訃報:本多良男さん73歳=多重債務者救済に尽力
毎日新聞 2014年05月30日 02時30分(最終更新 05月30日 05時58分)
消費者金融(サラ金)やヤミ金融を利用する多重債務者の救済に約30年間取り組んだ全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(被連協)の元事務局長、本多良男(ほんだ・よしお)さんが14日、がんのため神奈川県鎌倉市の自宅で死去した。73歳。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会は8月9日午後2時、東京都大田区南蒲田1の20の20の大田区産業プラザPio。喪主は妻ミヨ子(みよこ)さん。
東京都内の法律事務所に事務員として勤めていた1984年、サラ金被害相談に乗る「太陽の会」を弁護士らと設立。全国組織の被連協の事務局長を98年から昨年6月まで15年務めた。
その間、47都道府県に被害者の会を組織する一方、ヤミ金融被害撲滅に取り組み、2003年、指定暴力団山口組系のヤミ金融「五菱会」摘発に貢献。07年には自殺者の多い富士・青木ケ原樹海(山梨県)に「借金の解決は必ず出来ます!」と書いた看板を立てる運動を展開するなど多重債務問題への社会的関心を高め、グレーゾーン金利撤廃や貸出総量規制を盛り込んだ改正貸金業法の成立(06年12月)につなげた。
長年一緒に活動してきた宇都宮健児弁護士は「クレサラ運動の中心で活躍し、大きな成果を残した。戦友の一人を失って寂しい」と語った。