原発作業員に給食を 東電、大熊にセンター 来春稼働
福島第1原発事故の収束に向け同原発で働く作業員のため、食事を作る東京電力の「福島給食センター」の起工式が29日、福島県大熊町であった。一度に3000食を調理でき、県内の食材を優先的に利用する。来年4月の操業開始を目指している。
第1原発では現在、5000人以上の作業員が事故の収束作業に従事している。構内に調理施設がなく、作業員は弁当を持参するなどしている。
起工式に出席した東電福島復興本社の石崎芳行代表は「現場で過酷な作業をしている作業員に温かい食事を取ってもらい、廃炉作業を安全に安定した状態で進めたい」とあいさつした。
建設場所は第1原発から約9キロ離れた大熊町大川原地区。センターは鉄骨2階建てで床面積約3500平方メートル。作った給食は第1原発内に整備する大型休憩所に運び、朝昼夕、作業員に提供する。東電はセンターの従業員約100人を大熊町や双葉地区を中心に雇用する方針。
渡辺利綱町長は「帰還へモデルとなる環境作りに取り組む。センターは町の復興に向けた最初の拠点だ」と期待を込めた。
2014年05月30日金曜日