和歌山市の老舗和菓子メーカー、駿河屋が17日、和歌山地裁に民事再生法の適用を申請した。帝国データバンク和歌山支店によると、負債総額は約9億円。和菓子離れが進んだ上、円安などで原材料費の高騰が続き、収益を圧迫したという。今後も営業を続けながら再建を図る。

 駿河屋は室町時代、京都・伏見で創業した「鶴屋」が発祥。江戸時代に和歌山に入り、紀州徳川家から「駿河屋」の屋号を与えられた。同社ホームページによると、現在はようかんやまんじゅうを主力商品に、和歌山県内や大阪、京都両府の百貨店などに約50店を展開している。

 2004年11月、架空増資事件で当時の社長らが逮捕される事態に発展し、05年1月東証、大証2部への上場が廃止に。売上高も13年3月期は約16億円と、92年3月期の3分の1以下に低迷していた。(広津興一)