向こうもそれは済むとは思っていなかったので、何か言ってくるだろうなとは思ってましたけど、早い結果が出たいうことは、早く言ってきたということは、向こうもかなりこの交渉でね、向こうとしては国内が大変なんだろうと思います。
福島第一原子力発電所の事故で放出された大量の放射性物質。
今、これに汚染された廃棄物の処分が大きな問題になっています。
東北だけでなく関東などにも広がる放射性物質に汚染された廃棄物。
ごみや草木を燃やした灰や下水道処理施設から出る汚泥。
さらに農地にあった稲わらなどの廃棄物が処分できないまま各地に点在しています。
国は一定の濃度を超えた廃棄物を指定し各県ごとにその最終処分を進めようとしています。
最終処分場建設に断固反対!
ところが最終処分の候補地となった町では環境汚染や風評被害を懸念し反対の声が上がっています。
それでも国は候補地の首長に対しあくまで処分場の設置に理解を求めています。
どうすれば納得のいく結論が導けるのか。
原発の負の遺産と向き合う方法を考えます。
こんばんは。
「クローズアップ現代」です。
もし自分が住んでいる地域の近くに放射性物質を含む廃棄物の最終処分場が建設されるかもしれないとなったらどう思われるでしょうか。
福島第一原子力発電所の事故で大量の放射性物質が放出され東日本の広い範囲が汚染されました。
放射性物質を含む廃棄物をどのように処分していくのか。
国は1キロ当たり8000ベクレルを超える放射性物質を含む廃棄物で環境大臣が指定したものを指定廃棄物としています。
焼却場で出た灰や水処理施設から出た汚泥に稲わらさらに除染作業で出た草木なども8000ベクレルを超えれば指定廃棄物になります。
ちなみに8000ベクレルは国が安全に廃棄物を処理するための基準としていましてこれを超えると特別な処理が必要としているのです。
この指定廃棄物の処分方法ですがこれまで国は比較的量の多い栃木、千葉、茨城、宮城、群馬それぞれの県にある指定廃棄物を集め稲わらなどを焼却しすべてを袋詰めにしてコンクリートで出来た新たな最終処分場に埋め立てるという方針を打ち出しています。
この5つの県に最終処分場を1か所ずつ建設するとしています。
宮城県では3か所の候補地が示されていますがいずれの候補地でも住民の反発が広がり国の計画は行き詰まっています。
自分たちの地域に最終処分場がなぜ作られなくてはならないのか。
風評被害や次の世代への影響などを心配する声とともに浮かび上がってきたのは原発事故の負の遺産を誰がどうやって責任を持って処分するのかという議論が置き去りにされたまま計画が推し進められていることへの強い反発でした。
候補地と名指しされて動揺が広がる実態からご覧ください。
今週月曜。
宮城県で、指定廃棄物の最終処分場の建設について会議が開かれました。
出席したのは、国と県そして建設候補地となっている3つの市と町です。
国は一刻も早く建設を進めたいとしていますが自治体からの同意は得られていません。
最終処分場が決まらぬことで大きな負担を強いられているのが廃棄物を一時保管している県内各地の公共施設や農家などです。
宮城県白石市にあるこちらの浄水場もその一つ。
ここでは、原発事故の直後ダムの水をろ過した際に放射性物質を含む土が発生しました。
その量およそ500トン。
測定すると、1キログラム当たり8000ベクレルを超えたため指定廃棄物として保管しています。
この浄水場では頻繁に空間線量の測定を行っています。
置き場から3メートルほどの地点では国が除染する目安としている毎時0.23マイクロシーベルトを下回っています。
しかし近づくと、およそ2倍に。
万一の漏えいを心配し職員は早い最終処分を求めています。
さらに暮らしのそばにも指定廃棄物は存在しています。
農家の敷地に保管されている稲わらです。
稲わらは腐敗が進むとガスが発生し放射性物質が拡散するおそれがあります。
国は、この1月宮城県内にある国有地と県有地の中から最終処分場の候補地となる場所を3つ選び、公表しました。
しかし、いずれの場所でも住民から強い反発を受けています。
候補地の一つ栗原市の深山嶽。
火山活動で出来た不安定な地質だといわれてきました。
6年前に起きた岩手・宮城内陸地震では処分場の候補地から僅か2キロメートルの場所で世界最大規模の地滑りが発生しました。
さらに別の候補地では生活が成り立たなくなると訴える住民もいます。
加美町で農業を営む一條豊治さんは有機農法で米作りをしてきました。
しかし原発事故のあと放射性物質が検出されなかったにもかかわらず宮城の米というだけで敬遠されてきたといいます。
昨年度は取り引きが落ち込み作付面積が5分の1に減少しました。
処分場が出来ればさらに風評被害が広がるのではないかと危機感を募らせています。
一向に進まない最終処分場の建設。
国が自治体から理解を得られなかったケースは宮城が初めてではありません。
2年前の平成24年国は栃木県の最終処分場の候補地として矢板市を選定。
市に理解を求めました。
しかし、なんの前触れもなく知らされた矢板市では住民の納得を得られないとして国への協力を断りました。
反対!
続いて国は茨城県の処分場の候補地として高萩市を選びますが同じく、協力を断られます。
2つの自治体から理解を得られなかった背景には国が独自の基準でしかも非公開に、候補地を決めていたことがあります。
自治体からの反発を受け国は最終処分場の選定方法を大幅に見直さざるをえなくなります。
宮城県は見直し後に候補地の選定が行われた自治体です。
国は、県内の市町村長と1年半の間に5回にわたる話し合いの場を設けることから始めました。
その中で、自然災害が起きる可能性が高い場所や重要な文化遺産がある地域など除外する場所の条件も協議のうえ定め3つの候補地を選びました。
最終処分場建設に断固反対!
しかし、新たな選定方法で候補地を決めても住民の理解を得るまでには至っていません。
国の説明には納得がいかないと反発が強まっています。
こうした中先月、国が打ち出したのが総額50億円の交付金。
しかし、最終処分場を設置する5つの県では建設のめどが立たないままです。
今夜は、環境経済学がご専門で、廃棄物の処理にお詳しい京都大学教授、植田和弘さんをお迎えしております。
最終処分場の立地が、なかなか決まらない。
その一方で、仮置きをしている状況の中で、そこの地元の方々の負担、そして重圧も大きい。
そうですね。
ですから、やはり一時保管の状態は、VTRにも出てきましたように、あまりよくない、リスクが非常に大きい、あるいは竜巻が起きたらどうなるかとか考えますよね。
ですから、やはりしかも、あんまり動かすというのは、それも新たなリスクになる可能性もありますので、確かにどこか処分地を決めて、きちっと管理処分するというのは一つの考えとして、納得できる部分もあるかと思います。
ただ、候補地に選ばれた地域の人々はなぜ、ここなのかと、その反発の気持ちの根底にあるものはなんですか?
そうですね。
それは私は、なぜここなのかということは本来、ここじゃないんじゃないかと。
私たち宮城の人たちは、ある意味では原発事故の放射能汚染で被害を受けた、被害者なんだと。
そのところにまた処分地も持ってくるのかという、そういう気持ちがおありだと思いますね。
その気持ちは、決して間違った考えじゃなくて、そのとおりの面があると。
だから、もっと責任を取るべきところがあるんじゃないかと、こういうご意見をおっしゃってるように思います。
国が栃木、茨城で候補地を決めて、そして伝えたところ、反対になった。
そして次は宮城県では1年半にわたって5回、市町村の首長の方々と議論をして、そして3つの候補地を今、挙げた。
しかしそれぞれの地域でも反発が出た。
これは前のときは確かに非公開で全くここに決めた理由が分からないと。
こういうことだったのが、それに対しまして、若干のリスク評価というんでしょうか、どういう地域が、どういう問題があるということも踏まえて、そうすると、こういう候補地の評価基準に基づくと、こういう候補地に決まりますよと、そういう意味では、一定の科学的な選定プロセスというんでしょうか、そういうものをリスク最小を求めて進めたと、こういう面はあると、一見、改善したというふうに思います。
しかし、そのおおもとに、先ほど、本来責任を負うべきところはどこなのかという、宮城県の方のね、こういう気持ちがあると、そういうところは、解決されてないんじゃないかと。
つまり、本来もっと社会的に公正な決め方っていうのがあるはずなのに、何かリスク最小ということだけで決めてきて、しかも国が決めて押しつけてきてるんじゃないかと、こういう感覚になってるんじゃないかというふうに私は思いますね。
そうすると、その基準を設定するうえで、大事にすべく、上位の優先順位というのは、どこにあるべきだと思いますか?
私はだから、そのリスクが最小のところがいいという考えもあるかもしれないし、リスクは平等に分担すべきだと、こういう考えもあるかもしれないし、あるいはリスクは本来負うべき人が負担すべきだと、こういう考えもある。
ですから、そういう考え方の整理をする、つまり社会的に見て最も公正な、リスク分担の在り方は、どういうことなのかということについての議論の場が、十分なかったということじゃないかと、こういうふうに思いますね。
今、集会で声を上げていた地元の方の中には、恩恵を受けていたところが受け入れるべきではないか、あるいは住めなくなった土地もあるでしょうという話もあったんですが、その気持ちとしては、自分たちがなぜという。
そういうことだと思うんですね。
最後に交付金の話も出ていましたが、今のようなリスクを最小にするような場所という決め方になると、結局、一番弱いところに、処分地が決められるんじゃないかと、こういう不安、あるいは実際にそうなりかけているんじゃないかという反発があると、こういうことだと思いますね。
そうですね。
さあ、この指定廃棄物受け入れに対して、反発をしているものの、自分たちの問題として向き合い始めた住民の姿を続いてご覧いただきましょう。
おととしの12月。
千葉県のある地域で指定廃棄物の焼却灰を運び込もうとしたトラックを地元の住民が阻止しようとする事態が起こりました。
この出来事が起きたのは我孫子市と印西市にまたがる手賀沼の下水処理場です。
敷地内の空き地を県が指定廃棄物の一時保管場所に決めたことで住民の怒りを買ったのです。
現在、保管されている指定廃棄物は526トン。
そのすべてが地元のものではなく周囲3つの市から運び込まれたものです。
もともと指定廃棄物はそれが発生した市町村で一時保管することになっています。
しかし、3つの市では、震災直後指定廃棄物が大量に発生。
保管場所が不足する事態に追い込まれました。
そこで県は手賀沼の下水処理場の敷地内に指定廃棄物を運び込むことを許可したのです。
先頭に立って抗議活動を続けてきた小林博三津さんです。
小林さんたち住民グループは半年にわたって抗議活動を展開。
その結果、去年6月以来指定廃棄物の搬入は止まっています。
しかし地元への搬入を阻止したあと小林さんたちは心境の変化が起こってきたといいます。
一方的に撤去を求めるのではなくて自分たちがこの問題とどのように関わり解決すればよいのか考えるようになったというのです。
今、話題となっているのは最終処分場について。
国が、まもなく千葉県の候補地を決定すると聞いたからです。
最終処分場がほかの地域に決まれば今、地元で保管されている指定廃棄物は自分たちのもとからなくなります。
しかし、思いは複雑でした。
地元の指定廃棄物がなくなっても根本的な解決にはならない。
小林さんたちは、自分たちが体験したような切実感で多くの人たちがこの問題について議論をする必要があると考えています。
植田さん、最終処分場がほかの地域に決まれば、自分の所に保管している指定廃棄物はなくなるけれども、でも、と考え始め、複雑な心境を持ち始めた方、どうご覧になりましたか?
非常に貴重な話だったとは思います。
指定廃棄物が地元に来ることは嫌だ。
これ、当然だと思いますし、自分たちの出したものではないしと、こういうことですから、正当だとも思います。
ただ自分たちのところに来なければ、それで解決したのかというふうにいわれると、それはどこかに行くだけかもしれないと、こういうことになりますので、本当の解決を求めようと考えると、やはり何か自分たちも関わりながら、どこにすればいいか、どういう所に持っていけばいいのかとか、どういう方法であればいいのかっていうのを考える必要が、みんなと一緒に考える必要があると、こういう変化だと思いますね。
事故が起きて、多くの負の遺産が事故の結果、出てきたわけですけれども、まずはこの指定廃棄物の最終処分から決めていこうと、納得して、その場所を決めていくうえでの大事な鍵というのはなんですか?
そうですね。
VTRの中でもおっしゃってたことばとしては、自分たちが当事者になったと、こういうふうにおっしゃっておられたわけですけれども、この負の遺産を誰の犠牲で、どういうふうに処分、最終処分すべきか。
負担、犠牲をみんなで分かち合わないといけないという側面があることも事実だと思うんですね。
ですから、どういう処分を、どういうみんなの分担でやるかということを、どういうふうに決めていくのか。
どういうふうに決めていくのか?
この決め方を議論する場を作ることが、私は決定的に重要で、みんなが、その決め方を決める場にですね、みんながまさに当事者として、参加すると。
そういうプロセスが大変大きな意味を持ってるんじゃないかと思います。
そういう、住民で議論を重ねながら合意していくっていうのは、海外ではかなり進んでるところもありますよね。
そうだと思います。
例えばアメリカの環境アセスメントなんかでもですね、徹底して議論すると。
その場合は、代わりの案も、今のやり方だけじゃなくて、代わりの案もいろいろ出しながら、どれが一番いいのか、あるいはもっといい方法がないのか。
そういうことを議論して、だんだんよい方法を、考え出していくようなプロセスですね。
そういうものとして議論の場が作られていると、それは大事な意味があると思いますね。
2014/05/29(木) 19:32〜19:58
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代「原発事故の“指定廃棄物” 行き場はどこへ」[字]
福島の原発事故で各地に広がった放射性物質を含む「指定廃棄物」。処分地の選定を急ぐ国に対し、自治体や住民の間には様々な選択肢を探る動きも。議論の行方を探る。
詳細情報
番組内容
【ゲスト】京都大学大学院教授…植田和弘,【キャスター】国谷裕子
出演者
【ゲスト】京都大学大学院教授…植田和弘,【キャスター】国谷裕子
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:13353(0×3429)