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北の再調査 実効性確保が課題
5月30日 4時30分

北の再調査 実効性確保が課題
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日本と北朝鮮の政府間協議で、北朝鮮側が拉致被害者を含む日本人行方不明者の全面的な調査を行うと約束したことを受けて、日本側は再調査が開始された時点で制裁措置の一部を解除することを決めました。
安倍総理大臣は「拉致問題の全面解決に向けて第一歩となることを期待する」と評価しており、拉致被害者などの帰国につながるような北朝鮮側の調査の実効性を確保できるかどうかが課題となります。

今月26日から3日間、スウェーデンで行われた日本と北朝鮮の政府間協議で、北朝鮮側は、拉致被害者や行方不明者を含む、すべての日本人に関する調査を全面的に実施することを約束しました。
これを受けて日本側は、安倍総理大臣と関係閣僚が協議し、北朝鮮側が「特別調査委員会」を立ち上げ再調査を開始する時点で、人的往来の規制措置や人道目的の北朝鮮籍の船舶の日本への入港禁止措置など、日本が独自に行っている制裁措置の一部を解除することを決めました。
これについて、安倍総理大臣は「拉致問題の全面解決に向けて第一歩となることを期待している」と述べ、政府・与党内では、拉致問題の解決に向けた一定の前進だと受け止める声が広がっています。
ただ、拉致問題の調査を巡っては、2008年8月に行われた日朝協議で、今回と同様に北朝鮮側が拉致被害者などの再調査に応じ、調査が行われれば日本側が制裁措置の一部を解除することで合意しましたが、そのあと北朝鮮側が一方的に取りやめを通告してきた経緯があります。
日本政府は政府間の協議などを通じて、北朝鮮が設置する「特別調査委員会」の構成や具体的な調査手法などを見極めたうえで、制裁措置の解除を判断することにしており、拉致被害者などの帰国につながるような北朝鮮側の調査の実効性を確保できるかどうかが課題となります。

米「日本から事前に通告」

日本と北朝鮮の政府間協議での合意について、アメリカ国務省のサキ報道官は29日の記者会見で「日本側から事前に連絡があった。引き続き連絡を取っていく」と述べ、政府の公式発表の前に外交ルートを通じて連絡があったことを明らかにしました。
一方、日本が一方的に制裁を緩和した場合、北朝鮮への圧力を強めているアメリカなどとの間で足並みが乱れるのではないかという質問に対しては、「制裁の一部解除について議論していくという連絡は受けている」と述べ、合意に対する評価は示さず、アメリカ政府として事態の推移を注視していく考えを示しました。

専門家「新たな被害者明らかになるか」

北朝鮮情勢に詳しい関西学院大学の平岩俊司教授はNHKとのインタビューで、北朝鮮が拉致被害者の再調査を行うことを決めたことで、日本政府が認定していない新たな被害者の情報が明らかになる可能性があるという見方を示しました。
平岩教授は、北朝鮮が拉致問題などで包括的、全面的調査を行うと約束したことが持つ意味について、「これまでの発表も含めてすべて白紙にして調査をし直すということだ」と述べ、日本側の疑問点に答える調査を行う構えだとして一定の評価をしました。
そのうえで、「日本政府が認定している12人の被害者以外についても調査に応じたと言ってよい。これまで政府が認定してこなかった被害者も含めて、生存者がいる可能性がある」と述べ、生存者を含めて、日本政府が認定していない新たな被害者の情報が明らかになる可能性があるという見方を示しました。
一方、平岩教授は、拉致被害者の再調査と日本独自の制裁が一部解除された場合、関係国に与える影響について、「拉致問題を軸に日朝関係が進んでいくことに対して、アメリカや韓国の立場からすれば、多少、懸念が出てもおかしくない」と述べました。
そして、「日本側からすれば、核やミサイルの問題についても北朝鮮の姿勢が変化するよう働きかけることが重要だ」として、拉致に加えて、核やミサイルの問題についても前向きな姿勢を引き出すことが必要だと指摘しました。

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