2011年4月17日の工程表公表時に ”住民は9ヶ月で全員帰還” と発表されていたか


<以下、囲みは引用>
上杉   2011年4月17日に東京電力、政府もふくめて、工程表ってのを出したんですよ。そんときに、9ヶ月、一期二期合わせて、9ヶ月で全員帰還ていうふうに。 いまから考えると相当デマなんですよ

  • 上杉隆の東京脱力メールマガジン Vol.241
<以下引用>
...与党(自民党と公明党)は気になる発表を行なった。それは、原発事故による帰宅困難区域の半永久的な設定である。簡単にいえば、除染をしても永久に帰ることのできない地域と住民があるということを認めるものである。

なんということだろう。なぜ、もっと早く言ってくれなかったのか?

2011年4月17日、東京電力(事実上は政府)が最初の工程表(ロードマップ)を発表した際、第一、第二工程も含めて9ヶ月で除染作業が完了し、住民は必ず帰宅できると発表した。

その際、私はこう言って工程表を批判した。

「嘘をついてはいけない。どんなに除染活動をしても帰れない地域があることを正直に認めるべきだ。...」

<以下引用>
上杉  震災から3年少し経ちですね、3年ちょっとこえましたが、やはり最初のうちはこの実態がわからないというのが現状で、どういう生活になるんだろう、そして将来どうなるんだろう、 また政府の方は9ヶ月後には戻れるという発表を一時したこともあって、 ・・・


検証結果:2011年4月17日の工程表公表時に「9ヶ月で全員帰還」という発表はされていない


2011年4月17日に東京電力が公表した工程表には「原子炉および使用済燃料プールの安定的冷却状態を確立し、放射性物質の放出を抑制することで、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう全力で取り組みます。」(プレスリリースおよび別紙1)と書かれているが、 上杉氏が言うような「 一期二期合わせて9ヶ月で全員帰還 」「 第一、第二工程も含めて9ヶ月で除染作業が完了し、住民は必ず帰宅できる 」といったことは書かれておらず、会見でもそのような発表はされていない



「当面の目標については、2つのステップを設定し、ステップ1として、放射線量が着実に減少傾向になっていることステップ2として、放射性物質の放出が管理されており、放射線量が大幅に抑えられていること」
「ステップ1を3か月程度、ステップ2をその後の3か月から6か月程度で達成したい」

Q) 住民の帰宅。道筋の中のどの段階になったら示せるのか。1年2年単位か10年20年単位なのか?

【会長】第1ステップが終わった段階では、多少先がどうなることになるか、多少見えるようにしていきたいと考えている。それだけでは実際上、放射性物質の放出止まっても、累積で地域の土壌や家がどうなってるかまだ不透明なところがある。次のステップ2の段階で、できればある程度のことはわかるようにしたい。

Q) 帰宅の道筋、見通し。避難の解除などどう考えているのか?

【会長】避難されてる方には申し訳ないが、政府判断することだが、わたしどもはできる限り政府が判断出来るようなデータ等を提供したいということがまずすべきこと。そうした中で極力放射性物質出さないということをベースにこれまで避難地域の累積されたものも調査しながら政府に判断いただく材料出すと。今すぐいつまでと示せる段階にないが、まずは放射線物質出さないことに最大の努力。 一方でモニタリングをしっかりやりたい。

上記のように、工程表や当日の東京電力会長の会見において、上杉氏が言うような「 一期二期合わせて9ヶ月で全員帰還 」「 第一、第二工程も含めて9ヶ月で除染作業が完了し、住民は必ず帰宅できる 」といった記述・発言はみられない。

ステップ2の後、2011年12月21日に発表された中長期ロードマップでも、「避難されている住民の皆さまの一刻も早いご帰還を実現し、地域の方々をはじめとした国民の皆さまの不安を解消することが重要となる」(3頁) と書かれているのみで具体的な期間については記されていない。

上杉氏自身、工程表がでた当時に書いた記事『メディアが報じない工程表の真相』Voice2011年6月号36-37頁)ではこうした事を述べていなかった。そこでは、「 工程表によれば、事故収束まで6~9カ月程度の見通しだという。... 避難住民の帰宅を検討するまでに6カ月から9カ月だというのだ 」と、上記とは異なることを書いている。


参考:



更新
2014.5.30 東京FMタイムライン2014年5月28日放送の発言を追加。




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