山村美紗サスペンス 京都・美人女優連続殺人事件 2014.05.31

(雨の音)
(雷鳴)
(雷鳴)
(狩矢和美)いい感じ。
あっ…急がなきゃ。

(滝本行夫)山崎!毛氈早くしろ。

(江藤ゆかり)お待たせしました。
完成です。
(愛川有紀)ありがとう。
(石黒絵理)いかがでしょうか?私のイメージどおりの絵島だわ。
さすがゆかり先生。
ありがとうございます。
ゆかり先生って…もしかしてあの江藤ゆかりさん?史上最年少で伝統工芸大賞を受賞した京友禅の。
今回の映画『絵島生島』の時代は京友禅が流行してたんです。
それで愛川有紀さんにお声をかけていただいて。
そうなんですか。
記念すべき主演10作目よ。
衣装はゆかり先生以外考えられなかったわ。
やだ…吹き出物?愛川さん1枚よろしいですか?ええ。
どうぞ。
(カメラのシャッター音)今回はありがとうございます。
現場にまで呼んでいただいて。
京都の街にはお世話になっているもの。
タウン誌のいちカメラマンの私が愛川有紀さんほどの大女優の取材なんて…もう夢みたいです。
(中里みなみ)やだぁ〜!
(みなみ)フフッほんと?
(滝本)ほんとだよ。
撮影現場はクラブじゃないのよ!侍女役の中里みなみさんですね。
映画の品位が下がらなければいいけど。
やめて!え?こっちから撮らないで!あんなに怒んなくったって…。
(鷹崎達也)女王様にやられちゃった?た…鷹崎…!?呼び捨てにするなら名前にしてよ。
あっ…すいません。
そういうつもりじゃ…。
(女)たつやぁ〜!一服したらすぐ戻るよ。
君新しいスタッフ?かわいいね。
いえ私は…。
撮影が終わったら遊びに行かない?は?
(大崎多香子)達也!どういうこと?また女連れ込んでるのね!違うよ姉さん。
あっいや…社長。
(河嶋さとる)すいません。
早く追い出しなさい。
なんですか?あなた。
失礼します。
スタジオ迷いませんでした?ええ。
有紀さんは気難しくて大変ですよね。
私も何度か粗相して叱られました。
でもおかげで共演の鷹崎さんにも会えたし。
あの人気をつけたほうがいいですよ。
え?夏目くん!
(携帯電話のシャッター音)
(夏目利彦)…待ち受けにしよう。
ちょっと。
はい?和美!…ごめん。
え?なんで謝るの?いや…べつに。
夏目くん社会部の記者でしょ?なんでここにいるの?関係ないよね?関係ないけど…。
何これ?いやちょっと…!あっ!何これ!?いや昔から大ファンなんだ。
それで文化部に頼みこんで…。
あきれた!消しちゃダメ!
(映画スタッフ)静かに!…はい。
(映画スタッフ)本番!用意…スタート!このように人目を忍んでまたお会いできましたこと夢のようでございます。
生島…会いたかった。
絵島様…。
会いたかった!
(有紀)うっ…!カットカット!何やってんの!有紀…!ああ…!ああ!
(鷹崎)あ…ああ!おい。
達也!達也!先生。
愛川さん!ああ…愛川さん!誰か救急車!救急車救急車!急げよ!早くしろ!まさか愛川有紀がな…。
ごくろうさまです。

(福田刑事)被害者は主演女優の愛川有紀。
先ほど死亡が確認されました。
(鑑識係)背中にこの針が刺さっていました。
付着物の分析など詳細はこれから調べます。
(橋口刑事)着物に針が仕込まれていたんでしょうか?
(所刑事)警部!
(所)こちらが被害者の衣装を担当した江藤ゆかりさん。
そのアシスタントの石黒絵理さんです。
着物に針が仕込まれていたなんてありえません。
私たち着物の扱いには細心の注意をはらっています。
(狩矢警部)不快な思いをさせて申し訳ありません。
一応関係者全員にお聞きしてることなんで…。
(鑑識係)警部!座布団に穴が開いていました。
針はここに仕込まれたようです。
これを用意したのは?小道具担当のスタッフです。
(山崎)いや俺針なんか入れてません。
撮影所なんて毎日どれだけ大勢の人が出入りしているか。
その気になれば誰だって針ぐらい…。
(山崎)俺じゃありません!
(福田)警部ちょっとよろしいですか?共演の鷹崎達也さんとそのお姉さんで事務所社長の大崎多香子さん。
そして監督の滝本行夫さんです。
実は本番直前になって愛川有紀さん本人からお芝居の位置関係を変更してほしいと監督に申し出があったそうです。
位置関係の変更…それはどのような?台本の上では先に座布団に倒れこむのは鷹崎くんのはずでした。
それを逆につまり自分を押し倒す形にしてほしいと有紀さんが言ってきたんです。
本当だったら俺が殺されてた…?達也のせいじゃないわ。
(みなみ)なんで有紀さんが殺されなきゃいけないんですか!なんで有紀さんなんですか?
(嗚咽)和美!夏目くんまで。
何をやってるんだお前たちは!私は映画の取材よ。
そしたらたまたま事件に…。
何がたまたまだ!お前はいつもそうやって事件に首を突っ込んでがちゃがちゃ引っかきまわして!まあまあおとうさん落ちついてくださいよ。
落ちつけ?それはこっちのセリフだよ。
君もねいい加減腰を落ちつけて早く結婚してくれないか。
なんでここで結婚の話が出てくるのよ!
(橋口)はいすいません。
警部お取り込み中失礼いたします。
すみません。
ちょっとちょっと…!関係者の話によると愛川有紀と鷹崎達也男女の関係にあったようです。
そうか…。
捜査の邪魔だよ。
もう帰りなさい。
いいから。
邪魔だ!帰って!まったく…。
なんだっけ?は?ああいいや。
男女の仲って…有紀さんのほうがかなり年上よね?うん…甘えさせてくれる年上の女性がいい。
そういう男性増えてるらしいからな。
夏目くんもそうだったりして。
俺はべつに…。
和美ひとすじだし。
よく言うわよ!有紀さんの追っかけで来てたくせに!記念に1枚撮っただけじゃないか。
私は夏目くんの…。
(多香子)こんなとこに呼び出してあなた何様のつもり?
(みなみ)そちらこそ何様かしら?鷹崎さん本番前に有紀さんに何かささやいていたわね。
(多香子)何が言いたいの?内緒にしてあげるわよ。
内緒にしてあげるって何かしら?うん。
いや本番前鷹崎達也が愛川有紀にささやいていたっていうのも気になるな。
もしかしてお芝居の変更のこと?だとしたら鷹崎が有紀さんを殺したってことか?でも2人は付き合っていたんだよな?本当のところはどうかしら?あの人相当女癖悪いから。
なんでそんなこと知ってんだよ?だって私も誘われたもん。
え!?なんかされたのか?何もないわよ。
鷹崎さん自分の車に女の人連れ込んでた。
多香子さんも弟の女癖の悪さには手を焼いてるみたい。
鷹崎のそういう面を有紀さんは知ってたのかな?まさか!有紀さんは鷹崎さんが「女王様」って呼ぶくらいプライドが高いの。
自分以外の女なんて絶対に許さないタイプよ。
じゃあもし鷹崎の浮気を有紀さんが知ったら…。
芸能界追放ぐらいやりかねない。
ひょっとして浮気のバレた鷹崎さんが自分の身を守るために有紀さんを…。
うーん…。
じゃあ芸能関係に詳しい知り合いに聞いて鷹崎の周辺探ってみるよ。
うん。
(パトカーのサイレン)
(鑑識係)被害者愛川有紀。
死因は毒物による中毒死。
座布団に仕込まれた針に毒物が塗られていました。
それが背中に刺さり体内に入ったものと思われます。
座布団を用意したスタッフは針が仕込まれていたことには気づかなかったと話しています。
不審な人物の目撃証言はどうだ?今のところありません。
ただ撮影所内は不特定多数の人間が当日も出入りしていたそうです。
凶器となった針の入手経路だが特定できそうかな?大量生産品なので非常に困難です。
人間関係のほうはどうだ?はい私が。
鷹崎達也本名大崎達也と愛川有紀は男女の関係にありました。
それなんですが…。
2人の間に別れ話が出ていたといううわさがあります。
それに本来座布団に倒れこむのは鷹崎だったはずが直前で変更したというのもひっかかります。
しかしあれは愛川有紀から言い出したって監督の証言もある。
鷹崎が有紀をそそのかして言わせた可能性もあります。
不特定人物を狙った犯行も否定できないがまずは鷹崎達也をマークする。
(一同)はい。
相手は人気俳優だ。
くれぐれも慎重に。

(柴田健治)マスコミはこの事件で大騒ぎですね。
(山野美野里)うん。
京都美人女優殺人事件!華やかな芸能界に渦巻く愛憎劇。
京友禅は見ていた!撮影中の女優に何が起こったか!?これや!アハハ!狩矢ええとこ出くわしたな。
アハハハ。
(中山清志)鷹崎達也。
これ犯人間違いなしやで。
あぁ〜けどまぁ見れば見るほどええ男やなぁ〜。
ちょ…ちょっとちょっと!美野里ちゃん。
あんたそんなんがええのん?ふ〜ん…。
あん!そりゃあ清志ちゃんのほうがええ男に決まってるやんかぁ〜ああんああんあん。
えへへへ。
なあ?狩矢。
どないしたん?なんか気になるんか?そうだ…!やっぱり芝居の変更は有紀さん本人の意思だわ。
間違いない。
あの撮影本来は有紀さんの左頬が映るカメラアングルだったんです。
でも…右の横顔中心に映るカメラアングルに変更させたんです。
あの日有紀さんは左頬に吹き出物ができていて…。
吹き出物?こっちから撮らないで!それをすごく気にしていました。
そうか…。
ほな変更せえへんままやったら吹き出物が映ってしまうわな。
実は狙われていたのは鷹崎さんのほうで有紀さんは間違って殺されてしまったんじゃないか。
なんだか私そんな気がするんです。
え?世論では鷹崎達也犯人説一色やで。
もし…もしそれが真実やったとしたらこりゃ大スクープや!なあ狩矢すっぽんの狩矢になるんや!なあ?なあ?ほれ行け!それ行け!ほれとっとと行け!行け!行け!ほら行け〜!写真週刊誌の知り合いに聞いてきた。
和美の言ったとおり鷹崎達也相当な女ったらしだったようだ。
うわ〜最低。
だろう?でもこんなに写真撮られてるのにどうして表に出なかったんだろう?そこがあの女社長大崎多香子の力だよ。
(記者)ひと言お願いいたします!鷹崎は関係ありません!おたくどこの会社?報道新社です。
私おたくの社長よ〜く存じておりますの。
私の言うことならなんでも聞いてくださると思うわ。
失礼。
(記者たち)ちょっと…!やり手なんだ。
両親と死に別れてからはずっと姉の多香子が弟を守ってきたらしい。
弟をスターにするために銀座でホステスをして資金と人脈を培ったそうだ。
そこまでして鷹崎さんを…。
まあとにかく鷹崎も敵が多いことがわかった。
鷹崎が狙われた可能性は十分考えられるな。
(記者)おい急げ!白州のほうだ。
(記者)撮影続行って…?
(記者)ええ?どういうことだよ?なんだ?
(携帯電話)あ…キャップだ。
ごめん。
和美戻らなきゃ。
(記者)不謹慎じゃないですか!
(記者)代役を探してると聞きましたが?
(記者)そんなに簡単に代役が見つかるんですか?あんまりじゃないですか!人が亡くなっているんですよ!
(プロデューサー)葛藤はありました。
しかし私どもは作品を完成させることが愛川有紀さんへの供養になる。
そう判断いたしました。
代役の女優は誰なんですか?相当大物なんでしょうね?答えてください!それは後ほど改めて。
(みなみ)私です。
(記者たちのざわめき)監督紹介していただけますか?中里みなみ。
別の役で出ることになっていたんだが急きょ抜擢した。
なかなかいいだろう?監督の期待に応えられるようがんばりますわ。
不安はありませんか?ありません。
セリフはすべてここに入ってます。
(記者)いやそうじゃなくて。
前任の愛川有紀さん殺されたんですよ?愛川有紀さんのためにも立派にこの役を演じきってみせます。
すいません…。
(記者)新人か…。
監督自ら…。
(カメラのシャッター音)
(記者)こっちお願いします!多香子さん?どういうことですか?こちらにひと言の相談もなく。
しかし代役をたてるということは事前に…。
それは伺っていましたがでもよりにもよって…。
よりにもよって何かしら?とにかく監督の独断での主役抜擢など認められません。
あら。
おたくの弟さんだって誰かさんの独断で役をもらったんじゃなかった?それに…。
(みなみ)こ〜んなに宣伝してもらってるもの。
ここで中断するのは損よ。
みなみの言うとおりだ。
とにかく絵島役はみなみでいく。
撮影も今日の午後から再開する。
監督!人一人死んだぐらいどうってことないわ。
あなたならわかるでしょ?ほら2年前…。
2年前…?あっやばい!
(みなみ)お水買ってきて。
はい。
主役されることになったんですね。
(みなみ)ええ。
監督が強く推してくださって。
今日は何か?中里みなみさん。
あなた現場で愛川有紀さんとかなりもめていたそうですね。
確かに有紀さんとは仲は悪かったわ。
でも女優同士究極的にはみんなライバルなんだし。
あの日の本番前あなたが有紀さんの近くにいたという証言があるんですが。
それはあの2人が…。
あっ…。
あの2人?愛川有紀さんと鷹崎達也さんですか。
(ノック)
(ゆかり)失礼します。
みなみさん時間がないの。
帯を替えたいんだけど…。
(みなみ)ここでいいわ。
構わないでしょ?ええ私たちは…。
話すつもりはなかったけど仕方ないわね。
あの2人が付き合ってたことはご存じよね。
ええ。
でもねここしばらく目も合わせないくらい険悪だったのよ。
だけどあの日は違った。
そうするわ。
(みなみの声)なんだか気になって盗み聞きしちゃった。
鷹崎さんがお芝居を変更するよう有紀さんに話してたの。
2人が険悪だった理由に心当たりはありますか?どうせ鷹崎さんの浮気でしょ?だってほら鷹崎さんが有紀さんの相手役になったのは有紀さんの口利きがあったからだし。
なのに浮気されちゃあねぇ。
しかしなぜその日愛川有紀さんは鷹崎さんの助言を素直に聞き入れたんですかね?知らないわよそんなの。
いいこと?女心なんて女にもわからないものなのよ。
はあ〜それはどうも勉強になります。
お邪魔しました。
えっ?えっ?
(女性の笑い声)全然こりてない…。
絵理さん?あの人気をつけたほうがいいですよ。
あれは牽制だったのね。
それにしても鷹崎達也節操なさすぎ。
(みなみ)バカじゃない?水の種類が違うわよ!申し訳ございません。
みなみさん。
主演おめでとうございます。
有紀さんの取材に来てた方ね。
あいさつが遅れました。
私唐竹企画の狩矢和美といいます。
どういう字書くの?平和の「和」に「美しい」です。
ふ〜ん。
次は私を取材するってこと?お願いできますか?主演女優のつとめですもの。
よろしくねワミちゃん。
わ…。
(ゆかり)和美さん?ゆかりさん!今日も取材?はい。
すごい荷物。
みなみさんの衣装。
絵理ちゃんが風邪でお休みだから1人で全部持たないと。
絵理ちゃん…?えっだってさっき…。
えっ?いえ…なんでもないんです。
じゃあ。
(映画スタッフ)じゃあ次本番いきます!
(映画スタッフ)本番!
(滝本)用意…スタート!このように人目を忍んでまたお会いできましたこと夢のようでございます。
生島…会いたかった…。
絵島様…。
会いたかった!絵島様…。
(滝本)カーット!オーケー!よくやったみなみ。
ああ…ホッとしたわ。
(拍手)パーッとみんなで飲みに行きたいわ。
(映画スタッフ)おおいいですねぇ!今日は私のおごりよ。
(映画スタッフ)ありがとうございます。
あの女調子に乗って…!なんとか手を打たなくちゃ。
(鷹崎)姉さん大丈夫か?
(多香子)もとはあなたがまいた種でしょう?
(鷹崎)ごめん。
あなたは私のすべてなのよ達也。
もう女のゴタゴタはたくさん。
例の女のほうは大丈夫なんでしょうね?いやあいつ…。
病院紹介したでしょ!それぐらいあなたが説得しなさい!ああ…もうこの話は終わり。
イライラするわ。
まいた種?病院って…。
お待たせしました小川さん。
よろしくお願いします。
(小川)おう!こちらです!どうも。
京日新聞の者です。
あの…鷹崎さんと有紀さんのことでちょっとお話を。
ああ?ハハハ…ダメダメ。
マスコミには口チャックって言われてんの。
これ…。
(河嶋)あっボクシングの世界戦!これプレミアチケットじゃん!そう。
うちの主催だからVIP席。
もちろんペア。
女の子と一緒に行ったら君の株も上がると思うんだけどな。
ハハハ…。
おっと。
わかったよもう!ちょっとちょっと…。
絶対俺からの情報って言わない?もちろん。
男と男の約束だ。
古っ!まあいいか。
夏目くん!おう。
いないものと思ってくれないかな。
鷹崎さんはさ有紀さんの力を利用してここまでのし上がってきたから有紀さんに浮気がバレた時相当焦ってた。
手当たり次第女の子に声かけといてバレないわけないじゃない!フフフ…。
鷹崎さんと付き合ってた子みんな泣いてたよ。
えっ付き合ってた子って例えばどんな子がいたの?それは言えねえ!あっそう。
あっ…わかったよ!とにかく出演者でもスタッフでもかわいい子見かけたら全員に声かけるのよ!最近まで付き合ってたのが中里みなみ。
有紀さんそりゃカンカンでさ現場での2人もう最悪。
だけどみなみの奴有紀さん亡くなったらあっという間に監督と付き合って主役の座つかんでるし。
スターになるためだったらなんでもするとこ鷹崎さんに似てるよな。
なんでもするって…まさかみなみさんが有紀さんを?それにしてもうまいことやったわね。
これからもよろしくタカさん。
(風の音)やだ…風強いわね。
キャーッ!なんだ?どうした?どうした?みなみさん!みなみさん!みなみくん!みなみくん!
(男性)誰か救急車!みなみくん!みなみさんしっかりして!タカ…。
えっ?タ…カ…。
みなみさん!みなみさん!みなみくん…。
もしもし?転落事故です。
はい場所は…。
はい至急お願いします。

(橋口)ここから転落したんですね。
(橋口)なんでこんなところから?不審な人物の目撃悲鳴や物音を聞いたという証言は今のところありません。
(ため息)まったく…行く先々で事件を呼ぶ奴らだな。
あのねお父さん実は…。
うるさい!もうこれ以上事件に首を突っ込むんじゃない!そうだあのな…これあるからなこれ2人で見てらっしゃい…。
邪魔だシッ!ほら行ってらっしゃい!はあ…まったく…。
ゆかり先生…。
絵理ちゃん!どうしたの?風邪はもう大丈夫なの?先生…私どうしたらいいの?絵理ちゃん…。
(絵理の泣き声)
(絵理の泣き声)「世界のウエディング博覧会」って何考えてるのよ。
いやおとうさんは和美の花嫁姿が見たい一心なんだよ。
今はこんなの見に行く気になれないわよ。
まあそうだよな。
みなみさんまであんなことになっちゃったし。
みなみさん控室の窓から落ちたのよね。
うん。
警察は事故と見てるようだな。
だとしたらなんで絵理さんあの場から逃げたのかしら?そりゃあ仮病使って欠勤してたんだ。
ゆかりさんに見つかったらまずいと思ったんだろ。
あれっ?でもなんで撮影所にいたんだ?鷹崎さんに会いに来てた。
2人で部屋にいたの。
まったく見境のない男だな。
和美絶対に気を許すんじゃないぞ。
(携帯電話)もしもし?そうですか。
ありがとうございます。
中里みなみさん亡くなったそうだ。
そう…。
お父さんみなみさん亡くなったんだって?ああ気の毒にな。
目撃者も不審な物音を聞いた人もいなかったって話だけど…。
まあ状況から考えられるのは事故か自殺…。
和美お前いい加減な事件のことは警察に任せて…。
そうだ。
お前はあれに専念しなさい。
ほらあの…カツドン。
えーっとドンカツ?それを言うなら「婚活」でしょ?ああそうそう…。
(狩矢澄江)無理して今どきの言葉使おうとするから…。
でデートのほうはどうだったんだ?ご想像にお任せします。
2人で盛り上がったんだろうな。
何しろウエディング博覧会だからな。
和美の花嫁姿…。
やっと見られるのかしら?いいか和美。
結婚っていうのはなこうなんて言うか…外堀からしっかり固めてな。
相手が逃げられなくなったら一気に攻め込む。
これが大事なんだ。
よく頭に入れとけ。
なっ。
わかったな?何熱くなってるのよ。
私たちは大丈夫よ。
お前がさウカウカしてるからお父さん気になって気になって…。
私も気になってることがあるの。
みなみさんが転落した直後私に言い残した言葉なんだけど…。
言葉?お前なそんな大事なことなんで早く言わないんだよ。
言おうとしたのにお父さんが追い返したんじゃない。
いやまあ…。
で中里みなみはなんて言ったんだ?「タカ」って。
タカ…。
えっ?タ…カ…。
「タカ」…。
名前みたいね。
それとねみなみさんの眉片方しか描かれてなかった。
女優がお化粧の途中で自殺するなんてありえない。
だからあれは絶対自殺じゃないわ。
うーん…。
こう考えてみたらどうかしら?みなみさんがお化粧してる途中に強い風が吹いた。
窓を閉めに向かったみなみさんをその時部屋に招かれていた何者かが突き落とした。
犯人は…。
「タカ」と名のつく人物…。
和美お前に言われなくてもその先は警察が調べる。
お前はすぐ事件のことは忘れてトンカツに専念しなさい!惜しい!「婚活」でした。
(ため息)フフフ…。
ちなみにそれはメンチカツ。
メンカツ…。
アハハ…。
「タカ」?それが鷹崎の「タカ」だっていうんですか?みなみさんが転落した時間あなたどこで何をしていましたか?控室で台本読んでました。
中里みなみさんとあなたは男女の関係にあったという話もありますが…。
ありました。
でもお互い本気じゃなかった。
あなたはそうでもみなみさんは違ったかもしれない。
みなみはそんな女じゃないですよ。
ならばもし有紀さんに毒針が刺さるように細工をしたのがあなただったとしてそれをみなみさんが知っていたとしたらどうでしょうか?今度はそっちの話かよ!だから何度も話したとおりあの時本当は俺が座布団に倒れ込むはずだったんだ。
代わったのは有紀が監督に言ったからですよ。
生前みなみさんは我々にこう証言していたんですよ。
その芝居の動きを提案したのはあなただと。
あいつ…。
俺はただ動きを変えれば吹き出物を隠せる。
そう有紀に言っただけです。
有紀気にしてたから…。
俺が珍しく優しいこと言ったからあいつ素直に聞いてくれて。
それが結果的に…。
(足音)姉さん…。
(鷹崎)俺もううんざりだよ。
どういうつもりですか?鷹崎を犯人と決めつけて!いや決めつけてなどいません。
今回お呼びしたのもあくまでも任意ですし。
これ以上無実の人間を疑うならこちらにも考えがあります。
覚悟しておいてください。
ああ…。
手ごわい女ですね。
しばらく泳がせてどう動くか見てみよう。
今度は中里みなみ。
主演女優が立て続けに殺されるやなんて。
その映画呪われてるんじゃないですか?バカバカしい。
これは連続殺人事件です!いやーん!清志ちゃんうち怖い!よしよし…大丈夫やって。
まあなどこかの神経の図太いお方と違うて美野里ちゃんはか弱いさかいな。
まあまあ心配するな。
僕がちゃんと守ったるさかいに。
なっ?やっぱり気になるなぁ。
気になる?何がえ?実は…。
あなたならわかるでしょ?ほら2年前…。
(美野里)2年前いうたら有紀と鷹崎が初めて映画で共演した時期やね。
その女社長中里みなみになんか弱み握られたんちゃうのか?それから衣装の江藤ゆかりさんのアシスタント石黒絵理さんなんですけど…。
あの人気をつけたほうがいいですよ。
(美野里)転落現場から逃げた?そら怪しいわ。
絵理さんにとっては有紀さんもみなみさんも言ってみれば恋敵ってことですよね。
恋人を自分だけのものにするためにライバルを殺す女か。
情念がグルグルグルグル渦巻いてる!なあ狩矢映画は中止でも取材は続行や!このスクープ絶対にものにするんや。
絶対やで!痛い…。
誰がか弱いんですか…?ごめん帯締め取ってきて。
はい。
絵理ちゃん上前上げすぎよ。
はい。
そうそう…。
おはしょりも整えてね。
(絵理)はい。
(カメラのシャッター音)秋の紅葉に着物の柄が映えてほんとにきれい。
(ゆかり)着物は日本の風景に溶け込むようにできてるの。
だから時代や世代を超えて愛されるんでしょうね。
私ゆかりさんの着物を通じて日本の美しさを改めて教えていただきました。
そんな…。
ほんとです。
私ゆかりさん尊敬してます。
私こそ和美さんすごいと思う。
えっ?臆せずにいろんな人にアタックしてカメラを向けて。
私なんて図々しいだけです。
実はね私の妹もカメラマンの卵なのよ。
あっ…。
これ。
わあ〜すごくいい写真!カメラマンと被写体のきずなの深さがよく表れてます。
本当?プロのあなたにそう言っていただけるとあの子もきっと喜ぶわ。
(絵理)ゆかり先生!次の衣装の確認お願いします。
今行くわ。
はい!じゃあ。
ゆかりさん。
最後に1ついいですか?実は私みなみさんが亡くなった日撮影所で絵理さんを見たんです。
最初は鷹崎さんの控室次にみなみさんの転落現場で。
絵理さん風邪でお休みしてたはずですよね?あっ…あれは私の勘違いで絵理ちゃんただの遅刻だったの。
えっ?記事楽しみにしてるわね。
(ゆかり)あっ私がやるからあなたは帯を選んで。
はい。
すみません。
いいものねぇ近江八幡って。
ヴォーリズの精神が街並みに溶け込んでるようだわ。
わあ〜きれい。
(カメラのシャッター音)
(絵理)結婚するって言ったじゃない!だってもう有紀さんもみなみさんもいないのよ?なのにどうして…?病院なんてイヤ!産むわ。
まさか絵理さん…。
絵理さん妊娠してるのよ。
相手は鷹崎達也だと思う。
鷹崎さん新しい映画の撮影でまだ京都にいるわよね。
「おいおいまさか乗り込むつもりじゃないだろうな」とにかく夏目くん例の「2年前の秘密」のほう引き続きよろしくね。
よろしくっておい和美…。
和美!
(電話の不通音)切れてる…。
(ため息)
(女優)若旦那お嫁さんにしてくれるっていう話どうなりました?
(鷹崎)おみつ先代の法要が済んでからじっくりやろうと思っているんだ。
早くしてくださいよ。
私お腹に赤ちゃんができたらしいの。
えっ…!?若旦那が言えないんなら私が女将さんに言いましょうか?いや…おみつもう少し待ってくれ。
先代の法要が終わったら必ず…。
本当でしょうね?
(鷹崎)嘘なんかつくもんか。
嘘だったらこうやってお前と会ったりはしないよ。
(女優)うれしい…!
(多香子)キャー!バカなことはやめなさい!
(絵理)離して…!離せ!裏切り者…!裏切り者…!ゆかりさん!和美…!
(ため息)
(ゆかり)鷹崎さんケガは?大丈夫ですから。
ゆかりさん…!ゆかりさん!?よかった。
思ったより深くなくて。
絵理ちゃんちょうど妹と同じ歳でね。
純粋でいい子なのよ。
絵理さん鷹崎さんの赤ちゃんを…。
バカよ…!でもゆかりさん鷹崎さんをかばって…。
あんな男のために絵理ちゃんに罪を犯させたくなかった。
何か飲み物買ってきますね。
姉さん…俺やっぱり…。
うっ…!何すんだよ!あなたをかばって刺されたのよ!見舞いに来なかったとマスコミに書きたてられたら今度こそおしまいよ!2年前のこと忘れたの?あなたのせいでみなみまであんなことに…。
あんなことって…。
姉さんがやったんじゃないのか?私はあんたの尻拭いをするために生きてるんじゃないのよ!ごめん…。
ごめんよ姉さん…。
大丈夫…大丈夫よ。
私がずーっとついてるから。
あなた…!もう達也のことは放っておいて!多香子さん…2年前ってなんですか?姉さん…。
なぁに?どうしたの?彼は夏目くんっていってね将来…えー僕のその…息子になるんだ。
そうどすか?ハハハ…うん。
男前はんどすなぁ。
ああそうだろう。
いや夏目くん。
はい!今日は急に呼び出して本当にすまなかったな。
ああいえ…。
あのおとうさんでもなんでお座敷なんですか?いや男同士腹を割って話すにはこういうところがいいかなと思って…。
おにいさんおひとつどうぞ。
あすいません。
あの…余計話しづらい気が…。
あ…そう?はい。
あ…じゃあの悪い2人ともねちょっと席を外してくれる?すぐ呼ぶから。
ごめんね。
すみません。
ごめんごめん。
あ…夏目くん。
はい!あの今日呼び出したのは他でもないんだがね…。
頼む。
このとおりだ。
いや…おとうさん…。
和美にねこれ以上事件に首を突っ込まないようになんとかしてほしいんだ。
はあ…。
いやあいつね今日だって鷹崎が襲われた現場にいたんだよ。
事件に首を突っ込む限り必ずこの身の危険ってのがつきまとってくるんだよ。
いやあいつに何かあったらと思うと父親としてもう心配で心配でならんのだよ。
わかりました。
ですが…。
ありがとう。
ありがとう。
いやあのついでといっちゃなんだけどさ。
あの〜結婚のほうもよろしく頼むよ。
は…はあ…。
いや〜それにしても和美の奴石黒絵理の妊娠のこともつかんでいたとはなぁ…。
あの…2人の女優を殺したの石黒絵理なんでしょうか?いや石黒絵理はねずっと鷹崎の本命は自分で愛川有紀や中里みなみのほうが浮気相手だって思ってたらしいんだよね。
信じていたんですね鷹崎を。
うん…。
ところが今回妊娠が発覚した途端おろすように迫られて揚げ句に捨てられた。
そこで初めてだまされていたって気づいたんだろうな。
ひどい奴ですね…。
ああ…。
こちらも再度鷹崎を調べることにした。
あのお姉さんも含めてね。
はあ…。
あそのことなんですが亡くなった中里みなみ大崎多香子を脅していたようなんです。
「2年前の秘密」とやらで。
そうか…。
なんだよ〜また事件の話になっちゃってるじゃないか。
あすいません。
この話はもうこれでおしまい。
とにかくあの和美よろしく頼むよ。
いやもうこちらこそ。
あそうだ。
これねまた手に入ったんだ。
君にあげるよ。
ねどうぞ。
また…。
ま…またって…。
あすみません…。
私はねこれ3回行ったけどねあれ何度行っても感動的だよ。
いやしかしあの日本の花嫁ってのはねぇやっぱり白無垢がいいねぇ!はあ…。
ああ…和美似合うだろうなぁ…花嫁姿。
お父様お母様長い間ありがとうございました。
おとうさん…?おとうさん?ハハハ…。
あ〜あじゃあもうそろそろ帰るか。
え?いや帰るってあの舞妓さん待たせて…。
忘れてたよ。
ハハ!あ!あの舞妓のことは和美には絶対に内緒だよ。
ええもちろんですよ。
わかりました。
(手をたたく音)お待たせ〜!
(舞妓)へえ!はいごめんね待たせて。
さああの遠慮なく楽しんでね。
さあみんなで飲みましょう。
いただきます。
(美野里)でかした狩矢!華やかな芸能界その水面下はヘドロ渦巻く底なし沼〜!もっともっと潜ってその目でしっかり見てくるんや!美野里ちゃん。
イヤかわいい〜!!清志ちゃんありがと〜!はい飲み物どうぞ。
ああ…。
僕の手作りラブラブクッキーにこぶ茶かよ…。
センスないな君。
やっぱり鷹崎が2人の女優を殺したんじゃないですか?でも鷹崎は姉の多香子を疑ってるみたいなんです。
みなみさんが言った「タカ」ってダイイング・メッセージもしかすると多香子さんのことかも。
謎が謎を呼ぶ展開その行き着く先には何がある!こうなったら狩矢鷹崎に張り付きなさい。
でもどうやって…。
はい!そういうわけで清志ちゃんのコネでまたまた潜入捜査予約しといたさかいにすっぽんの狩矢としてはこのスクープ絶対離したらあかんで!まさか…。
女好きの鷹崎をなんとしても誘うんや。
僕のコネ大事にしてよ。
頼んだよ。
そういうてもこの色気ではなぁ…。
はあ…そう思ってほらこれ借りてきたんや。
これ着て行きこれ。
こんなのどっから持ってきたんですか!どっからって…ほんまもんのお姫様から借りてきたのよ。
ほんまもんのお姫さんやなんていややわぁ〜。
ええっ!?これ着て行きよ。
はい。
なぁ美野里ちゃん…。
君なほんまのかぐや姫で月へ帰ってしまうんやないか思うて時々心配になんねんで。
清志ちゃん置いてどこへも行くかいな〜。
(中山)ほんま〜?
(美野里)う〜ん。
2人で月でもどこでも行ってください。
(ドアの閉まる音)石見銀山ねずみ取り〜。
いたずら者はいないかな。
いないかな…。
待てー!待てー!待てー!待てー!ま…待て…!待てー!待てー!あっ!ああ〜!カット!オーケー!
(スタッフ)オーケーです!痛い…!いたた…。
(鷹崎)ケガはなかった?あっ…!
(鷹崎)君…。
私鷹崎さんの大ファンでそれでいろいろストーカーみたいなまねを…。
すみませんでした。
そう。
私鷹崎さんに握っていただいた手一生洗いませんから!アハハ…!君かわいいねぇ。
今日の撮影が終わったら僕の別荘に来ない?え…!?ここから近いんだ。
いいワインもあるし。
わぁうれしい!あの携帯で写真撮っていいですか?待ち受けにしたいんです!いいよ。
「ハイチーズ」
(携帯電話のシャッター音)なんで夏目くんまで来んのよ。
いや事件に首を突っ込ませるなっておとうさん俺に頭まで下げてさ。
そんなの無理よ。
わかってる。
だからこうしてそばで見守ってるんじゃないか。
あら。
フフフ…。
この辺なんだけど…。
あっあれだ!サラリーマンには一生住めないな。
いや泣けてくるよ。
(チャイム)
(チャイム)なんだよ…誘っておいて留守かよ。
ったくふざけた野郎だな。
和美帰ろう。
中に入ろう。
えっ…?和美…!おい待てよ…!あっ…!?夏目くん!うん?鷹崎…!?うん…。
ダメだ。
どの窓も閉まってる。
警察に…。

(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(鍵を開ける音)
(橋口)警部。
うん?ちょっと…。
「私が愛川有紀と中里みなみを殺しました」「みなみとのことが有紀に知られ有紀は私を芸能界にいられなくすると脅しました」「それでやむなく撮影中の事故に見せかけて殺したのです。
ところが…」
(鷹崎の声)「代役が決まった途端私から去ると言い出しました」「みなみとはもみ合っていた弾みで窓から突き落としてしまいました」「事故です」「でも警察は私をマークしている」「疲れました。
申し訳ありません」「さようなら。
鷹崎達也」コラ!和美いい加減にしなさい!夏目くんまで一緒になって何やってんだ!あんなに頼んだじゃないか。
え?舞妓まで呼んで頼んだのに!ちょっとおとうさんそれ…!えっ…?私たちは第一発見者なの!うるさい!
(橋口)警部…。
いやちょっと待った。
え?ああどうした?
(橋口)外に接しているすべての窓ドアの鍵が内側から施錠されています。
この屋敷自体が大きな密室ですね。
遺書もありましたしここは自殺の線が濃厚ですね。
ちょっと待って!鷹崎さんは数時間前まで私を口説いてたのよ。
自殺する雰囲気なんてこれっぽっちも…!口説いて…!?それどういうことなんだ?捜査のために近づいただけよ!お前が捜査する必要なんてこれっぽっち…もう1ミリもないんだよ!達也…!達也!達也ー!達也…!達也!達也…達也…達也…!許さない…!弟を追い詰めたあんたたちを私は絶対に許さない!弟を…弟を返して!返して!弟を返して…!
(多香子)ああ…返して…!返して…!返して…!
(橋口)警部検視の結果が出ました。
鷹崎は毒物を混入したジャスミンティーを飲んだことによる中毒死です。
愛川有紀に使われたものと同じ毒物か…。
ええ。
2人の女優を殺害した鷹崎が逃げ切れないと観念し自殺した。
そう考えてよいのでは。
(ため息)結局犯人の自殺で事件は終了か…。
納得できない!何が?顔よ!うん?私自殺する人がこんなふうに絶対笑顔をしないと思う。
じゃあ最初から事件整理してみよう。
うん。
女優連続殺人事件。
1件目の被害者愛川有紀は撮影中座布団に仕込まれた毒針で殺された。
(有紀)うっ…!撮影所に出入りしてる人なら誰もが犯行可能よね。
うん…。
有紀とトラブルがあったのは恋人の鷹崎達也…。
そしてライバル女優の中里みなみ。
鷹崎は有紀との関係がもつれていた。
そしてみなみは主演の座を狙っていた。
しかしみなみは2件目の被害者になった。
みなみさんは眉を描いてる途中で転落死した。
女優がお化粧の途中の顔を見せるぐらいだから相手は女性かあるいは相当心を許した人。
みなみのダイイング・メッセージの「タカ」…。
これは恋人だった鷹崎を指すものかと思われた。
その鷹崎は犯行を認める遺書を残して自殺…。
しかし「タカ」に当てはまる人物がもう1人…。
大崎多香子…。
どういうこと?多香子には苦労してスターに育てた弟を守りたいという動機がある。
みなみに「2年前の秘密」で脅されていたこともわかっている。
ほら2年前…。
(店員)お待ちどおさま。
タコ。
誰がタコだよ。
違うわよこの模様。
うん…?タコじゃなくてネコだろう。
え〜タコよ。
ああわかった。
これ上下逆さまだ。
ああタコの足じゃなくてネコの耳。
うん。
アハ!このほうがかわいい。
…夏目くん。
うん?このステンドグラスの写真…!あれ…?このほうが自然じゃない?うん。
やっぱりこの柄のほうが自然だ。
でもこれなんで上下逆さまになったのかな?これ…何かな?うん?接着剤の跡みたいだな…。
もしかして…!夏目くんここはがしてみて。
はがすったって…。
お…いいのがあったぞ。
これ窓用の溝だ。
つまり普段はスライドして開けることができたってことよ。
犯人は鷹崎達也を殺してガラス戸をはずし外へ出たあと…。
溝が隠れて完全なはめ殺しに見えるよう仕掛けた。
そして両端を接着剤でくっつけてはめ殺しの窓を作った…。
これよ…。
これが犯人の密室トリックだわ。
おい和美この石…。
(多香子の声)達也…!
(多香子)達也!達也…!でもたった1人の弟まで殺すなんて…。
姉弟っていうのは一番近くにいる他人なんだよ。
強い愛情が深い憎しみに変わることもある。
こう考えたらどうだ?まず有紀さんを殺したのは鷹崎。
それをみなみさんに知られてしまった。
そのことに気づいた多香子さんが口封じのためにみなみさんを…。
窓から突き落とした。
すべては弟を守るためにな。
そんな多香子さんがなぜ弟の鷹崎さんを?殺人をしてまで弟を守った。
そんな姉の思いをわかろうともせずに弟は女を誘い続けた。
その弟の身勝手さに姉の愛情は憎しみに変わった。
そして…。
多香子さんは鷹崎さんを自殺に見せかけて殺した。
いやまだ1つ「2年前の秘密」っていうのがわかってない。
俺はそこにこの事件を解く鍵があると思うんだ。
今それを調べてるからそれがわかったら…。
(携帯電話)あっキャップからだ。
(携帯電話)和美絶対に1人で動くなよ。
わかってる。
またあとで連絡する。

(女の子)健太!
(健太の泣き声)
(女の子)大丈夫?
(健太の泣き声)殺人をしてまで弟を守った。
そんな姉の思いをわかろうともせずに弟は女を誘い続けた。
その弟の身勝手さに姉の愛情は憎しみに変わった。
そして…。
そんなはずない…。
鷹崎は関係ありません!失礼。
(記者たち)ちょっと…!
(鷹崎の嗚咽)達也!達也ー!多香子ったら出ないわぁ。
(ため息)直接お部屋に行きますから。
何号室でしたっけ?ご友人の方でもお客様の許可なくお教えするわけには…。
大至急伝えたいことがあるんです。
すみません。
ああ…。
ゆかりさん?ゆかりさん!和美さん…!?あなたも多香子さんのところへ?えっ?ええ…そうですけど…。
(ノック)
(ゆかり)喪服をお届けに…。
(ゆかり)この度は…。
あんたのせい…あんたが余計なことしたせいで!多香子さんやめて!返してよ!今すぐ弟を返してよ!返して…!返して!返してよ!返してー!気持ちはわかるわ。
でもね…。
あなたに私の気持ちなんかわかるわけない!わかるわよ!私も同じだもの。
ありがとうございます。
多香子さんの言ったことは気にすることないわ。
鷹崎さんが自殺したのはショックだったけど誰のせいでもないんだから。
私鷹崎さんは自殺じゃないと思うんです。
え…?
(宅配業者)お届け物です!
(ゆかり)はい!こちらにサインをお願いします。
はい。

(ゆかり)ごくろうさま。
(宅配業者)ありがとうございました!私たちは早くに両親を亡くして叔母のお世話になったの。
その叔母から…。
柿。
おいしそう。
よかったら持ってって。
ありがとうございます。
しいちゃんにも。
しいちゃんって妹さんですか?よく笑ういい子だった…。
まさか…。
交通事故だったの。
本当に突然だった。
朝まで元気だったのにあんな姿で…。
戻ってきた妹を抱きしめたの。
一晩中雨に打たれてたせいで氷のように冷たくなってた。
何年経っても忘れられないわ。
すみません。
つらいことを思い出させてしまって…。
いいえ。
これから多香子さんも私と同じ思いをするのね。
気の毒だわ…。
(携帯電話)すいません。
(携帯電話)夏目くん?2年前の事件わかったの?
(電話をかける音)あっ遅くなってごめん。
今中道稲荷に来てるんだけど。
おい和美?和美どうした?あっ夏目です。
おとうさん和美が…!
(パトカーのサイレン)あ…。
おとうさん。
確かに中道稲荷って言ったんだね?ええ。
これが例の…。
急ごう。
はい!多香子さん…。
どうして?こんな…2年前と同じ場所で…!2年前…?ほら2年前…。
2年前のこと忘れたの?多香子さん教えてください。
2年前何があったんですか?しらじらしい。
あなた調べたんでしょう?だからこんなこと仕組んでゆすって…。
(ゆかり)調べたわよ。
ゆかりさん…。
なぜあなたがここに…?まさか!?これわかるかしら?衣装の袖の中に入ってたの。
2年前鷹崎が私の妹を殺した時に着てた衣装に。
妹…?これは私が妹のしずえの成人祝いにプレゼントしたものなの。
肌身離さず身につけてた。
いくら捜しても見つからなかったのにまさかあんな形で見つかるとは…。

(ゆかりの声)しずえが撮った最後の写真。
しずえの…。
(ゆかりの声)それは映画のロケに遭遇した時に撮ったある俳優の後ろ姿。
その人が着ていたものと同じ柄だった。
妹からの「犯人を捜して」というメッセージだと思ったわ。
調べてみたらその衣装を着たのは鷹崎達也だけ。
それに鷹崎は2年前車を買い替えてた。
妹がひき逃げされた1週間後に…。
多香子さん…。
(江藤しずえ)そんなつもりじゃないんで。
(鷹崎)いいじゃないかちょっとぐらい。
(しずえ)やめてください…。
やめてください。
ちょっと…!
(鷹崎)いいじゃんよ。
いいだろ?いいじゃねえかよ。
ちょっと…!やめてください!イヤ!
(しずえ)ちょっと…!イヤ…。
やめて!幻滅しました。
最低です!
(鷹崎)おいちょっと待てよ!おい!ああ…!
(鷹崎)脅かすだけのつもりだったんだ。
ひくつもりなんてなかった。
どうしよう…。
乗せなさい!病院に?乗せなさい!早く!いいから!
(雷鳴)まだ息のあったしずえさんを捨て去ったのね?
(多香子)あの頃達也は役者として世に出るチャンスを迎えてた。
ああするしかなかった。
弟を守るためだったらなんだってするわ。
ひどい。
(ゆかり)私も同じよ…。
(多香子)えっ?言ったでしょ!私も同じよ。
どうしてこんな…!ひき逃げです。
ひかれた時はまだ息があったようなんですが。
しいちゃん…寒かったね。
こんなに冷たくなって…。
今お姉ちゃんが温めてあげる。
おかしいね…。
どうして温かくならないのかな…。
ねぇしいちゃん…!起きて。
起きてよ!しいちゃん!
(ゆかりの声)あの時私の世界は終わった。
私の心は死んだのよ。
そしてあの日鷹崎さんを殺すために毒針を仕込んだ。
まさか鷹崎と有紀さんの位置が逆になるなんて。
みなみさんを殺したのもあなたですね?みなみさんのダイイング・メッセージの「タカ」はあなたのことだった。
なぜそれを?叔母様から送られた宅配便の送り状を見た時もしやと思いました。
あなたの名前漢字で書くと…。
上の2文字読み方を変えれば「タカ」となります。
みなみさんは自分だけの呼び名を好んで使っていました。
私の名前も「ワミ」ちゃんと。
中里みなみに見られてたなんて…。
(みなみ)ねぇこれからは私の着物だけコーディネートして。
あの江藤ゆかりが専属になったら箔がつくわ。
あ…そんなこと…。
毒針仕込んだのタカさんでしょ?えっ?まあタカさんとしては本命を殺せなくて残念って感じだろうけど。
あなた何言って…。
私ね泥酔した鷹崎からベッドで聞いたの。
あの姉弟2年前ある女の人を…。
フフフ…これ以上言えない。
それにしてもうまいことやったわね。
これからもよろしくタカさん。
(風の音)やだ…風強いわね。
(みなみ)キャーッ!
(ゆかり)妹に謝って…。
謝れ!私はあなたの妹さんを見殺しにした。
でもあなたも私の弟を殺した!多香子さんあなた今どんな気持ち?苦しい…。
死んでしまいたい。
その気持ちを知ってほしかった。
一番大切なものを奪われた者の気持ちを!私の復讐は鷹崎を殺してその苦しみをあなたに味わわせることだったのよ!なぜ…?あなたは鷹崎さんを殺したあと自殺を偽装するためはめ殺しの窓を意図的に作り出し密室状態にした。
万一トリックがバレた時には多香子さんに捜査の目が行くようわざと多香子さんが使っているラインストーンをはみ出た接着剤につけた。
和美さんあなた知りすぎたわ。
(ゆかり)この子をここから突き落としなさい。
ゆかりさん!人を殺せば新たな憎しみが生まれるだけ。
あなたたちが一番よくわかってるでしょう!和美…!?ごめんなさい!早く!夏目くん!間に合ってよかった。
やめなさい!死なせて!妹のところへ行かせて!ダメだ!行かせない!生きなきゃダメだ!妹さんの供養のためにも生きなきゃダメだ!
(しずえ)お姉ちゃん笑って笑って!はいチーズ!お姉ちゃん笑って笑って!しいちゃん…。
(カメラのシャッター音)
(しずえ)いいねいいね。
ハハそうそうそう!そうそれがいい!フフフ…。
(カメラのシャッター音)
(しずえ)いいねいいね!はいウイスキー!
(カメラのシャッター音)つらいだろうが苦しいだろうが生きて自分が犯した罪を償うんだ。
向こうで妹さんに会うのはそれからです。
しいちゃん…ごめん。
ごめんね。
こうやって和美といられる…。
それだけで十分幸せだなぁ俺は。
よく言うわよ。
ねぇなんかポッケに入ってるけど。
えっ?ああ…これだ。
あ…お父さんね?もうしょうがないなぁ。
行ってみようか。
おとうさん3回も行ったんだって。
お父さんが婚活してどうすんのよ?あっ!これ期限切れてる。
嘘。
ああああああ…。
結婚はまだ早いってことよきっと。
ガッカリするだろうなおとうさん。
楽しみは先にとっとけってことよ!それよりさお父さんが言ってた婚活…。
じゃなくてトンカツ食べに行かない?なんか急に食べたくなってきちゃった。
トンカツか…。
じゃあ俺がよく行く店でいい?ロースが絶品なんだ。
うん!行こう行こう!夏目くん。
うん?これってなんて名前なんだろう?これはえ〜サルビア・レウカンタっていうんだ。
すごーい!フフ…。
わあ〜きれい!これって菊かなぁ?えっ?これはダリヤだよ。
え…本当?本当だよ。
俺は元文化部だからな。
うーん。
ハハ…。
すごいね。
ダリヤなんてつけたのは誰や?花沢太郎と申します。
絶賛放送中の『刑事110キロ』
石塚英彦演じる主人公の刑事花沢太郎が…
2014/05/31(土) 12:00〜13:55
ABCテレビ1
山村美紗サスペンス 京都・美人女優連続殺人事件[再][字]

主役は2度殺される!?ガラス張りの密室殺人トリックを“股のぞき”が暴く

詳細情報
◇番組内容
山村美紗サスペンス・狩矢父娘シリーズの第11弾!映画女優の取材に出かけた狩矢和美。ところが、その撮影現場で主演女優が謎の連続死!華やかな映画界に渦巻く女たちの愛憎とは…!?
◇出演者
藤谷美紀、田村亮、原田龍二、山村紅葉、宮本真希、小沢真珠、高橋光臣、小野麻亜矢、山内明日、中野良子
◇原作
山村美紗「京都清水坂殺人事件」(講談社刊)
◇スタッフ
脚本:波多野都
監督:上杉尚キ(キはネに其)
◇音楽
藤原いくろう

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0×0818)
EventID:60836(0xEDA4)