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 鳥から人に感染するオウム病に、川崎市の社会福祉施設の入所者ら計12人が感染したことを市健康安全研究所が確認した。鳥を飼っていない場所では珍しいという。換気扇の外側にハトが巣をつくり、そのフンが原因となったとみられる。患者は全員回復している。

 オウム病は、オウム病クラミジアという微生物に感染することで起こる。オウムやインコ、ハトなど鳥類のフンを吸い込むほか、エサを口移しで与えることでも感染する。高熱やせきが出て、肺炎や髄膜炎を起こすことがある。抗生剤でほとんど治るが、まれに死亡することもある。

 研究所によると、2月24日から3月10日までに施設の入所者と職員が発熱したり、肺炎になったりした。施設では昨年の夏ごろから、換気扇の外側にハトが巣をつくって繁殖していた。そのハトのフンから患者と同じタイプのオウム病クラミジアが検出された。換気扇から室内に入ったフンを吸い込んだとみられる。

 研究所の三崎貴子・企画・調整担当課長は「ハトが集まるような場所ではフンがたまらないようにしてほしい」と話す。(土肥修一)