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 29日の「ニクの日」にストライキをしよう――。牛丼チェーン「すき家」の従業員に向けたこんな呼びかけが先週から、インターネット上を駆け巡った。結局この日、店舗でストは起きなかったが、呼びかけはツイッターでも拡散、話題になった。なぜこんなことが起きたのか。

 すき家では先月、人手不足のため休業する店舗が一時、約120店に上った。

 「すき家ストライキ」が広がり始めたのは21日夜。ネット掲示板「2ちゃんねる」に「ストライキやるか」「5月29日はニクの日ということでスト決行」などの書き込みが相次いだ。

 22日にはツイッターでも話題になり、フォロワーの多いジャーナリストらも呼応し、一気に拡散した。

 すき家を経営するゼンショーホールディングスはこうした動きを把握していた。個人で入れる労組の組合員の1人が同社工場でストをしたが、広報担当者は29日、「従業員組合から要求は来ておらず、ストライキで閉店した店はない。第三者委員会の提言を受けて労働環境の改善に取り組んでいく」とした。

 とはいえ、従業員の間でも注目が集まっていた。

 「お前どうする?」。東北地方の店舗で働くアルバイト男性(39)は25日、同僚と話し合った。ツイッターで呼びかけを知った。客もストライキについて話題にしていた。