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 1964年の東京五輪の競技会場として作られ、2020年の東京五輪に向け建て替えられる国立競技場から、スタンドの座席4900席が平塚市に無償で譲渡されることになった。全国の自治体を対象とした備品の公募に、市が手を挙げていた。J2湘南ベルマーレの本拠地「Shonan BMWスタジアム」(旧平塚競技場)のバックスタンド席となる。

 市総合公園課によると、スタジアムの座席は、Jリーグ発足当時の大改修から20年が経ち、色あせやひび割れなど劣化が目立っていた。しかし、市の財政難で改修予算がつかず、今回の公募を知って国立競技場に下見に行ったところ、座席が同じメーカーの同規格の製品で、十分使えると判明。本来なら約1億円かかる改修費が、再利用で約1500万円で済むという。

 湘南のホームゲームがない6月末~7月半ばを利用し、座席の輸送、設置などを行う。7月20日のロアッソ熊本戦でのお披露目を目指す。落合克宏・平塚市長は「歴史ある座席を使わせていただけることは極めて名誉。今後多くのサポーターらと、競技場の新たな歴史を作っていきたい」と喜んでいる。(足立朋子)