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姫路港沖のタンカー爆発 1人不明1人重体
5月29日 21時11分

姫路港沖のタンカー爆発 1人不明1人重体
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29日午前、兵庫県の姫路港の沖合で停泊中のタンカーが爆発して炎上し、乗組員4人が大けがをしてこのうち1人が意識不明の重体となっています。
海上保安本部は行方が分からなくなっている船長を捜索するとともに爆発の原因を調べています。

29日午前9時20分ごろ、兵庫県の姫路港から5キロほど沖合いに停泊していた広島県の聖朋海運が所有するタンカー「聖幸丸」(998トン)で爆発が起きて炎上しました。
第5管区海上保安本部などによりますとタンカーには8人が乗っていて、このうち7人は救助されましたが船長の安藤政一さん(64)の行方が分からなくなっているということです。
また救助された7人のうち4人が全身やけどなどの大けがをして病院で手当てを受けていて、このうち61歳の男性が意識不明の重体だということです。
海上保安本部によりますと、タンカーは今月23日に兵庫県西部の相生港で原油を降ろしたあと姫路港の沖合に停泊していたということです。
タンカーでは爆発の前、乗組員が原油を抜いたタンク付近の甲板でグラインダーという道具を使ってさびを落とす作業をしていたということで、海上保安本部は作業中に何らかの可燃性のガスに引火して爆発が起きた可能性が高いとみて原因を調べています。
国の運輸安全委員会は、船舶事故調査官3人を現地に派遣し、爆発事故の原因調査に乗り出しました。
海上保安本部は引き続き船長の行方を捜索するとともに、業務上過失傷害の疑いで安全管理に問題がなかったかどうかについても調べています。

ガス濃度検知 法律で義務づけ

国の運輸安全委員会は29日午後、事故調査官3人を、現地に派遣しました。
国土交通省によりますと、タンカーが運ぶガソリンや重油などの燃料からは引火性のあるガスが出ていて、このガスと酸素が一定の割合で混じり合った際に、爆発の危険性があるということです。
このためタンカーで作業を行う場合、静電気や火花が引火して爆発しないよう、船舶安全法に基づいて、あらかじめガスの濃度を検知し、安全を確認してから作業を行うことが義務づけられています。

専門家「どの船でも起きる危険性」

今回の事故について神戸大学大学院海事科学研究科の古荘雅生教授は「タンカーの側面がめくれ上がっていることなどから、相当、すさまじい爆発だったことがうかがえる。通常、積み荷の油を降ろしたあとも、タンクには多少の油は残るので、今回のようにグラインダーを使う場合は、ファンを回してタンク内の空気を爆発しにくい状態にするなどの安全対策を行うことになっているが、今回は何らかの原因でタンクに残った重油からガスが発生し、爆発しやすい状態になっていたと考えられる。どの船でも同じ事が起きる危険性があると考えて、十分に安全管理を徹底する必要がある」と話しています。

爆発事故 10年間で3件

海上保安庁によりますと、タンカーが爆発する事故は、この10年間で3件起きています。
このうち平成16年12月には、愛媛県長浜町沖の伊予灘で、パナマ船籍のタンカーが爆発しました。
タンクを清掃していた際に発生した静電気が、気化した積み荷の燃料に引火したのが原因だったということです。
また平成22年8月には、兵庫県の阪神港で、日本船籍のタンカーが爆発しました。
エンジンの潤滑油の温度が異常に高くなり、爆発したのが原因でした。
さらに平成23年10月、長崎県の佐世保港の造船所で、建造中の日本船籍のタンカーが爆発しました。
溶接作業の火花が気化した塗料に引火したのが原因だったということです。

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