(亜也)あ〜おなかすいちゃった。
あっわたし手洗ってくるわ。
(亜也)はい。
(遥斗)サンキュ。
(亜也)あしたも手伝うから。
(遥斗)あしたって弟のサッカーの試合だろ。
(亜也)うん。
でもわたし行かないことにしたの。
何で?
(亜也)わたしはね周りからどんな目で見られても平気。
でもヒロの気持ちまでは考えてなかった。
ヒロつらかったろうな。
優しい子だから。
最低なお姉ちゃんだよね。
なら行けば。
お前の弟まずいことしたなって後悔してんじゃない?ホントは来てほしいって思ってても言えないだろうし。
男ってのは繊細だからさ。
フッ。
何それ?
(遥斗)えっ?
(亜也)その顔。
(遥斗)何?
(亜也)アハハ…。
耕平。
何これ?うわっ汚え。
うわっ。
ああ〜のびた。
はい。
水筒とおしぼり。
(弘樹)あっありがとう。
着替えのTシャツやタオルも入れた?
(弘樹)うん。
忘れ物ないわね?
(弘樹)うん。
・
(弘樹)いってきまーす!・
(潮香)いってらっしゃーい!あとでお弁当持ってくからね!ったく。
ヒロもお母さんも声でかすぎ。
亜也姉起きて。
(亜也)うん。
(亜湖)映画行くのがホントなら断ったほうがいいかも。
(亜也)ホントだよ。
そっか。
ヒロ…。
行こうよ亜也。
お母さん。
こんなに弘樹が頼んでるじゃない。
いいのかな?わたしなんかが行ったら。
何言ってんのよ。
ちゃんと読んでよ。
弘樹書いてるじゃない。
「絶対に来てください」って。
「お願いします」って。
(亜湖)いいお天気だねえ。
(亜也)うん。
ウチのバカ息子はどこいんだぁ?あっいた!いた!おーい弘樹ー!
(理加)弘樹お兄ちゃん!
(潮香)弘樹しっかりね!ヒロー!
(弘樹)亜也姉。
頑張ってねー!
(弘樹)あれが亜也姉だよ!すっげえ美人だろ!うらやましいだろう!亜湖のお陰だね。
(瑞生)うんっ。
さすが俺の子だ。
うざっ。
(ホイッスル)
(瑞生)行け!行け!
(潮香)行け行け行け!頑張れー!
(亜湖)でもさぁ。
こういうとき間違えないでほしいよね。
あっ?
(亜湖)「ご招待」の「待」の字間違ってる。
(瑞生)「ご招侍」「ご招待」の「待」が「侍」になってるぞ。
(ため息)
(理加)あ〜あ。
亜也。
今夜から弘樹の漢字の特訓よろしくね。
了解。
(ホイッスル)
(瑞生)あっ!あっ!
(観客)PKだ!PK!
(瑞生)PK!PK!PK…。
ヒロ…。
頭ん中でイメージして1本1本丁寧に大切にシュートするの
(弘樹)やったー!
(ホイッスル)
(瑞生)よーしやったー!よしやった!よっしゃー!亜也。
やったぞ!
(亜也)やったー!ヒロー!
(瑞生)ヒロよくやった!うん。
アハハ。
さすが俺の子だ。
アハハ…。
(亜也)「心ない視線に傷つくこともあるけれど同じくらいに優しい視線があることも分かった」・『OnlyHuman』2014/05/29(木) 14:57〜15:53
関西テレビ1
1リットルの涙 #06[再][字]【難病に侵された少女を描いた感動ドラマ 沢尻エリカ】
「心ない視線」
詳細情報
番組内容
亜也(沢尻エリカ)は、以前より歩くことが困難になっていたものの、明るさを失わず、リハビリにも積極的に取り組んでいた。そんな亜也の姿に安堵し、希望を見出す潮香(薬師丸ひろ子)。しかし、亜也の日記を読んだ神経内科医・水野(藤木直人)は、彼女が嚥下障害を起こしていることに気付き、危機感を募らせていた。一方、サッカーに熱中している亜也の弟・弘樹(真田佑馬)は、亜也のアドバイスを受けて練習した成果が
番組内容2
実を結び、次の試合の先発メンバーに選ばれる。それを知った亜也や瑞生(陣内孝則)は大喜びし、家族そろって応援に行くことにするが…。
出演者
沢尻エリカ
薬師丸ひろ子
錦戸亮
成海璃子
真田佑馬
三好杏依
松山ケンイチ
佐藤重幸
小出早織
水谷百輔
松本華奈
橋爪遼
葵
川原真琴
遠藤雄弥
星野奈津子
佐藤祐基
兎本有紀
勝野洋
*
藤木直人(特別出演)
陣内孝則
原作・脚本
【原作】
「1リットルの涙」木藤亜也著(幻冬舎文庫)
【脚本】
江頭美智留
監督・演出
【演出】
木下高男
【企画】
関谷正征
中村百合子
【プロデュース】
貸川聡子
江森浩子
【アソシエイトプロデュース】
小椋久雄
音楽
上田益
【主題歌】
「Only Human」K
【挿入歌】
「粉雪」レミオロメン
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0×0820)
EventID:11430(0x2CA6)