どのように使うかという利用の方法を考えて広げていくことが重要なことと継続性ですね。
同じセンサーで見続けるということ。
息を長く続けていくべきだと思います。
五感を刺激し食欲を駆り立てる極上の料理。
それは料理人たちの情熱と卓越した技の証し。
一度食べたら忘れられない味。
その神髄に迫ります。
牛丼に豚丼天丼にカツ丼。
ガッツリかき込む丼物は男飯の極み。
しかしそんな中ひときわ異彩を放つ女性をとりこにする丼があります。
それが「親子丼」。
優しい味わいは女心を惹き付けてやみません。
ほんと卵がフワフワッとかかってる感じ。
半生な状態。
トロトロで何かすごいおいしいなと。
シンプルな手順の裏にあるのは計算し尽くされた繊細な職人技。
フワフワでトロトロ。
女心ときめく親子丼を極めます。
今日はここ人形町は甘酒横丁東京の下町にやって来ました。
こんにちは。
おじゃましてます。
すてきなお嬢様方もいらっしゃって。
おっ!今日の目的地が見えてきましたね。
もう結構並んでますよ人が。
創業250年という老舗の鶏料理店。
皆さんのお目当てはもちろん親子丼です。
有名だって聞いたので。
2人でお天気もいいし。
もう全然違いますよ。
何が違うのか分からない。
もうよく分からないです。
女性たちが並んででも食べたいと言うその親子丼とは?失礼します。
はい!いらっしゃいませ。
ありがとうございます。
鶏肉と卵だけで作るシンプルな親子丼。
まさに親子水入らずです。
いただきます。
うわっ。
う〜ん!フワッとしてトロッとしててもう…。
お肉がですね結構歯応えのあるのと柔らかいのと。
何でしょう?このハーモニー。
半熟のとこ一ついってみたいと思います。
スプーンで。
確かにこれさじじゃないとなかなかトロトロのとこすくえないですね。
う〜ん!この半熟具合が絶妙であっさりしてるんだけどもきちんと卵のうまみが味わえるところも女性に人気なんですかね?おいしさの秘密を探るため谷原さん厨房へ。
(谷原)こんにちは失礼いたします。
巧みな手さばきで親子丼を仕上げる職人たち。
取りしきるのが8代目の当主…女心をつかむ親子丼の秘密教えて頂きましょう!今日はよろしくお願いいたします。
親子丼には鶏のお肉を2種類使います。
こちらがもも肉なんですね。
こちらがむね肉になります。
やはり食感も違えば味わいも若干違いますから煮る方法だとかを変えてそれでより違いが鮮明に分かるように作っております。
まずうちの場合は皮を使いませんので皮を全部剥いじゃいます。
こういうふうにここからだと手が入りやすいんです。
ですからこういうふうに一回親指で外すような感じで。
家で作る時は皮なんかからもうまみが出るのかなと漠然と思ってたんですけど。
やはり皮からは脂が出ます。
動物性の脂というのは温かいうちは卵にからんでも大丈夫なんですけど若干冷めるとどうしても卵に鶏の臭いが出てしまいがちなんですね。
臭みといいますか癖というか。
そうですね。
そうしましたらここに脂があるんです。
こういうふうに取ります。
やっぱり脂肪分は外した方がより…。
確かに女性はその方がうれしいですよね。
ほんとにこまやかな心配りなんですねこういうところっていうのは。
そうですね。
適当に切って頂いてこのぐらいの…大体親指の頭のサイズぐらいの大きさなんですよ。
多分他のお店屋さんよりも若干うちは小さめなのかなと。
やっぱり食べた時に鶏肉とご飯と卵が同時に口に入るぐらいの大きさが一番よろしいかと思ってるんですよ。
全部が一体化した時にほんとの味わいがあるんじゃないかと思うので鶏の肉の大きさを少し小さめにしてお箸からスプーンに変えて。
その心配りも肉の処理のしかたに加わってると。
そうですね。
割り下の黄金比は…沸騰はさせず氷水で冷まして余熱で火が入るのを抑えます。
蒸発して味が濃くなっては女心はつかめません。
もも肉をですねお鍋に。
これ煮るんですけど煮る前に今作った割り下でほんの数滴たらしてあえておくんですよ。
鶏肉は水分が多いですからこういうふうにつけておく事によって鶏の中の水分が表に出てきます。
塩分によって出てくるんですねちょっとずつ。
鶏の味を割り下に出すというそういうためにちょっともみ込みを…こういうのをするんですね。
これもでもポイントですね。
常温から煮ていきます。
沸騰してるところに入れるともも肉は表面がぱさついてきてしまうので。
肉が無駄に堅くなっちゃう。
そうです。
徐々にこうやって煮えてくると鶏肉が丸くなってきます。
ふっくらとなってきましたね丸みを帯びて。
この状態で一旦火を止めます。
沸騰する前に止めるんですね。
きってしまいます。
ざるにあげて分けておく。
先ほど脂を取っているので…。
汚れ出てないですね。
このような状態に割り下がなってると卵でとじてもおいしい。
これは捨てるわけではなくてこれを使うんですか?これを使って卵をとじます。
ほ〜。
むね肉は鶏のスープで煮てます。
むね肉というのは非常に繊細な味なので割り下とかそういうもので煮てしまうと割り下の味が強くなってしまう可能性があるんですよ。
スープをガンガンに沸騰させます。
沸騰させていいんですか?はい。
でここに…。
もうこれは…もういいです。
もう?もういいんですか?もういいんです。
表面さえ色が変わってしまえば大丈夫なんです。
鶏の味がスープに逃げないようにしてほしいんですよ。
下処理が全部終わりましてこれからいよいよ火入れの…。
親子丼作りに挑戦して頂きたいと思います。
まずは割り下。
もも肉を煮たものを混ぜる事でうまみをプラスします。
卵は火の通りをよくするためあらかじめ常温に。
空気を含ませるよう大きく溶くのがフワフワに仕上げるコツ。
全ての手順に意味があります。
これが親子鍋ですので。
親子鍋ですか。
ここで卵をとじて頂きたいんですけど。
何か…名店の親子鍋触らせて頂くと緊張しますけど早速載せていっていいんですか?はい。
いきなり卵を入れる?割り下を入れる?割り下…その前に実はちょっと水を。
水を入れるんですか?なぜまた水を?熱してる間に鍋が全体的に温まって。
それで鍋の表面の温度が高ければ高いほど卵がくっつきにくいんです。
そうなんですか。
これでかなり鍋は熱くなってますからここに先ほどの合わせた割り下を入れて下さい。
割り下入れます。
先ほど煮たむね肉ともも肉を満遍なく。
次に卵を入れて頂きたいんですが100ccほど入れてほしいんですよ。
「の」の字のような感じで最初に真ん中に入れて少し外に出していくような感じで。
そうですね。
とてもよろしいかと思います。
ちょうどいい量になりますね。
ここで皆さんよくやりがちな事なんですが卵が…いろんなとこにやったり鍋を揺すったりするんですけどなるたけ美しくやるためには手を触れない。
いじらない。
これも女性受けするポイントだったりします?見た目の美しさも。
やっぱり完成品をきれいにするためには何ていうんでしょうか作る工程もそれなりにきれいに…。
美しくやった方が仕上がりも美しく。
美しいものはおいしくという事ですね。
回りがだいぶ火が通ってる感じがして僕なんかだったら動かしたくなっちゃうんですけどまだまだですか?これ。
まだ触れてはいけない。
もしこの状態で触れるとどうなるんですか?卵はたんぱく質ですから熱を加えると固まろうとしますね。
揺すると小さくなってくるんですだんだんだんだん。
ギュッと堅い卵になるんですか?そういう事なんです。
よりふんわりさせるためにはなるたけ手を触れないで。
こういうあぶくが出てくる所ありますね。
これが10か所ぐらいになったらこういうお玉で沸騰している所に煮えてない卵を…。
確かにここは煮えてますけどここ煮えてないですよね。
たまってる所のやつをこうするんですね。
ただこの際も鍋には手を触れてないので卵は自然な状態でずっと煮えてるんですよこれで。
これ地道ですけど美しさには欠かせない作業ですね。
ちょうどこのぐらいで一度ですねちょっとこうやって頂くと分かると思うんですがくっついてないのが分かると思うんです。
くっついてないです。
動きます。
そうしましたらここに二度目のさっき残した卵を…。
これまた「の」の字ですか?同じように「の」の字を描いて入れて頂いて。
この間鍋もいじってないですけど火も全然いじってないですよね。
いじりません。
これを載せたらほぼ直後にご飯の上にスライドをしてと。
これはかなり難しいと思います。
これは難しそうですね。
いやぁ…。
かなりうまく。
でふたをするんですね。
卵と割り下がこう…よりまろやかにするために1分ぐらい蒸らしてもらいたいんですよ。
そこでまた更に余熱で蒸らしてるわけなんですか。
へ〜なるほど。
1分たって蒸らし終わった状態ですかね。
どうぞ開けて頂いて。
とってもいい感じ。
ほんとですか?もうこれ正直一般の方が作られるのであればこれでほぼ満点だと思います。
ただプロの目からすると若干ちょっと…。
ふたを使ってやりますけど。
ちょっと見て頂きたいんですけど。
見て頂いて分かるようにこの辺はまだ汁がほとんどありません。
ただこっち側はほら。
ビチャビチャになってますね。
こちら側から食べる場合とこっち側から食べる場合と違ってくるんですよ。
味変わりますよね。
確かにご飯の片側だけつゆがかかり過ぎた状態になっていますね。
原因は盛りつけにありました。
鍋を傾けている時間が長すぎて割り下や二度目にかけた卵が先に器の底に流れ落ちてしまったのです。
盛る時の一工夫が僕は足りなかったという事なんですね。
器に。
今のよりもうまく作って下さいと言っても3年ぐらいかかると思います。
手厳しいひと言。
親子丼はシンプルだからこそちょっとした技術の差が味を左右するのです。
それでは親子丼と向き合い続ける匠の盛りつけ見せて頂きましょう。
いきますよ。
お〜早い!これできないですね。
3年でもできないかもしれないですね。
できない人はできないです。
鍋を一瞬で引き抜く達人技。
つゆも二度目の卵も一切こぼれず半熟卵が均等に広がっています。
いただきます。
うん!均等にかかってるので口に入れた瞬間に一体となってまろやかですねより。
これがやっぱりプロの技術というもので。
技術っていう事に関しては親子丼を作るのであればうちの店以上に親子丼を作ってる店もないと思いますので。
代々親子丼を作り続けてきた山田さんの店。
しかしもともとの味は今とは全く違うものでした。
鶏のすき焼きをお客さんが卵でとじたのが親子丼の始まり。
濃厚な甘辛味。
豪快で男性好みの丼でした。
先代まで実に130年にわたり守られてきた親子丼の味。
それを打ち破って生まれたのが今の女性好みの味なのです。
何でそんな事をしなきゃいけないんだ。
今のまんまで十分じゃないか。
ほんとに周りからはそういうふうに言われました。
山田さんが反対を押し切ってまで味を変えたのは近所にある水天宮をお参りする妊婦さんのため。
参拝帰りによく店を訪れていたのです。
妊婦さんがうちの親子丼食べて「おいしい」って思う味じゃないんですよ。
ちょっとしょっぱくて。
だったら女性が「こんな親子丼優しいな」って思って頂けるようなそういう親子丼を作ろうとずっと思ってたんです。
男性だけではなく女性にも親子丼のおいしさを知ってほしい。
老舗の技とより多くの人に愛される親子丼を作りたいという山田さんの思いが女心をときめかせる親子丼を生みました。
実はねたまねぎなんですよ。
これとっても重要なアイテムになるんです。
山田さん考案の家庭でも出来る絶品親子丼。
たまねぎのうまみが鶏のうまみの出た割り下にプラスされ更に技術の差もカバーしてくれるといいます。
たまねぎが下に入っていればたまねぎは煮えれば煮えるほどおつゆが出てくるのでそれで鍋が焦げ付かないんです。
それとたまねぎが下に敷いてあればおつゆがたまねぎにしみこんでいるので先ほどのように片方に寄ったりする事があったとしても非常に均等な味で親子丼が食べられるようになる。
だからこの3つの…。
うまみを取れて焦げ付かなくてなおかつ味が均等になる。
すばらしい食材をありがとうございます。
鶏肉が2種類用意できなければもも肉だけでも結構です。
必ず100cc。
これはほんとに基本です。
もうおいしそうですもんね。
下の煮汁は今たまねぎが吸ってくれてますよね。
僕2回目上にかけましたよね。
だけど2回目上にかけちゃうと今度その卵は全部ここにかかっちゃいます。
鍋を斜めにした瞬間にどうしても入り口に全部入っちゃう。
だから卵をかけません今回は。
使わないんですか?ご飯の上にこの卵を載せてからかけます。
そうすれば誰でも満遍なく。
そうですね。
じゃいきますよ。
こういうふうにかけるわけですよ。
お〜うまい!そうすると家庭でもトロトロの親子丼になって。
でラップを。
あ〜蒸らしを。
こういう事です。
これで鍋の難しさも解消してトロトロの親子丼が出来る。
熟練の技も特別な道具も必要なし。
家庭でも出来る女心ときめく親子丼です。
最後試食もですか?女性?はい。
女性用意してらっしゃるんですか?僕のいとこなんですよ。
そうなんですか。
大体ちょっと変化をさせるごとに親戚中みんな集まってもらって「これでいいか?」っていう…。
親戚の方にご許可を得ないと。
相当舌の肥えた方で。
じゃあ肉サービスしておきますね。
あとは待ってるだけなんですよ。
いじらないんですね。
いじりません。
いじらない。
はい。
さあこの下に斜めに持って。
ちょっと待って下さいよ。
いきますよ。
うまそうですね。
これで…ラップラップラップ!いや〜慌てちゃいますね。
ほんとに百点満点なんじゃないですか?また…ほんとですか?あと食べて頂いて。
お待たせいたしました。
失礼いたします。
本日はわざわざお越し頂きありがとうございます。
よろしかったらお召し上がり下さい。
よろしくお願いいたします。
いただきます。
谷原章介作「家でもおいしい親子丼」。
果たして女心をつかめるでしょうか?たまねぎが入ってるやつですね。
はい。
今回たまねぎを入れさせて頂きまして。
おいしいです。
(谷原)ありがとうございます。
ちゃんと割り下も吸ってますかねたまねぎ。
(酒井)大丈夫です。
お店のより薄味でこっちの方が食べやすいかもしれない。
ありがとうございます。
完璧なコメントですね。
あっいたんですか?山田さん。
その方がいいですよその方が。
そしたらまた変えちゃうからうち味。
大切なのは老舗の味を守る事ではなく親子丼のおいしさを知ってもらう事。
山田さんにとって伝統とは親子丼を進化させるための力なのです。
奥深いですね親子丼。
そうですね。
それこそ大げさになりますけど僕にとっては人生そのものって言っても過言ではないぐらいこの親子丼っていうものに人生を懸けてるという気がします。
ご自身もやっぱり先代から受け継いだもの変化させていったわけじゃないですか。
次の代にいく時に「変えたい」って言ってきたらどうされます?息子が「親子丼こんなふうにしたいんだ」って言えば僕はそれは全然かまわないと。
オリジナルの親子丼を作ってもらいたいと思ってます。
最後に余った食材でもう一品。
(テーマ音楽)2014/05/30(金) 10:15〜10:40
NHK総合1・神戸
きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「女心ときめく親子丼」[字]
俳優の谷原章介が、こだわり抜いたプロの味を追求するシリーズ。今回のテーマは「親子丼」。老舗のちゅう房を訪ね、女性に人気のふわふわトロトロの親子丼の秘密を探る。
詳細情報
番組内容
牛丼、豚丼、天丼、カツ丼…どんぶりものと言えば男メシの極みだが、異彩を放つのが「親子丼」。ふわふわトロトロの卵がのった優しい味わいは、女性に根強い人気をほこる。そのおいしさの秘密を探るべく、俳優の谷原章介が日本橋人形町の親子丼の老舗のちゅう房へ。材料の鶏肉の扱い、割り下の工夫、卵をふわふわトロトロに仕上げるプロの技…職人のこだわりがつまった技と、絶品の親子丼を作るノウハウに迫る。
出演者
【講師】鶏料理店店主…山田耕之亮,【司会】谷原章介,【語り】江原正士
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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