2011年のアジア杯準決勝「日本対韓国」戦で本田圭佑(右)と競り合う奇誠庸【拡大】
サッカーW杯韓国代表MF、奇誠庸(キ・ソンヨン、25)が30日、仁川国際空港で韓国メディアの取材に応じ、28日にソウルで行われたチュニジア戦での国歌演奏の際、左手で敬礼して批判が殺到していた問題について、「深く反省している。申し訳ない」と謝罪した。
奇はこの日午前、ブラジルW杯の直前合宿地、米マイアミに出発。出国前、空港に集まった報道陣に囲まれ、「負傷していたひざにずっと神経を使っており、集中できず、(国民儀礼に)気を使うことができなかった。左手で敬礼したことに対して深く反省している。とても緊張したため、そのような行動が出てしまった」などと弁明。「今まで多くのAマッチに出たが初めてのこと。本当に、とても緊張して出た失敗だが、重要な競技で犯した失敗に弁解の余地がない。本当に申し訳ない」と頭を下げた。
韓国代表は28日にソウル・ワールドカップ・スタジアムでチュニジアと壮行試合兼W杯ブラジル大会出陣式を行ったが、国歌演奏の際、奇は他の選手たちが右手を胸に当てる中、一人だけ左手を胸に当てて敬礼した。韓国メディアによると、大韓民国国旗法では、国旗に対する敬礼は、右手を左胸に当てることになっているという。〝左手敬礼〟の模様はテレビで生中継され、ネットを中心に「小学生でも知っていることだ」「国家代表にふさわしくない」など批判の声がわき起こっていた。
「Aマッチでは初めて」と明かした奇だが、韓国メディアによると、かつてFCソウルに所属していた時(2006-09)のインタビューで、「メキシコとの競技前、愛国歌が流れてきたら思わず左手が上がった。同僚が見て笑い、私も笑った」と過去にも同じミスをしていたことを告白したことがあるという。
また、奇は2011年、AFCアジアカップ準決勝日本戦の前半にPKで得点した後、ゴールパフォーマンスで猿のものまねを行い、物議を醸したことも。この行為に対して人種差別との声があがると、「観客席に旭日旗を見て腹が立った」と主張した。だが、実際には、観客席に旭日旗はなかったという。ちなみに、妻はドラマ「朱蒙」「がんばれ!クムスン」などで人気の女優、ハン・ヘジン(32)。