デューク・エリントンやジェームス・ブラウン、マイケル・ジャクソン、ローリン・ヒル。華々しいエンターテイナーを輩出してきたコットンクラブやアポロシアターで知られるニューヨーク市ハーレムは、米国の音楽文化を熟成させてきた一方、人種問題などをめぐって揺れ動いてきた。
ハーレムを紹介するホームページ「Welcome to Harlem」によると、ジャズやブルースのメッカとしての名声を確固たるものとした1920年から30年が過ぎ、アフリカ系が人口の多くを占めていたハーレムでは、社会暴動が頻発し犯罪率は上昇、治安が悪化した。マーチン・ルーサー・キング牧師暗殺の後に起きた68年の暴動は有名だ。
動乱の過去を経て90年代に入ると「ハーレムルネサンス」といわれる時代が訪れる。企業家や投資家、そして先進的な住民たちはハーレムの再開発に傾注する。犯罪率も低下した。現在では不動産価格は上昇、人口動態も多様化、新たな「ハーレムラッシュ」が到来している。