姫路港沖でタンカー爆発、船長不明で4人重傷
2014年5月29日19時54分 スポーツ報知
29日午前9時20分ごろ、兵庫県の姫路港沖約5キロの播磨灘で、広島県大崎上島町の聖朋海運が所有する石油タンカー「聖幸丸」(998トン、全長81メートル、8人乗り組み)が爆発、炎上した。船長の安藤政一さん(64)=宮城県石巻市=が行方不明。7人は救助されたが、宮城県気仙沼市の甲板長尾形良道さん(61)が意識不明の重体、20~60代の3人がやけどなど重傷を負った。残りの3人にけがはなかった。
政府は同日午前、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。運輸安全委員会は、船舶事故調査官3人を派遣した。
重傷の3人は、1等航海士山内隆彦さん(45)=高知市、甲板手池野悦樹さん(66)=鹿児島県いちき串木野市、甲板員成田泰紀さん(23)=青森県八戸市。
事故の直前、聖幸丸では、研磨機を使って石油タンクのさびを落とす作業をしていた。火花が出て、タンク内にたまっていたガスに引火した可能性があり、姫路海上保安部は業務上過失傷害容疑で捜査を始めた。
総務省消防庁によると、午後3時ごろに火災は消し止められた。同保安部によると、船は午後7時ごろ、沈没した。
海運会社などによると、タンカーは22日に広島県を出港し、23日に関西電力相生発電所(兵庫県相生市)で重油約2000キロリットルを降ろしていた。
第5管区海上保安本部(神戸)によると、船長とけがをした4人は、室外で作業をしていた。残りの3人は室内にいた。聖幸丸は、和歌山県に向かうため停泊中だった。