サブカテゴリー

PR:

北朝鮮、拉致を全面再調査 独自制裁解除へ 首相「解決への一歩」

日朝、拉致再調査で合意 発表する安倍首相
日本人拉致被害者の安否に関する再調査で、北朝鮮側と合意したことを発表する安倍首相=29日夕、首相官邸
Photo By 共同 

 安倍晋三首相は29日、北朝鮮が日本人拉致被害者の全面的な再調査を実施することで北朝鮮側と合意したと発表した。菅義偉官房長官は記者会見で、北朝鮮が拉致被害者らの再調査を開始する段階で、人的往来の規制など日本が実施している独自制裁措置を一部解除すると明らかにした。調査は拉致の可能性が否定できない特定失踪者らも含む包括的な内容で、首相は記者団に「全面解決へ向けて第一歩となることを期待する」と語った。

 両政府の合意によると、北朝鮮側は特別調査委員会を設置し、生存する被害者が発見された場合、日本に帰国させる方向で必要な措置を講じる。再調査合意は金正恩体制発足後初めて。再調査を通じて実際に安否不明の被害者の救出に結びつくのかが今後の焦点だ。展開次第で被害者帰国を含めた大きな進展につながる可能性がある。

 首相は、26〜28日にスウェーデンで開いた日朝局長級会合を受け「拉致被害者と拉致の疑いが排除されない行方不明者を含め全ての日本人の包括的な全面調査を行うことを約束した」と記者団に説明した。政府は横田めぐみさん=失踪当時(13)=ら拉致被害者などの安否確認と即時帰国に応じるよう求める方針。

 菅氏は特別調査委の発足までに3週間前後かかるとの見通しを示した。「いつまでということは決まっていない」と述べ、調査実施から結果を示すまでの期限は区切っていないとした。再調査する日本人拉致被害者らの具体的な人数に関し「掌握していない」と語り、在日本朝鮮人総連合会中央本部ビルの競売問題は北朝鮮との合意に入っていないと説明した。

 解除対象の制裁は人的往来、北朝鮮への送金報告の義務、人道物資目的の北朝鮮船籍船舶の入港禁止などの制限。菅氏は北朝鮮貨客船「万景峰92」の入港再開は入らないとの認識を示した。

 合意内容は、特別調査委に関し「北朝鮮が構成や責任者を日本側に通報する」と明示。日本政府は適切な時期に、人道支援の実施を検討する。

 28日の協議後、両政府は合意に至ったとは発表できなかった。双方の政権トップの判断を仰ぐため最終調整。首相は29日、スウェーデンでの協議について帰国した外務省の伊原純一アジア大洋州局長から報告を受けた。その後、古屋圭司拉致問題担当相らと関係閣僚会議を開き対応を協議した。古屋氏は30日に被害者家族会のメンバーに説明する。

[ 2014年5月29日 21:29 ]

Webtools & Bookmarks

PR

注目アイテム

ニュース

注目アイテム

スポニチwikiランキング

      人気ニュースランキング

        ※集計期間:

        » 続き

        【楽天】オススメアイテム
        クイックアクセス
        スペシャルコンテンツ