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韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領の「反日」について、「父親の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領も反日だったのではないか」という人がいる。確かに、彼は強烈な愛国者だった。その意味で日本を見返してやりたいという意志が強固だった。しかし、朴槿惠氏の反日とは明らかに違う。
朴正煕氏の独立心は、中国にも向けられていた。「漢字を使っていることは恥だ」としてハングル化を進めたのは象徴的だ。
彼は、韓国の過去の歴史、特に李氏朝鮮について激しく否定的だった。「わが歴史は退嬰(たいえい=尻込みして、引きこもること)と粗雑と沈滞の連鎖史」「李氏朝鮮時代は四色党争、事大主義、両班(ヤンバン=官吏貴族)の無事主義な生活態度によって子孫まで悪影響を及ぼした民族的犯罪史」「民族の中興を期するなら悪の倉庫のようなわが歴史は燃やすべし」といったような言葉を吐いている。
ところが、現在の韓国は、カラフルで明るい韓流歴史ドラマに見られるような「粉飾史観」へ突っ走っている。朴槿惠氏の歴史観もその路線に沿ったものだ。
日本人でも、苦労して成功した人はそのことを誇りにするが、その子供たちは「本来は名家の出身だったが落ちぶれて…」とか言いたがることが多い。朝鮮半島系の人々の身の上話でも、不自然に没落両班や元名家が多い。朴正煕氏は貧しい農民から立身出世したことを誇りにしたが、娘はそれを恥としているようでもある。