私が始めてHawaiiの地を踏んだのは1995年~自宅マンションを買った翌年でした。
それまでもアメリカ-シアトル、カナダ-トロント&モントリオール、オーストラリア-メルボルン&シドニー&ゴールドコースト、タイ-バンコク&チェンマイ、マレーシア-、シンガポールetc…仕事、プライベートを含めて10か国以上の地域を訪れていましたが、まるで別天地、「paradise」としか言い様のない快適さには驚きを隠せませんでした。
かつて世界中を旅した作家・沢木耕太郎さんをして、「結局、世界で一番快適なところはHawaii」と言わしめ、俳優の高倉健さんやミュージシャンの吉田拓郎さんが定住しているというHawaii。
私は一瞬でHawaiiの虜になりました。
しかし、私には大きな問題が立ちはだかっていたのでした。大の飛行機嫌いという事実です。昔は飛行機なんて怖くはなかった。それが、あるきっかけから突然飛行機が怖くなったのです(その背景には「芦原英幸正伝」に登場するヨーコが関係しているのですが…)。生前の大山倍達総裁から何度も地方や海外遠征に誘われながら、私は1度も同行した事はありませんでした。
「総裁から誘われて、飛行機がダメだからという理由で断ったのは小島君だけだ」
郷田勇三師範に呆れられた逸話は忘れられません。
Hawaiiまで往路は約6時間、復路は偏西風の影響で約9時間…。私にとってギリギリの限界は3時間でした。そこで仕方なく環境がHawaiiに似ているだろう(?)場所という事で沖縄やグアムに通うようになったのです。
でも、沖縄は別にして、グアムとHawaiiは似ても似つかないところでした。グアムの湿気は南アジアと変わらずジメジメし最悪! 街には泥棒や詐欺師が犇めいていました。うかうかタクシーにも乗れない。グアムでは最高級のハイアットリージェンシーホテルのレストランでさえ、従業員は平気でチップの二重取りや割増価格を請求しようとする。さすがに私はグアムの滅茶苦茶な土地柄に嫌気が指してしまいました。
2006年夏、「大山倍達正伝」が新潮社から発売になりました。何の才能も才覚もない自分が、塚本佳子という世界最強の「相棒」を得て、我ながら予想もしなかった「最高の作品」を完成させる事が出来たと自負しています。
「これで俺はもう死んでもいい」
塚本への感謝の気持ちと愛情と同時に、そう思った瞬間、私には何も怖いものがなくなったのです。いつ死んでもいいと思うのだから勿論、飛行機など何でもありません! 実に単純な気持ちの変化でした。
そういえば当時から更に10年近く前。倅の大志がまだ小学生の頃、私は数日間、塚本と一緒にHawaiiで過ごした事がありました。大志にとって塚本は「姉貴」的な存在ですが、一緒にワイキキビーチで遊んでもらったりプールで騒いだり。
そんな訳で、私は飛行機嫌いを乗り越えるとHawaiiへの想いが再び沸き上がったのです。
(つづく)
●Hawaiiでは毎日のように大きな虹が見える


それまでもアメリカ-シアトル、カナダ-トロント&モントリオール、オーストラリア-メルボルン&シドニー&ゴールドコースト、タイ-バンコク&チェンマイ、マレーシア-、シンガポールetc…仕事、プライベートを含めて10か国以上の地域を訪れていましたが、まるで別天地、「paradise」としか言い様のない快適さには驚きを隠せませんでした。
かつて世界中を旅した作家・沢木耕太郎さんをして、「結局、世界で一番快適なところはHawaii」と言わしめ、俳優の高倉健さんやミュージシャンの吉田拓郎さんが定住しているというHawaii。
私は一瞬でHawaiiの虜になりました。
しかし、私には大きな問題が立ちはだかっていたのでした。大の飛行機嫌いという事実です。昔は飛行機なんて怖くはなかった。それが、あるきっかけから突然飛行機が怖くなったのです(その背景には「芦原英幸正伝」に登場するヨーコが関係しているのですが…)。生前の大山倍達総裁から何度も地方や海外遠征に誘われながら、私は1度も同行した事はありませんでした。
「総裁から誘われて、飛行機がダメだからという理由で断ったのは小島君だけだ」
郷田勇三師範に呆れられた逸話は忘れられません。
Hawaiiまで往路は約6時間、復路は偏西風の影響で約9時間…。私にとってギリギリの限界は3時間でした。そこで仕方なく環境がHawaiiに似ているだろう(?)場所という事で沖縄やグアムに通うようになったのです。
でも、沖縄は別にして、グアムとHawaiiは似ても似つかないところでした。グアムの湿気は南アジアと変わらずジメジメし最悪! 街には泥棒や詐欺師が犇めいていました。うかうかタクシーにも乗れない。グアムでは最高級のハイアットリージェンシーホテルのレストランでさえ、従業員は平気でチップの二重取りや割増価格を請求しようとする。さすがに私はグアムの滅茶苦茶な土地柄に嫌気が指してしまいました。
2006年夏、「大山倍達正伝」が新潮社から発売になりました。何の才能も才覚もない自分が、塚本佳子という世界最強の「相棒」を得て、我ながら予想もしなかった「最高の作品」を完成させる事が出来たと自負しています。
「これで俺はもう死んでもいい」
塚本への感謝の気持ちと愛情と同時に、そう思った瞬間、私には何も怖いものがなくなったのです。いつ死んでもいいと思うのだから勿論、飛行機など何でもありません! 実に単純な気持ちの変化でした。
そういえば当時から更に10年近く前。倅の大志がまだ小学生の頃、私は数日間、塚本と一緒にHawaiiで過ごした事がありました。大志にとって塚本は「姉貴」的な存在ですが、一緒にワイキキビーチで遊んでもらったりプールで騒いだり。
そんな訳で、私は飛行機嫌いを乗り越えるとHawaiiへの想いが再び沸き上がったのです。
(つづく)
●Hawaiiでは毎日のように大きな虹が見える