騰奔静想~司法書士とくたけさとこの「つれづれ日記」

大阪の柏原市で司法書士をやってる徳武聡子といいます。
仕事のかたわら、あっちこっち走り回ったり、もの思いにふけったり。
いろいろお伝えしていきます。

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面接室に入ると、なんと監視カメラが設置されています。
面接室の監視カメラ

奥には「録音・撮影を禁止します」との貼り紙。
面接にも録音禁止のチラシ

横壁には、「私たちは、暴力団など反社会的勢力による不当要求行為は拒否します」というポスターや、「次の行為をしたものは、面談を中止し、退室、退所していただきます。職印への暴行などは警察へ通報します。大声で騒ぐ/机、ロッカー類をたたく/暴言や恫喝/アルコールを飲んでいる」という貼り紙。
面接室の退避勧告


この、物々しい雰囲気の面接室、警察署ではありません。

5月29日に大阪市生活保護行政問題調査団の区役所交渉で訪れた、浪速区保健福祉課生活支援担当のフロアです。生活保護の申請者や利用者が区役所職員と話をするときに使用する部屋です。
このような部屋で、ただでさえ立場が弱くなりがちな市民と、公権力を持ってる職員が、対等に話ができるとは思えません。

この浪速区生活支援担当フロア、面接室だけでなく全体がとても威圧的です。困窮者を迎え入れようという雰囲気は、まるでありません。

例えば、エレベーターを下りると、真正面には「生活保護に関する報道」と新聞の切り抜きが掲示されています。
新聞記事の全景
(拡大写真)
新聞記事拡大

パッと目に入るのは、新聞記事のタイトルですね。

生活保護引き締め策

生活保護不正に制裁金

転居装い保護費詐取


基準引き下げに対して多くの審査請求があったとか、福祉事務所職員による不祥事、例えば直前に他区で横領をした職員が逮捕されて報道されてますし、職員によるセクハラの報道もありましたが、そんな記事はありません。何を掲示するか、とても恣意的です。

それから、その横に面接室にも貼られていた「録音・撮影禁止」の貼り紙がされています。
録音禁止正面壁

他区で、このような貼り紙をしているなど聞いたことはありません。
浪速区側の説明によれば、「個人情報を撮影したり、録音に音が入ってしまったりすることがあるため、禁止しています」とのことです。
自分たちは監視カメラで市民を監視するのに、市民が録音したり撮影したりすることは禁止する。とても役所側に都合の良い、偏ったやり方です。

そもそも、生活保護申請において録音は重要です。
なぜなら、職員による水際作戦や暴言などが後を絶たない上に、書類はすべて行政が管理しており、その様な仕打ちを受けたことを示す資料が市民側には何もないからです。
何を言われたか、自分たちが何を言ったかについては、録音して記録に残しておくことが、とても有効です。

しかし、浪速区はその録音を禁止しています。「許可なく録音・撮影は禁止」とのことですが、許可を求めても許可しないのではないでしょうか。
(ちなみに、この写真類の撮影は許可を得ています。私の名刺も渡してあります。)

撮影・録音禁止は「庁内管理規程」という内規で規制しているそうですが、その内規が市民や支援者に対してまで、効力があるとも思えません。なんでもかんでも一方的に決めて、市民の行動を規制できるはずがありません。

さらに面接室側の壁にはこのような貼り紙の数々。
不正時給など

明らかに、このフロアの雰囲気は異様です。
全体的に拒否!禁止!NO!という雰囲気で、居るだけで気分の重くなる空間です。生活に困った人を支援しようという暖かみが感じられません。
生活保護利用者本人ではない私が見ても、「うわー、なにこれ。」「こわ…。」と感じました。ましてや、利用者や困窮者が一人で訪れたら、どうなるでしょう。

これが、浪速区において、最低限度だけど健康で文化的な生活を市民に提供する、その最前線の部署の様子です。これを毎日目にしていたら、職員の意識だっておかしくなります。

浪速区は大阪市の中でも、違法と思われる対応が頻発しており、今回の調査団の交渉区の一つにもなりました。
このような掲示をバンバンやってしまう、やっても構わないと考える意識が、利用者や申請者に対する違法対応につながっている気がしてなりません。
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