集団的自衛権:首相が必要性改めて強調 集中審議
毎日新聞 2014年05月28日 12時19分(最終更新 05月28日 14時14分)
衆院予算委員会は28日午前、集団的自衛権などをテーマにした集中審議を行った。安倍晋三首相は「切れ目のない防衛体制を整えて抑止力を高め、国民の生命と財産を守る」と述べ、集団的自衛権の行使容認を検討する必要性をあらためて強調。行使できないとする従来の政府の憲法解釈の変更を目指す姿勢を重ねて示した。【青木純、飼手勇介】
15日に首相が集団的自衛権行使容認に向けた検討の開始を正式表明してから、初の国会審議となる。首相は憲法解釈変更の閣議決定を目指す理由について「憲法が集団的自衛権の全てを認めていないのか、それで国民の命を守り抜くことができるのか、検討すべきだと判断した」と説明した。
首相は15日の会見でイラストを使って説明した「周辺有事の際に避難する在外邦人を輸送する米艦の防護」について、「個別的自衛権には入らない」と現行の憲法解釈では対応できないと主張。さらに「避難計画は米軍とともに立てる。日本人が乗っていないから(自衛隊による防護は)駄目だということはあり得ない」と述べ、邦人が乗っていない場合も含めて行使容認が必要になると説明した。
行使容認した場合については「法律によってある種の歯止めがかかる」と説明。「実際に武力行使を行うか否かは高度な政治的決断であり、時の内閣が総合的に判断し、慎重に決断する」と述べた。そのうえで「行使は義務ではない。日本が戦争に巻き込まれるという議論があるが、そういうことはない」と語った。
自衛権の発動を「わが国への急迫不正の侵害がある」場合などに限るとしている3要件については、「わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるという限定的な場合に、集団的自衛権の行使が許されるという考え方について研究を指示した」と述べ、見直しに含みを残した。また、国連安全保障理事会の決議に基づく多国籍軍の活動に関して「自衛隊が幅広く貢献できるようにする法整備が必要」と指摘。他国による武力行使と一体化するような活動はできないとする方針は維持するとしたうえで、「何が一体化なのかは検討課題」と述べ、自衛隊の活動拡大を目指す考えを示した。
このほか、東シナ海上空での自衛隊機と中国軍戦闘機の異常接近について「偶発的事故になりかねない、危険極まりない行為だ」と批判した。
自民党の中谷元氏、公明党の遠山清彦氏、民主党の岡田克也氏への答弁。