河野談話:検証作業「静観」 河野氏が初言及

毎日新聞 2014年05月29日 19時07分(最終更新 05月29日 20時42分)

アジア調査会で講演する河野洋平・元衆議院議長=東京都内のホテルで2014年5月29日、梅村直承撮影
アジア調査会で講演する河野洋平・元衆議院議長=東京都内のホテルで2014年5月29日、梅村直承撮影

 河野洋平元衆院議長は29日、東京都内で開かれたアジア調査会(会長・栗山尚一元駐米大使)で講演し、政府が進める従軍慰安婦への旧日本軍の関与を認めた河野官房長官談話(1993年)の検証作業について「できるだけ静謐(せいひつ)な状況の中できちんと冷静に話をして結論を導き出してほしい」と述べた。検証作業について、河野氏が言及するのは初めて。

 河野氏はさらに「自分のやったことについて、付け加えることもなければ差し引くこともない。静観する姿勢だ」と作業を見守る考えを示した。

 安倍晋三首相の外交姿勢については「世界中を飛びながら隣の国(中国)に行かないのはいかがなものか」と批判。集団的自衛権の行使容認に向けた議論では「あからさまに中国が仮想敵国になっている。集団的自衛権より、外交できちんと隣国との間で話をすることが何より先だ」と苦言を呈した。

 首相の靖国神社参拝にも言及し、「靖国神社で不戦の誓いをするとの説明は(中国、韓国なども)納得がいかない。何人もわだかまりなくお参りできる施設を国が作るという議論を始めたらどうか」と述べ、国立追悼施設の建設に向けた議論が必要だとの認識を示した。【鈴木美穂】

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