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一般ニュース
今日のニュースいろいろ
米陸軍士官学校 2014 年組の任官式に出席した Barack Obama 米大統領は、総額 50 億ドルの Counter-Terrorism Partnerships Fund 創設に言及。南アジアからサハラ砂漠にかけての一帯で、テロ対策のための「パートナーシップのネットワーク」を構築、より効果的に脅威に対処しようという趣旨だとしている。つまり、米軍が直接介入するのではなく、地元国と組んで助言や訓練などの支援を実施、地元国による対処を前面に押し出そうというもの。(DefenseNews 2014/5/28)
カザフスタンの Nursultan Nazarbayev 大統領が、ロシアとカザフスタンの合同防空システム構築に関する文書に署名した。2013 年 1 月に成立した両国間の合意に基づくもので、両国のトップから任命を受けた士官が指揮する合同司令部をカザフスタンの Almaty に設置、ロシアはカザフスタンに S-300PS 地対空ミサイル×5 個師団分を提供することになっている。(The Moscow Times 2014/5/)
マリ北部の Kidal が反政府勢力に奪取された際に責任をとって辞任した Soumeylou Boubeye Maiga 氏の後任として、2014/5/28 付で Ba N'Dao 氏が新しい国防相に就任した。(DefenseNews 2014/5/28)
Arun Jaitley 氏が、2014/5/27 付でインドの新しい国防相に就任した。(Indian MoD 2014/5/27)
イランの Mohammad Javad Zarif 外相が、トルコの Istanbul で EU の Catherine Ashton 外交主任と会談した後で、核問題協議について発言。6 月にオーストリアの Vienna で開催する次の協議は「真剣かつ現実的なものになる」とした上で、欧米諸国に対して「協議の枠外にいる国からの圧力に抵抗するように」と注文をつけた。国営 IRNA 通信が伝えたもの。(SpaceWar 2014/5/27)
豆満江 Tumen river を越えて中国と北朝鮮を結ぶ、全長 804m の橋を建設する工事がスタートする、と新華社が報じている。両国で 1 億 3,700 万元 (2,193 万ドル) の工費を負担して、1938 年にかけられた古い橋を置き換えるとのこと。(SpaceWar 2014/5/28)
今日のニュースいろいろ
米軍関係者が、先に Vladimir Putin 露大統領が発表したロシア軍の撤収指令について「数千名のロシア軍がウクライナとの国境地帯から撤収、現在も撤収が続いてる。ただし、依然として万単位のロシア軍が残っている」と発言。NATO によると、3 月の時点で 40,000 名が展開していたとされる。なお、米国防総省の発表では "若干のロシア軍が撤収" という表現になっている。また、Airbus Defence and Space が Novocherkassk で撮影した 2014/3/26-5/25 にかけての衛星写真でも、撤収が進んでいる様子が分かるとのこと。2014/3/26 と 2014/4/27 に撮影した写真では、当地に自動車化狙撃師団と砲兵大隊が展開している様子が分かる。(DefenseNews 2014/5/27, AFPS 2014/5/28, IHS Jane's 360 2014/5/27)
中国とパキスタンの空軍が実施していた 合同演習 "Shaheen III (Falcon III)" が、先の週末をもって終了した。2013 年の Shaheen II 演習は 3 週間がかりだったが、今回の Shaheen III 演習の期間は不明。場所も不明。参加機は、中国側が F-7 と J-10、それと支援要員や支援機材。パキスタン側が JF-17、Mirage、F-7PG。(DefenseNews 2014/5/27)
自衛隊の岩崎統幕長が 4 日間に渡ってミャンマー (ビルマ) を訪問、首都 Naypyidaw で Min Aung Hlaing 参謀総長と会談した。2014/5/28 には Thein Sein 大統領とも会談。第二次世界大戦後に同国を訪問した日本の制服組としては最高位。(DefenseNews 2014/5/27)
露航空宇宙防衛軍の Alexei Zolotukhin 大佐が Interfax-AVN の電話取材に対して、Plesetsk から Rokot SLV (Space Launch Vehicle) で軍事衛星×3 基の打ち上げを実施したことを明らかにした。衛星の名称は Cosmos-2496、Cosmos-2497、Cosmos-2498 で、全部で 950kg あったとのこと。(SpaceWar 2014/5/26)
ウクライナの大統領選挙で、Petro Poroshenko 氏の勝利が決まった。そのウクライナ東部の Donetsk では親露派武装勢力と政府側の交戦が続いており、過去 48 時間で親露派 40 名ほどが死亡したとの報道が。(DID 2014/5/27)
今日のニュースいろいろ
オーストラリア国防省は、オーストラリア国防軍 (ADF : Australian Defence Force) の医療要員 5 名と支援要員 4 名が Pacific Partnership 2014 の一環として、海上自衛隊の輸送艦「くにさき」に乗り組むと発表した。「くにさき」は 2014/5/29 に出航、2014/6/6-15 にかけてベトナムの Danang、2014/6/19-28 にかけてカンボジアの Sihanoukville、2015/7/4-14 にかけてフィリピンのTacloban を訪れる予定。(Australian DoD 2014/5/27)
米上院軍事委員会 (SASC : Senate Armed Services Committee) が FY2015 国防歳出法審議の過程で、RD-180 に代わるロケット エンジンの開発費として 1 億ドルを盛り込んだ。5 年間で 10 億ドルを投じることになる、との見方を示す専門家も。(SpaceWar 2014/5/26)
仏陸軍参謀総長の Bertrand Ract-Madoux 大将、仏海軍参謀総長の Bernard Rogel 大将、仏空軍参謀総長の Denis Mercier 大将、そして仏軍参謀総長の Pierre de Villiers 大将が揃って「政府がさらなる国防支出削減を行うのであれば、辞任する」と言い出した由。このほか、Jean-Yves Le Drian 国防相も Manuel Valls 首相に、国防予算のさらなる削減による軍や産業界への影響について、警告する書簡を送付したとの報道が。(Daily Telegraph 2014/5/23, DID 2014/5/27)
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産業・装備・調達
最近のニュースいろいろ
スペイン海軍 (Armada Espanola) は、財政的に調達可能になるまで F-35B×15-20 機の調達を先送りして、代わりに 7,030 万ユーロ (9,570 万ドル) を投じて現用中の EAV-8B を延命、2025 年以降まで運用可能にする。すでに減勢が始まっていて 4 機が退役済みだが、2014/5/23 になって急転直下、延命改修予算の割り当てが決まった次第。(ElConfidential 2014/5/28, IHS Jane's 360 2014/5/27)
Alenia Aermacchi Sp.A は、C-27J 用の FMS (Flight Management System) を担当するメーカーとして Esterline CMC Electronics の採用を決めた。対象となるのは、ワールドワイドの C-27J フリートと、カナダ向けに Team Spartan として提案している C-27J ベースの救難機 (FWSAR : Fixed-Wing Search and Rescue Replacement)。Team Spartan 向けについてはすでに、TacView Portable Mission Display と SureSight Enhanced Vision System の採用も決めている。(Forecast International 2014/5/26)
これまで SERCO Inc. が運用していた英海軍 (RN : Royal Navy) の Hawk T.1 練習機×14 機だが、736NAS (736th Naval Air Squadron, RNAS Culdrose) が引き継いだ。訓練用ではなく、艦船部隊向けに標的役などの任務を提供するための機体。(BBC 2014/5/27)
Textron Airland LLC の Bill Anderson 社長が「Scorpion 軽攻撃機はスイスに向いた機体。JAS39 Gripen より安価で、2,000 万ドルを下回る価格で提案できる。必要とされる任務の 90% は担当できる」と発言。(The Local 2014/5/27)
韓国は赤鮫 Hongsangeo ロケット推進魚雷の不具合解決作業を進めてきたが、その後に実施した 3 回目の試射が成功したのを受けて、DAPA (Defense Acquisition Program Administration) では量産の再開を決めた。駆逐艦に加えて、FFX バッチ III フリゲートへの搭載も見込まれる由。(DID 2014/5/28)
KAMD (Korea Air and Missile Defense) について韓国側と会談した米下院議員によると、韓国は SM-3 を調達する計画を有しておらず、検討もしていないとのこと。ターミナル要撃に使用する SM-6 があればよい、というのが韓国側の考えの模様。PAC-3 については調達計画を推進中で、2016-2020 年にかけて発注したい考え。(Forecast International 2014/5/27, DID 2014/5/28)
カナダ海軍 (RCAF : Royal Canadian Navy) の Halifax 級フリゲートを対象とする延命改修 (FELEX : Frigate Life Extension) において計画している水中戦システムの更新 (UWSU : Underwater Warfare Suite Upgrade) について、General Dynamics Canada、Ultra Electronics Maritime Systems、Raytheon Canada Ltd. の 3 社が合同チームを編成すると発表した。もともと同級のソナーを手掛けた General Dynamics Canada が主契約社としてシステムのとりまとめを、Ultra Electronics Maritime Systems が低周波アクティブ曳航ソナーを、Raytheon Canada がハルソナーを、それぞれ担当する図式。FELEX の RfP 発出はまだで、2015 年以降になる見込み。(DID 2014/5/27)
インドは、L-70 を代替する新型対空砲×428 基を総額 17 億ドルで調達する計画について、"Buy and Make (Indian)" に分類、発注先をインド企業、ないしはインド企業と海外企業のジョイント ベンチャーに限定した。RfI の送付先は Tata Power SED、L&T (Larsen & Toubro)、Punj Lloyd、Bharat Forge、OFB (Ordnance Factory Board)、Bharat Earth Movers。2007 年には Rheinmetall と OFB のコンビ、2009 年には Rosoboronexport しか提案がなく競争不成立に終わり、改めて仕切り直したもの。昼夜とも交戦可能で電子光学センサーを持つ 30mm 機関砲を要求している。(DefenseNews 2014/5/25)
Yuri Borisov 露国防副大臣が、「航空宇宙防衛軍 (VKO) について、2020 年までに 2 兆ルーブル (550 億ドル) を投じて装備近代化を進める」と発言。(DefenseNews 2014/5/25)
今日の米軍調達 (Contracts 2014/5/27)
ARMY
EADS North America Inc. (Herndon, VA) : UH-72A を対象とする兵站支援業務 (CLS : Contractor Logistic Support) について、増額ならびにオプション契約の行使分を $33,797,867 で。2016/6/30 まで。Army Contracting Command, Redstone Arsenal (Aviation), AL (W58RGZ-06-C-0194/P00795)
Nolin Rural Electric Cooperative (Elizabethtown, KY) : Fort Knox で実施する送電業務 (electrical distribution system services) の修正契約・1 年分を $10,412,675 で。2015/5/31 まで。Army Contracting Command, Fort Knox, KY (DABT23-01-C-0030/P00087)
CGI Federal Inc. (Fairfax, VA) : コンピュータ ネットワークの防禦と情報保全に関する延長修正契約を、$7,788,744 で。新しくコンペティションを実施して、発注が決まるまでの措置で、国防総省と NCR (National Capital Region) が対象。2014/11/29 まで。Army Contracting Command, Rock Island Arsenal, IL (W52P1J-13-F-3024/P00009)
AAI Corp. (Hunt Valley, MD) : UAV 用の Limited 1102 エンジンとブロック 3 推進システム用エンジンについて、騒音低減のための設計・検証作業に関する修正契約を $7,690,948 で。ミッション コンピュータのソフトウェア更新も実施。RQ-7B V2 の関連。2015/9/20 まで。Army Contracting Command, Redstone Arsenal (Aviation), AL (W58RGZ-13-C-0108/P00010)
NAVY
MN-FST Joint Venture (Norfolk, VA) : NAVFAC Atlantic の AOR (Area of Responsibility) にある海軍・海兵隊施設で実施するアーキテクト/エンジニアリング業務を $30,000,000 で。主として NAVFAC Mid-Atlantic Northeast と Hampton Roads で実施、2019/5 まで。まず Task order JN01 として、ケニアの Kiunga でボート ランプと浮き桟橋を備える防波堤の建設工事を $103,387 で、2016/11 まで。NAVFAC (Naval Facilities Engineering Command), Mid-Atlantic, Norfolk, VA (N40085-14-D-8113)
Teradyne Inc. (North Reading, MA) : Mk.41 VLS (Vertical Launch System) で使用する、回路基板アセンブリ試験用のハード/ソフトを $6,975,538 で。2018/5 まで。NSWC (Naval Surface Warfare Center), Dahlgren, VA (N00178-14-D-1001)
DLA (Defense Logistics Agency)
ICAD Inc. (Nashua, NH) : 放射線関連システム・サブシステム・コンポーネンツのオプション 4 契約分を $12,000,000 (価格修正条項付き) で。陸海空軍・海兵隊・その他民間部局向け、2015/5/26 まで。DLA (Defense Logistics Agency) Troop Support, Philadelphia, PA (SPM2D1-10-D-8332/P00101)
Digirad Corp. (Poway, CA) : 放射線関連システム・サブシステム・コンポーネンツのオプション 5 契約分を $10,923,649 (価格修正条項付き) で。陸海空軍・海兵隊・その他民間部局向け、2015/5/31 まで。DLA (Defense Logistics Agency) Troop Support, Philadelphia, PA (SPM2D1-09-D-8330/P00101)
AIR FORCE
LMSSC (Lockheed Martin Space Systems Co., Sunnyvale, CA) : AFOTEC (Air Force Operational Test and Evaluation Center) で実施する IOT&E (Initial Operational Test and Evaluation) のための模擬シナリオ作成作業について、修正契約を $7,400,000 で。SBIRS (Space-Based Infrared System) のブロック 20 を対象とする EMD (Engineering and Manufacturing Development) で使用するもの。2016/12/30 まで。SMC (Air Force Space and Missile Systems Center), Infrared Space Systems Contracts Division, El Segundo, CA (F04701-95-C-0017/P00788)
今日の報道発表 (北米編)
Harris Corp. は Fort Bliss で実施している NIE (Network Integration Evaluation) 14.2 において、移動中の現場部隊と上級司令部を接続するデモンストレーションを成功裏に実施した。使用した機材は AN/VRC-118 Falcon III MNVR (Mid-Tier Networking Vehicular Radio) 通信機、ウェーブフォームは JTRS WNW (Wideband Networking Waveform。これによって WIN-T (Warfighter Information Network-Tactical) を地球規模のネットワークに拡張できるとしている。同社は 2013 年 9 月に MNVR を 1 億 4,000 万ドルで受注、6 月からデリバリーを開始する予定。(Harris 2014/5/27)
Northrop Grumman Corp. は、F-22 や F-35 といった第五世代機が F-15・F-16・F/A-18 といった第四世代機との間で、既存のデータリンクを使って情報を共有するための飛行試験を実施した。"Jetpack 5th to 4th" なるプログラムの JCTD (Joint Capability Technology Demonstration) として、3 月末に Nellis AFB、4 月初頭に Edwards AFB で実施したもの。この件は、米国防長官官房 (OSD : Office of the Secretary of Defense) とその下の Defense Microelectronics Activity、米空軍航空戦闘軍団 (ACC : Air Combat Command)、米太平洋軍 (USPACOM : US Pacific Command) が後援している。また、デュアルバンド アンテナは Honeywell Aerospace (Phoenix, AZ) が担当した。(Northrop Grumman 2014/5/27)
Northrop Grumman Corp. は GDEB (General Dynamics Electric Boat) から、米海軍の次世代 SSBN (ORP : Ohio Replacement Program) で使用するタービン発電機の詳細設計・製作・組み立て・認証・納入に関する契約を受注した。この発電機で推進とその他の電力消費をすべてまかなう、との説明。Northrop Grumman の Marine Systems 部門も、ORP で使用するコンポーネントの受注を得ている。(Northrop Grumman 2014/5/27)
米陸軍は第 1 歩兵師団 (Fort Riley, KS) を皮切りに、M4A1 自動小銃の支給を開始する。銃身を肉厚にして新設計のドロップイン トリガを導入、セミオートとバーストら加えてオート モードでの射撃を可能にしたモデル。ただし、M4 の 7.46lb に対して、M4A1 は 7.74lb と少し重くなる (予備のアイアン サイト、前部ピストル グリップ、空の弾倉、スリングを含んだ数字)。50 万挺の M4 を M4A1 に改修するには、2019 年の末までかかる見込みとのこと。計画総経費は 1 億 2,000 万ドルを見込む。(US Army 2014/5/22)
General Dynamics Canada が、Colt Canada の SWORD (Soldier Weapon & Observer Reconnaissance Devices) システムに VMF (Variable Message Format) インターフェイスを組み込むことになった。SWORD は武器に取り付ける監視・照準デバイスで、スマートフォン用の技術を利用している。そこに VMF を組み込むことで、降車歩兵同士がデータをやりとりできるようになる、との説明。また、LCSS (Land Command Support System) のような上位組織向けの指揮統制システムと互換性を有する。(General Dynamics Canada 2014/5/26)
Textron Airland LLC は Scorpion 軽攻撃機について、2013 年 12 月の試験飛行開始以来、41 回・77 時間のフライトを実施した、と発表した。飛行領域も拡大され、速力はマッハ 0.76 (455KTAS) に達している。使用したチェイス機は Cessna Citation Sovereign+ ビジネスジェットで、こちらは 460KTAS まで出せる。なお、Scorpion は 2014/7/11-3 にかけて開催される RIAT (Royal International Air Tattoo) と、2014/7/14-20 にかけて開催される Farnborough International Air Show に登場する予定。(Textron 2014/5/23)
今日の報道発表 (その他編)
BAE Systems は英国防省から、第 3 世代 (Gen3 : 3rd Generation) ミサイル接近警報装置 (CMWS : Common Missile Warning System)×300 セット超を 2,800 万ドル (1,670 万ポンド) で受注した。DCS (Direct Commercial Sales) 案件で、WAH-64D Apache AH.1、Chinook、Lynx Wildcat、Merlin といった機体への装備を予定している。機種は「保安上の理由」から明らかにされていないが、固定翼機・1 機種にも搭載するとの話。これは、現用中の第二世代 CMWS を代替するための発注。なお、BAE Systems は米陸軍との間で第 3 世代 CMWS に関する 4 億 9,600 万ドルの契約を締結、第一陣として 3,900 万ドル分の受注を得ている。AH-64、OH-58、H-60 に装備するとのこと。(BAE Systems 2014/5/27, DefenseNews 2014/5/27)
英国防省は、英空軍 (RAF : Royal Air Force) 向け RC-135W River Joint の初号機が RAF Waddington の滑走路を飛び立つ模様を撮影した写真をリリースした。このフライトは、MAA (Military Aviation Authority) による暫定承認が降りたことで実現した (正式承認は年末の予定)。ベースになった機体の設計が古いため、一部の設計が現在の安全基準に適合せず、改めて承認プロセスが必要になった次第。RC-135W は、Airseeker 計画の下で 3 機の調達を予定している。米空軍中古の KC-135 を L-3 Communications Integrated Systems (Greenville, TX) で改修するもので、総額 6 億 5,000 万ポンド (11 億ドル) の FMS (Foreign Military Sales) 案件。2017 年半ばに FOC (Full Operational Capability) 達成予定。(MoD UK 2014/5/27, DefenseNews 2014/5/27)
英国防省は、24 時間レーション (24-hour ration pack) で使用するペッパーソース・Hot Diggidy Dog×75,000 本を、28,000 ポンドで発注した。このレーション、1 日あたり 4,000kcal の熱量を持ち、年間 160 万パックを調達している由。(MoD UK 2014/5/27)
ニュージーランドが 2014/5/21 に MBDA との間で、Sea Ceptor 艦対空ミサイルの発注契約を締結した。ANZAC フリゲートを対象とする FSU (Frigate Systems Upgrade) 計画のうち、個艦防空 (LAAD : Local Area Air Defence ) を担当するコンポーネントで、2013 年 10 月に採用を決めていたもの。Sea Ceptor にとっては初の輸出案件、契約額は非公開。HNNZS Te Kaha と HMNZS Te Mana はこのほか、指揮管制装置、センサー、自衛用電子戦装置の更新を実施する。(MBDA 2014/5/26, IHS Jane's 360 2014/5/26)
Young-Geol LEE 氏が率いる韓国・DAPA (Defense Acquisition and Procurement Agency) の代表団がポーランドを訪問、Tomasz Siemoniak 国防相との間で、産業面の協力について協議した。国防相は秋に訪韓を予定しており、それまでに専門家によるソリューションをまとめたいとの意向を示している。両国首脳は 2013 年に、戦略的パートナーシップに関する文書に調印済み。(Polish MoD 2014/5/26)
そのポーランドの国際問題研究所 (Polish Institute of International Affairs) が「韓国の防空・ミサイル防衛能力は、想定脅威レベルを下回る」との見解を示している。(Polish Institute of International Affairs 2014/5/26)
スウェーデン軍国防資材局 (FMV : Forsvarets Materielverk) によると、Thales に対して 2013 年夏に発注した車載通信ハブ・KomNod の Ver.1.0 がデリバリーされたとのこと。170 セットを受領、Patria AMV (Armored Modular Vehicle, Ptgb 360) と Bv410 水陸両用車に装備する。次のフェーズでは、Leopard 2 (Strv 122) 戦車、CV 90 歩兵戦闘車 (IFV : Infantry Fighting Vehicle)、そして水陸両用大隊の船艇に搭載する予定。(FMV 2014/5/26)
Cobham plc 傘下の Cobham Aviation Services は Fugro LADS Corporation Pty Ltd. から、オーストラリア海軍 (RAN : Royal Australian Navy) 向けの海洋観測業務契約を受注した。期間は 5 年間、ALB (Airborne Laser Bathymetry) を使用する。(Cobham 2014/5/26)
Snecma は、衛星用電気推進システムの分野で Thales Alenia Space と協業する、と発表した。2014/5/20 に合意文書に調印した由。(Safran 2014/5/27)
Rosoboronexport が、第 7 回目となる International Exhibition of Helicopter Industry HeliRussia - 2014 展示会の席上で、Mi-28NE 攻撃ヘリの対外輸出が可能になった、と発表した。その Mi-28NE に加えて、Mi-171Sh、Mi-35M、Ka-31、Ka-52 の出展も実施。(Rostec 2014/5/22)
Ukroboronprom は、カザフスタンで開催された KADEX-2014 展示会に、BTR-3E1 装甲兵員輸送車 (APC : Armoured Personnel Carrier) のアップグレード型を出展した。登場したのは、TV カメラを使って照準する BM-3M Shturm 砲塔を搭載したモデル。前モデルからの主要変更点として、エンジンをドイツの Mercedes、変速機をアメリカの Allison 製品とした点が挙げられている。なお、すでに某海外カスタマーに 205 両をデリバリーしたとの説明が。(Ukroboronprom 2014/5/23)
今日の報道発表
Thales は、ブラジル陸軍が 36 機のアップグレード改修を計画している AS550A2 (HA-1) Esquilo/Fennec ヘリについて、電子式スタンバイ計器 (IESI : Integrated Electronic Stand-by Instrument) を供給する、と発表した。改修担当はHelibras (Helicopteros do Brasil S.A.) で、まず 2014 年に 6 機を改修、2018 年に全機の導入改修を終える見込みとなっている。この IESI は単一の LRU (Line Replaceable Unit) で水平状況・高度・速度の表示を受け持つもので、すでに Sikorsky S-76D で導入実績がある製品。Airbus Helicopters でも、Ecureuil ファミリー、EC135、EC145、EC155、EC175、AS365 K2 Super Pantera などの機体で採用を決めている。低空・低速・急旋回に対応可能で、電磁波干渉や振動などに強いとの説明。(Thales 2014/5/26)
英海軍 (RN : Royal Navy) の航空隊 (FAA : Fleet Air Arm) では RNAS (Royal Naval Air Station) Yeovilton で LWMF (Lynx Wildcat Maritime Force) の編成を進めている。2014/8/1 の時点で、Lynx を装備する 815NAS (Naval Air Squadron) と Lynx Wildcat HMA.2 を装備する 825NAS の 2 個飛行隊が出揃う。815NAS は高即応度の対テロ部隊 (Very High Readiness for Maritime Counter Terrorism) として運用しつつ、2015 年から機種転換を開始する。一方の 825NAS は、4 隻の水上戦闘艦に飛行班を派遣できる体制とする。現用中の Lynx HMA.8 が退役して機種転換が完了する 2017/3/31 をもって、LWMF は Maritime Wildcat Force と改称する。(Royal Navy 2014/5/23)
MBDA Deutschland GmbH と Roketsan が ILA Berlin 2014 展示会の席上、70mm 径の誘導兵器について協業する、という内容の MoU に調印した。独陸軍の EC665 Tiger UHT (Unterstutzungshubschrauber Tiger) 搭載用として、70mm ロケット弾をベースとする誘導兵器を開発するために商取引・技術関連の情報を共有しようというもの。
(MBDA 2014/5/23)
Nexter は、デンマークの TenCate Advanced Armour から軽量型の複合材料製装甲を調達すると発表、デンマーク産業界への貢献をアピールした。さらに、フランスの Francois Zimeray 駐デンマーク大使が、Vissenbjerg にある TenCate Advanced Armour の工場を訪れた由。(Nexter 2014/5/20)
Rheinmetall AG は、防衛部門 (Combat Systems Division) の組織改編について発票下。現在は、電子機器・センサー・シミュレーションを手掛ける Electronics Solutions と装輪車両を手掛ける Wheeled Vehicles の二本立てだが、これを以下の部門に再編した。
Integrated Systems
Combat Platforms (Rheinmetall Landsysteme GmbH や PSM GmbH を傘下に置き、戦闘車両を手掛ける)
Weapon & Munition (以前は RWM GmbH、RWM Zaugg AG、RWM Arges GmbH を傘下に置いていた。新体制では、RWM Schweiz AG (スイス)、ARM Inc. (アメリカ)、Rheinmetall Denel Munition (Pty) Ltd (南ア)、Rheinmetall Laingsdale (Pty) Ltd (南ア)、RWM Italia, S.p.A (イタリア) を傘下に置く)
Propulsion Systems (Nitrochemie AG、NC Aschau GmbH、NC Wimmis AG を傘下に置く)
Protection Systems (RWM GmbH、Rheinmetall Chempro GmbH、ADS-Gesellschaft fur aktive Schutzsysteme mbH、Rheinmetall Ballistic Protection GmbH、Rheinmetall Protection Systems Nederland B.V. を傘下に置く)
(Rheinmetall 2014/5/26)
Fincantieri Sp.A が受注しているイラク海軍向けコルベット×2 隻 (Musa Bin Nasir, Tariq Bin Ziyad) に、OTO Melara Sp.A 製の 76mm 艦載砲・76/62 Super Rapid が搭載された。(OTO Melara 2014/5/23)
Russian Helicopters JSC 傘下の Kazan Helicopters が、Mi-8/17 シリーズの通算 7,500 号機を完成させた。7.500 機目にあたるのは軍用輸送型の Mi-8MTV-5 で、露空軍向け。Kazan Helicopters が手掛ける現行のラインナップは以下の通り。
Mi-8MTV-1 (輸出型は Mi-171V) : 医療用を初めとする多用途型
Mi-8MTV-5 (輸出型は Mi-17V-5) : 軍用輸送型で、救難型や武装型もあり
Mi-172 : 旅客型と VIP 輸送型
(Russian Helicopters 2014/5/23)
Russian Helicopters JSC は、国防省が保有していた以下の航空機修理工場を取得、サービス/補修拠点を増強した。
No.12 (Khabarovsk)
No.150 (Svetly, Kaliningrad Region)
No.356 (Engels, Saratov Region)
No.419 (St. Petersburg)
No.418 (Chita)
2013 年 10 月から 2014 年 3 月にかけて移管を実施したとのこと。(Russian Helicopters 2014/5/23)
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人事・組織
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戦争・紛争
最近のニュースいろいろ
ウクライナ政府は 2014/5/27 に、「数日間にわたる航空攻撃と銃撃戦を経て、Donetsk の空港を親露派武装勢力から奪還した」と発表。そのウクライナに対して Vladimir Putin 露大統領は、親露派武装勢力との交戦を止めるよう求めている。(SpaceWar 2014/5/27)
Barack Obama 米大統領が 2014/5/27 に、アフガニスタン派遣部隊の規模を、2015 年以降、現行の 32,000 名から 9,800 名に縮小する」と発表した。ただし、その大半は 2016 年いっぱいで撤収するとの説明。戦闘任務は 2014 年いっぱいで終了して、2015 年以降はアフガニスタン軍の訓練と対テロ作戦の支援に専念することになっている。後者はアルカイダが対象だとしているが、タリバンの扱いについては不明。アフガニスタンの Hamid Karzai 大統領は、この発表を歓迎するとともに「良い機会である」としてタリバンに和平を呼びかける発言を行った。(DefenseNews 2014/5/27-28, AFPS 2014/5/27)
4 月に辞任した Abdullah al-Thani 氏に代わってリビア新首相に就任した、実業界出身の Ahmed Miitig 氏 (42) の自宅が、2014/5/27 に襲撃される事件が発生。さら、「リビアはテロリストの結節点になっている」と発言した元将官が、イスラム聖戦主義者組織・Ansar al-Sharia の標的にされる事態に。こうした状況を受けてアメリカ政府は、大使館から人員を救出する事態に備えてリビア沖に海兵隊 1,000 名を載せた揚陸艦 USS Bataan (LHD-5) を展開させるよう指令した。(DefenseNews 2014/5/27)
The New York Times 紙が「リビアで反政府武装勢力が政府軍の基地を襲撃した際に、アメリカ製の M4 カービンや Glock 製拳銃などを分捕った」と報じた。これは、アメリカがリビア、ニジェール、マリ、モーリタニアで隠密裏に地元の軍を訓練していた件と関係するものだとしている。このプログラムはアルカイダ関連組織への対処が目的で、国防総省が数百万ドルを支出したとの話。しかし、特にリビアにおいては 2013 年 8 月に反政府武装勢力が政府軍の施設を襲撃するようになって頓挫、新たに安全な訓練場所を探している状況。マリでもプログラムの立ち上げは進んでいない。(DefenseNews 2014/5/27)
HRW (Human Rights Watch) は 2014/5/27 に「イラク軍が Fallujah で、武装勢力に対して "樽爆弾" を使用、負傷者が病院に担ぎ込まれた」と発表した。当のイラク政府は、この申し立てを否定している。(SpaceWar 2014/5/27)
シリアの反政府勢力・Syrian Revolutionaries Union が「Hama と Idlib で、反政府勢力が押さえている街に対して政府軍が塩素ガスで攻撃を仕掛けた」と主張。Hama の Kafr Zita では 2014/5/22 に、塩素ガスを入れた「樽爆弾」が投下されたとしているほか、Idlib では「塩素ガスによる負傷者」が治療を受けている映像が出回った。ただし、シリア人権監視委員会 (Syrian Observatory for Human Rights) を初めとする独立ソースからの確認は得られていない。(SpaceWar 2014/5/23)
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こぼれ話
なんか違う (RAF 2014/5/22)
英空軍 (RAF : Royal Air Force) は、"D-Day" から 70 周年を迎えたのを記念して、RAF Coningsby でインベージョン ストライプを塗装した Typhoon (S/N ZK308, TP◎V) をお披露目した。
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AFPS : American Forces Press Service
JDW : Jane's Defence Weekly
DID : Defence Industry Daily
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