（プランシェ）ウキ〜ッ！ウッキッキ！あっ！あれほど出歩くなって言ったのに！ウッキ〜！すみません。
出かけてきます。
いそがしい青年だ。
どこに行った！？
（ロシュフォール）コンスタンスのことをよく知っているそうだな。
（アトス）なんの話だ？ボナシューにたのまれてコンスタンスをさがしているそうではないか。
さっぱり要領がつかめんが。
とぼけるな。
コンスタンスはどこにいる？何をたくらんでいる？バッキンガム公の居場所は？その前に一ついいか？コンスタンスってだれだ？すぐにもどります。
（リシュリュー枢機卿）王妃は国王の目をぬすんでかつてのこいびとバッキンガム公と会おうとしている。
これは明らかに国家への反逆ではないのかね？そのかたぼうをかつぐコンスタンスも同罪。
そのコンスタンスの情報をつかみながらかのじょをかばっているのだとしたらおまえも同罪だ。
悪いがおれはコンスタンスのことなんか知らんしボナシューからたのまれたこともない！
（ミレディー）ではバッキンガム公にはお会いになれなかったのですか？
（アンヌ王妃）しんちょうなお方ですから。
それは残念でございました。
すてきなハンカチ。
あの方からのプレゼント。
愛されていらっしゃるんですね。
まずいぞ！ミレディーは完全にアンヌ王妃の心をつかんじゃった！
（ロシュフォール）ボナシューを連れてきました。
（ボナシュー）あっイテッ…。
（ロシュフォール）ボナシューおまえの口から言ってやれ。
こいつにコンスタンスをさがせとたのんだんだな？いいえ。
（ロシュフォール）どういうつもりだ？わたしはこの人は知りません。
ふざけるな！この人とは初対面です。
こいつは三銃士の一人アトスだ。
わたしと会ったアトスとはちがう。
おまえが会ったアトスはどんなヤロウだ？もっとおわかいこぞうのようなやつだった。
ダルタニアン…。
これで読めた！元はといえばダルタニアンがボナシューの前でついアトスと自己しょうかいしたのが事の始まりでした。
回想申しわけないけどぼくだって銃士です。
あんたも？ええこう見えても。
失礼ですがお名前は？ん…アトス。
バッキンガム公はパリまで来ておきながら王妃に会うのを断念したらしいです。
ロシュフォール。
はい。
もうよい。
この男をしゃく放してやれ。
かしこまりました猊下。
もう帰ってよい。
いいんすか。
（ロシュフォール）早く帰れ。
では失礼いたします猊下。
（ロシュフォール）ダルタニアンをすぐに連れてまいります。
（リシュリュー）もうよい。
しかし…。
（リシュリュー）ミレディーの報告によればバッキンガム公はパリまで来ておいて王妃に会うのを断念したらしい。
相違ないな？相違ありません。
もう少しほねのある男だと思っておったがバッキンガム公。
ご苦労だった。
今後も王妃から目をはなすな。
下がってよい。
失礼いたします猊下。
やつらもなかなかしっぽを出さんのう。
あの〜わたしは？うん？
（ロシュフォール）もう帰してよろしいですか？ボナシュー。
はいリシュリュー様。
ひざまずきなさい。
はい。
ボナシューこれからもリシュリューを助けてくれ。
はい猊下。
コンスタンスの動きをちくいち報告するのだ。
たよりにしておるぞ。
かしこまりました猊下。
行きなさい。
はい！これであの男はわたしの言いなりだ。
おみごと。
（ケティ）ミャッ！ミャ〜。
アッハッハ。
ケティひさしぶりだな。
ミャ〜オミャ〜オ。
（ミレディー）アトス！うん？こんな所で会えるとは思わなかったわ。
ミャ〜オ。
あれから何年になる？遠い昔の話。
わすれちゃった。
変わらないなおまえは。
あなたは少しふけた？大きなお世話だ。
お父様はお元気？死んだ。
５年前に。
そう…。
おまえに会いたがってたよ。
わたしお父様に気に入られていたから。
おくさんはいるの？おまえがいちばんよく分かってるだろう。
おれほど結こんに向かない男はいない。
確かに。
そしておまえほど結こんに向かない女はいない。
向かない男と向かない女がよく３年もいっしょにいたわよね。
きせきだ。
考えてみたらあのころがいちばん楽しかったな〜。
なんとアトスとミレディーかつてはふうふだったとは！縁とはつくづく不思議なものです。
（ボナシュー）ようようアトちゃん！ごきげんだな。
ヘッヘッヘッヘ当たり前よこんなにうれしいことがあるかい。
何があった？リシュリュー様が直接お声をかけてくださったんだ！こんな名誉なことがあるかい！おれは決めたぞ！一生あの方についていく。
リシュリュー枢機卿ばんざい！ばんざ〜い！単じゅんな男だ。
（大道芸人）ほれ飛べ！飛ぶんだよ！ほれ！
（犬）ウ〜ワンワン！ほれ来い！よし！夜のパリの街をコンスタンスをさがしてさまようダルタニアン。
だけどパリは広い。
見つかるわけがない。
（ポルトス）タニアン！こっちこっち！ダルタニアンです。
ハッハッハッハ…ダルタニアン。
ポルトスさん。
何やってんだ？人をさがしてるんです。
まあちょっとこっち来いよ。
いっしょに飲もうぜ。
いやお酒は…。
いいからちょっとつきあえ。
ではちょっとだけ。
そら…。
こちらは？こちらさんは…どちらさんだっけ？もう！アッハッハッハ！今さっき知り合ったんだ。
今さっき！？今さっき知り合ってあとちょっとで別れる。
どうぞ。
いただきます。
ゲホッゲホッ！おっなんだよ酒飲めねえのか？ごめんなさい勉強します。
酒と女は人生を１００倍楽しくする。
（ねぼけながら）そのとおり！アッハッハッハ！ポルトスさんは女の人にもてるんですね。
グビッグビッ…プハ〜ッ！不思議だろう？顔でいったらアラミスのほうが断然二まい目だし男らしさじゃアトスが上だ。
だけどいちばん女にもてるのはまちがいなくおれだ。
それが不思議なんですよね。
おまえには言われたくないな。
すみません。
ヘヘッまあいいや。
じゃあなおまえにいいことを教えてやる。
どうすればもてるか知りたかろう？はい！女に好かれるいちばんのひけつは…きらわれないことだ。
はい？プハ〜ッ！おれよりかっこいい男はいくらでもいる。
だからおれはその分女につくす。
おれにとって女はだれもがひめ様だ。
「チョウよ花よ」と持ち上げるわけよ。
つくされていやに思うやつはいねえだろ？だろ？う〜ん…グ〜グ〜。
なんだよねちまったのか。
かぜひくぞ。
ほら！
（ポルトス）好きな女でもできたか？ポルトスさんは一目ぼれって信じますか？どんな恋も一目ぼれから始まるんだ。
そうなんですか？なんやかんや言ってもさぁ人は結局見た目で選ぶ。
そういうものですか。
ハッハッハおれは女ならだれでもオッケーだけどね。
ええ？なんだい？一目ぼれしたのか？えっ！出会ったしゅんかんになんというかこう…電気が走ったんです。
へえ〜いいねえ。
運命の人に出会った…そんな感じがしました。
うらやましいねぇ。
おれはまだそんな経験はないな。
だけどかのじょには好きな人がいるみたいなんです。
こいつはおだやかじゃないな。
かのじょはある理由から追われてるんですが表に出てはきけんなのにわざわざ夜中にその人に会いに行ったんです。
これはこいびとと考えてまちがいないですよね？当然そう考えていいだろうな。
やっぱりか…。
なあダルタニアン。
はい。
これは大きなお世話かもしれねえが追われている女にはあまり手は出さないほうがいいな。
実はもう一つ問題があって。
おいまだあんのか？その人にはだんなさんがいるんです。
いきなりハードル高いところに持ってきたねぇ。
どうすればいいでしょうか？ひゃ〜。
おれはどんな女でもオッケーだとは言ったが一つだけかかわりたくないタイプがいる。
追われている人妻だ。
かのじょの力になってあげたいんです。
たぶんあの子はぼくがいないとだめなんですよね。
そいつはな男のげん想だ。
（ため息）ウッキ〜キッキ！どうした？ウッキ〜ハヤク！ちょっとよばれてるみたいなんで行ってきます。
深入りすんなよ！まあわかいうちはいいか。
人妻で追われている…。
悪くはねえな。

（ドアの開く音）ダルは！？タニアンは！？１度もどってきたがまた出ていった。
あのバカ！ずいぶん早かったな。
人ちがいとわかってすぐにしゃく放だ。
なんだつまらないな。
だいたいの様子はわかった。
今この街にロンドンからバッキンガム公が来ている。
アンヌ王妃のかつてのこいびとだ。
王妃は今夜バッキンガム公と会うつもりだ。
リシュリューは２人の密会の証こをつかみそれを利用して王妃の失きゃくをねらっている。
そこでまず侍女のコンスタンスをつかまえかのじょがにげ出したんで夫のボナシューをつかまえそしてダルタニアンがおれの名前を名のりやがったせいでおれがつかまった。
（ポルトス）おいおい夜中だぜ。
声がでかいよ。
表まで聞こえてたぞ。
そして大事なことがもう一つ。
ダルタニアンはコンスタンスにほれている。
ひょっとしてそのコンスタンスは追われている人妻？そうだ。
なるほどね。
これですべてがつながった！
（プランシェ）ウキキ〜ウキキ〜！あの中にいるのか？ウッキ〜！男と会ってるのか？ウッキ〜。
森の中で会ってたやつか？ウキキキッ。
ちがうのか！？いったい何人の男がいるんだ。
ウッキ〜。
ポルトスさんの言うとおりかもしれないな。
あんまり深入りしないほうがいいのかも。
ウッキ〜。
でもさぁやっぱり気になるよ。
ウキキッ。
・
（男）わたしにあきらめろと言うのか？
（コンスタンス）王妃の周りにはリシュリューの手の者が張りこんでおります。
（男）しかし王妃はわたしに会いたがっておる。
あっ。
お待ちください。
そこにいるのはだれです？ぼくです。
コンスタンス。
（コンスタンス）ダルタニアン！どういうことですか？あれほど表には出るなと言ったじゃないですか！どうしてここが？プランシェが教えてくれました。
ウッキ〜。
後をつけたのね？ウッキ〜。
そういえばずっとサルくさかったわ。
ウッキ！キキキ〜ッ！アッカンベ〜！コンスタンス！ぼくはおこってます！ぼくはあなたのためを思って言っているのにこう何度も何度も約束を破られちゃ。
ごめんなさい。
ずいぶんおめかししてるみたいだけどいったいだれと会ってたんですか？もうかんべんしてください。
ぼくには知る権利があると思う。
ないわ！だってこんなにあなたのことを心配してるんですよ！わかってください。
あなたをこれ以上まきこみたくないの。
何にですか！？お願いだからもう聞かないで。
（男）どうしたのだ？コンスタンス。
なんでもありません。
その男はだれだね？
（コンスタンス）この者が以前お話いたしましたダルタニアンでございます。
銃士隊の見習いの。
さようでございます。
ダルタニアンこちらはバッキンガム公。
バッキンガム公！？ダルタニアンアンヌがお世話になっています。
はい。
ついに現れたバッキンガム公。
アンヌ王妃の元カレの登場でますます波らんの予感の「新☆三銃士」。
これは目がはなせない！・「勇気を出して振り返ってごらん」・「そこにはきっと君の仲間がいる」・「あの時、ずっとそばにいてくれたね」・「それが君の永遠の友達」・「あの時、最後まで待ってくれた人」・「それが君の永遠の仲間さ」2014/05/30(金) 00:00〜00:20
ＮＨＫＥテレ１大阪
新・三銃士「コンスタンスの秘密」[字]

アレクサンドル・デュマの傑作「三銃士」を、脚本家・三谷幸喜が連続人形活劇として新たに脚色。青年・ダルタニアンが一人前の銃士として成長していく物語。その第九話。

詳細情報
番組内容
アレクサンドル・デュマの傑作「三銃士」を、脚本家・三谷幸喜が連続人形活劇として新たに脚色。青年・ダルタニアンが三銃士たちと出会い、一人前の銃士として成長していく物語。その第九話。バッキンガム公の居場所をめぐり反逆罪で逮捕されたアトス。無関係とわかりすぐさま釈放されるが、その時、かつて夫婦だったミレディーと再会する。一方ダルタニアンは、ポルトス相手にコンスタンスに対する恋の悩みを打ちあけていた。
出演者
【声】池松壮亮，山寺宏一，江原正士，瀬戸カトリーヌ，田中裕二，高木渉，戸田恵子，貫地谷しほり
原作・脚本
【脚色】三谷幸喜

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他
趣味／教育 – 幼児・小学生

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