246万6000余柱の英霊が眠る靖国神社(東京都千代田区)で、何者かによる許し難い蛮行が確認された。神社の入り口に立つ大鳥居の柱に、ハングルで相手を中傷するような落書きがされていたのだ。他の神社でも、ハングルで日本や日本人を罵倒するような絵馬が奉納されており、インターネット上にはこれらの画像がアップされている。一体、誰が日本人の魂を傷付けようとしているのか。
落書きが見つかったのは、東京メトロ九段下駅側から靖国神社の本殿へと続く参道の入り口に立つ大鳥居(第一鳥居)。高さ25メートルに達する鋼管製のもので、国内最大級の規模を誇る。1974年に再建されたもので、21年の創建当時は「空を突くよな大鳥居」とも歌われた。
その由緒ある鳥居の左側の柱を見ると、ハングルらしき文字が浮かび上がっているのが確認できた。
韓国での取材経験が豊富で、ハングルにも詳しいノンフィクションライターの高月靖氏は「これは明らかにハングルだ。最初の文字は、韓国のインターネット用語で『笑い』を現す。そこに『病人』とか『できそこない』を意味する文字が続き、『犬畜生』と書こうとして途中でやめた跡もある」と解説する。
いずれも韓国のネット社会で流布するスラング(隠語・俗語)で、相手を中傷する際に使うという。落書きは、堅い鋼管に刻み込むように書かれ、上から黒い塗料のようなものでなぞったような形跡もある。
靖国神社の広報担当者は「ハングルというのは過去にあまり例がないが、鳥居への落書き被害は珍しくない。別の木の鳥居にガリガリやられることも多く、『またか』という感じです。気が付けば消しているようにしていますが…」とため息をつく。