今週の軍事関連ニュース (2014/05/27)
　

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一般ニュース

今日のニュースいろいろ
  • 先に米連邦大陪審が、中国人民解放軍 (PLA : People's Liberation Army) の関係者 5 名をサイバー攻撃による情報窃取などの罪で告発したが、米軍は中国との軍事交流を継続する方向。米海軍作戦総長の Jonathan Greenert 大将は予定通りに訪中することになっているほか、RIMPAC (Rim of the Pacific) 演習への中国艦の参加も見込まれる。ただ、人民日報は「中国は米国防総省との Cyber Working Group への参加を中止する」と報道、米国防総省の John Kirby 報道官は「残念なこと」とコメント。なお、解放軍の Fang Fenghui 参謀総長が訪米して米統合参謀本部議長の Martin Dempsey 大将と共同会見を行った際には、サイバー関連の話は出なかった。(DefenseNews 2014/5/25)
  • 米国防総省は 2014/5/24 に、タイで発生したクーデターを受けて、タイ軍との合同演習中止を発表した。また、6 月に予定していた Harry Harris 太平洋艦隊司令官のタイ訪問も中止になった。(DefenseNews 2014/5/25)
  • IAEA (International Atomic Energy Agency) の天野事務総長は、イランが提出した核開発計画関連文書の中に、核兵器の起爆にも使用できる EBW (Explosive Bridge Wire) に関する言及があったことを明らかにした。EBW の民生向け応用について試験を実施したという内容だが、核兵器につながる要素についてイランが言及したのは今回が初めてのこと。(SpaceWar 2014/5/23)

今日のニュースいろいろ
  • フランスが、露海軍向け Mistral 級揚陸艦の 2 番艦・RFS Sevastopol について、代わりの引き取り手探しを含めて、ロシアへの引き渡しを回避する方策を模索しているとの報道が。転売先候補のひとつとして、ブラジルの名前が挙げられている。(DefenseNews 2014/5/23)
  • チェコの Martin Stropnicky 国防相が 2014/5/20 に Caslav AB を訪問した際に、NATO から、アイスランドへの JAS39 Gripen の派遣期間延長の要請を受けていることを明らかにした。予定の派遣期間は 4 週間だが、それより長くしてもらいたいという趣旨。これについてチェコ国防省の Jan Pejsek 報道官は「問題ない」と説明している。(Prague Post 2014/5/21)
  • 米国防総省は議会に、「米陸軍と米特殊作戦軍団 (USSOCOM : US Special Operations Command) が、陸軍の特殊作戦用航空機の搭乗員に関する性別制限を撤回して、女性にも開放する計画である」と通告した。対象となるポジションは約 1,300 (特技番号 : 15B, 15D, 15F, 15G, 15H, 15J, 15K, 15N, 15P, 15Z, 25A, 25B, 25U, 27D, 29E, 35D, 35F, 35G, 35L, 35N, 35X, 36A, 36B, 42A, 42B, 42H, 56A, 56M, 61N, 65D, 68W, 74A, 74D, 88N, 89B, 90A, 91B, 91C, 91D, 91E, 91J, 91X, 92A, 92F, 92R, 92Y, 94E, 94R, 94W, 151A, 255A, 350F, 351L, 915A, 920A, 948B)。(US Army 2014/5/23)
  • Bureau of Investigative Journalism なるジャーナリストの団体が「David Cameron 政権時代の 2010 年 12 月に 1 億 3,500 万ポンドで緊急調達した MQ-9 Reaper×5 機が、アフガニスタンからの撤収が目前となった現在に至っても、まだ飛行任務に就いていない」と発表した。(Bureau of Investigative Journalism 2014/5/22)
  • 米国防総省は、ヨーロッパにある合計 21 の施設について、ホスト国に返還すると発表した。内訳は以下の通り。
    • U.S. Army Garrison Bavaria (独)
      • Garmisch ゴルフコース (Garmisch, Germany)
      • Breitenau スキート射場 (Garmisch, Germany)
      • General Abrams ホテルなど (Garmisch, Germany)
      • Frechetsfeld 通信施設 (Grafenwoehr, Germany)
    • U.S. Army Garrison Wiesbaden (独)
      • Wiesbaden レクリエーション センター (Wiesbaden, Germany)
      • Fintherlandstrasse 住宅施設 (Wiesbaden, Germany)
      • Kastel 住宅施設 (Mainz-Kastel, Germany, 2016 年返還予定)
    • U.S. Army Garrison Rheinland-Pfalz (独)
      • AFN (American Forces Network) AM 施設×3 ヶ所 : Heidelberg AFN 中継局、Sambach AFN 施設、Weisskirchen AFN 送信局
      • Hill 365 通信中継施設
      • Sembach の施設 3 ヶ所 (Enkenbach Water System Annex #1, Neukirchen Water System Annex #1, Niedermehlingerhof Water System Annex #1)
    • Giessen の The Giessen General Depot (独)
    • Spangdahlem Air Base の Siegenburg Range (独)
    • U.S. Army Garrison Vicenza の Tirrenia Recreation Site (伊)
    • Navy South Bagnoli - Naples の旧 NATO 司令部施設 (伊)
    • NATO HQ Air Force South, Nisida Island - Naples (伊)
    • Port Customs Office, Catania - Sigonella (伊)
    • Karup Air Base の弾薬庫と飛行場施設 (デンマーク)
    • National Support Element Larissa の支援施設 (希)
    • RAF Mildenhall の弾薬庫 (英)
    • RAF Feltwell の住宅施設 15 ユニット (英)
    • U.S. Army Garrison Benelux (白)
      • Daumerie Caserne (2015 年に返還)
    これで年間 6,000 万ドルの経費節減になるとのこと。(DoD 2014/5/23)

今日のニュースいろいろ
  • JHU (Johns Hopkins University) の US-Korea Institute が 2014/5/20 に、北朝鮮の東倉里 Tongchang-ri にある Sohae Satellite Launching Station を 2014/5/10 に撮影した衛星写真に基づいて「新施設の建設が進められており、これは移動式 ICBM (Intercontinental Ballistic Missile)・KN-08 関連の訓練や試射に用いられる可能性がある」と発表した。(SpaceWar 2014/5/21)
  • 北朝鮮が 2014/5/22 に、黄海・延坪島の近海で韓国艦に発砲、艦の近くに着弾したとのこと。島の住民には避難勧告が出された。(SpaceWar 2014/5/22)
  • NATO の Anders Fogh Rasmussen 事務総長が 2014/5/22 に、一部のロシア軍がウクライナとの国境地帯から撤収を開始したことを明らかにした。そして「撤収準備を進めていることを示唆するものかも知れない。まだ言及するには時期尚早だが、全面的かつ本物の撤収になることを希望する」とコメント。ウクライナ方面に展開しているロシア軍は、NATO の見積もりだと 40,000 名。Vladimir Putin 露大統領が 2014/5/19 に「撤収を指示した」と発表していた。(DefenseNews 2014/5/22)
  • 2014/6/3 にインドの Rajasthan で実施する演習 "Garuda-5" に、仏空軍の Rafale×4 機と C-135FR 給油機×1 機が参加する。印空軍からは Su-30MKI、MiG-27、MiG-21 が参加する。印空軍関係者によると、機体のパフォーマンスを試すものではないが、フランス機の能力を明らかにすることになるだろうとしている。(DefenseNews 2014/5/22)
  • USS Vella Gulf (CG-72) は 2014/5/23 に黒海入りするとのこと。(US Navy 2014/5/22)
  • 米空軍の B-1B×2 機が 2014/5/13-14 にかけて、Ellsworth AFB から Guam 近隣の射場までノンストップで往復する、30 時間あまりの長距離精密攻撃訓練ミッションを実施した。米戦略軍 (USSTRATCOM : US Strategic Command)、米太平洋軍 (USPACOM : US Pacific Command)、米空軍航空戦闘軍団 (ACC : Air Combat Command) が共同で実施したもので、飛行距離は 13,200 マイル。(USAF 2014/5/22)
  • オーストラリア国防省は、イギリス・ニュージーランド・マレーシア・シンガポールとの合同演習 "Bersama Shield 2014" に 500 名を派遣する、と発表した。これは FPDA (Five Power Defence Arrangements) の演習で、友好関係の強化や相互運用性の検証といった目的を掲げて実施しているもの。(Australian DoD 2014/5/22)
  • シンガポール空軍 (RSAF : Republic of Singapore Air Force) の F-16C/D×9 機と人員 100 名ほどが、2014/5/8-23 にかけて Eielson AFB で実施している演習 "Red Flag Alaska" に参加中。本国からではなく、アリゾナの Peace Carvin II Detachment からの派出。米空軍からは F-22A・F-15・F-16・E-3 など 67 機が参加している。(Singapore MoD 2014/5/21)
  • フィンランド外務省は、2014/5/21 にロシア機×2 機がフィンランド湾で自国の領空を侵犯したとして、ロシア当局に抗議した。(YLE Finnish Broadcasting Corp. 2014/5/22)
  • リトアニア国防省は 2014/5/22 に、Vilnius にある LITEXPO (Lithuanian Exposition and Congress Centre) で、フランスとバルト三国の防衛関連企業を対象とする、初の国際会議を開催した。(Lithuanian MoD 2014/5/21)

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産業・装備・調達

最近のニュースいろいろ
  • 米空軍 SMC (Air Force Space and Missile Systems Center) のボス・David Madden 氏によると、SMC では商用通信衛星で使用するための新しいウェーブフォーム・PTW (Protected Tactical Waveform) の開発を進めており、すでに WGS (Wideband Global Satcom) によるテストを実施、耐妨害性を立証できたとのこと。(DefenseNews 2014/5/24)
  • National Space Symposium の基調講演を担当した米空軍宇宙軍団 (AFSPC : Air Force Space Command) 司令官・William Shelton 大将によると「米空軍は 23,000 このスペースデブリを追跡しているが、それ以外にサイズ 1〜10cm 程度で追跡できていないデブリが 50 万個ほどある」として、SSA (Space Situation Awareness) の重要性を指摘。また、他国が米軍の衛星を機能不全に陥らせる事態にも言及、「もしも国際社会がこの手の武器を非難するために集まらなければ、数年にわたって低高度軌道を使えなくなるリスクに直面する」と指摘した。(DefenseNews 2014/5/24)
  • 先に米特殊作戦軍団 (USSOCOM : US Special Operations Command) 向けの特殊作戦艇・CCM (Combatant Craft Medium) Mk.1 を受注している Oregon Iron Works が、Vigor Industrial との間で合併に合意した。(DID 2014/5/23)
  • 米海軍が構想を立ち上げた小型水上戦闘艦 (SSC : Small Surface Combatant) について、Lockheed Martin Corp. と Austal USA は沿岸戦闘艦 (LCS : Littoral Combat Ship) の派生型、HII (Huntington Ingalls Industries Inc.) は NSC (National Security Cutter) の派生型フリゲートを提示、さらに GDBIW (General Dynamics Bath Iron Works) も提案を実施しているが、その詳細は不明。これは、新設計の艦を開発している時間がないという軍側の考えを反映した動き。戦闘システムは別枠で、こちらは Lockheed Martin、Raytheon Co.、GDAIS (General Dynamics Advanced Information Systems) が競合。(DefenseNews 2014/5/23)
  • パキスタン空軍がヨルダン空軍 (RJAF : Royal Jordanian Air Force) から購入した中古 F-16×13 機が出揃い、No.19 Sqn. (Mushaf AB) に配備された。これでパキスタン空軍の F-16 は総数 79 機に。(DID 2014/5/23)
  • スウェーデン政府は、スイスの国民投票で JAS39E Gripen E の調達予算支出が否決されたものの、「すでに引き返せないところまで来ている」として、同機の計画を続行する構え。2012 年の合意では「費用分担と輸出が可能な海外パートナーが見つからなければ、JAS39 Gripen E の開発は中止する」としていたが、すでに 3 億ドルあまりの資金を投下していることもあり、継続する考えを示したもの。(DefenseNews 2014/5/22)
  • HAL (Hindustan Aeronautics Ltd.) が開発を進めている HJT-36 Sitara ジェット練習機が 8 年ものスケジュール遅延に見舞われていることから、印空軍では Yakovlev、Alenia Aermacchi Sp.A、KAI (Korea Aerospace Industries)、Boeing Co.、Northrop Grumman Corp.、Beechcraft Corp.、Saab AB の各社に対して 5 月初頭に、ジェット練習機調達に関する RfI を発出した。10 機・20 機・30 機・50 機のバッチで調達したときの価格情報提示を求めている。2015 年までに退役させたいとしている Kiran Mk.1 ならびに Mk.22 の代替用。(DefenseNews 2014/5/22)
  • F-35 の調達機数削減が取り沙汰されているイタリアだが、イタリア空軍 (AMI : Aeronautica Militare Italiana) のトップ・Pasquale Preziosa 大将が 2014/5/13 に「Finmeccanica Sp.A と Lockheed Martin Corp. が、F-35 向けにネットワーク戦のシステムを共同開発する」と発言。「イタリア政府が後押ししている」「イタリアが費用を負担する」「夏の Farnborough International Airshow までには追加の情報が出てくる」と、さまざまな情報が錯綜中。(DefenseNews 2014/5/22)
  • アフガニスタン軍向けの TM&LS (Textron Marine and Land Systems) 製 Commando 装甲車×634 両のうち、最終グループが現地に向けて搬入中。M1117 ASV (Armored Security Vehicle) の派生型で、40mm 擲弾発射機と 12.7mm 機関銃を装備、MSF (Mobile Strike Force) で運用する。MSF は 2 個兵団 (Kandak, 大隊規模) と特殊作戦部隊で構成する緊急即応部隊。(DefenseNews 2014/5/22)
  • Textron AirLand LLC (Textron Inc. と AirLand Enterprises LLC のジョイント ベンチャー) が製作した Scorpion 軽攻撃機は、改修のために飛行試験を中断しているが、今夏には Farnborough International Airshow に参加するために渡英するとのこと。スケジュールを見直して参加を決めたとの話。(The Wichita Eagle 2014/5/20)
  • Rosoboronexport のボス・Vladimir Kuzmichev 氏が 2014/5/21 に HeliRussia 2014 展示会の席で「ウクライナの Motor Sich が共同プロジェクトから抜けても、St. Petersburg にある Klimov OJSC の工場で代わりのエンジンを製作できる」と発言。(RIA Novosti 2014/5/21)
  • David Johnston 豪国防相が The Weekend West 誌の取材に対して「高価な上に航続距離が短くなるが、オーストラリアは依然として F-35B の調達を検討中」と発言。(DID 2014/5/21)
  • Remington Defense が SOFIC (Special Operations Forces Industry Conference) で、新型のボルトアクション式小銃・CSR (Concealable Sniper Rifle) の写真展示を実施。3 日用のアサルト パックより少し大きいぐらいのサイズで、重量は 8lb を下回る。専用工具がなくても組み立てが可能だが、弾道調整にはトルクレンチが必要とのこと。TSWG (Technical Support Working Group) が発出した BAA (Broad Agency Announcement) を受けて登場した最初の製品となる。(DefenseNews 2014/5/19)

今日の米軍調達 (Contracts 2014/5/23)
ARMY
  • Lockheed Martin Corp. (Orlando, FL) : NCR (National Cyber Range) の運用・能力維持作業を $14,220,326 で。2019/5/25 まで。PEO STRI (Army Program Executive Office Simulation, Training and Instrumentation), Orlando, FL (W900KK-14-C-0020)
NAVY
  • Lockheed Martin Integrated Systems (Bethesda, MD) : Submarine Warfare Federated Tactical Systems 向けのシステム エンジニアリングとインテグレーション作業について、修正契約を $23,649,192 で。潜水艦の電子インターフェイス データベースについて、要求分析、試験・検証、構成管理などを担当。2015/1 まで。NAVSEA (Naval Sea Systems Command), Washington Navy Yard, Washington DC (N00024-06-C-6272)

今日の報道発表
  • ULA (United Launch Alliance) が 2014/5/22 に、NRO (National Reconnaissance Office) 向けの衛星打ち上げミッション・NROL-33 を実施した。場所は Cape Canaveral AFS (Air Force Station) の SLC-41 (Space Launch Complex-41)、使用したのは Atlas V 401 EELV (Evolved Expendable Launch Vehicle)。これを含めて、ULA は過去 7 週間の間に合計 4 回の打ち上げを実施した。次に予定しているのは NASA (National Aeronautics and Space Administration) 向けの OCO-2 ミッションで、Vandenberg AFB の SLC-2 から Delta II で打ち上げる予定。(ULA 2014/5/22, SpaceWar 2014/5/22)
  • Kongsberg Gruppen は 2014/5/21 と 2014/5/23 にそれぞれ、米陸軍からの CROWS (Common Remotely Operated Weapon Station) に関する契約受注について発表した。前者が 2 億 2,000 万クローネで、納入済みの製品を対象とする補修・RESET を行うもの。後者が 2 億 9,500 万クローネで、追加受注分。(Kongsberg Gruppen 2014/5/23)
  • 2014/5/19 からノルウェーの Orland Air Station で、UV14 (Unified Vision 2014) なるトライアルがスタートした。NATO 加盟 18 ヶ国から 2,000 名あまりが参加、10 日間の日程を予定。これは、収集したデータを指揮管制システムで融合して指揮官に提示するための、陸・海・空・宇宙にまたがる最新の ISR (Intelligence, Surveillance and Reconnaissance) 手順を試すイベント。(NATO 2014/5/19)
  • ノルウェー政府が 2014/5/19 に議会に提出した修正予算案の中で、夏までに JSM (Joint Strike Missile) の開発提案を提出する、との内容が盛り込まれた。これは F-35 向けにステージ III 開発を実施するというもの。ステージ I・ステージ II についてはノルウェー軍国防兵站機構 (FLO : Forvarets Logistikk Organisajon) から受注、さらにステージ III に向けたブリッジ契約も実現済み。(Kongsberg Gruppen 2014/5/22)
  • Acapulco で開催された Humanitarian Aid and Natural Disaster Relief Meeting に出席したメキシコの Enrique Pena Nieto 大統領が、メキシコに飛来している A400M 輸送機を視察した。(Airbus Military 2014/5/23)
  • Boeing Co. は印海軍に P-8I の 4 号機をデリバリー、2014/5/21 に Boeing Field (Seattle, WA) を出発して Naval Air Station Rajali に向かった。インド向けの独自仕様を反映させるだけでなく、インド製のサブシステムも採用しているとの説明。(Boeing 2014/5/23)
  • ThalesRaytheonSystems Co., LLC が、カザフスタン空軍向けの GM400 (Ground Master 400) レーダー納入に関する MoU に調印した。Thales と SKTB Granit が 2012 年に設立したジョイント ベンチャー・Granit Thales Electronics が、カザフスタン空軍向けに GM400 レーダーの開発を担当するというもの。2013 年に発注した GM400 のうち初号機はすでに到着、KADEX 展示会で展示されている。(Thales 2014/5/23)
  • Airbus Helicopters は NSPA (NATO Support Agency) との間で、ドイツ連邦警察航空隊 (Bundespolizei Fliegergruppe) の EC135 フリートを対象とする長期 MRO (Maintenance, Repair and Overhaul) 契約を締結した。対象となるのは EC135 T2i×41 機で、最初の機体は 5 月末に Kassel-Calden の事業所に到着する予定。(Airbus Helicopters 2014/5/23)
  • Northrop Grumman Corp. 傘下の Park Air Systems がインドの AAI (Airports Authority of India) から、航空交通管制 (ATM : Air Traffic Management) 用の VoIP (Voice over Internet Protocol) プロトコル ED-137 に対応する通信機材×500 組 (1,000 基) を受注した。Park Air T6 送受信機、Park Air S4 遠隔制御ユニット、フィルタ、マルチカプラ、アンテナといった内容。(Northrop Grumman 2014/5/23)

今日の米軍調達 (Contracts 2014/5/22)
ARMY
  • Archer Western Aviation Partners (Chicago, IL) : McConnell AFB で実施する施設建設工事を $143,727,000 で。内訳は以下の通り。
    • 3 ベイの整備用格納庫
    • 2 ベイの腐食管理/燃料セル格納庫
    • 汎用格納庫
    • 駐機場
    2017/3/6 まで。Army Corps of Engineers, Kansas City, MO (W912DQ-14-C-4006)
  • KDA (Kongsberg Defense & Aerospace AS, Kongsberg, Norway) : M153 CROWS (Common Remotely Operated Weapon Station) に関する修正契約を $49,683,100 で。2017/8/16 まで。Army Contracting Command, Picatinny Arsenal, New NJ (W15QKN-12-C-0103/P00099)
  • GDOTS (General Dynamics Ordnance and Tactical Systems Inc., St. Petersburg, FL) : 訓練用 120mm 戦車砲弾 M865 に関する修正契約を $37,645,020 で。2016/5/31 まで。Army Contracting Command, Rock Island, IL (W52P1J-12-C-0026/P00011)
  • Alliant Techsystems Operations LLC (Plymouth, MN) : 訓練用 120mm 戦車砲弾 M865 に関する修正契約を $31,643,010 で。2016/1/31 まで。Army Contracting Command, Rock Island Arsenal, Rock Island, IL (W52P1J-12-C-0027/P00017)
  • Ernst & Young LLP (Washington DC) : 財務管理・監査業務担当次官向けの各種業務を $21,786,077 で。2017/7/9 まで。Army Contracting Command, Aberdeen, MD (W91CRB-14-F-0013)
  • Okland /Geneva Joint Venture (Salt Lake City, UT) : Cannon AFB で実施する訓練施設建設工事を $19,481,987 で。2016/8/8 まで。Army Corps of Engineers, Albuquerque, NM Mexico (W912PP-14-C-0014)
  • Bowers + Kubota Consulting (Waipahu, HI) : Army Pacific Regional Medical Command を対象とする管理・技術支援業務を $9,800,000 で。2019/5/22 まで。Army Corps of Engineers, Huntsville, AL (W912DY-14-D-0049)
  • Information Management Resources Inc. (Aliso Viejo, CA) : 米陸軍工兵隊 (USACE : US Army Corps of Engineers) の Engineer Research and Development Center Environmental Laboratory (Vicksburg, MS) を対象とする、O&M (Operation and Management) 分野の財務・管理・兵站・技術サービス業務を $8,500,000 で。2019/5/12 まで。Army Corps of Engineers, Vicksburg, MS (W912HZ-14-D-0004)
NAVY
  • Raytheon Co. (Tucson, AZ) : Mk.15 Phalanx CIWS (Close-In Weapon System) のアップグレードならびに改修作業について、修正契約を $115,545,116 で。2017/9 まで。NAVSEA (Naval Sea Systems Command), Washington Navy Yard, Washington DC (N0024-13-C-5406)
  • 以下の各社は、対テロ戦・対反乱戦・フォース プロテクションに関わる生体認証について、研究開発、調査、分析、試験/評価などのサポート業務を、総額 $33,133,000 で。
    • American Systems Corp. (Chantilly, VA) : N65236-14-D-4986
    • Booz Allen Hamilton Inc. (McLean, VA) : N65236-14-D-4987
    • Honeywell Technology Solutions Inc. (Columbia, MD) : N65236-14-D-4988
    • Ideal Innovations Inc. (Arlington, VA) : N65236-14-D-4989
    • SAIC (Science Applications International Corp., McLean, VA) : N65236-14-D-4990
    • Scientific Research Corp. (Atlanta, GA) : N65236-14-D-4991
    2015/5 まで。オプション契約分まで含めた総額は $99,400,000、2017/5 まで。SSC (Space and Naval Warfare Systems Center) Atlantic, Charleston, SC
  • Boeing Co. (Seattle, WA) : C-40A の維持に関わるエンジニアリング サービス業務を $21,985,964 で。プロジェクト管理、テクニカル サービス、エンジニアリング サービスを担当。2019/1 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD (N00019-14-D-0002)
  • United States Technologies Inc. (Fair Lawn, NJ) : Airborne Threat Simulation Organization 向けの妨害装置や脅威シミュレータを対象とする、開発・インテグレーション・運用支援に関わる、ハードの調達・改修を $19,122,236 で。2019/5 まで。NAWC-WD (Naval Air Warfare Center Weapons Division), China Lake, CA (N68936-14-D-0020)
  • Ultra Electronics Ocean Systems Inc. (Braintree, MA) : Torpedo Countermeasures Program で使用するパーツの製作を $19,045,850 で。2017/5 まで。NAVSUP Weapon Systems Support, Mechanicsburg, PA (N00104-14-D-K072)
  • Boeing Co. (St. Louis, MO) : F/A-18E/F の PBL (Performance Based Logistics) を $9,836,818 で。スペアパーツと補修用パーツのサプライチェーン管理業務を担当、2015/12 まで。NAVSUP Weapon Systems Support, Philadelphia, PA (N00383-06-D-001J-0014)
  • Oceaneering International Inc. (Hanover, MD) : AMD (Advanced Mooring System) のフェーズ III 開発作業を $8,941,224 で。Mooring Module Demonstrator System×6 セットを製作して領収試験に供する。2015/9 まで。ONR (Office of Naval Research), Arlington, VA (N00014-11-D-0327/#0004)
  • AAR Airlift Group Inc. (Palm Bay, FL) : ヘリコプターを使用する、艦上・陸上での兵站支援、救難、医療空輸、人員輸送などを $6,922,160 で。海軍航空部隊向けで第 5 艦隊・第 7 艦隊の AOR (Areas of Responsibility) で作業を実施。2015/9 まで。オプション契約服を含めた総額は $34,370,323、2019/9 まで。MSC (Military Sealift Command), Washington DC (N00033-14-C-8013)
DLA (Defense Logistics Agency)
  • FN Manufacturing LLC (Columbia, SC) : 機関銃の銃身を $18,268,158 で。陸軍向け、2017/5/21 まで。DLA (Defense Logistics Agency) Land and Maritime, Columbus, OH (SPE7LX-14-D-0044)

今日の報道発表 (北米編)
  • Lockheed Martin Corp. は、傘下の LMCLS (Lockheed Martin Commercial Launch Services) が 2014/8/13 に、DigitalGlobe Inc. の WorldView-3 衛星を打ち上げる、と発表した。打ち上げ場所は Vandenberg AFB の SLC-3E (Space Launch Complex-3E)、使用するロケットは Atlas V。同社は、Atlas V を使ったアメリカ政府機関以外のカスタマーに対する打ち上げを独占的に実施している。(Lockheed Martin 2014/5/22)
  • GA-ASI (General Atomics Aeronautical Systems Inc.) と Rohde & Schwarz は 2014/5/21 に、合同チーム編成合意を締結した、と発表した。GA-ASI の Predator B/MQ-9 Reaper に Rohde & Schwarz 製の航空管制用通信機・MR6000A を組み合わせるもので、STANAG 4671 にも対応させる。ヨーロッパ製の機器がシェアを増やすという意味もある。MR6000A は、すでに民間機用の形式証明を取得しているほか、軍民のアビオニクス使用に対応している通信機・M3AR がベース。これを機体側に 2 基搭載するほか、地上側の GCS (Ground Control System) にも 2 基を搭載する可能性があるとの説明。(GA-ASI 2014/5/21)
  • Lockheed Martin Corp. と Exelis Inc. がそれぞれ、米国土安全保障省 (DHS : Department of Homeland Security) 向けの IT サービス業務・EAGLE II (Enterprise Acquisition Gateway for Leading Edge Solutions II) の担当に選定された、と発表した。基本契約 5 年、オプション契約 2 年。Lockheed Martin は 2006 年から EAGLE I を担当していた。(Lockheed Martin 2014/5/22, Exelis 2014/5/22)
  • Lockheed Martin Corp. は、GSA (General Services Administration) から OASIS (One Acquisition Solution for Integrated Services) の担当に選定されたと発表した。5 年間の契約で、個別のタスク オーダーごとにコンペティションを実施する形態。(Lockheed Martin 2014/5/22)

今日の報道発表 (その他編)
  • Diehl Defence が Elbit System Ltd. との間で協力合意を締結、ドイツ向けの A400M に Elbit Systems 製の DIRCM (Directed Infrared Counter Measures) システム・J-MUSIC (Multi-Spectral Infrared Countermeasure) を導入することになった。J-MUSIC はすでに試験を終えており、カスタマー向けのデリバリーを始めている。(Diehl Defence 2014/5/22)
  • Exelis Inc. は GDUK (General Dynamics UK Ltd.) から、戦術通信機の近代化と兵站支援に関する契約を受注した。英国防省向けの案件で、総額 6 億 1,700 万ドル。内訳は以下の通り。
    • Bowman 通信システム用に製作した VHF/UHF 通信機を対象とする、5 年間のポスト エンジニアリング設計サービス業務
    • Bowman 通信システムで使用する戦術通信機を対象とする、5 年間の兵站支援・補給・補修・サポート業務
    (Exelis 2014/5/22)
  • Thales と Alcatel-Lucent が、サイバー セキュリティや通信セキュリティの分野を対象とする戦略的パートナーシップ協定に調印した。Alcatel-Lucent が持つネットワーク セキュリティ関連の資産を Thales で利用するという内容。(Thales 2014/5/22)
  • Saab AB はスウェーデン軍国防資材局 (FMV : Forsvarets Materielverk) から、スウェーデン軍向けの標的業務を受注した。電子戦や標的曳航も担当する。契約期間は 2014-2020 年、総額 3 億クローネの案件。同社は 1986 年から Nykoping を拠点として標的業務を提供しており、海外カスタマーにも提案中。(Saab 2014/5/22)
  • 2014/5/20 に、フランス・Biscarosse にある仏国防調達局 (DGA : Delegation Generale pour l'Armement) の試験場で、仏伊両国による SAMP/T (Sol Air Moyenne Portee Terrestre) こと Mamba の試射が行われた。仏空軍から参加したのは、Saint Dizier をホームベースとする 5/590 "Barrois" 高射隊。さらに第 3 砲兵聯隊所属の Crotale や Mistral といった短射程ミサイルも試射に参加した。これらを接続するとともに試射の模様をモニターしたのが CMD3D (3D Defense Management Center) で、シナリオによっては空軍の E-3F が Link 16 経由で情報を CMD3D に送信している (そこから先は Link 11、Link 16、PR4G を使い分けた)。(French MoD 2014/5/21)
  • Airbus Group Innovations が開発している電動式 4 ローター UAV の技術実証機・Quadcruiser が先週、VTOL (Vertical Take-Off and Landing) / ホバリングのモードから飛行モードへの遷移を初めて実施、安定性と操縦性を検証した。(Airbus Group 2014/5/21)
  • Russian Helicopters JSC は、カザフスタン国境警備隊に Mi-171Sh をデリバリーした。Rosoboronexport が 2012 年に受注していたもので、国境地帯の警備や特殊作戦部隊の投入に使用する。製作担当は UUAP (Ulan-Ude Aviation Plant)。それとは別件で、カザフスタン非常事態省から Mi-171E を受注しており、こちらは 2015 年のデリバリーを予定している。(Russian Helicopters 2014/5/22)

今日の米軍調達 (Contracts 2014/5/21)
ARMY
  • Boeing Co. (Ridley Park, PA) : CH-47 の多年度調達 (MYP : Multi-Year Procurement) 契約のうち、オプション契約分を $25,891,028 で。2020/12/31 まで。Army Contracting Command, Redstone Arsenal, AL (W58RGZ-13-C-0002/P00009)
  • Okland Construction (Salt Lake City, UT) : Luke AFB で実施する F-35 関連の施設設計と建設工事を $15,513,636 で。2016/1/10 まで。Army Corps of Engineers, Los Angeles, CA (W912PL-14-C-0007)
  • TYR Tactical (Peoria, AZ) : デンマーク向けに FMS (Foreign Military Sales) 経由で輸出する弾片避けベストを $10,689,084 で。2015/1/15 まで。Army Contracting Command, Aberdeen Proving Ground, Maryland (W91CRB-14-C-0022)
  • BAE Systems (Nashua, NH) : CMWS (Common Missile Warning System) を対象とする兵站支援業務の修正契約を $7,145,241 で。2015/5/15 まで。Army Contracting Command, Redstone Arsenal, AL (W58RGZ-13-C-0049/P00015)
NAVY
  • M7 Aerospace LLC (San Antonio, TX) : 海軍・海兵隊の UC-35×12 機と海軍の C-26×7 機を対象とする兵站支援業務について、オプション契約分を $16,139,462 で。列線整備、デポ整備、パーツ供給、支援機材の整備、エンジニアリング サポート業務を担当。作業場所は以下の通り。
    • PMRF (Pacific Missile Range Facility (Barking Sands, HI) : 15%
    • MCAS (Marine Corp Air Station) Futenma (Japan) : 15%
    • Andrews AFB : 10%
    • Fleet Marine Reserve Detachment (Belle Chase, LA) : 10%
    • NAS (Naval Air Station) Sigonella (Italy) : 10%
    • NSA (Naval Support Activity) Naples (Italy) : 10%
    • MCAS Miramar : 10%
    • San Antonio (TX) : 5%
    • MCAS Cherry Point : 5%
    • Al Udeid AB (Qatar) : 5%
    • Moron (Spain) : 5%
    2015/5 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD (N00019-11-D-0002)
  • EJB Facilities Services (Arlington, VA) : NAVFAC Northwest の AOR (Area of Responsibility) で実施するベース オペレーション業務のオプション 8b 契約分を $12,132,429 で。累計受注額は $571,028,153。州別の配分は WA (95%)、AK (1%)、ID (1%)、MT (1%)、OR (1%)、WY (1%)。2014/7 まで。NAVFAC (Naval Facilities Engineering Command), Northwest, Silverdale, WA (N44255-05-D-5103)

今日の報道発表 (北米編)
  • Lockheed Martin Corp. は米海軍と加公共事業省 (PWGSC : Public Works and Government Services Canada) から、ELGTR (Enhanced Laser Guided Training Round) に関する以下の契約を受注した。
    • 米海軍 : 4 年契約の第二陣を 2,180 万ドルで。兵站支援業務と技術データも提供も含む。2017 年まで
    • カナダ : カナダ空軍 (RCAF : Royal Canadian Air Force) 向けの ELGTR を 1,250 万ドルで。DCS (Direct Commercial Sales) 案件、2014 年まで。さらにオプション契約が 2 件、すべて実現すると 2020 年まで
    ELGTR は Paveway II と同等の飛翔特性を持つ訓練弾。(Lockheed Martin 2014/5/21)
  • Lockheed Martin Corp. は、MEADS (Medium Extended Air Defense System) で使用するモード 5 IFF (Identification Friend or Foe) サブシステムが、米軍の担当部門・International AIMS (Air Traffic Control Radar Beacon System, Identification Friend or Foe, Mark XII/Mark XIIA, Systems) Program Office の認証を取得した、と発表した。MEADS 計画におけるひとつのマイルストーン達成だとしている。また、同社は MBDA とともに ILA Berlin 2014 展示会の席で、「全周に渡る同時 2 目標交戦 (異なる方向から接近する弾道ミサイルと巡航ミサイルが対象) など、3 回の要撃試験を成功裏に実施」として、過去 10 年間に渡る開発・試験の成果や関係各国間の協力の成果をアピールしている。(Lockheed Martin 2014/5/21)
  • 米陸軍の Maneuver Center of Excellence と Maneuver Battle Lab が、小隊・分隊の指揮官にリアルタイムの情報提供を実現するため、SULSAT (Small Unit Leader Situational Awareness Tool) のプロトタイプを使ったデモンストレーションを 2014/5/13 に McKenna Military Operations on Urban Terrain Training Area (Fort Benning, GA) で実施した。スマートフォン技術を活用するツールで、TRC (Tactical Robotics Controller) が無人システムから映像を受信して、それを SULSAT に送信する仕組み。これを偵察隊員に持たせてデモを実施した次第。今後、TTP (Tactics, Techniques and Procedures) 策定のための試験を実施して、将来的には Nett Warrior システムに追加する考え。(US Army 2014/5/21)
  • GA-ASI (General Atomics Aeronautical Systems Inc.) は、MQ-1C Gray Eagle の改良型・IGE (Improved Gray Eagle) の第二次飛行試験を成功裏に実施した。2014/1/17-19 にかけて El Mirage Flight Operations Facility (Palmdale, CA) で、36.7 時間の連続飛行を実施したもの。その際、片方の主翼に SIGINT (Signal Intelligence) ポッド、他方の主翼に AGM-114×2 発を搭載した。IGE は、2008 年の運用開始以来 10 万飛行時間の実績がある MQ-1C の改良型。今後、ソフトウェアを改修して OSGCS (One System Ground Control Station) や UGCS (Universal Ground Control System) による管制を可能とする予定。(GA-ASI 2014/5/21)
  • Northrop Grumman Corp. は、EPS (Enhanced Polar System) 用の CAPS (Control and Planning Segment) を対象とする最終設計審査 (CDR : Critical Design Review) が 2014/4/28 の週に完了した、と発表した。担当部門は米空軍の MILSATCOM (Military Satellite Communications Systems Directorate)、極地向けの衛星通信機能を実現するのが目的。Northrop Grumman は 2012 年 11 月に、設計とリスク低減に関する 18 ヶ月間の契約を受注している。(Northrop Grumman 2014/5/21)
  • Sikorsky Aircraft Corp. と LORD Corp. は米陸軍の AATD (Aviation Applied Technology Directorate) と組んで、ヘリコプターのハブに取り付けて振動低減を図る新メカニズム・HMVS (Hub Mounted Vibration Suppressor) のデモンストレーション飛行を成功裏に実施、2014 年 3 月に完了した。乗員の疲労低減と搭載機器の信頼性向上を目的として開発を進めているもの。ARCD (Active Rotor Component Demonstration) 計画の一環として実施したもので、試験には AATD の UH-60A を使用、速度はホバリングから 150kt まで、オートローテーションや 60 度バンクの旋回なども試した。そして、HMVS による振動低減とともに 30% の軽量化が可能、との見解が得られた。(Sikorsky Aircraft 2014/5/20)
  • Northrop Grumman Corp. が製作した MILSTAR-1 衛星のペイロードが、想定寿命・10 年間の 2 倍にあたる、20 年間の運用を記録した。2014/2/7 の出来事。(Northrop Grumman 2014/5/21)
  • Harris Corp. は米国土安全保障省 (DHS : Department of Homeland Security) から、IT サービス業務契約・EAGLE II (Enterprise Acquisition Gateway for Leading Edge Solutions II) を受注した。基本契約 5 年、オプション契約 2 年、Harris IT Services が担当する。(Harris 2014/5/21)
  • Magellan Aerospace は、University of Manitoba と組んで Manitoba 州の Winnipeg に衛星インテグレーション施設を新設する、と発表した。同時に 3 基の衛星について組み立て・インテグレーション・試験の作業を行える規模にするとのこと。(Magellan Aerospace 2014/5/20)

今日の報道発表 (その他編)
  • トルコ軍の調達部門・SSM (Savunma Sanayii Mustesarligi) が Pratt & Whitney との間で、F135 エンジンの FACO (Final Assembly and Check Out)・MRO (Maintenance, Repair, Overhaul)・アップグレードを手掛ける施設をトルコ国内に開設する、という内容の LoI (Letter of Intent) に調印した。アメリカ政府の承認を受けて実現の運びとなったもの。(SSM 2014/5/20)
  • 一方、Pratt & Whitney は 2014/5/20 に、West Palm Beach Engine Center で製作した F135 エンジンをイタリア・Cameri の F-35 FACO (Final Assembly Check Out) 施設に送り出した。通算 137 基目とのこと。West Palm Beach の新施設でも、Middletown (Connecticut) の施設と同水準の作業を行うことができ、すでに SDD (System Development and Demonstration) の下で開発試験用エンジンの試験・検証作業を過去 14 年間に渡って実施してきている。(Pratt & Whitney 2014/5/20)
  • ILA Berlin 2014 展示会の 2 日目に、Ursula von der Leyen 独国防相が A400M の地上展示機を視察、Airbus Group の CEO・Tom Enders 氏がアテンドした。(Airbus Defence and Space 2014/5/21)
  • Thales は Airbus Defence and Space から、英空軍 (RAF : Royal Air Force) 向け A400M 用シミュレータ (FFS :Full-Flight Simulator) の 2 号機を受注した。設置場所は RAF Brize Norton (Oxfordshire) の飛行訓練施設で、サポート/整備業務は両者のジョイント ベンチャー・ATSL (A400M Training Services Ltd.) が担当する。Thales ではこのほか、コックピット用ディスプレイ、HUD (Head-Up Display)、FMS (Flight Management System)、統合モジュラー アビオニクス、EVS (Enhanced Vision System) も担当している。(Thales 2014/5/21)
  • Eurofighter Jagdflugzeug GmbH が ILA Berlin 2014 展示会の席で、Eurofighter Typhoon を対象とする能力向上構想を明らかにした。能力向上を担当する英空軍 (RAF : Royal Air Force) の Paul Smith 氏によると、P1E (Phase 1 Enhancements) の第二陣・P1Eb の適用によって、Typhoon のマルチロール能力を新たな水準に引き上げる、とのこと。P1Eb はリビアでの戦訓を取り入れており、空対地能力の大幅強化と併せてマン マシン インターフェイスの改善を図るとしている。このほか、Meteor 空対空ミサイル、Storm Shadow や Taurus KEPD350 といった空対地巡航ミサイルのインテグレーションによって「パラダイムシフトを起こす」との説明も。(Eurofighter 2014/5/21, IHS Jane's 360 2014/5/20)
  • Embraer (Empresa Brasileira de Aeronautica S.A.) は、 Gaviao Peixoto (Sao Paulo) に KC-390 の最終組立ラインを開設、Dilma Rousseff 伯大統領や Geraldo Alckmin 州知事らを迎えて開所式を実施した。現在のブラジル空軍 (FAB : Forca Aerea Brasileira) からは、10 年間で 28 機をデリバリーするという内容の契約を得ている。これは総額 72 億レアル (32 億 6,300 万ドル) で、機体に加えてスペアパーツや整備業務も含む。(Embraer 2014/5/20, DID 2014/5/22)
  • 一方、IAE (International Aero Engines AG) は KC-390 で使用する V2500-E5 エンジンのプロトタイプ×6 基を Embraer にデリバリーした。そのうち 3 基は 2014 年の初頭に予定を前倒ししてデリバリー、残り 3 基は 5 月初頭にデリバリーした由。エンジン本体の組み立ては Pratt & Whitney (Middletown, CT) で実施、完成したエンジンを UTC Aerospace Systems - Aerostructures (Foley, AL) に搬入してナセルなどの取り付けを実施する体制。推力 31,330lb。(IAE 2014/5/20)
  • Exelis Inc. がオーストラリアの Melbourne に、アジア太平洋地域を担当する事業所を開設する計画を発表した。地元の自治体と協力して、研究開発拠点を設けるとのこと。(Exelis 2014/5/21)
  • Rolls-Royce plc は Aselsan A.S. との間で、エンジン管制システムの分野で協力の可能性を模索する、という内容の MoU に調印した。(Rolls-Royce 2014/5/21)

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人事・組織

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戦争・紛争

最近のニュースいろいろ
  • OPCW (Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons) は、シリアが保有する化学兵器をすべて引き渡していない、と指摘した。一方、シリアの件を ICC (International Criminal Court) に持ち込もうとする動きがあるが、中国とロシアが反対している。(DID 2014/5/22)
  • マリの政府とトゥアレグ族反政府組織・MNLA (Mouvement National pour la Liberation de l'Azawad) の間で緊張が高まっており、2014/5/17 に同国北部の Kidal で交戦が勃発。こうした情勢を受けて、フランス軍が計画していたマリ派遣部隊の撤収が先送りに。ピーク時に 4,500 名いた派遣部隊は、現在は 3,000 名程度。(Forecast International 2014/5/22)
  • パキスタン軍が 2014/5/21 に North Waziristan の Miranshah 地区と Mir Ali 地区で、TTP (Tehreek-e-Taliban Pakistan) に対して固定翼機・攻撃ヘリ・火砲による攻撃を実施した。軍では「TTP の幹部や外国人戦闘員を含む 60 名が死亡した」としている。ただし、これが地上戦の前段になるのかどうかは不明。その攻撃が始まる前日まで、パキスタンから陸軍参謀総長の Raheel Sharif 大将がアフガニスタンを訪問、両国の国境地帯などにおける安全保障関連問題について協議していた。(DefenseNews 2014/5/21)
  • なお、パキスタン政府軍が North Waziristan で実施した航空攻撃については「32 名が死亡した」とする情報もある。攻撃を行った場所は、Miranshah、Mir Ali、Datta Khel、Ghulam Ali の各地区だとされる。こちらでもテロ組織の幹部が死亡したとされているが、具体的な名前は挙がってきていない。(SpaceWar 2014/5/21)
  • ジャーナリストの Abdel Salam Hussein 氏が「ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) は、イラクとの国境に面したシリア東部の油田地帯・Deir Ezzor から Al-Nusra Front を駆逐して同地を奪取、そこに自前の国家をこしらえる構想を持っている」と発言。現地は 2 月に ISIL と Al-Nusra Front が交戦した際に、ISIL が追い出された場所。(SpaceWar 2014/5/21)

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こぼれ話

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AFPS : American Forces Press Service
JDW : Jane's Defence Weekly
DID : Defence Industry Daily

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