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健康食品の機能表示 新制度を検討
5月30日 20時11分

健康食品の機能表示 新制度を検討
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中高年などを中心に利用が広がっている健康食品は、来年春から体にどのように機能するかを具体的に表示できるようになりますが、その新しい制度の検討会が30日、消費者庁で開かれ、表示の科学的根拠をどう担保するかなどについて議論が行われました。

健康食品は特定保健用食品いわゆるトクホなどを除いては、原則として体にどのように機能するかを表示することが法律で禁じられています。
しかし、政府は規制改革の一環として、一定の科学的根拠がある健康食品には、来年春から企業の責任で、機能の表示を認めることを決め、現在、消費者庁が具体的な制度の運用方法について検討を進めています。
こうしたなか、30日に開かれた有識者による会議では、製品の科学的な根拠をどのように担保するか議論が行われました。
また、消費者庁からは企業に、健康食品に入っている成分や根拠となる研究などの情報を発売前に国に届け出たうえ、消費者が見られるよう公開することを義務づける案が示されました。
消費者庁では、ことし夏ごろをめどに新しい制度の具体的な中身をまとめることにしていて、来年3月には運用が開始される予定です。

制度改正までの流れ

健康食品はこれまで特定保健用食品、いわゆるトクホなどを除いては「中性脂肪の上昇を抑える」とか「歯を丈夫にする」などと、体にどのように機能するかを表示することが法律で禁じられていました。
このため、直接、機能をうたわず「エネルギッシュな毎日に」とか「燃焼系を目指す方に」などと、イメージ優先のあいまいな表現で宣伝が行われてきました。
この健康食品について、安倍政権は去年6月、いわゆる「第3の矢」である規制改革の一環として、一定の科学的根拠がある健康食品には、企業の責任で機能の表示を認めることを決めました。
政府はこの理由について「トクホの認定を受けるには資金と時間が必要で、事実上、中小企業にはチャンスが閉ざされているためだ」などとしています。
実際、トクホの認定を受けるには、平均で4年の歳月がかかり、億単位の費用が必要だと言われています。
これを受けて、消費者庁は現在、有識者による会議を設け、新しい制度の運用方法について検討を進めています。
新しい制度の具体的な中身は、ことし夏ごろをめどにまとめられる予定で、来年3月には運用が開始される予定です。

制度改正に期待する企業は

30年前から健康食品事業を手がけている大手水産会社は、今回の規制改革に期待を寄せています。
この会社は、魚の脂に含まれるEPAという成分をもとにした健康食品を製造しています。
EPAについては、50年前から世界中で研究が進められていて、人を対象に有効性を試験した論文が2500以上あり、心臓の血管の病気を予防したり、高血圧を抑制するなどの効果が確かめられているということです。
しかし、これまでの制度では、根拠となる論文がいくつあっても機能を表示することはできませんでした。
このため、新たに開発したスポーツをする人のための健康食品も「ラストに驚きのパフォーマンスを」などというあいまいな表現でしか製品の特徴を訴えることができませんでした。
この会社は、規制改革によって科学的根拠がある製品の機能を直接表示できるようになれば売り上げを大きく伸ばせると期待しています。
大手水産会社「日本水産」の研究所の辻智子所長は「研究論文によって評価を得られた成分に関し、踏み込んだ表示ができるようになれば、企業にとっても消費者にとっても共にメリットになると思う」と話しています。

消費者団体からは懸念の声も

健康食品の新しい表示制度について、消費者団体からは、科学的根拠が乏しいのに機能をうたう製品が市場に出回るのではないかと懸念する声も出ています。
全国消費者団体連絡会の河野康子事務局長は「企業の責任において機能をうたえるというのがとても心配だ。国は根拠が乏しい製品が出回らないよう、しっかり取り締まる体制を作るとともに消費者に誤った認識を与えないような制度設計をほしい」と話しています。

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