<川内原発と火山>「川内原発というのは桜島と霧島を心配しているだけじゃダメなんだ」 広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)いろいろ参考資料あり
危ない!川内原発
「鹿児島の皆さん本当の事を知って下さい」 広瀬隆氏
2014年4月18日 谷山市民会館
文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/cqnKKNMipEI?t=20m11s
さて、具体的な川内原発の危険性に入ります。
まず最初に火山のお話をしますが、
私は、この南九州の火山の地質についてはそれほど詳しくなかったんですけれども、
この南大隅町は高レベル放射性廃棄物の最終処分場になるという計画が福島の事故前に出まして、
それで呼ばれたんで、徹底的にこのあたりの地質を調べて、
そして、南大隅だけではない、川内原発も非常に火山問題が深刻だという事を、その時から分かりました。
で、この事は最後にお話しますけれど、南大隅町の事はお話しますが、こういう事です。
ここ、今点線になっているところが、6つのカルデラ地帯で、
カルデラというのはご存じ阿蘇で有名ですけど、
要するに火山によって形成された窪地ですね、それをカルデラと言いますが、あとでお話します。
私はこの地質図、これは東大地質学会が出しているのを見た時にビックリしました。
北薩火山群(ほくさつかざんぐん)といって、いいですか、さっき言った新燃岳ね、ここね、噴火した。
それから宮崎県境ですね。
それから桜島の噴火はみなさんも絶えずご覧になっていると思いますが、
この事はご存じでしょうが、たぶんですね、皆さんも北薩火山群というのはご存じないんじゃないかと思います。
私は初めて知りました、この事を。この地質図を見て、「えぇ!」って思いましてね、
川内原発というのは桜島と霧島を心配しているだけじゃダメなんだってね。
これが本当に火山として噴火するんじゃないかっていう事をですね、
それ以来数年間ずーっと恐怖に思っていました。
そういうこと。
そしてこれが、桜のマークを付けたところが鹿児島市。
私たちが今いるところがこのあたりですね。
で、2009年から桜島の大噴火が始まりまして、今も止まりません。
100年前、ちょうど今年の2014年で100年前で、1914年大正3年になります。
確か正月の1月12日だったと思います、確かじゃありませんが、大噴火を始めました。
その前にですね、霧島の噴火が始まってから、桜島の大噴火が始まって、
その後にマグニチュード7.1の桜島地震が起こって、
そして、9年後に関東大震災。
その間に沢山、全部が動き出し。
だから桜島の噴火というのは、日本全国の地震、あるいは火山のいろんな動きを象徴する動き。
それがこの当時の記録を読むとわかります。
いいですか、だってここに桜島があるんですよ。(点線部分)
どんな噴火だったと思います?
私はこれ、桜島は何処にあるんだろう?と思ったんです。
この煙、この噴煙を見てね。
そうしたらこれじゃないですか、ね。
こんなもんじゃないです。
これは私が、丁度一昨年だったと思いますが、
この鹿児島から向いの垂水にフェリーでに向かう時にドーンと噴火した時のものなんですけど、
こんなもんじゃないです。
こんなのが起こったらどんなになるんだろう?と想像もできませんが、
この桜島の噴火記録ですね。
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今年復刻してくれるというんですが、これは大変厚い本で旅に行く時に持っていくので、
まあ、スリラー小説のようなもので、
「桜島は噴火しない、噴火しない」と言い続けてそれを信じた人が亡くなったんですね。
そしてその後住民は専門家や学者なるものを信じなくなった。
ここが一番大事なところです。
専門家や学者なんて、そんなもの「へ」でもないんです。
我々の方が、本当に考えた市民の方がたいてい正しいんです。
その時も、桜島の住民の人達はほとんどの人がパニック状態になって逃げたんです。
そのパニックになったのが正しかったんですね。
福島ででも本当にですね、事故直後から私は早くパニックになって全部逃げて欲しかったんですが、
残った人達が今どんどん被ばくしている、そういう状態です。
それから噴火回数でいいますと、先程の小川さんの話で、
爆発回数と噴火回数というのは、鹿児島地方気象台のデータだと一応分けてありますので、
私が今出したグラフは噴火回数です。
この2014年から1000回ガーーッと超えています。
去年ですね。
だからこの事については、私よりみなさんの方がよくご存じですが、
慣れないでください。
私は鹿児島に来るたびに、「お母さん、慣れるなよ」って言っているんです。
これは大変な出来事なんだから。
日本全体にとって大変な事だから、「慣れないでください」って言ってるんです。
もっと大声で日本中に声を出して下さい。
それがみなさんの役割です。
さて、この事と福島第一原発で起こった大変恐いこと。
それは電源喪失という、電気が全部無くなっちゃう。
今さっきここの電気をちょっと消してもらいましたけれど、そんなもんじゃない。
全部の電気が消えてしまう。
そういう事があの地震の後に起こっているんですね。
それじゃ、なんにもできないでしょ。
原子力発電所というのはコンピューターでやっています、って言ったって、
コンピューターって電気で動くんだから、ね。
あの時のオペレーターの人達はどれだけ恐かっただろうと私はおもいますが、
全交流電源喪失、ステーション・ブラックアウトという一番怖いことが起こったんです。
それはまずですね、変電所から来る送電線が壊れちゃったの、地震で倒れて。
こういう事から始まるんですが、
大地震が起こりますね。
そうすると原子炉というのは制御棒が入ります。
そうすると、原子炉というのは電気を起こす装置なんですが、
原子炉を止めますから、もう全く発電しなくなるわけだから、
電気がこの送電線だけになる。
これが倒れちゃったの。
ね。
そうするとここにズラーッと並んでいる非常用の発電機が、これが津波を浴びてだーっとやられていくんですね。
その他にも沢山の事が起こっているんです。
で、バッテリーも切れて終わるわけです。
さて、先程新燃岳の噴火で出た火山灰。
これが「太平洋側に行った」って言いました。
だけどですよ、これが逆だったらどうでしょう?
3年前の新燃岳の噴火が、こっちに風が流れていたらどうなっていたでしょう?
福島より先に川内原発が爆発していた可能性が高いんです。
あれだけの大変な噴火の灰ですね。
それはみなさんは普段ご存じないでしょうが、大量の火山灰が送電線に降り積もります。
そうすると、送電線の鉄塔が倒れなくても、外部電源は使えなくなります。
そして、非常用のディーゼル発電機っていうのは、
あれは空気を吸い込んでいますから、そこに全部フィルターにバーッと火山灰がつまってきます。
飛行機だってそうですよ。
火山が噴火している上を飛行機が飛んでいく時に、
よくエンジンがね、止まってしまうという事が、恐怖な事があります。
それと同じなんですが、
要するに火山灰がつまってしまうと、ああいうモーター類っていうのは全部止まっちゃうんです。
そうすると福島と全く同じ事が起こる
そういうですね、大変な危険性を今霧島連山も、桜島も抱えているという事を知っておいてください。
だから、100年前に起こったような桜島の大噴火の規模のものが今起こらないとは火山学者は保証できません。
そういう事が起こってその風が川内原発の方に向かうと、本当にそれだけで終わってしまうんです。
これはみなさん信じたくないと思いますし、私は信じたくないんですけど、そういう危険性がまず一つあります。
だからこういう、要するに原発の向こう側に桜島がある。
川内原発からみてるんです。そういう関係になります。
もっと恐ろしいのは、火砕流ですね。
これはですね、我々もちょっと想像力を要することになりますが、
昨年のさっきのカルデラの事をお話しましたが、
2万9000年ほど前、もうちょっと前から始まっていますが、巨大噴火を起こして、
なんと東京ドーム36万、万ですよ。
36万個分という驚異的な火砕流が噴出して、南九州全域を壊滅させたという事が分かっています。
これは地質学の調査で分かっています。
で、先程のカルデラをね、
詳しくちょっとお話しておきますと、
九州南部にはですね、6つのカルデラがある。
なので、さっき点線でなぞったのはここなんですが、
ここは姶良(あいら)カルデル。
桜島のあるところは、姶良カルデル。
北からいきますと、加久藤(かくとう)、小林(こばやし)、安楽(あんらく)
それから姶良(あいら)という大きな。
それからここに阿多北(あたきた)、阿多南、こういう6つ。その南にもまだありますけれど、
ここがずーっと繋がったカルデラです。
画像:九州南部・シラス地帯-南九州を壊滅させた巨大災害の跡地より
で、川内原発近くでは
この2万年以上の出来事で数メートルから10メートル以上の火砕流の堆積物が見つかっているので、
高さ数10メートルの火砕流が襲ったと推定されている。
これは我々も本当に信じられない事ですが。
それで今原子力規制委員会というのが原子力の適応性審査というのをやっていますが、
地震の場合は12万年、ほぼ12万年以降、もっと言うと40万年以降を調べて、
それで危険性を判断することになっているのに、
この火山の噴火に関しては1万年単位ですよ。
それを全く無視している。
で、当時の火砕流を想像で描いた絵が残っている。
これを見ていると本当に怖いんですけれど、本当なのかと思いますが。
これが先月日刊ゲンダイのパブロイド紙に
「川内原発第1号は日本一危険だ、正気かよ」と書いてある
「桜島の異常噴火に活断層の疑いも」というふうに書かれています。
これがいま、
これは先月の新聞ですよ、ついこの間のね、一ヶ月も経たない。
再稼働“第1号” 鹿児島・川内原発は「日本一危険」という罠
日刊ゲンダイ 2014年3月25日 掲載
桜島の異常噴火に活断層の疑いも
「原発立地自治体住民連合会」が公開質問状を提出/(C)日刊ゲンダイ
よりによって日本一危ない原発を真っ先に再稼働させるのか。
原子力規制委が新規制基準への適合審査を優先させることに決めた、九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)。安倍首相は「新基準に適合すれば再稼働を進める」と、この夏にも川内原発を稼働させるつもりだが、正気とは思えない。
川内原発は全国の火山学者が選んだ「巨大噴火の被害を受けるリスクがある原発」のワースト1だ。
昨年12月に毎日新聞が実施したアンケートで、回答した50人の学者のうち29人がリスクを指摘。周囲に阿蘇や姶良など巨大噴火後に形成されるカルデラが存在するなど、日本有数の火山帯に位置するためで、秋田大の林信太郎教授は「(再稼働は)許容できない」と明言していた。
折しも、川内原発から南東に50キロほど離れた桜島では異常な噴火活動が続く。
噴火回数は2010年以降、毎年1000回を超えている。
24日、原発立地自治体の地方議員147人が参加する「原発立地自治体住民連合会」が開いた会見で、鹿児島市議の小川みさ子氏はこう訴えた。
「噴火で川内原発が停止しても送電線に大量の火山灰が降り積もれば、外部電源は完全に失われます。非常用ディーゼル発電機のフィルターだって灰が詰まって発電不能になる。福島原発と同じ『全交流電源喪失』の事態に陥るのです」
リスクはまだある。
在京メディアはまるで報じないが、実は先月、川内原発から東に800メートルという至近距離で、活断層と見られる3本の断層と破砕帯が発見された。
「断層は近くの林道拡幅工事中に、偶然露出したもの。新潟大名誉教授の立石雅昭氏(地質学)が確認し、粘土層が軟らかく、比較的近年まで活動していたそうです。これまで九電は川内原発周辺に『活断層はない』と説明してきた。97年には旧川内市の北東20キロを震源に震度6弱の大地震が発生したにもかかわらずです。ところが今回の断層が見つかっても、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は『6月議会で再稼働のゴーサインを出す』と息巻いています。住民の安全はどうでもいいのでしょうか」(小川氏)
前出の連合会は「どのような科学的根拠で川内原発は『安全だ』と住民に保証するのか」など原発再稼働計画に対する公開質問状を政府に提出。1週間以内の回答を求めた。
安倍政権がマトモに答えなければ、再稼働なんて絶対に認められない。
そして先週東京新聞でも大特集を組みました。
巨大噴火を過小評価している審査大詰め川内原発
そしてここに書かれているのが大事です。
「専門家不在の規制委員会」
つまり、原子力規制委員会の島崎邦彦という人がこの間きましたね。
チラッとなんか覗いたらしくて、それでスルっと帰っていってね「大丈夫」みたいな事を言って帰って行った。
本当に無責任な事で、私がそこにいたら怒鳴ってやりますけれども、
本当ですよ、許せないですよ。
この島崎というのはなんにも知らない、火山の事なんか。
なんにも知らない人間が規制委員会にいてそんな人間が専門家じゃなくて、
100年前の桜島の噴火の時と同じですよ。
あの時もですね、東京から専門家というのがやってきて、
もう噴火、大噴火しているのにですよ、
日本一の地震学者だというのが入って、桜島の噴火も見ないで「大丈夫大丈夫」と言っているんですから。
噴火しているのにですよ。
それが専門家なんです。
今全く同じです。本当に恐ろしいことだと思いますが、
専門家なんていないんです、今。
だからみなさんは本当にご自身の知識を、知恵を使って、物事を判断していただきたい。
【特報】審査大詰め川内原発 巨大噴火を過小評価
東京新聞 2014年4月13日
九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査が大詰めを迎えている。規制委は、川内原発は課題が少ないとして審査を優先的に進めているが、火山噴火のリスクについては議論が尽くされたとは言いがたい。原発に壊滅的打撃を与える巨大噴火が起きる可能性は低いとはいえ、ゼロではない。過小評価は許されない。(上田千秋)
◆立地周辺にはカルデラ
「火砕流が来たら終わり。人間は逃げられたとしても原発は逃げられない」。市民団体「反原発・かごしまネット」の向原祥隆(むこはらよしたか)代表は危惧する。
同ネットは、川内原発周辺にある火山や活断層などの危険性を詳細に分析。パンフレットを作製するなどして、住民らにアピールしてきた。向原代表は「規制委は、再稼働を止める頼みの綱。世界一厳しい規制基準だというなら、それに従って判断してほしい」と訴える。
川内原発の位置する九州南部は、国内有数の火山地帯だ。原発周辺には、巨大噴火の際にできたカルデラ(陥没火口)を持つ火山が「阿蘇」 「加久藤(かくとう)・小林」 「姶良(あいら)(桜島)」 「阿多」 「鬼界」と5つもある。最も近い姶良までの距離は40キロしかない。
福島第一原発事故が起きるまでは、原発の運転に火山噴火のリスクはほとんど考慮されていなかったが、規制委は昨年7月にまとめた新規制基準に火山対策を盛り込んだ。原発から半径160キロ圏内の火山を調査し、火山灰に対する防護措置を講じることなどを各電力会社に要求。火砕流が襲う可能性が明確に否定できない場合は、「立地不適」とする方針を示した。
これを受けて九電は、1万2800年前の「桜島薩摩噴火」と同規模の噴火が起きることを想定した対策を検討した。火砕流は川内原発には届かず、敷地内に15センチの火山灰が降り積もるものの、除去などをすれば運転には影響しないと規制委に報告した。
問題は、原発に甚大な被害を及ぼす巨大噴火の危険性を過小に見積もっている点だ。
九電は①各火山の最後の巨大噴火からの期間が、それ以前の最大休止期間より短く、噴火までの十分な時間的余裕がある②川内原発の敷地内で火砕流の堆積物が確認されていない─ことなどを根拠に、巨大噴火の可能性はほぼなく、起きても火砕流の影響は受けないとの立場をとる。
ただ、この考えには異論を唱える専門家が少なくない。川内原発の敷地内でなくでも直近には火砕流の堆積物が残っている。その上、堆積物は年月の経過とともに浸食などで失われることがあるからだ。規制委内部にも疑問視する声はあり、昨年9月の会合で島崎邦彦委員長代理は、敷地内に堆積物がないとの主張に「私は疑問が残る」と発言している。
巨大噴火の定義は明確にはなっていない。だが、少なくとも琵琶湖2つ分の水量に相当する50立方キロ程度のマグマが噴出し、直径数キロ~20キロ規模のカルデラができるとされている。温度600度以上にもなる火砕流が、時速100キロ以上のスピードで周囲数百キロにわたって流れることもある。原発を襲えば誰も近づけなくなり、電力の供給も断たれて、長期間にわたって制御不能となる。
◆専門家不在の規制委
巨大噴火は、国内で起きるのは6000~1万年に1回とされている。最後に起きたのは7300年前の鬼界だ。めったにないとはいえ、ひとたび起きれば被害は大きい。9万年前の阿蘇の巨大噴火では火砕流が180キロ先まで達し、九州中部から北部を焼き尽くしたとされる。2万6000~2万9000年前に起きた姶良の巨大噴火では、川内原発より先の熊本県南部まで火砕流が届いている。
九電も、火砕流到達の可能性を全く考えていないわけではない。モニタリングを強化し、巨大噴火の予兆が観測されれば運転を停止したり、核燃料を外部に搬出したりするとしている。しかし、核燃料の搬出は事実上、不可能だ。
川内原発の敷地内には使用済みを含めて888トン(1946体)の核燃料が貯蔵されている。外部に持ち出すには専用の容器や輸送車両が必要になるが、まずそれらの用意が困難。仮に準備できたとしても、「全部搬出するには数カ月から1年以上かかるだろう」(原発関係者)。
どこに持っていくかという問題も浮上する。約1300キロ離れた青森県六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場に持ち込むとしても、同工場には現在、50トン分ほどの空きスペースしかない。九電はこうした重要な点を詰めておらず、「現在、検討している」(報道グループ)と回答するにとどまった。
モニタリングによって噴火を予知できるかどうかも分からない。確かに過去には、東京都の三原山(大島)や雄山(おやま)(三宅島)、北海道の有珠山(うすざん)など噴火を事前に察知した例はたびたびある。首都大学東京の鈴木毅彦教授(自然地理学)は「火山が噴火する前には地面が隆起したり、火山性微動が続いたりする。三原山などは過去に何度も噴火していて細かな観測データがあるので、規模などを含めてある程度の予測が可能になる」と説明する。
一方で、巨大噴火が最後に起きた7300年前は縄文時代。当然、データは存在せず、どういった予兆が起こると巨大噴火になるのかという科学的知見はないのが現状だ。鈴木教授は「噴火することが分かったとしても、それが巨大噴火につながるかどうかは判然としない。異変を察知した後に原発を止めるのは、非常に難しい判断になる」と話す。
火山噴火のリスクは川内だけでなく、他の原発の適合審査でも論点の一つになっている。泊(北海道)や伊方(愛媛県)、玄海(佐賀県)などでは過去に火砕流が敷地に到達した可能性が指摘されているが、これまでの規制委の会合で突っ込んだ議論が交わされた形跡はない。
川内原発の安全審査は6月にも結論が出るとみられている。今後数十年の間に巨大噴火が起こることは、確率的には低いだろう。しかしゼロと言い切れない以上、立ち止まって検討を続けるべきではないのか。
鹿児島大の井村隆介准教授(火山地質学)は「規制委は、活断層については40万年前以降に動いたものを無視しないと言っている。それなのに、より新しい時代に起きている巨大噴火のリスクを考慮しないのはおかしい」と主張する。
井村准教授が問題視するのは、規制委の委員5人の中に火山の専門家が1人も入っていない点だ。「専門家がいないから、細かな議論ができないままでいる。火山のリスクは、日本社会全体で考えて判断する問題。現状をすべて明らかにし、国民に広く説明をする必要がある」
[デスクメモ]
今年は、桜島の大正大噴火から100年。近年、小噴火の頻度が増えており、警戒が強まっている。大噴火が起きれば、たとえ火砕流が到達しなくても、大量の火山灰が積もり、交通網は完全にまひする。なのに原発災害の避難計画では、ほとんど考慮されていない。再稼働の前に考えるべきことは山ほどある。(国)
(※内容書き出しは俺的メモあれこれより)
この事については毎日新聞が大きな特集でなかなか良いアンケートを取ってくれて、
日本中の火山学者に尋ねてですね、
巨大噴火で原発のリスクは一体どこが一番危ないのか?と。
多くが川内原発。
50人のうち29人の火山学者が一番危ないのが川内原発だって言っているんです。
これご存知ですか?
ご存じだった人いますか?手を上げて下さい。
二人…それじゃあダメなんですよ。
もう日本中が危ないと思っていて、鹿児島のみなさんが知らない。
それは知らされていないからであって、みなさんが悪いんじゃないんですけれど、
ちゃんと広めて下さい。
このコピーをね、どんどん。
そうするとみんな変わりますから。
「えー、そんなんだ」と分かりますから。
巨大噴火原発のリスク
火山学者 泊など影響大
毎日新聞 2013年12月22日
国内17カ所の原発に対する火山の危険性について、毎日新聞は全国の火山学者を対象にアンケートを実施した。
回答した50人のうち、巨大噴火の被害を受けるリスクがある原発として川内(せんだい)(鹿児島県)を挙げた人が29人と最多で、泊(北海道)も半数の25人に達した。
原発の火山リスクについて火山学界の見解が定量的に示されたのは初めて。
リスクを指摘された原発の再稼働に慎重意見もあり、原子力規制委員会の審査や再稼働の議論に影響する可能性がある。
特任などを除く全国134人の大学教授、准教授らに郵送で実施した。
原発への噴火リスクと再稼働反対を指摘した火山学者の人数(数字は人)
最長60年の稼働期間中に巨大噴火が発生し、火砕流の被害を受けるリスクがある原発を複数回答で選んでもらったところ、29人がいずれかの原発を選択した。
その全員が「阿蘇(熊本県)や姶良(あいら)(鹿児島県)など多くのカルデラが周囲にある」として川内のリスクを指摘した。
カルデラは巨大噴火の後に形成される非常に大規模な陥没(盆地)地形で、
同様に泊、東通(青森県)、玄海(佐賀県)も周辺にカルデラが存在することが懸念された。
他は伊方(愛媛県)11人▽女川(宮城県)9人▽島根(島根県)や東海第2(茨城県)など7人の順で、カルデラとの距離が遠くなるほどリスクの指摘は減っている。
どの原発にもリスクがないと答えたのは9人、無回答は12人だった。
「リスクがある」と答えた人に、それぞれの原発について再稼働の是非を尋ねたところ「再稼働させるべきでない」は川内が19人と最多で、泊15人▽東通11人▽玄海9人▽伊方5人だった。
「火砕流が到達した場合は運転員の生存が見込めない」(林信太郎・秋田大教授)などとしている。
しかし、「リスクがある」と答えた人でも、巨大噴火の発生する確率は「非常に低い」との指摘が少数あった。
一方、カルデラを形成するような巨大噴火が迫っていることを事前に正しく評価できるとしたのは50人中5人にとどまるなど、現在の科学で巨大噴火がいつ起こるのかを評価するのは難しいといえる。
原発の新規制基準は、原発の半径160キロ圏にある火山を対象に、最長60年の原発稼働期間中に巨大噴火が発生する可能性の有無を調べるよう電力各社に求めている。
(1)巨大火砕流が原子炉を直撃する
(2)直撃しなくても周辺が壊滅し原発事故に対応できない--
などの場合は立地不適と判断され廃炉を迫られる。【山崎太郎】
◇巨大噴火
火山の噴火規模は噴出物の量によって小規模噴火から超巨大噴火まで分類される。
日本では約6000~1万年に1回、巨大噴火が起きている。
約9万年前の阿蘇の巨大噴火では高温・高速の火砕流が約180キロ先まで達し、北部から中部九州はほぼ壊滅。一部は山口や愛媛にも達した。
直近では7300年前に現在の鹿児島県南部で起きた。富士山の宝永噴火(1707年)や有珠山噴火(2000年)はこれよりずっと小さな規模の噴火になる。
◇九州大の清水洋教授(火山物理学)の話
次の巨大噴火を予測することは難しいが、科学的にリスクはゼロとは言えない。リスクをどこまで許容するかだ。
原発稼働の可否はリスクの大きさと国益などを考慮して国民が判断する必要がある。そのためには、それぞれの原発についてリスクを公正に評価し、それらの情報を公開する必要がある。
川内原発はとにかく一番危ないと警告しているのに、
ここでもですね原子力規制委員会はたった一回の会合をひらいて、
「周辺の火山が噴火しても、原発に影響はない」という九州電力の報告を了承してるんです。
こんなでたらめが今通っている。
ところが、九州電力も遂に追いつめられて大火砕流を認めたんですが、
「いや、危険性は少ない」なんて勝手な結論を書いている。
九州電力は19日、約3万年前に鹿児島県の姶良カルデラで起きた極めて大規模な「破局的噴火」に伴う火砕流が、川内原発(同県)の敷地まで及んでいたとする再現試算結果を原子力規制委員会の審査会合で示した。火砕流が川内原発に及んだ可能性を九電が公式に認めるのは初めて。
カルデラは噴火による陥没地形で、姶良カルデラは鹿児島湾を囲むエリア。
九電は姶良カルデラの活動状況から、破局的噴火が原発の運転中に起きる危険性は十分小さいと評価。運転中に起こり得る噴火として、約1万3千年前に同カルデラで起きた比較的小規模な「巨大噴火」を想定し、原発まで火砕流は到達しないと説明した。
3万年前の破局的噴火の試算は、河口から約90km離れた熊本県五木村の厚さ35mの火砕流堆積物を再現する条件で計算。火砕流は時速500~700kmで山地を越えて拡大し、川内原発にも到達したうえで、南九州を埋め尽くす結果となった。
規制委は川内1、2号機を優先審査の対象に決定しており、審査に合格する見通しとなっている。
認めているんですよ、九電も。
この過去の歴史をね。
だからハッキリ言いますと日本というのは環太平洋火山帯、地震帯、造山帯に日本はあるんですから、
この「動いている」島国に原発を建てるっていうのは、
要するに、沸騰寸前のヤカンの蓋に原発をズラーッと並べるのと同じ状態なんです。
川内原発だけじゃありません。
日本全部が危ないんです。
その1号を、トップを切ろうとしているのが川内原発なんです。
<参考>
九州電力 報告書類より
火砕流シュミレーションの検討
入戸火砕流堆積物の再現性P6~
入戸火砕流堆積物(姶良カルデラ)を対象としたシュミレーションによるパラメータスタディを行い
既往の火砕流堆積物の分布について再現性を確認。
再現計算計画 拡大図(川内原発の位置が見えにくかったので「川内原発」と黄色いラインを書き足しました)
(クリックすると大きく見る事が出来ます↓とにかく黄色い川内原発だけはよけています)
(※九電のシュミレーション結果では火砕流堆積物が川内原発をちゃんと避けています。
火砕流は避けていますけど、陸の孤島になっていますが・・・。)
桜島薩摩噴火の想定P23~
入戸火砕流堆積物のパラメータスタディのうち、
再現性の高いパラメータを参考に「桜島薩摩噴火」を対象とした火砕流シュミレーションを実施した結果、
火砕流による敷地への影響がないことを確認した。
想定結果 拡大図(川内原発の位置が見えにくかったので「川内原発」と黄色いラインを書き足しました)
つづくーー
危ない!川内原発「鹿児島の皆さん本当の事を知って下さい」 広瀬隆氏
2014年4月18日 文字起こしブログ
<鹿児島2区>広瀬隆さん4/18ありかわ美子候補4/19(文字起こし)
徳田毅前衆院議員の辞職による鹿児島2区衆院議員補選
<川内原発と放射能汚染>
「川内原発で事故があった場合はこういうふうに流れる。つまり日本は終わる」
広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)
<川内原発と火山>
「川内原発というのは桜島と霧島を心配しているだけじゃダメなんだ」
広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)いろいろ参考資料あり
<川内原発の断層と地質>
「そこに川内原発を建設するとは尋常な神経ではない」 広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)
川内原発関係ブログ
<安全審査優先>川内原発だけが厳しく想定“620ガル”まで引き上げ
(←東日本大震災は2933ガルだけど)&30圏内避難問題3/13ニュース7(内容書き出し)
<川内原発>なぜ事故時の住民避難にSPEEDIを活用しないのか?
~黒木政府参考人と「SPEEDI」の関係~参議院山本太郎議員質疑4/3(文字起こし)
<本当に動かす?>
そもそも原発再稼働といっても事故が起きたら即避難できるのだろうか
3/13そもそも総研(内容書き出し)
<川内原発と火山>
椎名毅議員(結いの党)「破局的噴火はこれから6万年は来ない」と基準に取り込むようお願いしたい。
4/24衆議院原子力問題特別委員会・田中委員長(文字起こし)
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- <川内原発と放射能汚染>「川内原発で事故があった場合はこういうふうに流れる。つまり日本は終わる」広瀬隆氏4/18鹿児島(文字起こし)
- <脱原発都知事候補・細川さんを支持します!>広瀬隆「細川さんが東京都知事なら明るい東京、舛添要一知事だったら暗黒街の東京になる」1/20(内容書き出し)
- 広瀬隆氏「あの規制委員会のど素人のあんな奴らに命をかけちゃダメだ」11/10福岡(音声・文字起こし)
- 3<海洋汚染/地下水汚染>「海水がグーーッと沖合まで引いた時に井戸水が急に下がるんでしょ? これでわかりますよね、原理」広瀬隆講演会.9/16福井市(内容書き出し)
- 2<汚染水漏れ~遮水壁>「凍土壁をつくるって言っていますが、もう絶対に失敗します」広瀬隆講演会.9/16福井市(内容書き出し)
- <台風直撃の福井講演>「ああいう言葉を使って、人間を脅しているだけです」広瀬隆講演会.9/16福井市(内容書き出し)
- 「本当に危険な事が身に迫っていながら、 日本人が今危機感を持っていない」広瀬隆氏9/21青森(文字起こし)
- <リニア新幹線狂気の計画ー6完ー> 「運転手がいないんですって」 リニアは乗客の命を考えない、とてつもなく危険な鉄道である 広瀬隆氏(文字起こし)
- <リニア新幹線狂気の計画ー5ー> 電磁波を浴びる利用者の利便性 「日本人の誰も、高い金を払って時速500キロで景色も見えない鉄道が宙に浮いたまま、 目が回るような高速度で目的地に到着したいとは思っていない」 広瀬隆氏(文字起こし)
- <リニア新幹線狂気の計画ー4ー> リニアの電磁波問題 「これはきちんと理解したらみんな乗りませんよ、怖くって」 広瀬隆氏(文字起こし)
- <リニア新幹線狂気の計画ー3ー> 「一部の利権者が動き出して、これは遊びなんです。最後に失敗するんですから」 広瀬隆氏(文字起こし)
- <リニア新幹線狂気の計画ー2ー>「97%反対止めます。っていうのが普通でしょ?どんどん決定していくんですよ」広瀬隆氏(文字起こし)
- <リニア新幹線狂気の計画ー1ー>「間違いなくこれは浜岡と抱き合わせの計画だ。このままいくと我々はもう殺されますよ」広瀬隆氏(文字起こし)