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 麻生太郎副総理は29日、派閥の会合のあいさつで、集団的自衛権の行使について「60年間、洗脳されている。色々な意味で逆の方向に誘導されている」と語った。60年前の1954年は自衛隊が発足した年。「集団的自衛権は保有するが行使できない」とする政府見解で、自衛隊の活動に制約がかかってきたことを指摘した発言とみられる。

 麻生氏は「自分の国は自分で守る。自分のことは自分でやる。お巡りさんも消防士も自衛隊も、いざという時のためにいるということを頭に入れておかねばならない」とも主張。

 麻生氏の発言は「歴代政権も洗脳されてきた」とも受け止められる。行使を認めない見解は、麻生首相時代も含め、歴代の自民党政権が踏襲してきた。行使容認に慎重な公明党はこの見解を支持しており、与党協議に影響を与える可能性もある。