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【愛知】天白区の相生山に準絶滅危惧種 ウメムラシタラガイ発見
殻の大きさが二ミリに満たない陸生の貝類で、環境省の凖絶滅危惧種に指定されている「ウメムラシタラガイ」が名古屋市天白区の相生山緑地にいることが確認された。専門家によると、名古屋での生息例は極めて少なく貴重。二十四日に市民がヒメボタルの餌とされる陸貝を探そうと開いたイベントで発見した。 ウメムラシタラガイが見つかったのは、緑地北側の樹林地の斜面。イベントに参加した親子たちが採取したさまざまな陸貝を、指南役を務めた愛知みずほ大講師の川瀬基弘さん(39)が持ち帰って確認したところ、三匹がいた。 二〇一二年になごや生物多様性センター(天白区)などが相生山を含む市内三十三カ所で行った陸貝調査では、ウメムラシタラガイは見つからなかった。 貝類の研究が専門の川瀬さんは「県内の他地域ではまれに見つかるが、名古屋市内で生きているのは初めて見た。相生山の生態系が豊かな証拠」。来年、改訂版が発行される市の貴重な生物を記した「レッドデータブック」で、川瀬さんが編集を担当する貝類の項目に、相生山に生息する凖絶滅危惧種として追加する予定だ。
イベントは市民らでつくる「相生山でESD実行委員会」が企画し、百八十人が参加。夜間にホタルがよく見られる緑地内の四カ所の土を調べ、計十五種類の陸貝を確認した。同じく凖絶滅危惧種のヒメカサキビは全地点で見つかった。 相生山では、緑地を横断する市道弥富相生山線の建設の是非が問題になっている。川瀬さんは「道路ができた周辺では、乾燥に弱い陸貝は激減するだろう」と話す。今回ウメムラシタラガイが見つかった場所は道路の予定地からは、やや離れている。 詳しい分析結果は、七月二十日午前九時から地元の相生小学校で開く「愛知サマーセミナー」で報告する予定。問い合わせは、実行委員会の古川さん=電052(821)6463=へ。 (木下大資) PR情報
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