【レポート】
2014年1月25日に公開された劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』だが、明日5月30日が全国的に最終上映となり、約4カ月に渡るロングラン上映に幕を下ろすことになった。
TVアニメ『アイドルマスター』の劇場版として公開された『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』は、TVアニメの"その後"の世界のアイドルたちを描く物語。TVアニメを通じて大きく成長し、今度は新たに登場した"後輩"たちを引っ張る先輩になった765プロアイドルたちの物語は大きな感動を呼び、通算で46万人を超える大ヒットとなった。
今回は上映の無事終了と、10月8日に劇場版Blu-ray/DVDが発売されることを記念して、"全44回"行われた舞台挨拶の中から、特に印象的だったものをセレクト。まずは公開初日の1月25日に新宿バルト9で開催され、中村繪里子、長谷川明子、今井麻美、仁後真耶子、浅倉杏美、平田宏美、下田麻美、釘宮理恵、たかはし智秋、原由実、沼倉愛美、若林直美、滝田樹里、赤羽根健治が参加したプレミア舞台挨拶を振り返っていく。公開時にも速報レポートを行ったが、今回は「9時50分上映終了後」と「13時30分回上映前」両方の回の詳細な内容を合わせた特別版レポートでお届けする。
●中村繪里子(天海春香役)
中村から会場に向けた「思いの丈を交換っこしましょう!」の声で舞台挨拶はスタート。「後ろのほうまでちゃんと見えてるからね! 今日は客席が近いんですけど、目の前がにじんでしまって見えなくなる瞬間があるんです。私たちをここに連れてきてくれてありがとうございます。これからもたくさんのアイドルマスターのステージを作っていきたいと思います!」と思いを込めて語った中村だったが、キャラクターひとりひとりの名前を挙げて感謝を伝えている時、うっかり双海亜美・真美の名前だけを挙げ忘れ、一転めろめろになってしまう場面もあった。作品の見どころについては「春香のかわいらしいところや、アイドルの芯の部分がTVシリーズよりももっともっと描かれていて、この年になって、伝えることの大切さを春香や、千早ちゃんや、雪歩や、みんなから教えてもらいました。春香は頑張り屋さんでまっすぐなところは変わらないんですが、今までのやり方では駄目だとなった時に、葛藤しながら乗り越えて一歩ずつ成長する姿が描かれていて、ハラハラしながら見ていました。エンドロールにも愛情が散りばめられています!」と語っていた。
●長谷川明子(星井美希役)
実は公開前に、下田、仁後と共に前売り券を買いに来たという長谷川は、前売り券の絵柄が大好きな真だったことにニッコリ。演じる美希と春香との関係性について、「美希はマイペースなんですが、自分とは違う輝きをもった春香の光や優しさの大切さを知って、その上での2人の関係が劇場版で描かれてると思います」と語った。2回の舞台挨拶で長谷川は「美希がかわいくて仕方ない!」という気持ちを強くアピール。作品の見どころとしては、「誰かが発したひとつの言葉を他の子がどう受け取ったかが本当に細かく描かれているんです。見守っている人たち含めて、みんなが765プロなんだよってことが伝わるシーンがたくさんあります」と、画面の隅々に描かれたキャラクターの心情や表情を挙げていた。
●今井麻美(如月千早役)
今井は試写会で「ラムネ色青春」がかかった瞬間に号泣してしまい、隣の人に注目されてしまったそう。公開初日を迎えた気持ちを「今日という日を迎えたことが不思議で不思議でしょうがないです。皆さんも同じ気持ちだと思いますが、期待と不安が入り交ざって、映画を本当に楽しみにしてきました」と表現した今井だったが、キャラクターの成長について「千早はアニメ版で人生の山場を越えているので、今回の映画は少し達観した感じで、感情の起伏はそんなになかったんですが、それこそが千早の一番の成長だったと思います……もう無理!」と語り、こみ上げる想いに言葉を詰まらせる場面もあった。午後の部で千早と作品を振り返ったトークでは、「千早は友達のようであり、娘のようでもあります。新しい一歩を進みだす千早の姿を見て頂きたいと思います。私は765プロのキャラクターがみんな本当に好きなので、少しずつメンバーをちゃんと描いてくれるのが嬉しくて仕方ありません。ミリオンの子たちの経験は、私たちが経験してきたことでもあるので、そのあたりも含めて見てください」と語っていた。
●仁後真耶子(高槻やよい役)
劇場ではまだ作品を見ていないため、実感がわかずふわふわしているという仁後。「映画は作るのにすごくたくさんの人が関わって、時間をかけて大事に大事に作っているので、それが皆さんに伝わったらと思います」とスタッフの想いの深さを語った。仁後から見たやよいの成長は「笑顔の芯が強くなったところ」「ライブの相談で真っ先に意見を言う姿」から感じたそうで、「ゲームでは一人でしゃべっているので、元気いっぱいな一面が強かったのが、アニメでは子供らしいところ、みんなについていこうとしているところが見えました。劇場版でもがんばれーって応援しながら見てほしいです。本筋の、前で大きく描かれる絵やキャラクターに目が行くと思いますが、私が一番好きなところはあるシーンにちっちゃく映ってる響の表情なんです。細かい表情にも注目して欲しいです」と見どころを語っていた。
●浅倉杏美(萩原雪歩役)
前夜、劇場版公開直前のニコニコ生放送に電話出演した浅倉だったが、実は劇場版の映像を見て号泣している時に電話がかかってきたとのこと。『ミリオンライブ!』組の新人たちの悩みや葛藤に、自分がアイマスに新しく参加した時のことが重なるようで、「できあがっている世界に入っていく恐怖や、そんな時に優しくしてくれる人に素直になれなかったりする気持ちは私の中にもあったので、ミリオンの子たちの気持ちはすごくよくわかりました。私自身も、雪歩も、それを乗り越えたからこそわかる気持ちがあって、私はこうだったんだよ、と伝えられる成長した雪歩に出会えて嬉しかったです」と万感の想いを込めて語っていた。キャラクターの変化については、「雪歩は自分に自信がないところがピックアップされがちだったんですが、劇場版ではすごく凛とした感じになったと思います。強くなったというより、背筋が伸びてまっすぐ歩いているというか。春香が何かしようとしている時に『頑張って!』ってすぐ声をかけられる距離にいるなと思います」と語っていた。
●平田宏美(菊地真役)
出産を経てほぼ一年ぶりにファンの前に登場した平田が「皆さんお久しぶりです! アイドルマスターが劇場版になるのはすごく願っていたことで、みんながいなければアイドルマスターは完成していないと思うので、これからも力添えをお願いします!」と挨拶すると、会場は温かい大歓声で出迎えた。平田は前日、浅倉と一緒に帰りながら話したそうで、「雪歩はいつもさりげなく真の側にいる、近い」という会話内容を紹介すると、(真好きの)浅倉もすかさず「雪歩は重心が真ちゃん寄りなんです!」と力説。この際同じく真大好きな長谷川が「ぐぬぬ……」という顔をしていたのが隠れたトピックだ。真の変化や見どころについては、「TVアニメの頃の真は自己主張が激しかったんです。劇場版では真が先輩らしくしているのがすごく出ていて、こんな先輩がいたら自分なら嬉しいなって思いました。先輩風がびゃーと出ているんですが、先輩ならではの悩みや葛藤に注目してほしいですね。映画を見ていて、個人的にはやっぱり雪歩と美希を思わず見ちゃいますね」と語っていた。
●下田麻美(双海亜美・真美役)
隣に立ったたかはしが「今日は下田(の服が)ラフだね」と声をかけると、「隣が智秋さんだからそう見えるんですよ!」と返す下田。すかさず若林が「それは楽屋で話しなさい!」と割って入り、作中のユニット"竜宮小町"さながらのチームワークをみせる。劇場版の亜美と真美については「亜美真美はいたずらっこでみんなを引っ掻き回しながら周りを元気にする子たちなんです。亜美真美もいっぱい考えてるんですが、やっぱりみんなに元気になってほしい、だからそのためにいろいろやってるんだというところを見てほしいです。怖いもの知らずで世間知らずだった2人が、怖いものを知った上で乗り越えた笑顔を見せるようになったと思います」と語った。下田は前夜の最速上映に集まるプロデューサー(ファン)たちの様子をニコニコ生放送で見ていたとのことで、「たくさんのプロデューサーさんが足を運んでくれているのを見て涙が止まりませんでした。私たちを夢のステージへ連れてきてくれてありがとうございました」と語っていた。
●釘宮理恵(水瀬伊織役)
前夜の上映直前ニコニコ生放送で行われた声優生電話コーナーでは、「ドキドキしながら待っていたら、電話かかってきませんでした!」という釘宮。気に入っているシーンを聞かれると、「あずささんがりっちゃんに花を飾るところではーっとなりました。あと、屋上のりっちゃんがかわいすぎてはーって。みんなの表情がいきいきと描かれていて、映画全体が素晴らしかったです!」と、感動やかわいさでため息が出る独特の表現で伝えていた。劇場版の伊織について「伊織は元々我が道を行くお嬢さんだったんですが、伊織もみんなと同じように一歩進んで、よりGO MY WAYな道を選んでいて、それって勇気がある生き方だと思います。自分のハートに忠実な彼女が頼もしいです。今までも伊織はツッコミ役だったんですが、シリアスな場面で、小さなおせっかいを踏み込んでバンバンする姿に、人情家だな、ハートが熱いんだなって思いました」と語ると、たかはしも「伊織はマジでいいこと言うんで!」と太鼓判を押していた。
●たかはし智秋(三浦あずさ役)
"セクシーすぎる女性声優"の面目躍如な衣装で登場したたかはしは、「自分は泣いたりしないだろうと思ってたんですが、この映画を見ていて3回ほど号泣しまして、アイラインが流れた黒い涙がボロボロ出ました」と語って笑わせると、「クイズです。あずささんが頬に手を当てているカットは何回あるでしょう?」との出題も。キャラクターについては「あずささんといえば癒しの女神。今回はムードメーカー的な一面も入ってきます。今回伊織ちゃんが本当にいい子で、将来が楽しみ! そして雪歩ちゃん! 雪歩ちゃんの台詞で泣きました! 春香もアレがアレしていい子なんです!」と自分のこと以上に周りのアイドルたちのことを熱く語っていた。映画については「人との関わり方、信頼とは何かを教えてもらえた映画でした。アイドルを通して信頼や絆を考える契機になると思います」と語り、真摯な一面をのぞかせていた。
●原由実(四条貴音役)
以前から劇場版や舞台挨拶を目標だと語ってきた原は「劇場版になったらいいなと言い続けてきたので、叶ってすごく嬉しいなって思います。こうやって舞台挨拶するのも夢だったので、このステージに連れてきてくれたプロデューサーさんにすごく感謝しています」と感激の面持ちだ。作中に登場する『ミリオンライブ!』のキャラクターについて、「私もダンスが不器用なので、見ていてうるうるしちゃうところがたくさんありました。私自身も後輩ができて、貴音さんのしっかりした姿に学ばなければいけないなと思いました」と語っていた。貴音の変化と見どころについては、「貴音さんはさらにしっかりしたと思いました。出会ったころの貴音さんは結構泣いているシーンがあったのですが、ここまで成長したのは仲間やプロデューサーさんのおかげだと思います。なかなか見られない美希や響の新鮮な髪型に注目してほしいです」と語っていた。
●沼倉愛美(我那覇響役)
「はいさーい!」と元気に挨拶した沼倉は、「本当に始まってからエンディングが終わるまで、こういう作品だからこそ、アイマスは今まで皆さんに愛される作品になったんじゃないかな……というものがぎゅーっとつまった映画だと思います。全国の応援してきてくれた、これから応援してくれるプロデューサーさんと一緒に作り上げたものだと思います。皆さん、本当にありがとうございます! これからも頑張ろうと、ほんとにほんとに思いました!」と語った。響については、「劇場版の響は自分という存在より、765プロの一人としての意識が強くなったのかなと思います。765プロのみんなが家族みたいな存在になって。動物を含めた、傍にいる大切な存在の力を借りて、今の響がいるんだと思います。最初ゲームに出てきたころ、人に頼ることができなかった響がそうなったことが本当に嬉しかったです」と語っていた。作品の個人的な見どころとしては、「志保ちゃんの立ち位置や素直になれないところが、見ているうちに愛おしくなっちゃいました」と『ミリオンライブ!』の北沢志保の名前を挙げていた。
●若林直美(秋月律子役)
上映後の回、「輝きの向こう側に何か見えましたでしょうか?」と問いかけた若林は、自身は開幕すぐに涙腺が崩壊してしまったそう。劇場版ではアイドルたちをプロデュースする側の律子については、「プロデューサーさんや小鳥さんのように縁の下の力持ちになれるように演じていましたが、私はリアルにプロデューサー(=ゲームアイマスのプレイヤー)でもあるので、見ている時は皆さんと同じ気持ちです。ライブシーンではバミや立ち位置、座席の配置がどうなってるのかな? とかをアイドルを見守るプロデューサー視点で見ちゃいました」と語っていた。劇場版の見所については、「プロデューサーに徹すると決めた律子ですが、まだ10代の彼女の決意を見てください。あと、彼女がてい! ってやるシーンに注目してください。映画を見ると、開幕からとある音楽で泣くと思います。765プロの事務所にあるホワイトボードの内容を気にしだすときりがないので、そちらはBDでチェックしてくださいね。あとは私はついつい伊織の表情ばかりずっと見ちゃったので、皆さんはちゃんと流れを追ってください。そして、ハンカチを忘れずに!」と、若林らしく諸注意や宣伝をまじえて語っていた。
●滝田樹里(音無小鳥役)
「小鳥さんは信頼の妄想と暴走と逃走で、みんなの期待を裏切らない結果だと思います!」と、アイマスではおなじみの小鳥妄想コーナーを熱くアピールした滝田。「みんなを見守りつつ、これからもいろんな目標に向けて頑張っていきたいと思います」と意気込みを語っていた。アイドルを見守る事務員小鳥の目から見た劇場版については、「主題歌の『M@STERPIECE』が流れたところでは涙でぐしゃぐしゃでした。後半の春香ちゃんの表情が注目ポイントです」と語っていた。午前の部では隣の赤羽根に「あれ、挨拶にオチをつけるんじゃなかったの?」と事前にオチをつけると宣言していたのがテンパってできなかったことを暴露されたり、本編上映前の午後の部ではネタバレ回避を意識しすぎて「春香ちゃんのチョメチョメがチョメチョメなんです!」などと完全にぴよってしまい、若林にフォローされるなど、滝田劇場を展開していた。
●赤羽根健治(プロデューサー役)
TVアニメからプロデューサーとして加わった赤羽根だが、舞台挨拶ではアイドルたちと同等以上の熱い歓声で迎えられた。前夜にバルト9で行われた最速上映を訪れたことについては、「昨日ニコ生で最速上映に来て、野生Pの皆さんに出迎えて頂いて、スタッフとよかったー! と言いながら帰りました。初回を見た人たちの感想が見たくて、帰宅してからもしばらく眠れなかったです」と語った。キャラクターについては「ハリウッドに行くということで立ち位置が一歩下がった感じに変わっています。メインビジュアルの表情を見ても自信にあふれているようで、成長したなと思いました」と語っていた。作品については印象に残ったところに千早の変化や屋上のシーンでの律子のかわいさを挙げ、「僕も冒頭のシーンから泣き始める試写会でした。スタッフ、キャストさんと皆さんの愛が詰まった作品です。これから先もアイマスは続いていくと僕は思っているので、よろしくお願いします」と語っていた。赤羽根は午前の部の締めでは、全員を代表して錦織敦史監督の手紙を代読。読みながら何度か言葉を詰まらせる姿に、会場にも感動が広がっていた。
1時間×2回という異例のボリュームでも到底語りきれないほど、演者たちの想いと愛情に満ちた舞台挨拶。劇場版アニメ『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』Blu-ray&DVDは10月8日の発売だが、感動の舞台挨拶の様子をドキュメント映像で見ることができる特典DVDは、各種「完全生産限定版」に同梱される。
(C)NBGI/PROJECT iM@S
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