府立高校・支援学校の校長を公募している府教委は、来春に過去最多の35人程度(内部教員を含む)の採用を目指し、募集活動を進めている。足並みをそろえてきた大阪市教委では民間人校長の不祥事が相次ぎ、校長公募に関する予算が削られるなど逆風が吹いているが、府教委では退職者の増加に対応するため応募資格を拡大し、校長経験者を採用できるようにするなど、人材確保に躍起だ。

 28日夜、大阪市内で開かれた府教委主催の校長公募の説明会には、約60人が参加した。民間人を含む現役校長5人が登壇し、教員との関係構築や保護者対応などについて、現場での実体験を語った。

 金融機関出身の田子一郎・池田高校長は「ただ指示するだけではうまく物事は進まず、教員が自主的に動く流れをつくるのが校長の役割」と企業との違いを強調。体験談に耳を傾けていた府内の企業管理職の男性(55)は「民間人校長に対する逆風を感じるが、少子化が進むなか世界に通用する人材の育成は重要。残りの人生で命を燃やせる仕事をしたい」と話した。