白骨遺体:「息子に食事与えず死なせた」36歳父を逮捕

毎日新聞 2014年05月31日 11時35分(最終更新 05月31日 12時55分)

白骨化した子供の遺体が見つかったアパート=神奈川県厚木市で2014年5月31日午前8時43分、水戸健一撮影
白骨化した子供の遺体が見つかったアパート=神奈川県厚木市で2014年5月31日午前8時43分、水戸健一撮影

 ◇神奈川県警厚木署など保護責任者遺棄致死容疑で

 30日午後3時15分ごろ、神奈川県厚木市下荻野のアパート「ファミールハイツ」1階の一室に、白骨化した子供の遺体があるのを県警厚木署員が発見した。県警捜査1課と厚木署は31日、同市愛甲3、トラック運転手、斎藤幸裕容疑者(36)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。県警は遺体を死亡当時5歳の男児、斎藤容疑者を父親と見ており、斎藤容疑者は「息子に食事を与えず死なせた」などと容疑を認めているという。

 逮捕容疑は、斎藤容疑者は2006年10月〜07年1月ごろ、アパート1階の自室で男児に十分な食事や水分を与えず、衰弱死させたとしている。

 県警によると、斎藤容疑者は男児と妻との3人で暮らしていたが、05年ごろに妻がアパートを出る形で別居。その後、徐々にアパートに帰らなくなり、食事などを与えないまま男児を放置した。「06年秋ごろ子供の様子を見に行くと死んでおり、怖くなって家を出た」と供述している。遺体に暴行を受けたような痕跡はないといい、司法解剖を行い死因を調べる。

 県警によると今月22日、県厚木児童相談所から厚木署に「住んでいるはずの子供が中学校に入学していない」との通報があった。30日になって斎藤容疑者と連絡が取れ、同署員が容疑者立ち会いのもとで室内に入ったところ、大量のごみが散乱した6畳間で白骨遺体が見つかった。母親の行方は分かっていない。

 アパートは農園に隣接する静かな住宅街にある。近くに40年ほど暮らしている主婦(64)は「部屋の雨戸がずっと閉まったままで、人が住んでいると思わなかった。事件のない静かなところなので白骨化した遺体があったと聞いてびっくりした」と話した。アパートの裏に住む男性も「子供がいたという記憶はない。児童相談所の職員の訪問も受けていない」と驚いた様子だった。また、近くの60代の主婦は「このアパートは若い住人が多くて、入居者の入れ替わりも激しい。どんな人が住んでいたのか分からない」と話した。【松浦吉剛、水戸健一】

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