今夜は九州大分の駅前からスタート
この日地元の老舗百貨店に大分初の店がオープンする
その噂は町じゅうに広がり開店と同時に大にぎわい
皆さんのお目当ては…。
いい香りをさせる
なかには地元大分特産のカボス入り餡ぱんに…
おいしいものを逃さない!皆さん夢中で選んでいる。
店の名前は…。
東京でもおなじみアンデルセン!レジもフル回転。
後ろには行列までできている
その行列をたどってみると…。
え〜!?何これ?とんでもない長さだぞ
恐れ入ります少しずつ前のほうお詰めくださいませ。
お会計こちら最後尾でございます。
なんと100人以上が並んでいた
こちらのお母さんはアンデルセン初体験。
どうですか?
そんな大忙しの店内に1人の女性が現れた
そして今度は商品をチェック
店を仕切るこの女性こそアンデルセンのトップ
創業家五代目社長…
アンデルセンは全国に
その売り上げはグループで
焼き立てを提供するベーカリーチェーンでは国内最大級だ
しかし目指すのは単なる繁盛店ではないという
パンの世界を広げる。
そんな思いを形にした店が広島にある。
ここがアンデルセンの本店だ
歴史的な建物。
あの原爆を乗り越え今は地元のランドマークとなっている
その中は…。
これがパン屋さん?他のアンデルセンとはまったく違う。
天井高いね
並んでいるパンはアンデルセン最多のおよそ
店内にはイートインのスペースもある
ミルクフランス。
おいしい顔が溢れている。
こちらは年季の入ったファン
広島のアンデルセン本店に並ぶのはパンだけではない。
パンと相性のいい
自家栽培ブドウで作った
パンと一緒にどうぞ!というものが何でも揃う
実はここ自分でトレーに取るセルフ方式を日本で初めて採用したパン屋さんでもある
今では当たり前の光景はここから始まった
第3位はレーズンやクルミの入った香ばしい食事パン
第2位はハムとレタスマヨネーズのシンプルなおいしさ
そして堂々の第1位はサクサクの生地にチェリーがのったアンデルセンのエース
値段は決して安くはない。
パン屋さんながら
例えばこちらの
それでも皆さんトレーに山盛り。
こちらはトレー2枚。
人気の秘密はどこにあるのか?
まず店内を見回してみると目につくのがこれ
高さはなんと4m。
石窯の本場スペインから取り寄せた石を組んでいる
石窯で焼くと遠赤外線効果で外側はパリッ中はフワッとした仕上がりに。
この食感も人気の理由
パンの焼けるいい香りが辺りいちめんに広がった
石窯食パン焼きたてでございます。
いかがでしょうか?
石窯で一日およそ2,000個を焼きあげる
パン好きの唸るこだわりも発見
このコーナーに並んでいるパン商品カードには…
小麦の皮や胚芽を残す特殊な製粉をした粉でちょっと茶色。
日本で使っているのはアンデルセンだけだ
仕入れ値は普通の小麦粉より3割ほど高いがビタミンなどの栄養価もぐっと上がる
更にアンデルセンのいちばん人気デニッシュペストリーにも秘密が。
デニッシュといえば?
味の命サクサク食感はどうやって生み出すのか。
そこには微妙な感覚がものをいう職人技が。
まずバターを生地で包み込む。
これを機械で伸ばして折ってという作業を繰り返し幾重にも重なる層を作る。
そうデニッシュはこの生地の層が重要なポイント
職人は生地を伸ばしながらこまめにハンドルを操作
目盛りがついているが…。
これは何をしているんですか?
実はデニッシュ生地の層の厚さにムラがあるとあのサクサク感が生まれない。
だからアンデルセンはこんなふうにミリ単位の調整を行うのだ
果たして出来上がった生地は…
お見事!均一の厚さで27層になっていた
かくして今日も人気パンが完成
生地で均一だった層は焼き上がるとこんな形に。
独特のサクサク食感はこの職人技なしには作れない
今回村上龍が注目したのはアンデルセンの創業者夫妻
村上龍がここまで言う高木夫妻とはいったいどんな人物なのか?
戦後間もない1948年吉田の父高木俊介は町のパン屋さん
夫婦と従業員が2人の小さな店。
それが全国チェーンに成長するまでにはあるきっかけがあった。
時は1959年。
海外旅行にはまだ自由に行けなかった時代。
俊介は同業者とパンの本場へ視察旅行に出かけた
ヨーロッパを中心に9か国をまわり最後に訪ねた
それはコペンハーゲンのホテルで朝食をとったときのこと。
出てきたパンを口にした俊介は衝撃を受ける
経験したことのないパイ生地のような食感。
一緒にいた仲間に聞いても…
う〜ん…なんだろう?
世の中にこれほどおいしいパンがあるのか。
そのパンこそが
帰国した俊介は日本人にも自分の味わった感動の味を伝えたい一心でゼロから再現に没頭する
そして実に3年もの試行錯誤の末
この50年以上前の出来事を妻彬子は今も鮮明に覚えている
デンマークのパンにすっかり魅了された俊介はその後自分の店の名前もデンマークを代表する童話作家の名前に変えたのだ
デニッシュペストリーをひっ提げて
オープンするとすぐに店は評判を呼び大盛況となった
焼きたてのパンが香ばしい香りとともに並ぶ。
欧米のような光景が生まれたのだ。
それから44年青山アンデルセンは場所を変えたが今も青山で営業を続けている
ここでの人気ナンバーワンも開店当時からずっとデニッシュペストリーだ
日本の食文化を変える。
今夜は壮大な野望を掲げたあるパン屋さんの挑戦の物語
スタジオにはもうおいしいパンのにおいが漂ってますけども吉田さんは毎食パンを召し上がられるんですか?はい気がついたら朝昼晩3食ともパンだったということもよくあります。
もちろんお米も食べるときもあるんですよね?まぁその1つデニッシュペストリーが…。
はいもう代表的なのが人気のあるデニッシュペストリーですけど日本で初めて作られたお店ということでよっぽどデンマークで感動されたってことなんですよね。
そうですね。
1959年でしたっけ?はい。
59年といえばですね小池さんはもちろん生まれてませんし吉田さんもそんなにまだ…子供ですよね?そうですねはい。
ごくごく小さい子供です。
僕は7歳だったんです。
59年っていうと。
だからわかるんですけどその頃ですねパンというのはコッペパンとアンパンと食パンは高いからやめとこうかみたいな時代だったんですよ。
そのあとにジャムパンとかクリームパンとかできてきたような感じでもうフランスパンのフの字もないしデニッシュペストリーとかもう見たことも聞いたことも想像したこともないんですよ。
でコペンハーゲンのホテルでデニッシュって出てきたの。
でそれを3年かかっちゃうんですよね。
ええそうですね。
もちろん食べたこともないわけですから。
そうですよね。
何が何だかさっぱりわからない。
それほど時間かけて作っても日本の皆さんに食べてもらいたいというくらい衝撃的なお味だったんでしょうね。
そうですね。
お父さんアイディアマンで当時日本はやっぱり物がないから他のパン屋さんは新聞紙に包んで売ってたらしいんですよ。
それを白い紙に包んで売ったんですよね。
はいそうですねやはり吉田さんあとパンをトングで取るセルフ販売というものもアンデルセンさんが初めてやられた形式ということで。
お客さんの反応というのはどういったもので?対面販売じゃなくなったから?そうなんですそうなんですよ。
知らず知らずのうちに通ってしまう!熱狂ファンを生み出すアンデルセン
このあとお客の心を鷲づかみにするヨーロッパ仕込みの仕掛けが明らかに
2人には店づくりの原点になった大きな体験があった
日本で初めてデニッシュペストリーを完成させた次の年…
当時店づくりに悩んでいた彬子はイタリアで入った一軒の店でたちまち心を奪われた
その店ではパンの横に焼き菓子やアイスクリームが楽しそうに並びお客も和気あいあい。
日本のパン屋さんとはまるで違う雰囲気だったのだ
彬子はこれだと感じた店のつくりを新装した広島の本店で再現している
2階にはレストランも併設。
今までの日本のパン屋さんとはまったく違うパンのある生活を提案する店だった
その提案も時代とともに進化している。
2階のレストランは…
今はビュッフェスタイルに。
料理とともにパンを心ゆくまで食べてもらおうとしている
創業者夫妻が心を奪われ再現した楽しくパンを食べる店は時を経てこんな形になったのだ
こちらも店内の一角。
そこで行われていたのは…
パン作りというのは仕込み作業。
ここで生地を作る…。
プロのパン職人が教えてくれる…
アンデルセンの味が習えると大評判
パン屋さんなのに花まで売っている。
食卓が変わりますもんね
(サックス)
パンから生まれる幸せを届けたい。
根っこの思いは今も変わることなく受け継がれている
でも吉田さんお父さまとお母さまのお二人ともパンに対する情熱っていうのがすさまじいものだったんですね。
経営はお父さまがやられてたんですけどやっぱり経営者なので経営者としては利益を出したいと。
でもお母さまは利益は大事だけど啓蒙も大事だと。
結構ぶつかられたこともあるらしいですね?お母さまはハンパじゃなかったらしいんだよ。
ハンパじゃないっていうのはもうその頃は結構売れ線の商品とかあった。
これはやっぱり僕はどっちかっていうとお父さまのほうに加勢したくなっちゃうんだけどお父さまはこの売れるやつをここにいちばん目立つところに大量に置けばいいじゃないかと。
思いますね素人で聞いてると。
彬子さんは嫌だって言うんですよ。
それだと全体のレイアウトが狂ってしまうから嫌だって。
それでもその時点でケンカになりますね。
そりゃケンカになるよ。
何を言ってるんだとかになっちゃう。
そのせめぎあいというか言い争いっていうか対立のなかで本当に切磋琢磨してきっと今のアンデルセンができていったんだろうなと思うんですよね。
どっちも譲らないけどたぶんお互いのことは認めてたんだと思うんです。
東京王子の交差点の前に店を構えるのは全国展開しているベーカリーチェーン…
アンデルセンにとってはライバル店…。
ではない。
実はここアンデルセングループのブランドのひとつ。
フランチャイズのいわば姉妹店だ
リトルマーメイドも焼きたてが売り。
アツアツで出てきたのは…
こちらも焼きたて。
石窯で焼いた…
アンデルセンより値段はちょっと抑え目だ
パン屋さんといえば昔から夜を徹して生地から作り朝早く開店するハードな仕事というイメージがある。
しかし今は様子が違うらしい。
リトルマーメイドの厨房を覗いてみるとパン生地を作るスペースは見当たらない。
実は生地は別のところで作っていてここでは焼くだけなのだ
しかしチェーン店となれば生地の量も膨大なはず。
いったいどこで作っているのか?答えはここ。
これまたアンデルセングループのタカキベーカリー。
中では巨大なラインで大量のパン生地が作られていた
製造工場では大型ミキサーで原料をこねて生地を作りそれを人海戦術で成形していく
ここまでは普通のパン工場と変わらないが実はこの先に秘密が
パン生地が向かった先には…
アンデルセングループの工場でこねられ成形された大量のパン生地
ここまでは普通のパン工場と変わらないが生地が消えていった先にはパン業界をあっと言わせた技術がある
そう作った大量のパン生地はここで冷凍する。
中ではコンベアがらせん状にゆっくりのぼっていく。
冷凍にかける時間は1時間
この冷凍技術を日本で初めて確立したのもアンデルセンだ
音がわかりますか?カチカチですね。
普通焼く前にここまで生地を冷凍してしまうと大半のイースト菌が死にパンは膨らまなくなる。
そこで開発したのがこれ。
寒さに強いイースト菌だ
この冷凍専用イースト菌の実力を試してみた
冷凍専用イースト菌を入れた生地と普通のイースト菌を入れた生地をいったん凍らせたうえで醗酵室へ
1時間後に見てみると大きさにこんなに差が出た。
普通のイースト菌を使った生地は菌がほとんど死に膨らまないのだ。
焼けば更に差は歴然。
これを可能にする仕組みこそアンデルセンの独自技術なのだ
冷凍生地なら各店舗で都合のいいときに焼くだけ。
だからリトルマーメイドのフランチャイズ展開も可能になった
しかし創業者の高木俊介は7年かけて作り上げたこの技術をなんとすぐに公開してしまう。
そこにあったのは…
この英断により多くのパン職人が過酷な徹夜労働から解放された。
一方で冷凍技術は新たなビジネスも生んでいる
こちらはおいしいパンが売りのカフェチェーン…
この店で大人気なのが…
いかがでございますか?
チョコの入ったクロワッサンチョコクロ
このチョコクロのクロワッサン生地が実は…
全国におよそ1,000店を展開するスターバックスもアンデルセンの取引先。
店内のショーケースに並ぶさまざまなパン
その多くがアンデルセンが生地作りを請け負ったパンだ
スターバックスはなぜアンデルセンを選んだのか?
今や外食チェーンにパン生地などを提供する事業の売り上げは60億円以上。
全体の1割にまで成長した。
アンデルセンは日本のパン職人の暮らしを変え自らもしっかり成功した
はいこうして私たちが知らない間にアンデルセンのパンをいろんなところで口にしてるんですね。
今はサンマルクカフェそしてスターバックスがでてきましたけども知らなかったですよね。
僕らパン作りってわかってるようでわかってないんで…。
冷凍技術がある前は例えば生地を作ってそれを見てなきゃいけなかったわけですか?そうです。
見てなくてもいいんですけど…。
冷凍ができると職人さんたちの…。
夜中の1時じゃなくてもひょっとしたら5時とか6時でも大丈夫になったってことですよね?そうですね。
でそうやって得た特許ですよ。
公開しちゃうんですもんね。
はいいとも簡単に。
すごい決断ですけども…考えられないような。
考えられないですよね普通は。
独り占めしたくなりそうですけどね。
もったいないもんね。
儲かりそうだもんね。
俺だったらたぶん絶対独り占め…。
自分だけで売りたい感じが…。
お母さまも賛成だったんですかね?そうですね。
そういうところは賛成するらしいの。
すごいな。
彬子さんは。
もちろんとか言ったらしい。
広島市内からおよそ1時間半。
見えてきたのは…
広大な原野が広がっている。
一角には苗を植えたばかりの小麦畑。
畑の中では誰かが作業中
草をていねいに引いていた
彼らはアンデルセンの社員
芸北100年農場はアンデルセンが作った若手社員の研修施設だ。
彼らは2年間給料をもらいながらここに住み込んで研修を受ける。
一見楽しそうにも見えるが…。
内容はハードだ。
自分たちの力だけで荒地の開墾を行い畑を作って…
収穫までのすべてを自分たちで行い小麦一粒作ることの大変さを体に叩き込む。
食とは何かを根本から見つめ直すのだ
収穫した小麦を使ってパンも作る
今使っているのは去年収穫して挽いた小麦粉だ
丹精込めて作った小麦をどれだけ使えば1つのパンになるのか。
研修生たちは身をもって知る。
この修業が日々のパン作りにどんな影響をもたらすのか
ここ東京仙川店で製造のチーフを務める渡邊も研修を受けた1人
土にまみれたのは5年前のことだ
あの経験があったから小麦一粒一粒の重みを感じるようになったという
パンと真摯に向き合う職人。
時代が変わってもそれだけは変わらない
ほんとに一から荒れ地の開墾からやるってことなんですね。
そうですね。
ここまでやらなきゃいけないんですかね?『カンブリア宮殿』ゲストの方いろんなことをやられてるんですけど…お掃除したりお店の前を。
だけど開墾からやるっていうのは聞いたことないですね。
創業の精神を取り戻すとか創業者の理念をもう一度蘇らせるとか言うのは口で言うのは簡単なんですけど難しいんですよね。
パン業界に革命を起こしてきたアンデルセン。
新しいパン作りも着々。
ホカホカ焼きたてのパンで作ったのは…
えっスプーンで!?食べちゃうの?
これまでパン作りの新しい技術を発掘してきたアンデルセン
その研究は立ち止まることなく今も続いている。
出してくれたのは企業秘密の特別なパン生地。
これが画期的なパンになる。
一見ホカホカの焼きたて食パンだがこれにある工夫を施すと…
噛む力の弱くなった高齢者向けの介護パン。
かたさは普通のパンの10分の1程度。
パンが好きでも食べられなくなったお年寄りへの朗報だ
次はどんな新しいパンが産声をあげるのか
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/05/29(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【利益でなく、文化を広げろ!パン職人が切り開いた常識破り経営術】[字]
「デニッシュペストリー」も、トングで自分でパンを選ぶ「セルフ式販売」も、ここが日本初!広島生まれの人気ベーカリーチェーン「アンデルセン」の経営術に迫る!
詳細情報
番組内容
焼き立てパンが売りの人気ベーカリーチェーン店「アンデルセン」。元々は戦後間もない時期に広島で生まれた「街のパン屋さん」だったが、アンデルセンはそれだけでは終わらなかった。「デニッシュペストリー」を日本で初めて販売したのも、お客がトングで自分の買いたいパンを選んで買う「セルフ式販売」を初めて導入したのも、「冷凍パン生地の製造ライン」を日本で初めて作ったのも、アンデルセンなのだ。
番組内容つづき
絶えず業界の常識を破り続けることで、パン業界のフロンティア企業とも呼ばれている。広島生まれの地方のパン屋が、なぜパン業界の常識を変える企業になれたのか?業界の革命企業が培ってきた“独自すぎる”経営術、その本質に迫る!
出演者
【ゲスト】
アンデルセングループ社長 吉田正子
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
http://www.facebook.com/cambrian.palace
【公式Twitter】
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