内海、今季初勝利(1)10戦目に「遅くなってすみません」
◆交流戦 巨人6―0楽天(29日・東京ドーム)
巨人・内海が10度目の先発で、ついに今季初勝利をつかんだ。2回以降は毎回走者を背負ったが、要所で粘って7回無失点。打線は2回に村田が先制ソロ、6回には井端が適時二塁打、7回にはセペダが右打席では初安打となる満塁本塁打で加点した。チームは2位に浮上。エース左腕の難産の道のりを、大展開で詳報する。
ウイニングボールを持った左手を、上下に大きく振っておどけた。勝利のハイタッチが終わった直後だった。内海はチームメートに近寄り、「宝物」を見せつけるように、はしゃいでいた。右翼席のG党に向けては、両手でガッツポーズを繰り返した。10試合目での今季初白星。暗く、長かったトンネルを抜けた喜びは、それほど大きかった。
4月1日のDeNA戦(横浜)での今季初登板から約2か月かかっての勝利だった。お立ち台では「遅くなってすみません! 苦しみしかなかったですけど、いつかこの日がくると思って一生懸命頑張りました」と、最高の笑顔で声を張り上げた。7回4安打無失点。試合前まで内海登板時の援護点が1・5点だった打線が、ようやく6点を奪った。
内海は2回以降、毎回走者を背負った。6回2死一塁では、アクシデントが起きた。ジョーンズへのカウント1ボール1ストライクからの3球目。内角直球を投げた直後に、左太もも裏がつりそうになった。いったん、ベンチ裏で治療した。「中継ぎが出ていくのは酷。行きます」と続投を志願した。ジョーンズには安打を許したが、後続を断った。
7回には左翼手・中井のエラーと、詰まらせながらも左前に落ちた安打で無死一、二塁となった。牧田の投前へのバントへ猛ダッシュし、好フィールディングで三塁で刺した。続く西田を変化球で遊ゴロ併殺打に仕留めた。これまでは勝負所で踏ん張りきれなかっただけに「イメージ通り。走者を出してからの粘りが真骨頂。それができた」。この回でお役ご免。左拳を強く握りしめると、グラブをたたきベンチへ戻った。
普段から内海は結果が出なくても、感情を表に出すことはしなかった。チームリーダーとしての自覚からだ。しかし、16日の広島戦(東京D)では、8回途中6失点で降板を告げられた時、投手コーチがマウンドに着く前に、怒りのあまり自らベンチへ歩き出した。
心が乱れて4敗目を喫し、開幕から自己ワーストを更新する8戦連続白星なしとなった。
試合後、原監督に呼ばれた。
原監督「ジャイアンツのエース、ローテの人間が、そんな態度でいいのか! 人間は逆風が吹いている時にこそ本来の姿が出る。お前はいつか勝つ。絶対に勝つ。でも、ここでどういう『戦い様』を見せるのかだ」
指揮官は険しい表情で叱責した。
内海「すみませんでした。二度とこういうことがないようにします」
猛省し、マウンドでの立ち居振る舞いを改めた。