地震:東京震度5弱 気象庁「首都直下地震と関連性薄い」
毎日新聞 2014年05月05日 08時49分(最終更新 05月05日 21時20分)
◇震度5弱以上は11年3月の東日本大震災以来
5日午前5時18分ごろ、伊豆大島近海を震源とする地震があり、東京都千代田区で震度5弱を観測したほか、関東地方の各地で強い揺れを感じた。気象庁によると、震源の深さは約162キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.0と推定される。東京での震度5弱以上の地震は2011年3月の東日本大震災以来。地震による津波はなかった。
気象庁は、想定される首都直下地震と今回の地震とは震源の場所や規模が異なることから関連は薄いとみている。5日午後7時半現在、余震は観測されていない。長谷川洋平・地震津波監視課長は記者会見で「余震は起きないと考えられるが、数日間は注意してほしい」と呼びかけた。
各地の消防などによると、東京都新宿区で80代の女性が転倒して腰を骨折するなど東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県で計17人がけがをした。
原子力規制庁によると、東京電力福島第1原発や柏崎刈羽原発、日本原子力発電東海第2原発に異常はなかった。東京ガスによると、ガスメーターが震度5程度の揺れで自動停止するよう設定されていることから、「ガスがつかない」との問い合わせが5日午後6時までに2530件あった。
鉄道は千葉県富津市のJR内房線を運行中の普通列車が上総湊−佐貫町間で緊急停車し、乗客22人が佐貫町駅までの道約1キロを歩く事態になった。上越新幹線で最大15分の遅れが出たほか、都内の地下鉄、私鉄でも一時、速度を落としての運転が行われた。高速道路も一部の区間で速度規制が行われた。
今回は震源から離れた東京都千代田区で局所的に震度5弱を観測したことが特徴的だった。この点について、長谷川課長は「これまで千代田区だけ揺れが強くなるという傾向はなかった」としつつも、地盤の質が偶然に何らかの影響を及ぼした可能性があると指摘する。【奥山智己、川名壮志】
千代田区以外の主な各地の震度は次の通り。
震度4=東京都世田谷区、港区、新宿区、中野区、江東区、調布市、横浜市西区、神奈川区、川崎市川崎区、中原区、さいたま市大宮区、千葉県市原市、南房総市、栃木県鹿沼市、群馬県安中市
震度3=東京都町田市、栃木県日光市、前橋市、埼玉県川口市、千葉市中央区、神奈川県横須賀市、平塚市、福島県白河市