軍師官兵衛(21)「松寿丸の命」 2014.05.31

沖縄も雨の所がありそうです。
有岡城で捕らわれた官兵衛は村重の妻だしの協力によって牢からの脱出を図った。
しかし…。
(荒木)逃げるというのなら殺さねばならぬ。
(だし)おやめ下さい!信長は鬼だ!
(官兵衛)目を覚まして下され!このまま滅びるおつもりか!?黙れ!
(家臣)殿!連れていけ。
元の牢ではない。
土牢だ!
(家臣)はっ!歩け!一方織田との戦を控え緊迫する有岡城下には黒田の家臣数人が商人に姿を変え官兵衛救出の機会をうかがっていた。
(茂吉)まだ開けてなさるか?戦が始まるというに。
(文四郎)店を任せられたのでやれるうちは。
律儀な事で。
しかしこれからどうなる事じゃろう。
荒木様を信じて町に残ったのはよいが…。
じゃこれで。
(文四郎)お帰りなさい。
(善助)おお。
(文四郎)それで何か分かりましたか?殿はどうやら本丸の牢に捕らわれているようだ。
牢に?
(太兵衛)城に入ってひとつきこの寒さだ。
ご無事だとよいのだが…。
そうふさぎ込むな。
生きておられる事が分かったのだ。
一刻も早く殿をお救いする手だてを考えるのだ。
うむ。
(水滴の音)
(テーマ音楽)
(使番)織田勢の総攻めが始まるそうにございます!
(職隆)大儀であった。
はっ!
(お福)殿は…殿はいかがなるのですか?
(職隆)総攻めに乗じて官兵衛を救い出せればよいが…。
(仙千代)放て!天正6年12月万見仙千代を先鋒とする織田軍は有岡城総攻めを開始した。
放て!・
(銃声)・
(仙千代)放て!・
(銃声)・
(仙千代)放て!銃声が四方からする。
有岡ほどの要害を落とすには攻め口を一つに絞るべきだ。
織田勢はこの城の弱みを見極めておらぬ。
これでは…いたずらに兵を失うばかりだ。
(使番1)申し上げます!長谷川勢鵯塚砦にて苦戦!長谷川殿お討ち死に!
(使番2)申し上げます!櫓門にて小山勢苦戦!お討ち死に多数!ごめん!
(使番3)申し上げます!
(使番)申し上げます!冠木門の守りが手薄となっております!・構え!放て!おのれ〜!放て!
(使番3)申し上げます!お味方城内へ攻め込むも苦戦。
万見殿お討ち死に!
(秀吉)何!?
(使番3)敵の罠にはまり城内へおびき寄せられました。
ごめん。
(長秀)おのれ村重め!悪知恵を働かせおって!
(一益)我らの攻める手順が読まれておる。
何故じゃ!?
(光秀)よもや村重がここまで戦上手とは…。
(信長)村重ではない。
官兵衛だ。
官兵衛が裏切った。
恐れながら!官兵衛に限って裏切るなど断じてございませぬ!人質に取った息子松寿丸の首をはねよ。
恐れながら今松寿を殺せば黒田までもが毛利に寝返り播磨の三木城攻めに…。
あっ!
(信長)猿!はっ。
うぬは天下より播磨が大事か!松寿丸の首をはねよ。
恐れながらいま一度…いま一度お考え直しを!
(半兵衛)かしこまりました。
(半兵衛)それがしが松寿丸の首をはねまする。
任せる。
はっ。
(荒木)ハハハハハハハハ信長に勝ったぞ!我らの堅い守りに尻尾を巻いて逃げおったわ!おめでとうございます。
(荒木)毛利は年が明けた16日に兵を出すと言ってきた。
わしの勝ちだ!喜べだし!ハハハハハハハ…。
…はい。
ただいまお酒の支度を…。
(荒木)だし。
隠れて官兵衛に会うてはおるまいな?決してそのような事は…。
お前はこたびの挙兵に異を唱えておったな?だがこれで分かったはずだ。
信長など恐るるに足らぬ!ハハハハハハハ。
終わったか…。
上様の怒りをあおっただけだ。
このままでは済まぬ…。
(善助)よもや織田が負けるとは…。
(太兵衛)なんとか城内へ忍び込めませぬか?
(善助)荒木は守りをより一層固めたゆえ難しい。
何か手だてはないのですか!?わしもそれを考えておる!
(九郎右衛門)わしが城内へ入る。
荒木方へ仕官する。
さような事ができる訳なかろう。
やるしかない!ではどうするのじゃ!?・
(お道)道です。
入れ。
いかがした?
(お道)今し方聞いてきたのですが日も当たらぬ土牢に捕らわれている織田の武将がいると。
何?殿だ。
間違いない!どこで聞いた?城下では祝い酒が振る舞われ荒木家中の者が酔って騒いでおります。
そこへ紛れ込んで…。
危うい事をするな!そうでもしなければ聞き出せませぬ!おのれ〜荒木め!もはやこんな所でぐずぐずしておれぬ!焦るな九郎右衛門!この寒さなのだぞ。
一刻を争うのだ。
手をこまねいている暇はない!わしもじっとしてはおられませぬ!落ち着け!今下手に動いて我らの正体が知れれば全て終わりだ。
そのような事は聞き飽きた!お主のやり方は手ぬるい!いつまで待つというのだ?こうして待っている間に殿の身が。
そうじゃ…そうじゃ。
だが動くのはもう少し探ってからだ。
動くのは今だ!わしはわしのやり方でやる!九郎右衛門!う〜っ!数日後半兵衛は松寿丸のいる長浜城に戻った。
(おね)お久しゅうございます。
半兵衛殿お加減はいかがですか?大事ありませぬ。
お方様も息災のご様子。
何よりでございます。
ありがとうございます。
本日は信長様の命により参上つかまつりました。
松寿ですね?それがしが首をはねる事と相なりました。
(半兵衛)松寿丸はいずこに?本気でお言いか!?あのような年端も行かぬ童を誠に殺すおつもりか!?はい。
(おね)殿は…殿はご承知か?無論です。
松寿を…これへ。
(侍女)はい。
や〜っ!
(松寿丸)えいっ!や〜っ!や〜!えいっ!もっと!まだまだ!や〜っ!
(水滴の音)
(足音)
(荒木)官兵衛。
信長はやはり鬼だ!
(荒木)おことの息子を殺したそうだ。
ばかな…。
嘘ではない。
信長ならやりそうな事だ!たばかるつもりか?信長様は…そこまで愚かではない。
官兵衛息子の仇を討て。
わしと共に信長を討つのだ!
(荒木)よく考えよ。
仇を討て。
待たれよ。
誠を申されよ。
村重殿!誠を…。
(光)羽柴様!
(職隆)秀吉様。
官兵衛の事で何か分かった事が…?
(秀吉)職隆殿…。
光殿…。
松寿が…上様のお下知により成敗と相なった。
何故…?
(秀吉)上様は官兵衛が荒木村重に寝返ったと決めつけられた。
それゆえにござる。
すまん。
羽柴様…お手をお上げ下さいませ。
(光)松寿を人質に出した時からこのような日が来る事は覚悟しておりました。
これも武家に生まれた者の定め…。
致し方ありませぬ。
されど!殿が裏切るはずがございませぬ!それなのに…何故…何故松寿は…。
羽柴様松寿をお返し下さいませ!
(職隆)光!光!お福おゆう!松寿を…。
取り乱しておるゆえ下がらせまする。
お方様…。
(おゆう)お方様!お方様参りましょう!秀吉様…。
松寿の最期の様子をお聞かせ願いたい。
黒田家の嫡男として…見苦しくない最期でありましたか?半兵衛からそう聞いておる。
わしは半兵衛に任せたゆえ詳しい事はよう分からん。
相すまん。
半兵衛殿が…松寿を…。
このようなむごい話のあとに虫のいい話だと重々承知しておるが…。
これまでどおり織田に力をお貸し願いたい。
これから申す事はただの独り言じゃ。
こたびの上様のお裁きはさすがに間違っていたとわしは思っておる。
官兵衛は決して裏切ってなどおらん。
誰が何と言おうとわしは官兵衛を信じておる。
秀吉様…。
それがしの独り言も聞いて下さらぬか?…うむ。
それがしは…跡継ぎを…2人とも…。
2人とも失ってしまいました。
松寿は成敗され官兵衛は敵に捕らわれいつ死ぬやもしれませぬ。
もはや生きる望みさえ失いかけております。
職隆殿…。
こたびの事は全てこの秀吉の力不足が招いた事…。
されどあえて言わせて頂く。
織田家と共に歩む事…。
それこそが…黒田の生き残る道!若が…殺された…?なん…。
おのれ〜!落ち着け太兵衛!若が殺されて落ち着いていられますか!若の仇を討つ!誰を討つというのだ!小寺か?荒木か?それとも織田か!?泣くな。
泣くのは殿をお救いしてからだ。
(水滴の音)
(又左衛門)ここに来てはなりませぬ!このような事が分かりでもしたら殿に叱られまする。
分かっておる。
少しじゃ。
通せ。
(又左衛門)お方様…。
だし殿…。
それがしの息子は…松寿丸は?申し訳ございませぬ!私のせいで…。
あの時文など出さねば…。
お方様ここにいてはなりませぬ。
さあお戻り下さいませ。
さあ!お方様…お方様!参りましょう。
松寿…。
ああ…。
松寿!有岡攻めは膠着状態が続き織田家家臣の年頭の出仕は見送られた。
(土田御前)荒木殿のおかげで今年は静かな正月が送れそうです。
謀反者が後を絶ちませぬな…。
そうそう。
童の首をはねたそうな。
何人殺せば気が済むのか!
(水滴の音)回想
(松寿丸)や〜っ!えいっ!えいっ!私が人質に参ります。
松寿…。
村重のもとに毛利から書状が届いたのはそれから間もなくの事であった。
(村次)父上毛利は何と?
(荒木久左衛門)援軍はいつ来るのです?
(荒木)日延べとなった。
(池田和泉)日延べ?支度が間に合わぬと…。
宇喜多直家の動きも定まらぬゆえ今は動けぬと…。
(村次)あ〜!右近や清秀にも裏切られこの上毛利も出てこぬとなれば我らは一体…。
来ぬと申しておるのではない。
先に延びただけだ!この事は他言無用だ。
よいな?
(一同)はっ!新入りもたもたするな!はい。
もう幾日も食ってはないではないか。
食わねば死ぬぞ。
(おね)もし。
もし。
半兵衛殿にお取り次ぎを。
これ!留蔵!お客人だ。
半兵衛殿…。
(半兵衛)申し訳ございませぬ。
耳が遠いのです。
遠路はるばるよくぞお越し下さいました。
おかか様!あ…松寿…。
息災でしたか?はい!そう。
(おね)松寿を匿う?秀吉様には内密にします。
知っていたとなれば上様に背いた事になりますゆえ。
しかし…それでは半兵衛殿が…。
それがしはもう長くはありませぬ。
この事はそれがしとお方様2人限りの秘密でございます。
(おね)あ〜。
いかがですか?よかった。
ちょうど。
大きく縫ったというのに…。
おかか様ありがとうございます。
よい子にしてましたか?はい。
(半兵衛)武術に学問どちらも熱心にやっております。
半兵衛様のおかげで「三略」をそらんじられるようになりました。
父のように。
お父上ならきっと無事ですよ。
黒田のご家来衆が懸命に救い出そうと動いています。
誠ですか?必ず戻られます。
信じるのです。
そなたはこれまで以上に精進してそして待つのです。
できますね?はい。

(足音)
(ぬい)お前様。
いかがした?
(ぬい)長浜のおね様からかようなものが…。
おね様から?
(お福)お方様。
そのままでよい。
そのままでよい。
光。
長浜のおね様から…。
これが届いた。
今後も織田に味方してほしい。
この扇を黒田家と羽柴家の絆の証しにしてほしいとある。
開いてみなさい。
松…。
さよう。
松寿丸の松じゃ。
松寿を成敗しておきながら…今更…何故このようなものを…。
そうではない。
そうではない。
見よ。
よく見よ。
その青々として力強い松の姿を。
松寿は生きておる。
生きておる。
わしはそう思う。
それをはっきりと書状にしたためれば信長様に知れるおそれがある。
それゆえおね様はこの松の扇で松寿が生きておる事を我らに報せて下さったに相違ない。
そうでなければ…ハハハハハハハハ。
かようなものを唐突にわしに送る道理があるまい!ハハハハハハハ。
証拠はない。
だがわしはそう信じる。
松寿は…生きている…?わしは織田につく事に決めた。
それが唯一我らが生き残る道じゃ。
よいな?光。
…はい。
うむ。
あ…。
あ…あ…。
松寿…。
松…松寿…。
(水滴の音)あ〜。
あ…あ…あ…あ…あ…あ…。
あ〜あ〜あ…あ…あ…あ…。
殿…。
(いわ)万吉生きるのです。
母上…。
官兵衛死んではなりませぬ。
生きるのです。
官兵衛様死んではなりませぬ。
生きるのです。
官兵衛様…。
官兵衛様…死んではなりませぬ。
官兵衛様…。
(又左衛門)お方様もうその辺で。
誰かに見られたら大変でございます。
(だし)官兵衛様…。
官兵衛様…。
村重が?村重殿が…。
(一益)有岡から逃げました!逃げただと!?
(宇喜多)竹中半兵衛黒田官兵衛の代わりに?
(荒木)わしを信じよ。
キャ〜!
(喊声)
(荒木)何があろうと生きて生きて生き抜いてやる!殿は…生きておられます。
天正6年竹中半兵衛は官兵衛の子松寿丸を家臣の屋敷で匿ったと伝わっています
半兵衛の書状には「松寿丸から便りが来た事で涙した」とつづられています
この銀杏は匿ってくれたお礼として松寿丸が植えたものと地元では伝わっています。
それからおよそ20年後。
松寿丸は黒田長政と名乗り関ヶ原に出陣しています。
共に陣を張り戦ったのは竹中半兵衛の子重門でした。
官兵衛と半兵衛の絆は息子たちにも受け継がれていったのです
2014/05/31(土) 13:05〜13:50
NHK総合1・神戸
軍師官兵衛(21)「松寿丸の命」[解][字][デ][再]

幽閉された官兵衛(岡田准一)が村重(田中哲司)に寝返ったと思い込んだ信長(江口洋介)は、官兵衛の嫡男、松寿丸(若山耀人)を殺せと秀吉(竹中直人)に命じる。

詳細情報
番組内容
官兵衛(岡田准一)は村重(田中哲司)の怒りを買い、劣悪な土ろうに閉じ込められてしまう。善助(濱田岳)ら家臣団が有岡城下に潜入、救出の機会をうかがう中、信長(江口洋介)が有岡城を総攻撃するも大敗。官兵衛が村重に策を授けたと思い込んだ信長は、官兵衛の嫡男、松寿丸(若山耀人)を殺すよう秀吉(竹中直人)に命じる。ためらう秀吉に代わり半兵衛(谷原章介)が実行を引き受け、松寿丸を育てるおね(黒木瞳)と対じする
出演者
【出演】岡田准一,中谷美紀,谷原章介,内田有紀,春風亭小朝,戸田菜穂,田中哲司,桐谷美玲,濱田岳,速水もこみち,高橋一生,大谷直子,勝野洋,阿知波悟美,川野太郎,立川三貴,田中幸太朗,中村倫也ほか
原作・脚本
【作】前川洋一

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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