ミュジカミリオン/アーリー・ミュージック・プロジェクト ホーム>必ずお読みください>バグパイプ、ハーディ・ガーディ、ライアについて |
ここでは当方へのお問い合わせが非常に多いにもかかわらず、レギュラー商品に含まれていない楽器について説明させていただきます。 |
バグパイプについて 当方ではバグパイプ類の取り扱いは原則としてすべて中止させていただいております。主な理由は以下の通りです。 1. 基本的にすべて不安定な不良品 2. 種類が多すぎる 3. 品質の良い物は入手が困難 4. 品質のチェックが不可能 5. アドバイス不可能 6. 指導者が居ない これらの問題点をすべてご承知のうえで「それでも欲しい」という場合のみ、当方にご相談ください。 テレビ番組などでタレントさんがバグパイプを吹くという企画が過去に複数あり、実際に放送もされましたが、それらはすべて優秀な専門家が2週間以上「つきっきり」で特別に指導したものです。リードの調節等々、メンテナンスはすべて専門家が行なっています。そのような専門家の絶大な協力が無ければ、いずれの企画も失敗していたことは明白です。 【情報サイト】 中世・ルネサンス・スタイルのバグパイプに関しては、下記のサイトをご参照ください。 アイルランドのイーリアン・パイプスに関しては、下記のサイトを参照してください。 海外でも活躍しているスコティッシュ・ハイランドの東京パイプバンドの情報はこちらです。 |
この楽器も人気があり、お問い合わせも多いのですが、扱いにくさはバグパイプの類と同様で、とてもお勧めできる楽器ではありません。 【メンテナンス地獄】 そもそも複数の弦を木製のホイールでこすって音を出すというところに無理があります。ヴァイオリンなどの擦弦楽器の微妙な弓のタッチを機械的に一定にしてしまって、きれいな音が出せるわけがありません。それでもCDなどで聴くハーディ・ガーディの音はきれいだったりするのですが、これはその奏者のメンテナンスの技量が高いからなのです。具体的にはホイールと接触している弦の部分に綿を巻いたり、ホイールに適度に松ヤニを塗ったり、ブリッジで弦の高さを微妙に調節したりします。これだけでもかなりの経験とコツが必要です。 【音がデカイ!!】 ハーディ・ガーディの音はかなり大きいものです。他の古楽器やトラッド系の楽器と比べても例外的に大きく、充分、近所迷惑になります。しかも調整不良の音は非常に聞きづらいものです。調整できるようになるまで、演奏できるようになるまでも大変ですが、それ以後も練習場所は選びます。 【シンフォニー】 一般的に言って、シンプルなシンフォニーは本格的なハーディ・ガーディよりも格段に扱いやすいものです。これは弦の数が少なく、鍵盤の数が少なく、音がやや小さく、大きさも小さいためです。それぞれのファクターが増してくると、足し算ではなく、かけ算的に複雑になってくるわけですから、この差はかなり大きいと思って間違いありません。安いというのもメリットです。挫折しても経済的・精神的なダメージが小さくて済むわけです。但し、シンフォニーは中世の楽器ですからほとんどはダイアトニックな音階の限られた音域しかなく、最初からトラッドやバロックなどの演奏が目的の人にはお勧めできません。 【テクニック】 ハーディ・ガーディの演奏を見ていると、実に簡単そうに見えるかもしれません。事実、古楽系の演奏家の多くは基本的なテクニックだけでごく単純に演奏しています。しかし、実際には非常に奥の深い楽器なのです。最も厄介なのは「トロムペッテ」によるリズムのアクセントの付け方です。トラッド系のCDを聴いていると「ギ、ギ、ギギ、ギー、ギー」などの細かい付加音によるアクセントを耳にすることがありますが、これはトロムペッテの微妙な調整をしたうえで、右手のハンドルの回し方で出しているのです。左手で普通にメロディを演奏している最中に、右手で異なるリズムのアクセントを出していたりするのです。シンフォニーにはこの厄介なトロムペッテはありません。 【参考図書】 ハーディ・ガーディやシンフォニーの演奏を始める場合には、以下の2冊の本は必読です。 Method for the Hurdy Gurdy / D. Muskett The Hurdy-Gurdy - adjustment & maintenance 【パイオニア?】 もしもあなたの努力が実って、ハーディ・ガーディが弾けるようになったら、それはけっこう「事件」かもしれません。我が国におけるその道での第一人者の仲間入りをしてしまうわけです。それを目標に頑張ることもできるでしょう。 現実的なところでシンフォニーで挑戦するというのも賢い選択かもしれません。ハーディ・ガーディを不器用に扱っているよりも、シンフォニーを優雅に演奏している方が印象はずっと良いはずです。 【情報サイト】 ハーディ・ガーディに関しては是非下記のサイトも参考にしてください。 |
結論から言ってしまうと、当方では現在のところライア(リラ)は取り扱っておりませんし、取り扱う予定もありません。また、ライアは特定の楽器を指す名前ではありません。当方にお問い合わせをされる方は多いのですが、すべての方がそれぞれに異なったライアを探しておられるようです。当方でもこの世にライアという楽器が何十種類あるのかわかりません。百以上かもしれません。 ハッキリ言ってライアをお探しの方の中には勉強不足の方が非常に多いようです。ご自分でお探しのものがどんな楽器なのか、どんな音楽を演奏されるのか、具体的なアイデアをお持ちの方はほとんどいらっしゃいませんでした。 ライアの歴史については楽器史の本を参考にしてください。ハープの歴史の本にライアについての記述を見つけることも多いのですが、ハープとライアは根本的に異なる別の楽器です。また、当方には現代のライア(モダン・ライア)についての資料はありません。 某映画の主題歌の伴奏で有名になったライアは、ドイツの「シュタイナー」という教育機関が独自に開発・設計して製造しているもので、他の歴史上のライアとはまったく異なる特別な楽器です。当方を含め、一般の楽器店では入手できません。 |