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H.I.S.のサイト閲覧者がマルウェア感染した恐れ、銀行の口座情報盗み取る

 ブログサービス「JUGEM」のサイトで発生していたのと同じマルウェア攻撃が、旅行会社の株式会社エイチ・アイ・エス(H.I.S.)のウェブサイトや、動画サイト「PANDORA.TV」でもあったことが分かった。シマンテックが30日、公式ブログで伝えた。

 この攻撃は、Flash Playerの脆弱性(CVE-2014-0515)を突くもの。ただし、すでにAdobe Systemsが4月末に公開したセキュリティパッチで修正済みであるほか、シマンテックなどのセキュリティソフトでもこの脆弱性を突く攻撃の検知に対応している。最新バージョンのFlash Playerを使用し、セキュリティソフトを適切に使用している環境では、攻撃は遮断できたもとのみられる。

 一方、Flash Playerが古いバージョンのままで、セキュリティソフトも適切に使用していない場合には、上記のサイトを閲覧することで悪質なコードが実行され、インターネットバンキングの口座情報を盗み取るマルウェアに感染した可能性がある。

 すでにJUGEMでは28日の時点で、このような攻撃が仕掛けられていたことを発表(本誌5月28日付関連記事を参照)。30日までに対処を完了したとしている。

 H.I.S.でも30日付で告知を出した。5月24日から26日の期間に「his-j.com」のサイトを閲覧した人に対して、セキュリティソフトを最新状態にした上でスキャンを行うよう呼び掛けている。

 H.I.S.によると、同サイトで使用していた外部サービスのJavaScriptが改ざんを受けていたことが原因。H.I.S.では、この外部サービスを提供していた株式会社リクルートマーケティングパートナーズから29日に報告を受け、30日に公表に至った。

 なお、H.I.S.ではリクルートマーケティングパートナーズから報告を受けるより前の段階で、サイト閲覧時にセキュリティソフトの警告が出る原因がこのJavaScriptであることを特定。これを呼び出すタグを、26日18時の時点でサイトから除去していたという。

(永沢 茂)