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冬。
人はなぜかそこに引き寄せられていくという。
気温は氷点下。
目の前に広がるのは凍てつく…吹きつける台風並みの風に体感温度は氷点下20℃にもなる。
でも…。
年末のたった数日このバス停を目指して全国からさまざまな人が集まり他人同士で一晩を明かすという。
なぜ人はここを目指すのか。
最も北にあるバス停に3日間カメラを据えてみた。
12月30日の朝撮影開始。
でも刺すように吹きつける海風のせいかバス停の周りは閑散としている。
あっ人がいた。
旅館に入っていくみたい。
(取材者)何月からお休みに入ったんですか?あ〜やっぱり全然来ないんですか?やっぱり観光シーズンは夏。
それでもあえてこの時期に来るのは何か思いがある人たちなのかな?バスから降りてきた男性。
随分軽装だけど…。
こんにちは。
寒いですね。
IT関係の仕事に就く男性。
突然無性に北に行きたくなりすぐさま飛行機のチケットを購入東京からやって来た。
わざわざここでつぶやきたい事って何だろう?「すごく北にきた」。
このダジャレを。
「渾身のダジャレ」。
だけど…つぶやき返してくれる人はいなかった。
寒さのせいかみんなバスから降りると足早に岬の突端へ。
そして無言でただ記念碑のボタンを押す。
(「宗谷岬」)・「流氷とけて」目の前には荒々しいオホーツクの海だけ。
でもここに来れば誰もが演歌の世界に浸れる。
・「カモメもないて」・「はるか沖ゆく」スタッフに興味を示し声をかけてくれた人がいた。
今日は宗谷岬に来て72時間ずっといたらどんな人と会えるんだろうという撮影していました。
72時間?72時間。
そうですね。
宗谷岬なんですか?知来別だよ。
里帰りで?久しぶりに来てどうですか?えっ?いいですよ。
いい!いいんですか。
すみません。
家族を養うためもう18年前からタクシーの運転手として東京へ働きに出ているという。
漁業以外働き口が少ない地元。
長期間出稼ぎする人はほかにも多いそうだ。
寒いな〜!また寄ります。
はいありがとうございます!スタッフに温かい飲み物を差し入れしてくれたおじさん。
これから4か月ぶりに家族のもとへ。
夕方4時に近づくと辺りは早くも暗くなってきた。
(風の音)風が強さを増し横殴りの雪が吹きつける。
(風の音)その中を一人の男性がやって来た。
すごい日にいらっしゃったんですね。
そうですね。
あっホントだ。
突然思い立って着の身着のままで来たみたいだけど。
何かやっぱり大変ですか?大学卒業後埼玉の市役所で働きだして4年目。
最近直接利用者と向き合う窓口業務に異動し自分の未熟さばかりを思い知らされる日々だという。
何買ったんですか?寒すぎたからですか?寒すぎました。
何もない海を見に来たと言うけど何か感じたんだろうか?北の海はどこまでも厳しくそっけない。
そこがいいのかな。
夜9時過ぎ最終のバスが去っていった。
明日はいよいよ2013年最後の日。
朝6時半。
この日最初のバスがやって来た。
こんな時間に一人で降りてきた若者。
高校3年生。
はるばる広島から飛行機とバスを乗り継いできたという。
この春地元の工業系の会社に就職する事になっている。
最後の長い休み。
真っ先にこの場所が頭に浮かんだんだって。
青春時代に別れを告げる旅。
海を見ながら何を思うのかな?年越しまで15時間。
一台の車がやって来た。
何か荷物を運び出しているけど…。
えっテント?こんなに寒い所で?その後も続々とテント持参の旅人が集まってくる。
でも何で?よりによってこんな場所で年越しを?京都からバイクで来たという彼。
社会人2年目。
ふだんは自動車関係の部品工場で働いている。
24です。
51です。
それでも全然普通に友達で。
せっかくだから歩いてみようかなみたいな。
こうやって歩いてきたんですか?そうですね。
いやあのねちょっと振られてしまったところがあって。
マゾなんでしょうね。
NHKだから言っていいのか迷っちゃった。
ハハハッ。
おっきたか?
(拍手)
(拍手)バスの待合室の前で車から何かを降ろす人がいた。
こんばんは。
お二人が何か作業されてるみたいですけど何かやるんですか?5年前教師として稚内に赴任してきた和田さん。
自身もバイク乗りで学生の時から全国各地を旅してきた。
ありがとうございます。
呼びかけにどんどん人が集まってきた。
あっという間にバスの待合室はギュウギュウ詰め。
(歓声)和田さんかつて教師を目指したけどずっと不採用。
悶々としながら日本中を旅した時偶然出会った人々に励まされ頑張れた。
今度は自分の番だと思った。
ありがとうございます。
世代も立場も違う他人同士が同じ鍋を囲み一年の労をねぎらう。
日本の端っこに年に一度現れる不思議な光景。
少し興奮した様子で待合室から出てきたのは京都から来たあの工場勤務の若者。
実はこの一年いろいろあったから余計人のぬくもりがしみるらしい。
よいお年を!よいお年を!はるばる一人で来た旅先で思いがけない時間を過ごせたみたい。
2013年も残すところあと僅か。
行きます。
テントに戻っていた人たちも集まってきた。
目指すのは岬の先端にある記念碑。
新年まであと少し。
10秒前…。
(一同)987654321。
明けました!
(一同)おめでとうございます!
(一同)イエ〜イ!いろいろあった2013年が終わった。
みんなここで区切りをつけ夜明けが来ればそれぞれの日常へと帰っていく。
深夜2時過ぎ。
待合室に若い男性2人が入ってきた。
東京から来た大学生の2人組。
大みそかをこのバス停で過ごしてみたかったんだって。
次の夏長期の海外留学に旅立つ彼。
最後に仲間と何か面白い事をしておきたかった。
あえて鈍行を乗り継ぎ6日間。
ようやくここにたどりついた。
朝6時夜が明けてきた。
さっきの2人。
旅の終わりはここから見る初日の出で締めくくろうと最初から決めていた。
7時13分日の出の時刻。
雲は晴れない。
みんな諦めて帰っていく。
このままじゃ帰るに帰れない。
そのころバス停の周りでは帰り支度が始まっていた。
昨日夢のような時間だと話してくれたあの京都から来た若者。
お気を付けて!一瞬だけのユートピア。
旅が終われば現実が待っている。
誰もいなくなった丘の上にはまだあの2人の姿が。
何か見つけたの?かすかに見えるのはサハリン。
この季節珍しいらしい。
そうですね。
確かに。
はるばるたどりついた北の果て。
再び巡る事はないこのひとときをしっかり胸に刻む。
(風の音)2014/05/30(金) 02:40〜03:05
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間・選「最北のバス停で」[字]
日本中のさまざまな3日間のドラマを切り取る「72時間」。今回は日本最北のバス停の年越しに密着。大みそか、寒風吹きすさぶ北海道稚内市の宗谷岬を訪れる人々とは?
詳細情報
番組内容
遠くサハリンをのぞむ、北海道の北の果て。厳しい吹雪が吹き荒れる宗谷岬に「日本最北のバス停」がある。冬には訪れる人も少なくオホーツク海が広がるだけのバス停に、年末年始の数日間だけ、たくさんの人が集まって来る。人生を見つめなおす会社員、出稼ぎから戻って来たタクシー運転手、雪のなか数百kmの道のりを越えて集うバイク乗り…。ふだんの肩書を捨て「旅人」として肩を寄せ合う3日間。人は何を求めて北を目指すのか?
出演者
【語り】吹石一恵
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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