集団的自衛権:岸田外相、行使容認含め一括合意を
毎日新聞 2014年05月29日 19時32分(最終更新 05月29日 19時54分)
岸田文雄外相は29日の参院外交防衛委員会で、集団的自衛権の行使容認などを巡る自民、公明両党の協議について「集団的自衛権も合わせて議論してもらい、トータルで結論を出してくれると思う」と述べ、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認を含めて一括して合意すべきだとの考えを示した。また安倍晋三首相は答弁で、年内を目指す日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定に間に合うように、行使容認などの閣議決定を行いたい考えを明言した。
自公両党の協議は、武力攻撃には至らない「グレーゾーン事態」▽国連平和維持活動(PKO)などの国際協力▽集団的自衛権を含む武力行使−−の3分野で行われている。
集団的自衛権の行使容認に慎重な公明党に配慮し、グレーゾーン事態の議論が先行。検討の順番は集団的自衛権が最後で、与党内では合意できた分野だけを先に閣議決定すべきだとの声もある。岸田氏は全分野をパッケージで結論を出すよう後押しし、今国会中に行使容認を閣議決定したい首相の意向を代弁した形だ。
一方、首相は同委で「日米は年末までのガイドライン見直しで合意している」とし、3分野で「方針が固まっていることがガイドラインの協議において望ましい」と述べた。政府・自民党内では、ガイドライン協議に間に合わせるには「今夏までの与党合意が必要」との見方が強い。行使容認の検討を先送りしたい公明党の与党協議メンバーは「6月22日の国会期末までの閣議決定は難しい」とけん制した。【青木純、佐藤慶】