クルド民族のサリン被害&家族離散
トルコ、イラン、イラクの位置関係を地理解するために、まず地図を見てください。
クルド族にクルド国はない。トルコ、イラン、イラクに分散して暮らしているが、それぞれの国で異分子扱いされている。イラク、イランではアラビア語を使っているが、クルドはクルド語を使い、文化も違う。ユダヤがイスラエルを建国してのち、クルドが国を持たない世界最大の民族といわれている。
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イラクは国内のクルド族が敵に内通しているとして、サリンを使った攻撃をした。そのとき、それに巻き込まれたクルド族が5000名の死亡、そして未だに松本サリン事件河野さんの奥さんように苦しんでいる人が1万人いる。さらっというが、一万人の後遺症で苦しむクルド人がイラク国境にいる。
フセインのイラク軍に追われて、イラン側へ逃げるさい、多くの離散家族が生じた。化学兵器の使用で、かなりの数のクルド人が意味もなく殺され、孤児がイラン領内で孤児院で収容され、あるいは個人の篤志家によって養育された。
クルド族:トルコ・イラク北部・イラン北西部等、中東の各国に広くまたがる形で分布し、独自の国家を持たない世界最大の民族集団である。人口は2500万~3000万人、1200万~1500万人がトルコ南東部に居住する。
宗教はその大半がイスラム教、宗派は一般的にスンニ派に属するといわれている。言語的には、インド・ヨーロッパ語族イラン語派のクルド語に属する。主な生業は牧畜が多かったが、近年、都市生活を送る割合も相当多い。
長く統一した民族主義的な勢力が興らず、これらの国の中で少数民族として生活している。トルコやイラクでは分離独立を求め、長年居地元政府との間で様々な軋轢を抱えている。トルコでは、クルド語の放送、教育を認めない、クルドの独自政党をテロ組織とみなし、日本もそれに同調している。(Wikipedia)参照
今回見つかったアリさんは、「ハラブジャの悲劇」で離散した孤児の一人である。彼はイラン人のコブラさんの元で育てられた。6歳までは、自分の親と思っていたが「あなたは、イラク人なの。本当の親はハラブジャから逃げるとき、はぐれたの。生後三ヶ月でマシャドの孤児院に連れて来られたところを私が引き取った。でも、本当のお母さんだと思って欲しい」と話した。
アリさんが18歳のとき、2006年、育ての母コブラさんが交通事故で死んだ。イラク難民という身分証しかないので、将来が不安で故郷であるハラブジャの町について知りたいと調べているうちに、テヘランの「化学兵器の被害者支援する会」を見つけて会長と連絡が取れ、親身に相談に乗ってもらえた。
「クルド地域政府の大臣がテヘランへ来るから、君の話をしてあるから、テヘランへ来てみないか」といわれ、大臣と会った。すると、すでに子を探す41家族が我が子ではないか、と名乗っているという。特別渡航許可も出て、昨年10月ハラブジャを訪問した。
離散状況から絞って、5家族と面談してDNA鑑定のため血液を取り、待った。2ヶ月後「結果が出た」との連絡があり、再訪すると、その発表は、地元の住民300人が集まり、一大イベントになった。
アリさんの育ての母コブラさんの写真は携帯の待ち受け画面にしているが、その写真に離しかけた「今、本当のお母さんがわかる」涙が止まらなくなった。
「ファーテマ・ムハマド・サリフ」と、実の母の名前が呼ばれた。彼クルド族の母はクルド語しか話せない。アリさんは、三ヶ月からイランで育てられたから、アラビア語しか話せないが、目を見れば気持ちはわかった、という。生みの母ファーティアさんがまず見せたのは、実の父親と四人の兄姉の写真だった。全員、「ハラブジャの悲劇」のさい、毒ガスで全員、死んだ。アリさんは母と抱き合った。
母はその後、再婚して、新しい夫の男の子3人を生み、ハラブジャの隣り町スレイマニアで暮らしている。母と再会後、アリさんはイランを離れ、実の母と新しい家族の元で暮らし始めた。
ペルシャ語に近いクルド語の会話はすぐ上達し、今では地元の大学にも通っている。将来は大学院にも行き、IT関係の仕事に就くのが将来の夢だと語る。
私の知り合いのトルコ人、「イラン人の言葉(アラビア語)は聞いてすぐわかる」と言っていた。この辺の民族は入り組んでいて、お互い近親関係にあるようだ。
アリさん、クルド語名の「ジムナゴ」に戻ったが、家族では、イランの母がつけてくれた「アリ」と呼ばれているそうだ。(朝日新聞参照)
国のない民族 クルド、チベットなど: nozawa22 チベット暴動 他山の石
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